どいつもこいつもお肉にされます フロンティア

フロンティア

国外逃亡しようとしていてひどい目に遭う話

制作年 2007年
制作国 フランス/スイス
監督 ザヴィエ・ジャン
脚本 ザヴィエ・ジャン
上映時間 108分
出演
カリーナ・テスタ
サミュエル・ル・ビアン
オレルアン・ウィイク

だいたいのあらすじ

フランスの大統領選を巡り、パリでは暴動が多発していました。
妊娠3ヶ月のヤスミン(カリーナ・テス)はそんな国に嫌気がさし、子供には自由で平等な暮らしをさせたいと願っていました。

5人の若者が銀行強盗を働き警官隊との銃撃戦の際、ヤスミンの兄サミは撃たれて負傷してしまいます。
ヤスミンはサミに手を貸し、廃工場に隠れて仲間を待ちます。
残りの仲間のアレックス(オレルアン・ウィイク)、ファリッド、トムも合流します。
アレックスはヤスミンの恋人でしたが、中絶を勧めたのが原因で別れています。
画面ブレブレで見辛いことこの上無しです。
逃走シーンではアレックスの異常性が良くわかります。

サミが重症なので、アレックスとヤスミンで病院へ運び、残り2人は国境で合流することになりました。
彼等は12万5千フランの現金を手にしており、お金はトム達が預かり、後で分けることにします。

ヤスミンはサミを病院へ運びますが、通報されて警官が来てしまったのでアレックスと逃走します。
サミは病院の担架の上で息を引き取ります。
2人は国境へ向けて車を走らせます。

トムとファリッドは看板で目についた宿屋で休むことにし、2人は現金のバッグを持って宿屋へ入ります。
受付にはスレた金髪の女性と陰気な黒髪の女性がいました。
そこにゲッツ(サミュエル・ル・ビアン)というマッチョな男性が現れ、女達に客をもてなせと言い、奥へ消えます。
女達は金髪がジルベルトで黒髪がクローディアという名でした。

トム達は女性2人と暴力的な性行為を楽しんだ後、食事に招待されます。
ファリッドが豚肉が食えないというとゲッツは「ユダヤか?」と顔色を変えます。
ファリッドはアラブだと答えました。

ゲッツ達は動けない祖母を押さえつけ、口を開けさせると罵りながら無理矢理食事を流し込んでいます。
その様子を見てトム達は食欲が無くなり席を立ちます。
トムは去り際に2人の女性を娼婦だと罵り、ゲッツ達の顔色が変わります。

部屋に戻ったトムはヤスミンからの電話でサミの死を知ります。
現在位置はメールで知らせることにしました。

2人の部屋に軍服風の服を来た男が現れ、俺の妹を娼婦扱いしたと絡んできます。
トムが弁解していると男は銃を突き付け、現金を奪おうとします。
隙を見て銃を払い階下へと逃げますが、ゲッツに捕まりトムは嫌というほど鉄パイプで殴られた後、銃で指を飛ばされます。
ファリッドが男をハサミで何度も刺し、2人は車で逃走します。
2人はゲッツに追われ、車ごと谷に落とされてしまいました。

トム達は何とか生きており、古い坑道を見付けて潜り込みました。

ゲッツ達一家は手慣れており、宿で人を襲っては生計を立てているようです。
先ほどの軍服風の男はカールという名でした。ジルベルト達女性同士は不仲のようです。

アレックスとヤスミンは宿に辿り付くと、トム達のことを尋ねます。
ジルベルトはこの先の宿にいると言い、クローディアと共に2人を案内します。

トム達はディセントと完全に一致する展開で坑道を進みますが、抜け出した先でトムが頭を割られます。
どうやら穴の先に肉屋のようなデブ男がいて、そいつが刃物で割ったようです。
デブ男は穴に手を伸ばしてファリッドも捕らえようとしますが、ファリッドは後ずさりして逃れました。
ファリッドが穴から戻り、カメラの暗視モードで確認すると、何かが四つん這いでこちらに這ってきます。
ファリッドはカメラを取り落としました。

アレックス達が案内されて到着したのは城塞のような所でした。
ジルベルトは前世紀の鉱山跡だと言い、周囲には打ち捨てられた車両が散見されます。
宿に入った2人はテーブルに案内され、そこには小柄な若い女性もいました。
その部屋は壁に猟銃が飾られ、医学書らしきものが本棚に並び、ナチスの写真が複数飾られていました。
アレックスは外にあるトイレを借りに離席します。
ヤスミンの前には皆に恐れられるパパと言われる軍服を着た老人が姿を現しました。

トイレのあまりの汚さに閉口したアレックスでしたが、奥を探ってみると先ほどトムを襲ったデブ男が何かしています。
気になった彼が更に探ると、肉用のフックで逆さ吊りにされたトムを発見します。
驚くことにトムはまだ生きており、アレックスに逃げろと呟きます。
アレックスはフックを外してやろうとしますが、フックは両足にしっかり刺さっており抜けません。
アレックスは仕方なくトムを置いて逃げ、ヤスミンも連れだそうとします。
彼は一家に銃を突き付けて脅し、逃走しようとしますが、カールが現れて撃たれます。
トムは気の毒だとは思いますが、クズなので今一つ同情できません。

デブも現れ、パパはデブに倒れているアレックス達の脂肪を抜けと命じます。
パパはカールにヤスミンは純血種ではないが、一族の血を絶やさないために性交しろと命じます。
アレックスとヤスミンは鎖の付いた鉄の首輪を付けられて引き摺られて行きました。

デブ男は2人を引き摺る道すがら、トムの血抜きをしろと小柄な女性に指示します。
女性はトムの喉を包丁で切り裂き、止めを刺しました。

ヤスミン達2人は豚小屋の中の檻に鎖で繋がれてしまい、扉はしっかり施錠されます。

その頃、ファリッドは這い這い集団からは逃れたらしく小部屋に迷い込んでいました。
そこには遺体が沢山ぶら下げられており、まだ生きている女性もいました。

カールはクローディアに背中の傷を縫わせながら、子供たちを保管庫に入れただろうとデブ男ハンスを叱りつけます。
カールはハンスと2人で銃を手に坑道へ向かいます。
ファリッドは彼等と鉢合わせしてしまい、発砲され物陰に隠れます。
ファリッドは背後からハンマーでカールを殴り倒しますが、ハンスが現れて発砲したので逃げ出しました。

彼はロッカーのようなものを発見して中に隠れます。
しかしそこはスチームオーブンの中でハンスに気付かれたファリッドは蒸された後、射殺されました。
オーブンだけで死ぬと思います。

ヤスミンはアレックスと一緒に力任せにヤスミンの鎖を引っ張ると、老朽化していたのか鎖が切れます。
アレックスの鎖はどうしても切れなかったので、ヤスミンはここから脱出して助けを呼ぶことにします。
彼女は檻の下の泥を一所懸命に掘り出し、何とか通れるようになったので、潜って脱出します。
潜る前にキスしたりしてました。そんなことしてる場合じゃないと思います。
しかもアレックスは大声で逃げろと言うのですが、一家に聞こえてしまうと思います。

パパと娘たちは豚小屋を見てヤスミンが逃走したことを知ります。
アレックスは悪態を吐き、パパの逆鱗に触れます。
パパは楽しそうにアレックスのアキレス腱をチェーンカッターで切断しました。
小柄な女性は怯えて涙を流していました。

街道逃げるヤスミンでしたが、面識の無いゲッツの車に助けを求めてしまい、連れ戻されてしまいました。
これは仕方ないと思いますが、廃坑に向かう車は怪しいですよね。

ヤスミンはアレックスと豚小屋で再会したのもつかの間、アレックスは頭部を撃たれて射殺されます。
一家の娘たちは泥だらけのヤスミンをホースで洗っている最中に彼女が妊娠していることに気付きます。

ヤスミンが気が付くと上半身裸でベッドに鎖で繋がれていました。
そこに小柄な女性が入って来て「私達と家族になるの」と言われます。
彼女もヤスミン同様に外から誘拐されてきたようで、ハンスの相手をさせられています。
そのうち両親が迎えに来ると騙されているのでここから逃げないのでした。
また彼女はハンスとの間に奇形児を何人か産んでおり、殺せと命令されたため坑道に隠したようです。
ファリッドが見た這い這い軍団はこれですね。

ヤスミンはパパが黒髪を嫌という理由でベリーショートにカットされてしまいました。
彼女はその後、殺人一家のキチガイ晩餐会に出席させられます。
パパはその席でカールに家督を譲り、ヤスミンを与えることを宣言します。
この爺は人を殺害しまくって生計立ててるだけなのになんでこんなに偉そうなのかムカムカします。

この一家は財産を奪うだけではなく、殺した相手の肉を食らっており、食人一家でした。
ヤスミンは腹の子を産み、一家の純血を継承しろとパパに命令されます。
彼女は絶対にイヤだと強く反抗し、パパとカールの怒りを買います。
パパはカールにヤスミンとキスをするように命じ、彼女は無理矢理キスをされました。
しかしこの一家はこれだけ沢山殺していて良く捕まらないものだと感心します。

感想

この映画はまあまあ面白いです。どこかで見たような映画です。
殆どが既存の映画の使いまわしで目新しいものはないですが、ヤスミンの演技が凄いです。
前半は非常に退屈ですが、我慢してみると中盤位から多少面白くなってきます。
とにかくアクションよりになると画面がグラグラしていて凄く見辛い映画です。

登場人物に全く賛同できないという作品ですので、眺めているだけになります。
ヤスミンはギャーギャー言うだけの女性ですし、アレックスは凶暴なチンピラです。
それがさらに異常な一家に襲われたところで、こちらとしては勝手にやってくれという気分になってしまいます。
従って制作側がスリリングな展開を用意してもラスト近辺までは全く乗れずに置いてけぼりになってしまいます。
しかしグロは頑張っているので、痛さは凄いものがあり、この映画はそこが中盤までの見どころになっています。
後は殺人一家がどうなるのか期待して見守る映画だと思われ、その絡みでこちらの心情も変わったりします。
後半からラスト付近までは引き込まれていきます。

選挙戦の暴動や人種差別なども盛り込まれていますが、映画の内容とは無関係に思えます。
冒頭でヤスミンが語った「自由」に関しても人や周りに迷惑をかけて「自由」などと言われても頭が痛いです。

そういうわけで私はお話に関してはあまり面白くないと思ってますが、演出などはうまいと思います。
おおっとと言うシーンもありましたし、構図もきれいだと感じましたので、この監督さんは才能があるのかもしれないなあと思いました。
ちょっとシーンを切り替え過ぎな印象は受けましたが。

無駄なことを考えなければ良いスプラッター作品だと思いますので見てみても損は無いと思います。
特にラスト近辺は素直に面白いかと思います。

私はこの映画は普通です。面白くなるまでが長すぎると思っています。

ラストまで(ネタバレ)

ヤスミンはあまりの一家に異常ぶりに爆発してしまいます。
テーブルのナイフを手に取ると、パパの首に突き付け、ドアを開けるように言います。
パパは自分の命惜しさに家族に銃を捨てるように命じますが、ハンスが発砲してしまい、パパは死亡します。
ハンスはカールに撃たれてしまいました。
爺が急にしぼんだので嬉しくなってしまいました。

一家が我に返り、ヤスミンに銃弾を浴びせますが、彼女は銃弾をかいくぐり部屋から脱出します。
ヤスミンは家から飛び出し、エレベータに乗り坑道へ降りて行きました。
カールとゲッツも彼女の後を追いかけます。

ヤスミンは遺体の保管庫に隠れますが、そこには子供たちがおり、ゲッツも入ってきました。
ゲッツは早く出て来いと怒鳴り、斧を手にそこらの遺体を殴りつけて周ります。
彼はどんどんヤスミンに近づいて来てこのままでは捕まるのは時間の問題です。
この子供たちも人肉食べてます。

ヤスミンは一か八か背後からゲッツに飛び掛かり倒しますが、マッチョな男には勝てず押しのけられます。
ゲッツはヤスミンの首を片手で締め付け、グーで顔面を殴りつけます。
更に目を回し口から血を吐くヤスミンを台に叩きつけ、倒れた所で顔面を思い切り蹴り上げます。

グロッキーのヤスミンをよそにゲッツは肉処理用の大きな電ノコのスイッチを入れます。
ヤスミンはフラフラになりながらもその隙に斧を拾いに這っていきます。
彼女が斧を持っていると気付いていないゲッツは「俺がボスなんだよ」と威張り散らしながら近づいていきます。
ヤスミンはブチ切れて斧をゲッツの足に力一杯叩きつけ、斧を振り回して電ノコの上にゲッツを仰向けに倒します。
電ノコは彼の背中を胸部まで貫通し、ゲッツは死亡します。
ヤスミンの顔とドレスは返り血でキャリー真っ青に赤く染まるのでした。
ゲッツのこのくだりはありえないと思い、コントのようでした。
ちょっとスッキリしてきたので、全員退治して欲しいものです。

ヤスミンはフラフラになり、カクカクしたロボットダンスのような動きをしながらも本能で逃げようと動き出します。

カールが遺体保管庫に入ってくると子供達がゲッツの遺体に群がって食べています。
彼が壁のボタンを押すと、なんとスパイ映画に良く出てくるブーッブーッという非常ブザーが坑内に鳴り響きました。

ヤスミンはカクカクが治まり、今度はオロオロとしながら鶴嘴を拾ってエレベーターに乗り込みます。
しかし、カールも銃を手に乗り込んで来てしまい、地上へ連れ戻されます。
カールは移動中に銃床でヤスミンを殴りつけ、倒れたところを蹴りつけます。
エレベーターは地上に着き、ヤスミンは顔を踏みつけられ銃で撃たれそうになりますが、カールの頭が吹き飛びます。
ヤスミン白目剥いてます。

あの小柄な女性がカールの頭を散弾銃で撃ったようで、どうやらハンスの敵討ちをしたようです。
ヤスミンは彼女に一緒に逃げようと言いますが、子供がいるからと断られます。
小柄な女性は後はなんとかするから逃げなさいとヤスミンの尻を叩きます。
ヤスミン運だけで渡ってますね。ドラクエの遊び人みたいですね。

ヤスミンはとんずらしようと車に乗り込むのですが、キーがありません。
周囲の小屋を探していると塩漬けにされたアレックスの遺体が寝かされていました。
悲しいBGMが流れるのですが、そういうシーンではないと思います。

彼女はアレックスの衣服を漁り、キーを発見すると散弾銃で武装します。
どうやらヤスミンのコマンドが「にげる→たたかう」になったようで、完全に目が座った彼女はジルベルト達を探します。

小屋を出たヤスミンとジルベルト達は同時に相手の姿を確認して銃撃戦になります。
しかしジルベルト達はさすがに戦闘慣れしており、ヤスミンは小屋に追い詰められます。
小屋の奥に潜むヤスミンをいぶりだそうとジルベルトは小銃を乱射し、クローディアはショットガンをぶっぱなします。
ジルベルトがリロードしている間にクローディアが援護するという統率の取れた動きにヤスミンは圧倒されます。

ヤスミンには小屋の備品の破壊された破片が滅茶苦茶に降り注ぎかなりの劣勢を強いられます。
その時、小柄な女性が「やめてー!」と言いながら飛び込んできたので、ジルベルト達は一瞬手を緩めます。
ヤスミンはその瞬間を見逃さず、連中の背後にあったプロパンガスに発砲しました。
小屋は大爆発しました。
これ空耳で本当に「やめてー!」って聞こえます。言語って面白いですね。ゲイボーイ山田とか思い出しました。
なまえ:ヤスミン ちから;12 ぼうぎょ:10 すばやさ:15 うん:159
なんかヤスミンってライアンの仲間のホイミスライムみたいな名前ですね。

外は雨が降り出しました。

小屋の陰に隠れていたヤスミンは無事でしたが、また動きがカクカクになってしまいました。
彼女はカクカクとしながら、ガラスが首に刺さりピクピクしているクローディアを横目で見ながら通り過ぎます。
車に向かうヤスミンにフラフラの小柄女性が「終わった?」と問いかけ、ヤスミンはコクコク頷きます。

しかしどうやら無事だったジルベルトが現れ、小柄女性を殴り倒し、ヤスミンに小銃を突き付けます。
ジルベルトは物凄いゴリラ顔でヤスミンを跪かせます。
ヤスミンは根性でゴリラに飛び掛かり、組み敷くと首筋を噛み切って倒します。
彼女は降りしきる雨の中でマウントを取りながら雄たけびとも嘆きとも取れる叫び声を上げます。

ヤスミンが顔を雨に打たせてプルプルしていると顔の血があっと言う間にキレイに流れます。
全てを終わらせたヤスミンは小柄女性の手を取り、連れて行こうとしますが、頑なに拒絶されたので諦めます。

ヤスミンは泣きながら車を走らせ、お腹の子に触ります。
雷は光っていますが、雨は上がりました。ラジオでは暴動が無事に鎮圧されたことを放送しています。
車窓に美しい田園風景が広がる中、ヤスミンはハンドルを握りながら何度も何度も叫ぶのでした。

ヤスミンの行く手には警察が検問を張っており、彼女は車を降りると両手を上げて投降しました。

エンドロールで終了です。

最後もカクカクしてました。スッキリしていいエンドだと思います。小柄女性たちも逮捕ですね。きっと。
ラスト付近のヤスミンの演技は凄いと思いました。
前半は正直、つまらなかったんですが、こんなに面白くなるとは思いませんでした。

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