記憶を失うと不便です オールドボーイ

オールドボーイ

監禁されてひどい目に遭ったので復讐しようとする話

制作年 2003年
制作国 韓国
監督 パク・チャヌク
脚本 ワン・ジョユン/イム・ジュンヒュン/パク・チャヌク
原作 土屋ガロン/嶺岸信明
上映時間 120分
出演
チェ・ミンシク
カン・ヘジョン
ユ・ジテ

だいたいのあらすじ

素行の悪いサラリーマンだったオ・デス(チェ・ミンシク)はお酒を呑んで暴れて警察の厄介になっていました。
その日は娘のヨニの誕生日でしたが、家に電話している最中に失踪してしまいました。
素行が悪そうなので、人に恨まれる理由は沢山ありそうな感じです。

オが拉致監禁されてから2ヶ月が経過し、相手の目的も理由も全く分かりません。
部屋は殺風景で娯楽はTVしか無く、トイレと風呂は完備しており食事は与えられます。
寝る時間になると睡眠ガスが流れて眠りに着き、その間に散髪や着替え、部屋の掃除が行われます。

ある日、オの妻が殺害されたというニュースが流れ、現場に残されていたコップの指紋からオが指名手配されます。
それはこの監禁場所でオがいつも使用しているコップで、アルバムなどが盗まれていたということです。
妻を惨殺された上、罪を着せられたオは発狂します。

オは自殺未遂を計りますが、速やかに救命されてしまいました。
彼はそれから今までの人生で迷惑をかけた人のことを思い出してノートに記すことにします。
金属の箸が誤って3本入っていた日を境に彼は身体を鍛えることにし、心の中で復讐を誓います。
オはこっそりと箸で壁に穴を掘り、1年経つ毎に自分の身体にインクを使って線の入れ墨を入れました。

14年が経過し、壁にもいよいよ穴が開いたので1ヶ月でここを出ようとオは決めました。
その晩、催眠術をかけられたオは気が付くとトランク詰めにされてビルの屋上に転がっていました。

オが最初に出会ったのは自殺志願者でしたが、久々に人と触れ合ったので感極まって泣いてしまいます。
誰かに自分のことを聞いて欲しいと思ったオはその男に今までのことを放します。
オが解放されたのは拉致された現場のようで、今はマンションが建っていました。
さっきの人は飛び降りちゃいました。

オは家も無く、指名手配されているので知人にも連絡できず、どうするか考えます。
彼は街の悪ガキともめ事を起こしますが、鍛えていたオは意外に強く、悪ガキを一掃します。

オはその後、誰かに雇われたホームレスから携帯電話と財布を渡されました。
彼は早速、寿司屋に入って食事していると電話が架かってきます。
相手は男で「オ・デス学」の学者だとふざけた事と早く会いたいと言いました。
その後、生ダコをガブガブ食べたオは店で気絶して女流板前のミド(カン・ヘジョン)に助けられます。
この辺の展開はちょっと無理があると思います。

ミドってどれみふぁどーなっつにそんなのいましたね。

オが気が付くとミドの家で寝ていました。
ミドは勝手にオのノートを読んでおり、彼に興味を示します。
女性に飢えていたオは早速、ミドをレイプしようとしますが、包丁で殴られて撃退されます。
ミドはそんなに怒らず、そのうちさせてあげるからと言います。
彼女はオに協力してくれるようです。
なんだか殿方の希望が詰まっているようなフェミニストの人が見たら怒りそうな映画です。
でもなかなかユーモラスで演出も面白いと思います。

オはひとまず娘のヨニの行方を追うことにします。
ミドが新聞記者に成りすまして、ヨニの情報を聞き出してくれました。
ヨニは留学していたようで、ストックホルムに住んでいるようです。また妻の墓の場所も判明しました。
オは監禁した相手を殺したら、娘に会いに行き、墓参りをしようと心に誓うのでした。
ミドは仕事大丈夫なんでしょうか?この子は可愛いですね。

オは監禁場所で良く食べていた餃子定食を手掛かりにしようと餃子の食べ歩きを始めます。
店の名前は「青龍」だったのでそれを手掛かりに餃子を食べまくります。

ミドがビデオチャットをしているとオの存在を知っているような人物がいました。
彼女は相手のことは知りませんでしたが、オはミドのことが信じられなくなり、家を出て行きます。
ミドはオが電話帳を破いていたことに気付き、居所を割り当てます。
オはとうとう餃子の店を突き止め、出前の男性の跡を尾けて監禁場所を特定します。

オはハンマーを手に監禁場所に侵入すると見張りの男を撲殺します。
そして監視部屋にいた監禁ビジネスを行っていた男の歯を一本一本抜いて拷問します。
男は相手の顔を見ていませんでしたが、会話の内容を録音したテープがありました。
オはテープを持ち帰ります。

異常に気付いた彼の部下が大勢で駆けつけ、オはハンマー一本で男達と格闘になります。
多勢に無勢で背中を刺された上にタコ殴りにされるオでしたが、ガッツで相手を倒しまくります。

何とかビルから脱出し、血まみれで満身創痍のオは街の人に奇異の目で見られます。
道端に倒れこんでいると通行人に助けられ、タクシーに乗せてくれてなぜか行き先も指示してくれました。
彼は敵の一味のようで、送り際に「あばよオ・デス」と言うのでした。
しかしオにはもう彼を追う体力が無く、出血もひどかったので気絶してしまいました。

オが気付くとまたしてもミドの家で彼女が手当てをしてくれたようで、あの男が告げたのはミドの住所だったようです。
ミドは疲れたのか無防備にグースカ寝ていたので、オはその間にテープを再生します。
テープではオを15年監禁してくれと男性が監禁業者に頼んでいました。
また、ジュファンという知り合いのインターネットカフェのことも知っていたようです。
その様子を隠しカメラらしき物が撮影していました。

オはジュファンの店を訪れテープを聞かせて、聞き覚えが無いか質問します。
彼は覚えは無いようでオに妻を寝取られた男から復讐されたのでは?と言います。
ミドの事をネットで調べていたオとジュファンは彼女のチャット相手が敵に操られていることに気付きます。
敵のキーワードは「エバーグリーン」でした。

オはミドを疑い、彼女の家に戻ると、ミドを縛り上げて正体を吐けと責めます。
その時、ジュファンから電話があり、チャット相手のIDから住所を割り出したと連絡を受けます。

そこはミドのマンションの向かいの建物の一室で、彼はそこでタクシーで送ってくれた男に再会します。
またミドのチャット相手の男もいました。
タクシー男(ユ・ジテ)が主犯のようで、彼は自分の正体を当ててみろと言います。
謎の男はお前の女は全員殺してやると挑発し、怒り狂ったオは謎の男に掴みかかります。

オは男を拷問して監禁した理由を聞き出そうとしますが、男はリモコンで停止できるペースメーカーを心臓に入れていました。
拷問を受ければ即座にボタンを押すようで、オは監禁理由を知るか男を殺すか悩むことになります。
謎の男は後、7月5日までの5日間で自分の正体が分からなければ、お前もミドも殺し、分かったら俺が死んでやると持ち掛けます。

オはミドの家に鍵を掛けずに出てきたので、謎の男に知らせを受けた監禁屋の男達がミドを襲っていました。
彼は急いでミドの部屋に戻りますが、ミドは胸も露わに縛られていました。
歯を折られた復讐に燃える監禁屋はオを部下に捕らえさせるとオの歯をへし折ろうとします。
サービスあります。

謎の男はなぜか金を送り、監禁屋を帰るように指示し、監禁屋は腹いせにオをバットで殴ってから引き揚げます。
オは男の去り際に「お前の手を切り落としてやる!」と叫びます。
謎の男は凄い富豪のようです。

オはレンタカーを借りてミドに謎の男に言われたことを告げ、ミドは仕事を辞めてオに同行し、その晩2人は結ばれました。
ミドはオのことを愛し始めており、オもミドに魅かれるようになります。

謎の男はどうやらわざと2人を出会うように仕向けていたようで、心臓が弱いのでもう長くないようです。
彼はオ達が泊ったモーテルの一室に催眠ガスを流して眠らせるとガスマスク着用で室内に侵入し、2人の様子を見て微笑みました。

オ達が目覚めると机の上にプレゼントの箱が置いてあり、そこには切り落とされた監禁屋の手が入っていました。
盗聴されていたと気付いたオは持ち物を業者に調べてもらうと靴やら何やらから盗聴器が発見されます。

ミドがエバーグリーンについて検索していると「エバーグリーン高校」という学校に行き着きます。
そこはオとジュファンの母校でした。
2人は学校に行き、卒業名後を調べると、謎の男の写真があり「イ・ウジン」という名前でした。
また関係がありそうな「イ・スア」という女子生徒もおり、彼女は湖に謎の飛び込み自殺をしていました。
オはジュファンにイ・スアのことを電話で尋ねると彼女は大変なアバズレ女だったと悪口を言います。
ウジンはジュファンの電話をずっと聞いており、スアの悪口を聞いた時は顔色を変えていました。
ジュファンはオがイの死に関係していそうなことを言い出しますが、直後にウジンに撲殺されます。

ウジンは電話を奪い、オにスアは姉でアバズレでは無かったと力説し、ジュファンもお前のせいで死んだと言います。
そして7月2日になりました。

オは監禁屋が通っていた歯科医からカルテを盗み見て、彼の居場所を割り出します。
オ達が監禁屋を訪ねると、ウジンに手を切られた彼はオに協力してくれると言います。
ウジンはオの監禁部屋に3回現れて睡眠導入剤を飲み物に入れていたと聞き出します。
オはミドを監禁屋に7月5日まで預けると、単独行動を取ることにします。
そして7月3日になりました。

オはスアを知る女性を訪ねて話を聞きますが、スアは実際は純情な娘だったようで、誰かと付き合っていたそうです。
彼女が友人に確認した所、スアが付き合っていた人物を一番良く知っているのはオ・デスだそうです。
再現がありますが、オは小さい頃からクソ野郎だったということが分かります。

オは当時の記憶を甦られそうと学校の周辺などを歩き回ります。
そしてオは転校直前にスアとウジンが肉体関係を持っている所を目撃し、ジュファンに話したことを思い出します。
全てを思い出したオはミドの所に戻り、ウジンが自分を恨んでいる理由を語ります。
7月5日というのはスアが自殺した命日で、とうとう7月5日がやって来ました。

ウジンの居場所を憶測したオはエレベーターに乗っているとウジンと手下が現れました。

感想

これはまあまあ面白いと思います。
お話は荒唐無稽ですが、韓国映画にしては説明不足の部分は少なく、分かり易かったです。
サスペンスというよりアクションに近いのでしょうか。スリルはあまりありませんでした。
謎が解明されていく流れはまあまあ面白いとは思いますが。
ちょっと時間が長めですがダラダラした感じが無く、娯楽映画としてはかなり楽しめると思います。
二段の復讐劇になっています。ちょっとご都合主義が多いかなという感じはしました。

テーマは復讐なのですが色々な要素が絡んでおり、重いです。
しかし演出がコミカルなので、気楽に見られます。
どちらかと言えば男性向けな映画なのだと思います。

役者さんの演技は皆さんが雰囲気出ていたと思います。
主人公からして性格が悪いので、感情移入はできないと思います。
正直、ウジンも異常者なので、一方的にオが悪いとは思えず、どっちもどっちな感じです。
非日常を楽しむ映画でしょうか。

序盤で引っかかっていた謎がラスト付近で明かされ、胸のつかえが降りたような気分になります。

暇つぶしにはなるので見てみてもいいのではないかと思います。
ただ、ちょっと後味の悪い映画かもしれません。

私はこの映画は普通です。

ラストまで(ネタバレ)

エレベーターの中でオはウジンが姉と関係していたと記憶を打ち明けます。
ウジンは部屋で話そうと言い、屋上のペントハウスに案内されます。
オは催眠術をかけられて記憶を消されたと考えていましたが、ウジンは他人事でどうでもいいことだから忘れたんだと切り捨てます。

スアが転校し、ジュファンが噂を広めたためスアは妊娠しているということにされます。
彼女は想像妊娠してしまい、ウジンに殺害されたようです。
オは証拠の命日にスアが写った写真を突き付け、スアが一人で自殺したなら写真があるはずがない!と言います。

ウジンはオにかけた催眠術の秘密を話し始めます。
彼はオとミドに催眠暗示をかけて愛し合うように仕向けたと言います。
ウジンは大事なことは監禁された理由ではなく15年で開放したことだと謎かけを始めます。
彼が鼻歌混じりにレーザーポインターで指し示す先にはまたプレゼントボックスが置いてありました。
オが箱を開けると中にはオのアルバムがありました。
これはオの妻が殺害された際に持ち去られた物ですね。

アルバムをめくったオはミドが娘のヨニだという事実に気付きます。
ウジンはオをミドが成熟するまでオを監禁し、男女の関係を持たせようとしていたのです。

オは発狂し、ハサミを手のにウジンに襲い掛かりますが、手下にあっさりと投げ飛ばされます。
その後も掴みかかりますが、簡単にいなされます。
しかしオは一瞬の隙をついて、手下の耳にハサミを突き刺しており、手下は瀕死の状態になります。
手下は怒り狂い、最後の力でなんとかオを殺害しようとします。
そこにウジンが割って入り、手下を射殺してしまいました。

監禁屋はオ達を罠にはめており、オの留守中にミドにプレレントボックスを届けていました。

ウジンは監禁屋の手は切ったのではなく、買ったものだと叫びます。
俺が4歳の時からミドを保護してやったのにお前は何をしてるんだ!とオを罵ります。
オはウジンに電話を借りてミドに電話し、箱を開けてはいけないと叫びます。
そしてすぐにそこに行くからと約束します。
オはすっかりミドに対する態度が娘に対するものに変化しています。

オはウジンに過ちを謝罪し、ミドには知らせないでくれと懇願します。
彼は泣きながら這いつくばり、とうとう犬の真似まで始め、靴を舐め始めます。
ウジンはその様子を見て溜飲を下げたのか、忍び笑いを始めるのでした。
序盤からのオの落差が激しいですね。

オは喋ったのが罪だということで自分の舌をハサミで切り落としてしまいます。
彼は激痛に苦しみながら身振りで携帯電話をウジンに差し出します。
ウジンは監禁屋に箱を開けないでくれと指示します。

ウジンは生きがいが無くなったと寂しそうな表情を見せ、ペースメーカーのリモコンをオに投げて立ち去ろうとします。
オはリモコンを押そうとしますが、ミドと愛し合う様子を録音したテープが流れます。
彼は自分の娘と関係を持ったことへの罪悪感から泣き崩れます。
そんなオの様子を見てウジンは「俺とスアは肉親だと承知の上で愛し合ったが、お前達にできるかな」と言って立ち去ります。

実はウジンはスアを殺害したのでは無く、自殺しようとしたスアを必死に助けようとしていたのでした。
ダムの縁の柵に足から逆さまに落ちようとしているスアの腕を掴み、引き揚げようとしていたのです。
彼女はお願いだから手を放してと懇願するとウジンの胸に下げていたカメラで自分の写真を撮り、ウジンは手を放します。
その時のことを思い出してウジンは号泣し、拳銃で自殺してしまいます。

オは催眠術師に手紙を書き、また自分の記憶を消してもらうことにしました。
催眠術師はオに雪山の中で催眠術をかけて去って行き、倒れているオを見てミドが現れます。
2人は降りしきる雪の中でしっかと抱き合うと寄り添って冬山の風景を眺めるのでした。

エンドロールで終了です。

催眠術の「記憶が残っている自分」が去って行く演出は面白いと思いました。
オはミドが事実を知った際に自殺してしまう可能性などを考慮してこうしたと思われます。
私は真実を告げた方が良かったのではないかと勝手に思っています。
それにしてもオは本当に記憶を無くしたのでしょうか?なんだか最後の表情を見ると不安が残ります。

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