有名ミイラの話 人喰殺人鬼

人喰殺人鬼

タイへ行ったらひどい目に遭う話

制作年 2004年
制作国 タイ
監督 ブラニー・ラッチャイヤブ/ニダースタット=ナ・アユタヤー
脚本 デボラ・カンプマイヤー
上映時間 86分
出演
ドアン・イーホン
プレムシニー・ラタソファ
チャッチャイ・プレンパニット

だいたいのあらすじ

この映画は半世紀前にタイで起きた実話である。事件の犠牲者に祈りを捧げる。

1946年 バンコク
中国から華僑の人達が沢山移民してきたのですが、その中にはリーフイも混じっていました。
彼はタイ語が喋れず、入国時に名前をシーウィー(ドアン・イーホン)とされてしまいました。
頭を坊主にされて、殺虫剤を浴びて入国待ちのタコ部屋に入れられます。
ようやく叔父さんが迎えに来てシーウィーはチャイナタウンを案内してもらい、京劇を眺めて一安心しました。
シーウィーは叔父さんの紹介で中華料理屋の鶏を〆る仕事をすることになりましたが、食事は白米しか与えられませんでした。
寝床は店の片隅に敷かれた筵で、主人の二人の娘は彼が寝ている所を蹴ったり、一張羅に鶏の血を付けたりと嫌がらせをして喜びます。
シーウィーが娘達を怒鳴りつけると主人の妻にサンダルで殴られたりしました。
給料ももらえず、主人達は良い暮らしをしているので、不満が溜まったシーウィーは主人の妻のお金を盗んで逃亡しました。

新聞記者のダラ(プレムシニー・ラタソファ)は児童殺人事件を追っていたのですが、同僚のサンティ(チャッチャイ・プレンパニット)から事件を掘り下げすぎるので他の記事を書けと指示されますが、何とか上司を説き伏せて引き続き担当することになりました。

シーウィーはタブサカエ地区で港湾労働者として働いていましたが、非力なので役立たず扱いされていました。
喘息が酷くなったのでなけなしのお金で薬を買ったのですが、街のチンピラに揶揄われて薬を水溜りに投げ込まれてしまいました。
その夜、シーウィーは第二次世界大戦中にレイプや虐殺を行っていた日本兵に対して報復して絞殺した際の夢を見て、親方の娘であるメイを殺害してしまいました。
赤ちゃんを銃剣で突いてましたが、韓国や中国ならまだしもタイ映画でこんな描写されるとは思いませんでした。
シーウィーはメイの遺体を原っぱに捨てますが、彼女の遺体は後に発見され他殺の疑いがあると判断されたようです。
事件の取材にタラがやって来て、咳き込むシーウィーにインタビューして「リーフィー」という本名を聞き、薬代を渡して去りました。
ダラはJKみたいに見えます。
やがて非力なシーウィーは親方から「俺の親戚の農園で働け」とお金を渡されてクビになりました。

ダラが児童殺人に執着するのは幼少の頃に妹だか姉だかを眼の前で誘拐されたことが原因のようです。

どうやらその後、シーウィーは一人で農業を始めたようですが、台風で折角育てた作物が全滅してしまいました。
最近、彼は咳き込みながら身体の弱かった幼少期のことや他の家族が死んで母にタイに行けと言われたこと、母に必ず迎えに来ると誓ったことの夢を見るのでした。
喘息が良くならないシーウィーは母から人間の心臓が入った汁を「これを飲めば良くなる」と言われていたことや戦時に上官から日本兵の心臓を「これを食って強くなれ」と渡されたこと思い出します。
そしてとうとう祭りの会場から少女を攫い、殺害して肝汁を作って飲むと咳が止まります。
シーウィーは貨物列車に乗り込んで無賃乗車でこの土地から逃走しました。

シーウィーはナコーン・パトム県で降車し、叔父を訪ねて中国に帰ろうとするのですが、費用が捻出できませんでした。
ひとまず短期なら部屋を貸してくれるというので厄介になることにしますが、喘息が出て酷く咳き込むのでした。

感想

これは普通です。
ホラーというよりドキュメンタリーに近いでしょうか。
タイの博物館にミイラ化して保管されているシーウィーの話です。
流石にそれだけでは映画にならないと思ったのか、JKみたいな美人記者を絡めています。

グロとか娯楽性は無いので、こういうことがあったのか―と観る感じです。
シーウィーのエピソードもどこまで本当なのかは不明ですが。
シーウィー役には気弱な感じの人を起用して同情を買いそうな感じにはなってます。
更にダラ等を使って彼は本当に悪人だったのかと疑問を抱かせるつくりになっています。

個人的にはシーウィーに同情的にはなれませんでした。
もう少し狂気的な描写があると「あー病気なんだ」という感じで観られたかもしれません。
給料無しで働くのにはちょっと同情しましたが、戦後のことなので。
シーウィー役の人はタイプでした。

事件に興味がある人が観る映画だと思いました。

ラストまでのあらすじ

咳を止めなければということでシーウィーは地元の祭りにやってきたのですが、会場にはダラとサンティもいました。
彼は会場にいた少女をアイスで誘い出し、殺害して心臓を取り出します。
しかし僧侶の少年に見つかってしまい凶器を残し、心臓だけ持って逃走しました。
警察の現場検証に立ち会ったダラはナイフを見たことがあると気付きました。

シーウィーは帰国するため港に向けて移動することにしますが、時を同じくして児童の連続殺人が発生しました。
警察ではシーウィーではない人物を容疑者としてマークしました。
一方、ダラはナイフのことを思い出し、シーウィーの独自追跡を開始しました。
後にサンティも合流して一緒にシーウィーの叔父の家を訪ね、彼が港に向かったことを知ります。
ダラとサンティは港の地元警察に駆け込み、シーウィーのことを知らせました。
警察では彼女の証言を元に似顔絵を作成しました。

シーウィーはまた子供を殺害しようとしていましたが、子供の友人と親が警察に駆け込みます。
友人は似顔絵を見て「この男だ」と証言したので警察は緊急出動しました。
この時、シーウィーは咳き込んで無かったので、イカれたのかもしれません。
しかしシーウィーは既に子供を殺害し、心臓を焼いている所を逮捕されました。
ダラは「殺人者なのか犠牲者なのか」と書いてますが、殺人者だと思います。
シーウィーの母が手に入れていた心臓は死刑執行された囚人のものだったそうです。

警察では一連の事件の犯行はシーウィー一人のものでは無いと考えていました。
しかしっ上層部の命令で自白すれば釈放すると騙して、裁判で罪を肯定させました。

1959年9月16日 シーウィーは銃殺されました。

エンドロールで終了です。

埋葬する価値無しという捕捉を受けたので、遺体は今でも晒されています。