いいかい、学生さん、トンカツをな… 1942 怨霊

1942 怨霊

マレー戦線で何か出る話

制作年 2005年
制作国 シンガポール/日本
監督 ケルヴィン・トン
脚本 ケルヴィン・トン
上映時間 84分
出演
長谷川裕之
鬼塚俊秀
ハラ・フミカズ

だいたいのあらすじ

1942年1月7日 マレー
従軍カメラマンの藤井軍曹(鬼塚俊秀)は第六連隊に編集され、マレーに来ました。
彼は渡河作戦を撮影しに来たのですが、連隊からはぐれてしまいました。
他にもはぐれた兵士が佐藤軍曹、後藤上等兵がおり、同行することになりますが、不気味な歌声と共に少女の亡霊が現れて消えました。
突然、鈴木伍長という男は飛び出して来て亡霊を見て怯えて取り乱しており、藤井は先行した二人を追って鈴木と共に負傷した大尉を運びながら渡河しますが、その際に後藤は妻の写真を流されたようです。
しかし無線は通じず、現在一もつかめなくなり、夜になったので野営することにします。
スリム川での戦闘で、クアラルンプールの進行作戦の時期ですね。
藤井達がいるのは現在のマレーシアになるかと思います。
日本軍はこの前にマレー沖でプリンスオブ・ウェールズを撃沈して、タイに進駐していました。

藤井はこの地点を前に通った気がしたので、草を追って目印にしました。
大尉の意識は戻り、少女の歌が聞こえたか尋ねていました。
その夜、また少女の歌声が聞こえ、大尉に少女が触れようとしているようでした。
藤井は少女を追い払おうとするのですが、なぜか佐藤は見なかったことにしろと念押しました。
次の日、出発するのですが、また堂々巡りが続き同じ場所を何度も通ることになります。
方位も正確なのですが、地図には無い地形にでてしまい、カメラで見ると発見できた人影が肉眼だと消えたりしました。
川は浅くなり、ジャングルは平地になったり、平地が丘になったりします。

その後も堂々巡りが続き、佐藤は大尉を捨てろと命令しますが、それには後藤も反対し、また野営となりました。
鈴木は大尉が動けないのをいいことに何やら無線に細工していました。
後藤は水を汲みに行って底なし沼にハマってしまい、後ほど藤井に救出されました。
その後イギリス兵を発見する藤井でしたが、英語でホールドアップして撃てずにいると敵は眼の前を通り過ぎ、その現場を鈴木に見られてしまいました。
直後にまた歌声と共に今度は若い女性が赤ちゃんを抱いて佐藤の付近に現れましたが、すぐ去りました。
これはきっと幽霊では無いと思いました。かなり人間ぽいです。
佐藤は地雷を踏み、藤井達三人に「俺を置いてきた道を引き返せ」と強硬に命令しましたが、後藤が信管を切って彼を救いました。
今度は内臓がはみ出て重症だった大尉が急に「腹が減った」と元気に起き上がり、全員に竹でテーブルを作らせます。
大尉は何もないテーブルの前に全員座る様に命令し、「食え」と言いだして皆に大好物を想像してエア食事という余計腹が減るような寸劇をさせます。
このシーンはヘンなシーンですが、皆がそれぞれ食事に関する思い出を語るというなかなか良いシーンです。
食は老若男女共通の話題だし、大尉は「絶対帰るぞ」と思わせようと思ったのでは。

またこの地点は完全に地形が変わっているようですが、藤井が目印に追った草がありました。

翌日、藤井は皆の自己紹介を撮影するのですが、相変わらずカメラには現実とは違う女性の姿やはしゃぐ後藤の姿等が映りました。
相変わらず連隊と合流の道が見えない一行でしたが、南に向かえばクアラルンプールに到着する筈だと全身します。
その時、狼煙のような煙を発見し、そちらに向かうと焚火の跡と「Japanese Give Up」と書いてある英字のビラの切れ端が転がっていました。
鈴木も英語が分かるようで、藤井と同様に「これは投稿を呼び掛けている搖動ビラだ」と判断しました。

感想

これはイマイチです。ホラーではないと思います。
連隊からはぐれた兵が亡霊に悩まされる話だと思ったのですが、女性に実体があることは中ごろでボンヤリ分かります。
ホラーっぽいSFを目指したような気がしますが、お話はつまらないです。
また藤井の草の件や大尉などツッコミ所は満載ですが、これは理由が後に分かります。
出演者は日本人で日本語で話していますが、シンガポール映画として観た方がよいと思います。
そうやって観るとまあまあ日本人の姿が描写できているように感じます。

戦争映画としては期待しない方が良くて戦闘シーンはありません。
連隊名などもおかしいので、リアリズムは追及していないようで、兵士が敵性語を喋ったりします。
なので緊張感はあまりありませんが、マレー戦自体が悲愴感のある激戦という訳でも無いですし、敵もいないので戦争映画としては許容範囲だと思いました。
それにしてもこの人達は何日も飲まず食わずなのに元気過ぎだと思われ、焦燥感が欲しかったです。
また大尉はおかしいですよね。死にかけて担架で運ばれてたの急に元気とか。
意外と人間ドラマ系で面白いシーンもありましたし、映像の雰囲気と風景は一部CGですが、なかなか良かったです。

役者さんの演技は普通だったと思います。
私は後藤が好きですね。

これはギリギリ地雷では無いと思いますが、観なくていいような気がしました。

ラストまでのあらすじ

これは敵が近くにいるに違いないと考えた一行は警戒しつつ、切り開かれた平野のような所を進んで行きます。
上を聞いたことも無いような音を立てて航空機が飛び去ったので一行は警戒しますが、後藤はここで妻の写真を拾いました。
また藤井はここで自分が折った草を発見しています。
その夜も野営となり、いつまで経ってもクアラルンプールへ着けないことに苛立つ一行でしたが、藤井は何を思ったか「日本は負けたのではないか」と言い出し、また無線はなぜか英語の通信が流れました。
大尉は佐藤と二人で語らいながら「その時が来たら皆に切腹させるように」と言い聞かせていました。

深夜に目を覚ました藤井が周囲を確認していると鈴木が無線機に向かって英語で話していました。
藤井は鈴木に掴みかかり揉み合いになりますが、皆が騒ぎを聞いて駆けつけます。
無線のことを話し、鈴木をスパイだと言う藤井でしたが、鈴木は無線を使っていたのは藤井だと言いだし、更に敵兵を逃がしたことや草で目印を作って敵兵に知らせているのだと捏造します。
鈴木の言うことが採用され、佐藤は藤井を射殺しようとしますが、大尉に軍法会議で裁くべきだと止められます。
その時、またあの歌声が響きますが、女性は姿を現しませんでした。

翌日、藤井はスパイとして手を縛られて捕虜のように扱われ、皆と一緒に開かれた田んぼを歩きます。
その時、上空をジェット機のような音を立てた航空機が通過したので一行は物陰に隠れました。
この田んぼにも藤井の折った草がありました。
大尉は傷が悪化したのを苦に切腹してしまい、佐藤と後藤に救われます。
一方、手を縛られた藤井と二人きりになった鈴木は堂々と無線でイギリスに呼び掛け「自分は中国人と日本人のハーフでスパイである」と正体を現しました。
鈴木は藤井を射殺しようとしますが、犠牲になったであろう第六連隊の亡霊が現れ、無線からは日本語の連絡が入ります。
そこに佐藤と後藤も戻り、鈴木がスパイだったと悟り、逃げ出した彼を皆で追跡します。

後藤は鈴木に腹を撃たれますが、怒りのパワーで立ち上がり、皆は鈴木を追います。
そこに老婆がまた歌をと共に現れるのですが、彼女は息子らしい男性に連れられて去って行きました。
追いかけっこを続ける一行の前に現れたのは大都会となったクアラルンプールの町でした。
また無線は現地で開発支援作業している日本の作業員が流した無線でした。
空にはジャンボジェットが飛び、看板には2005年と書いてありました。
最早、鈴木を追及する者は誰もおらず、一行は並んで雨に打たれます。

既に皆は死亡しており、時空の間を彷徨い21世紀までたどり着いたのだと藤井は悟るのでした。

エンドロールで終了です。

タイムスリップとアザーズエンドでした。

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