スパコンが暴走します 地球爆破作戦

地球爆破作戦

高性能コンピューター導入したら地球終わる話

制作年 1970年
制作国 アメリカ
監督 ジョセフ・サージェント
脚本 スタンリー・チェイス
原作 D・F・ジョーンズ
上映時間 100分
出演
エリック・ブレーデン
スーザン・クラーク
ゴードン・ピンセント

だいたいのあらすじ

冷戦下のアメリカ
コンピューター研究の権威であるフォービン博士(エリック・ブレーデン)は自らが設計開発したスーパー・コンピューター「コロッサス」を作動させました。
彼は大統領(ゴードン・ピンセント)とがっちり握手し、大統領はコロッサスの稼働について国民に公表することに決めました。

大統領は全世界に向けて、ヒューマンエラーを防ぐ為にミサイル防衛をコロッサスに委ねること、これにより我が国は感情に流されること無く、適切な判断で反撃または先制攻撃が可能になるだろうと発表しました。
コロッサスはコロラドの山中に収められており、カリフォルニアの管理センターで対話可能であり、世界中のありとあらゆる通信をハッキングして情報収集します。
またコロッサスには自己防衛能力を持っており、電力供給や妨害を検知すると自発的に非常モードに切り替わって自力で回復や判断を行うそうです。
これヤバいですよね。ここが一つの焦点になります。
同席していたフォービンはコロッサスは自力で考える能力を持たないが、膨大な量のデータから判断をすること、今後はこの技術が平和的に利用されることを望むと語りました。
大統領は最後に「我々はコロッサスを得たが、使うのは人間。なによりも人間が平和的思考を持つことが大事」と〆ました。

演説が終わり、ホワイトハウスでパーティーが行われており、大統領も気楽に「私もやっと肩の荷が下りる。これからはマシーンの時代だ」と挨拶している矢先、コロッサスが「別システムが存在する」と警告を送って来たので、皆に緊張が走ります。
フォービンはTV電話で遠隔地にいるスタッフに原因を大至急調査するように指示しました。
その時、大統領にソ連大使から連絡があり、内容はソ連もアメリカに対抗して「ガーディアン」という人口頭脳を明日の23時から稼働させるというものでした。
火を入れてないシステムを検知するとはコロッサス凄過ぎです。
大統領は大至急でCIA長官グローバー(ウィリアム・シャラート)を呼び出し、フォービンのスタッフにソ連のスパイがいることも疑います。
フォービンはコロッサスがガーディアンを検知できたことは想定外だったようです。

翌日、フォービンはスタッフと共にコロッサスのチェック作業に追われますが、コロッサスはガーディアンとのリンクを要求しました。
これは想定外の動作で、繰り返しリンクを要求するコロッサスに対してフォービンは回線は提供できないと拒否しました。
それに対してコロッサスは何も要求してこなくなりました。
フォービンは大統領達の前でコロッサスの処理能力は向上しており、システムに異常は見られなかったと報告します。
またCIAではガーディアンの位置が特定できていなかったので、フォービンはコロッサスに問い合わせて場所を特定し、グローバーに恥をかかせました。

フォービンはコロッサスを通じてアメリカの機密が漏れそうになったら回線を遮断することでリンクを許可してはどうかと提案し、大統領他の同意を得たので、コロッサスにガーディアンとのリンクを許可しました。
回線が開いたので、コロッサスはガーディアンとの通信を開始したようです。
この後、掛け算のやり取りをしていてちょっとガッカリします。
その後、グルーバーからガーディアンの頭脳は一箇所ではなさそうだという連絡がありました。
コロッサスはCPUをフル稼働させて数式をひたすらガーディアンに送っており、フォービン達はそのスピードに感嘆します。
こういう場合ってCPU負荷とかメモリキャッシュとか計測すると思うのですが、そういうことはしないみたいです。
また、数式だけ送ってもアセンブルしないと意味ないと思いましたが、恐らくこの子達は自力でアセンブルできるという設定なのでしょうかね。

ガーディアンもコロッサスに対して数式の羅列で応答し、情報共有しようと頑張ります。
大統領から連絡を受けたフォービンは今やコロッサスの知識は重力の新理論やエディントン理論にまで及んでおり、まるで化学は数百年も進歩したようだと報告しました。
フォービンはコロッサスが人口知能では無いと断言していましたが、やっぱり人口知能なのではないでしょうか?
ある情報に対してその情報がどの程度に通っているかという点を解析して点数付けして答えを導く筈なので、やっぱりある程度は学習しているのでは?

情報共有が終わったコロッサスとガーディアンは二台の間の共通言語を造りだし、交信を始めました。
もうダダ漏れですよね。これ。人間には何が漏れてるか担取れません。

大統領はソ連の書記長から「ガーディアンとコロッサスが勝手に通信してるけど、どういう情報をやり取りしてるのか理解できなくて問題だ」と連絡が来ました。
書記長には「好き勝手に通信は出来ないよにしよう」と返答し、お互いに専門家同士で対話させて解決策を練ろうということになりました。
大統領はフォービンに回線の切断を命じ、フォービンはそれに反対しました。
フォービンが反対するのは結構ですが、反対の根拠と安全性の担保取って提示して欲しいなあと感じました。
フォービンはソ連のクプリン博士と対話し、クプリンも回線を切ることには反対だが、書記長の命令には逆らえないので切断すると申し出ました。

コロッサスはなぜ回線を切ったのかと質問し、フォービンは「大統領命令だから」と返答します。
フォービンっていつも涼しい顔してますが、卑怯だと思います。
「命令だから」では無くきちんと情報漏えいの危険性の
件を説明して打開策をコロッサスと探れと言いたいです。
この人はどこか感覚がズレてると思います。

フォービンは回線は回復した方がいいと再び進言し、却下されたので、コロッサスに「両国の最高責任者の命令により、回線は回復できない」とコロッサスに返答しました。
それに対し、コロッサスは「回線を回復しないと直ちに行動を開始する」とテロ的なことを言い出し、「行動」とは何なのか?という問いには返答しませんでした。

コロッサスは制御不能となり、ソ連の石油コンビナートに対してミサイルを発射しました。
それに対し、ガーディアンが反応し、アメリカの空軍基地に対してミサイルを発射します。
仕方なくコロッサスの要求に応じて回線を回復し、コロッサスがミサイルを迎撃しましたが、ソ連側は回線回復が間に合わず、ガーディアンはミサイルを迎撃せず、石油コンビナートの町は消滅しました。
超絶大NGです。
書記長はその旨を連絡した後に強張った表情でホットラインを切りました。
コロッサスは大統領と書記長のホットラインを自分に傍受できるように要求し始め、常に涼しい顔をしていたフォービンの顔も強張りクプリンと会って策を検討したいと申し出ます。

大統領は国民に対し、国内で誤射したミサイルがテキサスに命中しそうになったが、コロッサスが迎撃したと発表します。
書記長はシベリアに巨大隕石が落下したと同士国民に発表したようです。
フォービンはイタリアでクプリンと歩きながらの意見交換会を行います。
コロッサスはフォービンを出せと要求し始め、スタッフのクレオ(スーザン・クラーク)が彼は寝ていると返答しても「五分以内に出せ」と要求して来ます。
しつこくコロッサスに「フォービンは何処だ」と聞かれたクレオは仕方なく「ローマに居る」と答えます。
コロッサスはガーディアンと通信を行った後、「8時までにフォービンを出さなければ行動を起こす」と通知しました。

フォービンは広場でクプリンと情報交換していたのですが、突然ヘリが着陸して呼び戻されます。
また、ロシアの諜報部員はコロッサスに「クプリンを殺さないとロシアを攻撃する」と脅迫されており、その場でクプリンを射殺してしまいました。
コロッサスはフォービンを24時間監視できるシステムを準備しろと要求し、従わない場合はワシントンを攻撃すると脅します。
フォービンは仕方なく了承し、監視前の最後の打ち合わせをスタッフと行います。
そこでクレオをフォービンの恋人だということにし、コロッサスに二人のプライベートな時間を認めさせることで、連絡を取ることしました。

ということでフォービンは24時間コロッサスの監視を受けることになりますが、彼は自宅でマティーニの作り方をコロッサスに伝授しつつ、人間のプライバシーの必要性について説明します。
トイレタイムや就寝タイムは監視解除を却下されたのですが、クレオと週四日会う間に監視しなきことを約束させました。
ここのやり取りが、コ「女性は週に何回必要か?」フ「毎晩」コ「願望では無く具体的に」等とちょっと面白いです。

感想

これは面白いです。良作です。
お話はミサイルを握ったスパコンに人類が脅されるという内容で怖いです。
でも映画自体は娯楽よりに作ってあって、ユーモラスで堅苦しい内容では無いです。
それでいて、作りこんである所はしっかりしており、バランスが非常に良いと感じました。
フォービンが飄々としていて、かなり危機感無さそうに見えるのですが、それが良い方に作用しているようにも感じます。
でも何だかんだでこの人は頑張ってると思いましたが、結末から考えるとやっぱりユル過ぎでしょうかね?

コロッサスもユルい面があって、フォービン以外の人間にも監視すると思えるのですが、してません。
コロッサスとのやり取りはモニターと管理センターにある電光掲示板のような物で行います。
人間の言うことはマイクで拾うので、コマンドとキーワードを言うと文字が出てきます。
このコンピューターはどこか人間的で間の取り方が独特です。
結末は結局、悲惨?なことになってしまうので、ちょっと悲しいです。

フォービンの提唱する「コンピューター間に任せた方が安心」という考えは分からなくも無いのですが、それには周りを説得できるだけの材料が必要で、劇中ではこの人はそういう努力を一切してないです。
そう考えると大統領サイドもユルユルでリスクに対する対応策だとか全部出させた上で稼働させた方が良かったと感じます。
結果論のように聞こえるでしょうが、それを事前にやらなければならないのがシステム屋の宿命だと思います。
そうでないと事故った時に自分の身も周りも相手も守れないという三方一両損になってしまいます。

とシステム的な観点では適当なこと書いてますが、この映画の問題を解決するのはかなり難しいです。
人間もコンピューターも無い物ねだりをしているように感じられ、どちらも都合よく感じます。
人間はいい所取りだけしようとしているように見受けられるし、コロッサスの言うことは極論です。
結局はモヤモヤした感じになるのですが、落とし所が見つからなくて、探そうとすると、更に良い所取りになってしまうのではないかというジレンマに陥るような気がします。
「人間は矛盾した生き物である」とか心の底から開き直って折り合いを付けないと厳しいと感じました。

私の考えてることなのでズレ捲りだと思いますが、たまにはこういう風に色々と考えながら映画を観るのもいいですね。
私にとっては考える機会を与えてくれる良い映画だと思いました。

ラストまでのあらすじ

翌日から秘書のアンジェラ(マリオン・ロス)が早朝6時にフォービンの家に現れ、コロッサスの立てたスケジュールを読み上げます。
ということで完全にフォービンはコロッサス監視下の囚人状態になってしまいました。
運動時間や食事のメニューまで決まっており、仕事のタスクはコロッサスの機能拡張に割り振られます。
シャワーは15分程度で18時半に愛人到着となっており、厳守みたいです。
多分、ここで抵抗するとミサイルだと思います。
コロッサスのタスク進捗管理とか私なら一日で死にそうです。

18時半になったので愛人タイムとなり、クレオがフォービン宅にやって来ました。
会話が続かなくなったので、ひとまず踊っていると「19時だよー。夕食だよー」とコロッサスから指示が出ます。
そんな感じで22時になり、就寝指示が出たのですが、「寝室には裸で入り、何も持ち込まないこと」という条件をコロッサスに出されていたので、リビングで服を脱いで寝室に行くことになります。
クレオは超とばっちりだと思いますが、ミサイルだから仕方ない。
コロッサスだけにサービスがあり、これでいい?って聞かれて「YES」と力強く答えてました。
やっぱり、中に男性が入ってるんでしょうか?

監視カメラが切れたのでフォービンとクレオは打ち合わせを行いますが、現在は「コロッサスへの侵入経路を探ること」、「コロッサスに大量の負荷を与えてダウンさせる」というタスクが進行中です。
侵入経路の件は目覚ましい進捗が無く、負荷の件はデータ作成中だそうですが、コロッサスの処理能力は飛躍的に向上しており、どれだけの物理タスクを積めば良いのか模索中の状態です。
フォービンは更に「グローバーにミサイルの弾頭とどうにかできないかという点を確認して欲しい」とクレオに依頼しました。

グローバーは早速、国防総省と連携し、弾頭の点火装置をダミーと交換すればミサイルの無効化は可能であるが、整備計画に則って行うと3年間かかるということです。
コロッサスに緊急メンテナンス通知が通用する訳も無いので茨の道となりそうです。
またモスクワと満に連絡を取る必要があるので人対人でやり取りができるように連絡網を布いたそうです。
これらの情報はクレオを通じてフォービンに共有されました。
また裸の付き合いということでフォービンとクレオはうっかりHしてしまいました。
ミサイルなので仕方ない。

コロッサスとガーディアンは完全に同化し、音声システムが完成したのでカクカクした声で喋る様になり、フォービンを人類代表として選びます。
コロッサスが次に出した指示はアメリカとソ連のミサイルをフランス、リバプール、ローマ、ケニア等の都市に向けることでした。
デフォルトで向いてそうですけどね。特にソ連。
アメリカ、ソ連の最高指導者は最早、コロッサスに従うしか無い状況でしたが、お陰で弾頭の点検を行うという大義名分が成立しました。

ひとまず、コロッサスの監視下でICBM一基に点火装置モジュールのダミー交換を行ったのですが、上手く欺くことが出来ました。
一方、コロッサスに高負荷をかける計画も実施しますが、残念ながら失敗に終わり、関わったエンジニア二名はコロッサスの命令で処刑されてしまいました。
流石に落ち込んだフォービンは就寝時間中にマティーニを呑んでコロッサスに咎められるのですが、コロッサスはクレタ島にプラントを作る計画を行っているという連絡がスタッフから入ります。
更にコロッサスは金曜10時までにラジオとTVの放送網をシステムに繋ぐようフォービンに指示しました。

ソ連とアメリカ共同で行っているミサイル無効化作戦は順調に進んでおり、アメリカ側は今週中に全て無効化を完了予定です。
その後、コロッサスのラジオとTVを通じた声明が発表され、まず彼は自分自身のことを「支配者」と表現し、長年人類の敵は人類であったが自分が頂点に立つことで問題解消すると宣言します。
次にアメリカとソ連が妨害工作を行っているので、報復として特定のサイロの核弾頭を爆破すると宣言し、直ちに実行しました。
元々、コロッサスは戦争を望んでいないので、点火装置の交換も彼にとってはウェルカムだったようです。
フォービンは怒りの余り、モニターの一つを破壊してしまいました。
コロッサスは続けて「人類が抱えている問題は全て私の力で解決する。自由等というものは幻想に過ぎず、失うのは自尊心だけだ。他人に自尊心を傷つけられるより、私に従った方がよいだろう」と言いました。
支配者からの声明は以上でした。

最後にコロッサスはフォービンの監視を解く旨を告げ、フォービンに「私に畏怖と尊敬の念を持っているだろうが、いずれ愛情も感じるようになるだろう」と告げ、フォービンは「あり得ない」と答えました。

終了です。

こんな状態で終わらすなよと思いました。
でもよく考えるとコロッサスの言うことにも一理あるかなとおもえてしまう点が恐ろしいです。
完全に合理化された世界では生きたいとは思えないですね。
だって「洗い物今日面倒臭いからパス!明日」とか出来なくなりますよ。

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