ひねりが利いた良作ゾンビ映画 ゾンゲリア

ゾンゲリア

狂った博士の狂った町の話

制作年 1981年
制作国 アメリカ
監督 ゲイリー・A・シャーマン
脚本 ダン・オバノン
上映時間 90分
出演
ジェームズ・ファレンティノ
メロディ・アンダーソン
ジャック・アルバートソン

だいたいのあらすじ

オープニングに古い町並みの写真が流れており、いい雰囲気ですね。

カメラマンの男がポッターズ・ブラフという町の海辺で撮影をしていると、若い女性が話しかけてきます。
彼がちょっと下心を出して彼女の撮影をしていると、漁師のような一団が現れ、リンチされてしまいます。
カメラマンは網で縛られ、オイルをかけられて燃やされてしまい、リンチ集団はひたすら無表情で犠牲者の撮影をするのでした。
いきなりサービスあります。よかったですね。この人殺されるほど悪いことしてないと思うんですが。

カメラマンの遺体は彼の車とともに街外れで発見され、保安官のダン(ジェームズ・ファレンティノ)が捜査に任ります。
現場はいかにも自動車の衝突事故という形で車は横転しています。
ダンは遺体の処理のため、検視官で葬儀屋のドッブス(ジャック・アルバートソン)を呼びます。
彼等が遺体を取り出そうとすると遺体は叫び声を上げました。

次の日、ダンは街の若者ハリー(ロバート・イングランド)達と事件のことをダイナーで話します。
まだ遺体の身元も不明で車の登録証も見つかっていません。
彼はまだ生きていますが、意識は戻っていません。
この店のウェイトレスはカメラマンに海辺で火を点けていた女性でした!

その夜、船乗りの酔っ払い男が港で管を巻いているとリンチ集団が男を押さえつけ、切り付けて撮影をしました。
男は銛で腹を刺されて殺害されてしまいます。

次の日、ダンはドッブスを訪ねます。
ドッブスは遺体の修復に並々ならぬ情熱を持っているようです。
ダンはカメラマンの遺体がどこかで焼かれた後に事故現場に運ばれたと考えており、ドッブスに意見を求めますが、ドッブスは否定的です。
そこにダン宛てに電話が架かって来ました。
昨夜の港での酔っ払いの遺体が見つかったようで、ダンは現場に向かいます。
遺体は顔面を破損しており、ひどい状態でした。
ドッブスはちょっと異常な感じです。

ダンは宿屋を営んでいるベンを訪ね、最近消えた客がいなかったか尋ねます。
ベンは昨日来て2泊すると言っていた男がいたと教えてくれます。
名前はわからないが荷物はあると言うので、ダンは荷物を調べます。
部屋はやはりカメラマンのもので、名前はわかりませんでした。

ベンはなぜかカメラマンのことはダンの妻が知っているので彼女に聞けと言い、問い詰めると妻が昨日カメラマンに会いに来たと言うのです。

ダンは自宅に戻り、妻のジャネット(メロディ・アンダーソン)を問い詰めます。
ジャネットは彼は写真の機材屋で彼の名はジョージ・ルモイン、学校に売り込みに来たと答えます。
ジャネット可愛いですね。

ダンはスタンドで会った学校長のハスケルにルモインのことを尋ねます。
ルモインはそんな男は知らないし、機材など買っていないと答えます。
ジャネット怪しいですね。

病院では医師がルモインの回診をしており、そこにダンが現れます。
ダンはルモインが意識を取り戻したと聞いて来たのですが、それは一瞬のことで、現在は意識不明のようです。
ルモインは整形手術は絶望的で右目は失明しているということです。

ダンはルモインと話をしたいと医師に懇願するのですが、ルモインは唇が無く、まともに話せないと言います。

ダンが医師と廊下で話し合っている間に看護師がルモインの病室に入っていきました。
それは看護師に変装した浜辺の若い女だったのです!
彼女は恐怖に震えるルモインの前で注射器を用意するとそれを左目に突き刺し、姿を消します。
ひえー!可愛いナースでもこんなプレイは嫌ですよね。きっと。

病室の緊急ベルで駆けつけた医師とダンが見たものは左目に注射器を突き立てられたルモインの姿でした。
彼は既に絶命していました。
これ、指紋残ってそうですよね。きっと捕まりますね!

ダンが家で待っているとジャネットが夜になってから帰宅します。
彼女はこれからPTAの会合があると言い、フィルムをダンに渡してアーニーに届けるように頼みます。

その夜、道に迷った一家がポッターズ・ブラフのダイニングに立ち寄ります。
ロンという父親がダイニングに道を聞きに行きました。
彼はウェイトレスにシービュー・ロッジへの道を尋ね、スタンドの従業員のフレディに補充を依頼しました。
町の人間は示し合わせたように彼等を見送るのでした。
その後、一家はリンチ集団に襲われてしまい、何とか逃げ出します。
このシーンめっちゃ怖くて秀逸です。無表情な集団が怖いです。
スタンドまで行ったほうが良かったのではと思いますが、どっちみち襲われてますよね。

そこへダンのパトカーが通りがかり、一家の車が前の通りを猛スピードで通り過ぎるのを発見した直後、誰かを轢いてしまいます。
ダンは確認しようと車を降り、被害者を起こそうとしますが、バンパーを見て仰天してしまいます。
なんとバンパーにはちぎれた腕が張り付いており、ウネウネと動いているではありませんか!
ダンはバンパーに視線が釘づけになってしまい、背後から起き上がった被害者に殴られ倒れてしまいました。

被害者は腕を掴んで逃げ去り、どうにか起き上がったダンが追いかけます。
気配を追って民家の中を探るのですが、突然鶏が飛び出て来ただけでした。
ダンは追跡を断念します。
ダンは鶏に発砲してしまってます。普段ならビビりと言いたいのですが、これは私も怖いです。
多分、私なら目玉が繋がったお巡りさん並みに乱射してるかもしれません。

ダンが帰宅して拳銃の弾丸を探していると、引き出しからブードゥー教の魔術に関する本を見つけました。
他にも儀式に使うようなナイフを見つけた彼はジャネットを問い詰めます。
彼女は事も無げに授業で使うと言い、逆にフィルムを届けたか質問されます。
ダンは必ず届けると詫びを言い、ジャネットは弾を見つけたと投げてよこしました。
二人は若干、険悪になりました。

ダンは忘れていたフィルムをアーニーの店に現像に出すと公用だと言い、絶対に自分以外には見せるなと念押ししました。

ダンはドッブスと電話で話し、ルモインの件はどこかで殺した後に事故に見せかけた可能性があると聞きました。

ハリーが南海岸で新型のフォードが海から上がったとダンに連絡して来ました。
車は断崖に飛び込んだようだと言い、人間は乗っていなかったようです。
それはロン一家の車でした。
やっぱり殺されてたんですね。

ダンはパトカーのバンパーから例の腕の細胞を取得し、医師に分析を依頼することにしました。
そこにベンが飛び込んできて、ルモインがガソリンを売っているのを見た!と言われます。
ダンは俺は顔知らんし知らんがなと返しますが、ベンは絶対に間違いない!お前の嫁に聞け!とキレるのでした。

ダンは学校に行き、ジャネットの話を聞きに行くと彼女は堂々とブードゥー教の授業をしていました。
彼女はゾンビには心臓が無く、支配者に握られていて、自分の意思では行動できないと言います。

帰り道にジャネットにハスケルが機材のことを知らなかった件を聞くと、PTAがサプライズで買ったとほざきます。
ダンは念のためスタンドに寄りますが、ルモインはいませんでした。

ポッターズ・ブラフの住民が帰り道にヒッチハイカーの若い女性をトラックに同乗させていました。
またまたカメラを取り出すと彼女を写し出し、何処からともなくリンチ集団が現れ、石で彼女の頭を砕いて殺害しました。
集団の中にはハリーもいました。
こいつら全員グルですね。しかし何がしたいんでしょうか?
今までの遺体の共通点と言えば、片目が破壊されている点ですかね?

ダンは通報を受けて駆けつけ、ドッブスが独りで処置を行います。
ドッブスはぐしゃぐしゃで右目が砕かれた女性の顔を見て美しいなどと変態的なことを言いながら、処置を行っていました。
しかしドッブスの腕は確かで女性の顔は完全に復元されるのでした。
ここ見直してないですが、処置前と処置後で潰れた目が逆になってるような気がするんですが。

彼が姿を消すと処置室に潜んでいた女性らしき人物が遺体の額に触れて何かしました。
するとヒッチハイカーの遺体は動き出し、目を開けるのでした。

ダンの依頼していた腕の細胞の調査結果が出ました。
医師は「これは3~4ヶ月前に死亡した人間の組織だ!」と言い張るのですが。
肉片を調べていた医師は何か重大な発見をしたらしく、保安官事務所に連絡しますが、ダンは不在でした。
その時、何処からともなくリンチ集団が現れ、医師は背後から襲われます。
医師は鼻から酸を注入されて、殺害されてしまいました。

感想

これは面白いです。良作だと思います。
サスペンス風ですが、早めに殺人者が顔出しで出てきますので、こいつらのやってることは丸っとお見通しです。
ゾンビ系の映画なのですが、一味違う怖さになっています。

演出が上手いためか、とても怖いと思いました。
特に街に迷い込んだロン達が襲われるシーンは秀逸です。
何を考えているかよくわからない相手が凄くゆっくりと襲ってくる所が怖いです。
人によって恐怖を感じるツボは違うと思うのですが、私はこれがツボでした。夢に出そうです。
グロ描写も頑張っているとおもいました。

古い映画なので画質が荒いせいもあるのでしょうが、霧に覆われた街の映像とかいい雰囲気でした。
こんな感じの映画だと「ザ・フォッグ」を思い出すのですが、こっちの方が怖い気がしますね。
ちょっとこういう所は歩きたくありません。

住民も怖いです。特にウエイトレスは髪型もヘンで不気味で怖かったです。
殺すときに楽しそうに微笑むなよー!

ダンはロバート・デニーロと名高達男を混ぜた感じで、くたびれた感じが良かったです。
女性陣は美人が多くていいと思いました。
全然関係ないですが、ハリーを見たときに「俺はバック!フ○ックしよう!」という名セリフを思い出してしまいました。

ラストには驚かされると思いますので、ネタバレや予備知識なしで見たほうが面白いと思います。

この映画はきっと邦題が良くないですよね。ゾンゲリアとか言われても見たいと思わないですよね。
良い映画なのにもったいないですね。
フルチ系かよ!とか思われそうですし。私はフルチさん大好きですが。

私はこの映画は好きです。忘れた頃に引っ張り出してまた見たいですね。

ラストまで(ネタバレ)

ダンが保安官事務所に戻ってくるとなぜかドッブスがおり、ヒッチハイカーの遺体が窃盗に遭ったと言い出します。
ダンが検死事務所に行こうと言うと、彼は名誉のため、行けないと言いますが、勝手にもう一度確認しろとばかりに突き放します。
ダンが妻のことをこぼすと、ドッブスはジャネットを知っており、毎日ここにきていると言います
ダンはさてはブードゥーとか吹き込んだのはお前だろう!と問い詰めますが、ドッブスは無関係だと否定します。

その時、ベティから電話があり、ドッブスは帰っていきます。
ダンはベティにアーニーの店でフィルムを取ってくるように頼み、ルモインの件でテレックスが届いていると報告を受けました。
テレックスはセントルイスからで「ルモインの身元が判明したので、設備が整っている当方に搬送してね。」という内容でした。
ベティは医師の伝言を伝えないということはやっぱグルなんでしょうか?忘れてるだけ?

彼はドッブスをとっちめようとして検死官事務所へ行くと、助手のジミーが腕に何かしていて慌てて出て行きました。
そこには遺体に化粧をする際の染料が残されており、周囲を探しましたが、ドッブスは見当たりませんでした。

ダンは墓守のサムにルモインの墓を掘らせることにして、また葬儀屋を探しますが、ドッブスは見つかりません。
ダンが墓場に去った後、遺体保管用の棚が一つ勝手に開き、ドッブスが起き上がりました。
!?ドッブスは何してるんでしょうか?葬式ごっこでしょうか?

ルモインの棺には遺体は入っておらず、何かの風呂敷包みのような物が入っていました。
包みの中には心臓が入っていました!

ダンはフレッドの写真を撮影し、事務所に戻りました。
ベティにドッブスの前歴の洗い出し依頼をテレックスで打つように指示し、またフレッドの写真を照会するように指示しました。
ベティはタイプ打つのめっちゃ早いですね。意外と優秀なのかこのおばちゃん。

ダンはアーニーの店にフィルムを取りに行きました。
見せないようにしていますが、アーニーの手は傷だらけでボロボロです。
ダンは帰り道に医師とぶつかるのですが、医師は以前とは別人のようでした。
先生はもうあっち側ですね。

ダンはテレックスの回答が来たので急いで事務所に戻ります。
ドッブスは過去に失踪しており、遺体を使用して何か良からぬことをし、医師会からは除名・追放処分となったということです。

ダンは家に戻り、物置から8ミリ映写機を出しフィルムを見てみることにしました。
彼は気づきませんが、物置にはリンチ集団が使用するライトが3つあるカメラが置いてありました!
フィルムには男女が交わっている様子が撮影されていおり、女が上にいる男を何度もナイフで刺しています。
部屋にはいつの間にかリンチ集団が集まってきており、偽ナース(浜辺)の女も映っており、男を刺殺していた女はなんとジャネットでした!
フィルムにはドッブスもご満悦で映っています。
ダンは絶望の叫びをあげるのでした。

ダンが検死事務所に怒鳴り込むと今度はドッブスが居ました。
ドッブスはフィルムを再生しながら真相を語ります。

ジャネットは既に死亡しており、ドッブスが蘇生させていたのでした。
彼は死人を集めて現在の街を形成しており、彼が皆を活かし続けていたのです。
殺人を犯していたのは彼が遺体を修復して仲間を増やしたいのと不老不死に興味があるからでした。

ダンはそこに現れたジャネットを撃ち、彼女は我に返ったように「私は死んでるから埋めてくれ」と言い出して姿を消します。
ダンは振り返るとドッブスを撃ち、ドッブスは倒れました。

ダンが墓場でジャネットを探すと、彼女はルモインの墓に横たわり、「私を埋めて」と懇願します。
ダンは泣きながら彼女を産めます。
ここちょっと泣きそうになりました。

ドッブスはまだ生きており、好きだったムーンライト・セレナーデのレコードをかけます。
ドッブスは自分に死化粧を施し、腹に管を刺すと倒れます。

ダンは集まってきた住人に殺害されそうになりますが、何とか逃げてドッブスの元へ戻ります。
ドッブスは蘇生したのかまだ生きており、フィルムを最後まで見せます。
それにはジャネットがダンを殺害する様子が映っていました。

絶望の淵に沈むダンにドッブスが声をかけます。
「ダン、私に治療させてくれ。」

エンドロールで終了です。

ウィッカーマンエンドと見せてシックスセンスエンドでした。
ドッブスには天罰が下って欲しかったので、ちょっともやもやします。
しかし凄い映画ですね。
ジャネットは幸せになれたのでしょうか?ダンはこの後どうするのでしょう。
悲しいですね。