前衛芸術映画 血のバケツ

血のバケツ

私の芸術、あなたにわかりますか?

制作年 1959年
制作国 アメリカ
監督 ロジャー・コーマン
脚本 チャールズ・B・グリフィス
上映時間 65分
出演
ディック・ミラー
バルボーラ・モリス
アントニー・カーボーン

だいたいのあらすじ

芸術家が集まるカフェでマックスウェルが芸術に関する詩を朗読しています。
このカフェは美術商のレナード(アントニー・カーボーン)が経営しています。
ウェイターのウォルター(ディック・ミラー)は女流画家のカーラ(バルボーラ・モリス)に憧れていました。
彼はこのカフェに出入りする芸術家達にも憧れており、自分も芸術家になりたいと常々考えていました。

ウォルターが家に帰ると飼い猫のフランクが行方不明だと大家が困っていました。
ウォルターは大家に猫を見かけたら早く帰って来るように伝えて!と頼まれます。
彼は相手は猫だから伝わらないと思うと回答しています。ちょっと笑いました。

ウォルターはウェイター業の傍ら、夢に近付くために彫塑を独学で学習していました。
今日も彫塑に精を出していると、フランクが鳴く声が聞こえて来ます。
フランクはなぜか壁の中で鳴いているようで、ウォルターが壁から出そうとナイフを刺します。
すると鳴き声が止み、壁を破ってみるとピンポイントで刺したナイフがフランクに刺さり、死亡していました。
なぜナイフで刺す?どんな確率でこうなるのでしょうか?どうやって壁に入ったのかも大きな謎です。
しかしこんな事を言っていてはこの先見られないので、どんどんスルーしたいと思います。

ウォルターはフランクの遺体を見て泣きながら粘土を練るのでした。

次の日、ウォルターは「死んだ猫」と題した作品をレナードの下に持ち込みます。
レナードは何でナイフが刺さってんの?と聞くとウォルターは刺すつもりはなかったと訳の分からない回答をします。
ともあれレナードは店の隅に「死んだ猫」を売れたらお金山分けという条件で置いてやることにしました。
ウォルターはこれで僕も芸術家の仲間入りだ!と歓喜するのでした。
腰の辺りにそのままナイフが刺さっています。
もう、すぐバレるので言っちゃいますが、せめてナイフ抜けと言いたいです。

ウィルターはソワソワしてしまいい、色々な客に「俺の猫どうよ?」と聞いて周ります。
そしてレナードにお前はウェイターなんだから働けと叱られるのでした。

どこの世界にも変人はいるもので「死んだ猫」は芸術家仲間では好評です。
皆は「これで勝つる!」、「黄金の鉄の塊!」などとウォルターを絶賛するのでした。
レナードは店が大騒ぎになってしまい誰も注文しないので、今日はもう帰って制作に励めとウォルターを帰します。
他の猫を作れと言われて、もう猫はいませんと回答しています。

ウォルターは帰り際にメヨリヤというぽっちゃりした女性に付き合って!私を攫って!と言い寄られます。
彼はカーラ一筋なので、大家に怒られるという理由で断ります。
メヨリヤは「これを私だと思って!」と言い、ウォルターのシャツのポッケに何か入れました。

そんなウォルターの跡をうさん臭い二枚目が尾けていました。
ネットで商材売りつけていそうな感じの男性です。

家に帰ったウォルターは猫が好評だったのにご満悦で、一人芝居でサインを求められた際の練習をしている始末です。
彼は有名になればきっとカーラも好きになってくれると妄想するのでした。

ウォルターがペラペラのフライパンでご飯を作ろうとしていると、先ほどの二枚目が訪ねて来ます。
彼はルーといい英語と日本語を混ぜて愉快な会話をするおじさんの芸名と同じ名前でした。
ルーは、ずかずかとウォルターの家に上がり込み、メヨリヤのくれた瓶を手に取ります。
そして掌にそれを少量取るとペロっと舐め、これは高価なヘロインだ!と言い出します。
少年名探偵みたいですね。ウォルターはメヨリヤはヘンな女だけどそんな高価なものをくれるなんて!と感激してます。

ルーはおもむろに警察手帳を出し、お前を麻薬所持で逮捕すると言い出します。
2人は口論になり、ウォルターは逮捕されるのが嫌だったのでルーをフライパンで撲殺してしまいます。
そこに大家さんがうるさいと怒鳴り込んで来ます。
背後の棚からルーの腕がビヨーンと伸びてしまい、ピンチでしたがウォルターはなんとか彼女を追い返します。
大家さんはブスでもいいから彼女をつくれ的なことを言ってました。

ウォルターは死体をどう処理する悩みますが、レナードが制作に励めと言っていたのを都合よく解釈します。
また粘土を使えばいいじゃないという結論を出します。

警察ではルーが行方不明だと大騒ぎになっていました。

レナードは何となく「死んだ猫」を手に取り眺めていると落としてしまいます。
そして彫塑から猫の毛が出ているのを発見しました!
レナードは「ありつ、やりよったな」と察知するのでした。

その日、レナードはウォルターを芸術家だと煽てて本物そっくりだと嫌味を言います。
恐ろしいことにウォルターは「殺された男」という等身大の作品を制作中だと言います。
こりゃいかんとレナードは警察に電話しようとしますが、猫を買いたいという男性が現れます。
レナードはガン無視して通報しようとしますが、男性が500ドルで欲しいし、新作も欲しいと言うので欲に負けてしまいました。
レナードダメじゃん。

レナードはカーラに誘われてウォルターの「殺された男」を見に行きます。
ウォルターは「殺された男」をドドーンと公開し、カーラは絶賛します。
レナードは作品を見て、腰を抜かしそうになってしまい、空気椅子コントまで始めてしまいます。

ウォルターはこれ店に飾っていい?と空気を読まないことを言い出し、レナードは断固拒否します。
カーラはそんなレナードの態度を見て、ウォルターは天才だと認めなさい!と詰め寄ります。
レナードは何とかごまかそうと、ウォルターは天才だから1作1作飾ってもしょうがない!と言います。
するとカーラは「そうよ!もっとバンバン制作しないと!」と恐ろしいことを言い出すのでした。
レナード、ストレスで禿げそうです。
カーラの発言には私も笑うのを超えて青ざめてしまいました。

レナードは仕方なく展覧会を開こう!でもまだ時間がかかるだろ!とお茶を濁そうとします。
更にレナードは写実はダメだ!怖いから!と言い、違う物を造れと勧めます。
ウォルターはもうウェイターはしたく無い、金儲けしたい!と言うので、レナードは猫売れたと言って50ドル渡します。

レナードは逃げるように退散し、帰り際に焦って制作するなよ!と釘を刺します。
ウェイターだけにウォルターはしたくないですね。
ちなみにレナードは50ドルしか渡してませんが、これはひとまずのお金です。

ウォルターは50ドルもらったことで天狗になってしまいます。
服装も形から入る系の人のようになってしまい、舞い上がります。
レナードのカフェに現れた彼は元同僚のシルビアにも尊大な態度を取ります。

モデルのアリスがマックスウェルと会話しようと近づき、ウォルターに気付きます。
彼女は「何ウェイターが席にいるわけ?」と世界のウォルターのプライドをべきべきにへし折ります。
ウォルターはもう違うんだ!芸術家なんだ!と答えるとアリスは1時間25ドルでモデルやってもいいわよと言い出します。

レナードは写実はダメだ!自由造形にしろ!と猛反対しますが、カーラは私はただでモデルになってもいいとほざきます。
するとウォルターは君は絶対にダメだと力一杯拒否します。
カーラはもう少し空気読んで欲しいです。

アリスは追い討ちでお前みたいなウェイターに芸術が理解できるわけない!我々とは格が違う!とフラグを立てます。
マックスウェルはウォルターの才能は本物だとフォローしますが、ウォルターは臍を曲げて帰ってしまいました。

その後、ウォルターはアリスを尾行して今からモデルをやってくれと頼みます。
アリスは承諾し、ウォルターの家で早速スッポンポンになります。
ウォルターは彼女の首にスカーフを巻かせると、絞め殺してしまいました。
今までは事故だったのですが、もうただの殺人犯ですね。

次の日の朝、ウォルターは芸術家の朝食会に飛び入りし、新作を見せたいと言います。
それはどう見ても絞殺されたアリスでした。
皆は今夜は祝杯だとウォルターを絶賛し、カーラも彼にバードキスをしました。

その夜、ウォルターは皆の祝福を受け、ベロベロに酔います。
彼はこれからもドンドン制作する!モデルは誰でもいい!と宣言します。
レナードはその様子をハラハラしながら見守っています。
レナードそろそろ通報しようよ。

ウォルターはチヤホヤされるのに味をしめてしまい、制作欲に憑りつかれます。
彼は木工所に忍び込み、名もない工員を電ノコで首を切断して殺害しました。

感想

これは意外と面白いです。あくまでもコメディ的な意味です。
お話がダメでツッコミどころが満載です。
これはどういうジャンルの映画か悩んだのですが、恐らくコメディです。
これをホラーとかスリラーとかサスペンスと言って公開したら物投げられると思います。

普通の人が殆ど出てこないか殺される映画です。
一番普通っぽいのが箸休め的に出て来るレナードのカフェにいる酔っぱらいだったりします。
もしかするとコーマンさんは芸術家があまりお好きではないのかもしれません。
好事家のおじさんも頭悪そうに描写されてました。

ウォルターの人は真剣に狂気を演じようとしていて役者バカぶりを感じました。

そういえば、カラー・ミー・ブラッド・レッドもこんな感じの映画でした。
類は友を呼ぶのでしょうか?あっちはホラー系なので視聴者は爆死してましたが。

古い映画が見たい!ブラックコメディが見たい!コーマンさんが好き!という人は見てもいいと思います。
まあ、短いですし途中で少し寝ても大丈夫だと思います。多分。

私はこの映画は普通です。

ラストまで(ネタバレ)

爽やかな朝、ウォルターが新作を持ってレナードを訪ね、箱から出そうとごそごそします。
レナードは朝からウォルターの顔を見てげんなりしてしまいます。
彼が路上に目をやると、首なし死体が工場で発見されたと号外が配られています。
そこにドーンとウォルターの新作が出され、それは生首でレナードは腰を抜かしそうになります。
腰を抜かす系の技はレナードの十八番みたいです。ポケモンのわざみたいでカッコいいですね。
コイキングみたいにLv上がると強くなるかも。

レナードはもう作品は造るな!とウォルターにきっぱりと言い放ちます。
芸術家の言ってることは戯言だから耳を貸すなとも忠告します。
レナードは最後に展覧会を開いてやることにしました。
レナードは芸術家連中を展覧会に招待しなかったようです。

展覧会への道のりで、ウォルターはカーラにプロポーズします。
カーラは恋愛感情は無いのでごめんなさいと断ります。
ウォルターはカーラに君の作品を造るから今夜モデルになって欲しいと懇願します。
カーラは今夜のことははっきり答えませんでしたが、モデルの件は光栄だと答えます。

展覧会は盛況で、作品も良く売れているようです。
カーラはアリスの象を見ていると人間の指が粘土の下から出ているのに気付きます。
彼女がウォルターにそれを訴えると彼は平然とあれはアリスだよ、と答えます。
ウォルターは彼等に永遠の命を与えたと言い、君もそうしてあげると言い出します。
人を蝋人形にする悪魔の人いましたね。

カーラは会場から逃げ出し、ウォルターはそれを追います。
その頃、会場では次々に粘土の下の遺体が発見されていました。
ウォルターは追跡中に良心の呵責からか今までに殺した人達の声を聞き、逃げ出してしまいます。
ルーの相棒の刑事がカーラに追いつき、ウォルターを追跡します。

ウォルターは家に戻りますが、声は付き纏います。
彼は「絶対に見つからない方法がある!」と粘土を掴みます。

刑事たちはウォルターの家に踏み込みますが、彼は自身に粘土を塗りたくって自殺していました。
ウォルターいわく題名は「首を吊った男」だそうです。

エンドマークで終了です。

題名そのまんまですね。
終わり方は普通でしたね。ウォルターがダルシムになって終わるのかと思ってました。
ちょっと拍子抜けしました。レナードにも罪ありますよね。

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