子供返してっ! フォーガットン

フォーガットン

消えていく……愛するものが、信じていたことが…

制作年 2004年
制作国 アメリカ
監督 ジョセフ・ルーベン
脚本 ジェラルド・ディペゴ
上映時間 91分
出演
ジュリアン・ムーア
ドミニク・ウェスト
ゲイリー・シニーズ

だいたいのあらすじ

テリー(ジュリアン・ムーア)は息子のサムを2年と2ヶ月前の飛行機事故で亡くしており、まだショックから立ち直れず、カウンセリングを受けていました。
彼女は暇さえあればサムのものを詰めた整理ダンスを開けては眺め、彼のビデオや写真をひたすら見ていました。
ある日、彼女がカウンセリングに行こうとしていいるとなぜか車の停車位置が変わっており、見知らぬ男(ライナス・ローチ)が乗った車が停まっていたのですが、自分の車も近くにあったので記憶違いのようでした。
また、マンス(ゲイリー・シニーズ)のカウンセリング中にも確かに飲んでいた筈のコーヒーが無くなったのですが、マンスは最初からテリーはコーヒーを飲んでいないと言うのです。

その夜、テリーは夫のジム(アンソニー・エドワーズ)と彼女が仕事に復帰したお祝いを自宅でささやかに行います。
しかしジムは家族三人で写っていた写真を夫婦二人だけのものに差し替えており、ブチ切れたテリーは家を飛び出しました。
そしてお酒を飲みながらブランコに座っているアッシュ(ドミニク・ウェスト)と出会ったので挨拶するのですが、彼はテリーのことを覚えていませんでした。
彼はサムが死亡した事故で娘のローレンを亡くしており、何度か面識があった筈でした。
翌日、部屋に施錠して大事に保管していたサムのアルバムから写真が消えたので帰宅したジムを怒鳴りつけると彼は「病気が治った!」とマンスを呼びました。

駆け付けたマンスはテリーには子供は居らず、記憶を捏造しているだけでアルバムにもビデオにも元々何も無かったと言い、ジムはテリーは流産して死にかけたことがあるというのです。
いや、さっきまでありましたよ。私は見ました。
マンスは幻を見なくなったのは良い兆候だと言うのですが、テリーはサムはいた!と二人に猛反発し、密かに隠し持っていた写真を見せようとするのですが、それも夫妻の写真に変わっていました。
混乱したテリーは家を飛び出し、図書館へと向かいました。

テリーは図書館で14ヶ月前の飛行機事故の記事を探すのですが、そんな記事はありませんでした。
テリーが保管していたものの中には事故の新聞記事もあったのですが。
混乱したテリーはご近所さんで良くテリーの子守をしてくれていたエリオットに「サムの件でジムと喧嘩になった」と話すのですが、彼女もそんな子はいないと言いました。
騒ぎに気付いたジムが迎えに来たのでテリーはまた逃走し、夜の街を歩きます。
彼女はアッシュの家に行き、サムとローレンが仲良しだった件やサムと一緒にこの家の来た件を話すのですが、彼は自分には娘もいないし、サムも知らんと返答しました。

アル中のアッシュは眠いと言って寝てしまったので、テリーは勝手に家の中を見て回り、不自然に剥がれた壁紙を発見して一気に剥がすと子供の描いた絵が現れました。
翌朝、ひたすら壁を剥がしたテリーはアッシュにローレンの描いた絵だと壁を見せて説得するのですが、彼は警察を呼びました。
警察に連行されたテリーでしたが、なぜか横からNSAの職員が割り込んで彼女の身柄を押えようとします。
一方、アッシュはテリーを送り出した後に壁を眺め、ローレンのことを思い出しました。

アッシュは通りに飛び出してテリーの後を追い、NSAの車の前に飛び出して停車させ、「彼女は正常だ」と騒いでガラスをキックで破り、職員と取っ組み合っている間にテリーを逃がしました。
アッシュは元ホッケーのスター選手だったのでなかなか強いのです。
テリーはもう一つの職員に追われますが、何とか撒いてとんずらしましたが、空に不思議な形の雲を目撃していました。
一方、ジムは警察に呼びだされていましたが、彼の応対をしたポープ刑事(アルフレ・ウッダード)はなぜNSAがテリーを連行したのか興味を持ちました。

テリーとアッシュは示し合わせたかのようにブランコの所で再会し、二人でこうなった原因を究明するために助け合うことにします。
彼女はこれは地球外生命体の仕業ではないかと言うのですが、さすがにアッシュは同意しませんでした。
二人が車で移動していると車の前横にNSAのバンがタックルし、職員が「大人しくしろ」と飛び出して来たので二人は車を捨てて逃げ出しました。
廃工場を駆け抜け、茂みに身を潜めてNSA職員達を撒いた二人はモーテルを発見して潜伏しました。
テリーはマンスに電話し、飛行機事故で死亡した娘を持つ男性と一緒にいると話し、これで私の話を信じるか?と聞いたのですが、やはりマンスはヒステリーガーとかのたまったので電話を切りました。
やはり協力者は得られませんでしたが、二人の疑問点はなぜ死んだ子のことを忘れさせようとするのか?という点でした。

翌朝、テリーはもしかしたらサムは生きてるのかもしれないと言い出し、アッシュもそれを否定しませんでした。
ちょっとぶっ飛び過ぎだと思いました。
その後、レンタカーを借り、ジムの会社へ向かおうとしていた所、二人は張り込みをしていた警官に見咎められ、更にテリー車の位置が変わっていた際に出会った男が進路妨害をします。
轢こうとしても退かないので、二人は男を撥ね、そのまま逃走しました。
そこにテリーの携帯にポープから電話があったので、「サムとローレンは誘拐された」とワーワー騒いでから切りました。

テリーは会社から出てきたジムに話し掛けるのですが、ジムはテリーのことを覚えていませんでした。
必死の呼び掛けも虚しく、彼は自分には妻も息子もいないと言って去りました。
二人はNSAの職員の追跡を受けて逃げ出すのですが、その車を撥ねられた筈の男が見送っていました。
一方、テリー達が逃走したレンタカー屋を捜査していたポープは撥ねられた男が無傷で現場から消えたと知ります。
そこにNSAのデイトン達が現れたので、ポープはテリー達の事件は市警の管轄だからお前ら邪魔すんなと釘を刺しました。

その夜、アッシュはまた深酒をしようとするのですが、テリーの叱責と励ましでお酒を呑むのは思いとどまります。
そして二人は付近をウロついていたNSAの職員ぺタリス(リー・ターゲセン)を捕獲して小屋に監禁しました。
一方、マンスはポープに接近し、電話対応に失敗したのでテリーは自棄を起こしてヤバいかもしれないと相談します。
マンスはポープがこの事件には何かあると睨んでいるのに対象的でアッシュはテリーの話に付き合っているだけだと考えているようでした。

感想

これはなかなか面白いのですが、ちょっと無理ありますね。
亡くなった子供が居た形跡がどんどん消されて行き、そのナゾを追うと言う話です。
冒頭は凄く面白そうで、車が?今度はコーヒー?どういうことなんだろう?とワクワクします。
その後、いきなりテリーが「サムは生きてる!感じる!」とか言い出してアッシュもそれを否定しなかった時はどうしようかと思いました。
ちょっとついていけないと感じたのですが、その後の展開はなかなか面白く、強引に進むので楽しめました。
結末付近の強引な展開はコミカルで清々しさすら感じてしまいました。
この辺りが受け入れられるかどうかだと思いました。

モヤッとするのが、子供達を拉致した者の正体が厳命されない点でしょうか。
匂わすような名発言は多くて90%位「宇宙人」で間違いないと思うのですが、誰も「地球外生命体」だとか「宇宙人」とか言ってくれません。
いつ言ってくれるのかと気になっていたらそのまま終わってしまいました。

演出はなかなか面白いと思いました。
人が飛ぶシーンはちょっとウケてしまい、人って飛ぶ時やっぱり海老みたいなポーズになるんだなあとウケました。
たまに俯瞰カメラみたいになったので、あんなにちっこく人を映してどうするんだろうと思っていたのですが、あれは上から見ているということだったのかもしれないなあと思いました。
そう思うと、意外と大真面目に作ってるんだなあと感心しました。

テリーがヤバいです。
もしかしたらこの映画は出鱈目なんじゃ?と薄々思い始めて段々と確信に至るのですが、そんな視聴者をお構いなしにサム教みたいな宗教ノリで話をグイグイ進めて行きます。
決して深く感情移入は出来ないのですが、カリスマというかなんというか彼女を応援してしまい、最後には泣かされます。
そして泣いた後には自分が何で泣いたのか良く分からなくなるというゴリ押し感動映画です。
これが真の演技力というものなのかもしれません。
まあその前の何があっても決して自分の考えを曲げないテリーの強さみたいなものを見せられてるので、その所為かもしれませんね。
サブリミナル効果的なものなのかもしれません。テキトーですみません。

話は大味でぶっ飛んでるんですが、演者も製作者も大真面目みたいな不思議映画でした。
でも私は割と好きかも。

ラストまでのあらすじ

アッシュとテリーはぺタリスを縛って拷問し、子供達は何者かに拉致されたと知ります。
子供達は何かの実験に使われているそうで、ぺタリスは「生きるためだ」とその相手を心底恐れており、この会話も聞かれていると言います。
二人も何か大きな力で子供のことは忘れるだろうというのがNSAの想定だったそうです。
次の瞬間、突然小屋の屋根と共にぺタリスが椅子ごと空中に吸い込まれてしまいました。

翌日、テリー達を追っていたポープをマンスを伴い、ガス爆発のように屋根が消えた小屋を見ていたのですが、壁に「子供達は拉致された。私は正常だから信じて欲しい」という書き込みを見付けました。
ポープは誘拐では無く拉致(アブダクション)という表現が使われていた点に疑念を抱きます。
また、ぺタリスのIDカードを回収し、なぜこんな所に?と首をひねります。
一方、テリー達は子供達は飛行機ごと拉致されたに違いないと判断し、事故機の航空会社クエストエアーに向かいました。
航空会社は倒産していたのですが、債券管理していた会計士に「社長補佐だ」と嘘を吐き、上手いこと社長の住所を聞き出しました。
しかしそこは空き家で、今の所は手掛かりは得られませんでしたが、そこで休むことにしました。

翌日、テリーはサムを見送った際に空港に車で撥ねた男が居たことを思い出し、同じくアッシュも空港であの男が写っている写真を見つけます。
二人は急いで空港に向かうことにしましたが、家を飛び出した所でポープとマンスの乗ったパトカーに遭遇したのでアッシュはテリーに車のキーを渡し、アパートで達追うことにして自分は囮になることにしました。
ポープは単独で家に向かい、立ち去ろうとしていたあの男と遭遇して発砲するのですが、男の傷はどこを撃っても急速に塞がり、そのまま去りました。
一方、アッシュはパトカーに独りでいたマンスに声を掛け、アパートに向かいました。

付近を捜索していたポープはぬかるみで立ち往生していたテリーを見付け、「私はあなたの言うことを全部信じる。あの男は人間ではないわ!」と呼び掛けます。
テリーはやっと味方が出来たと歓喜するのですが、ポープは「絶対に子供を取り戻す!」と宣言して彼女に歩み寄っている途中で大空高く吸い込まれてしまいました。
あんまりだと思いましたが、「ドヤ―」みたいなまま消えて行き、ちょっとクスリと来ました。

テリーとアッシュは待ち合わせ場所である彼のアパートで再会し、しっかと抱き合うのですが、そこにあの男が現れてアッシュを抱えて窓の外にバックドロップで飛び出しました。
アッシュの住んでいたのは高層階だったので絶命必至と思われましたが、アッシュは地面に落下する前に空中に吸い込まれ、あの男はそのま落下しました。
急いで下の路上に出たテリーでしたが、男の姿は無く、代わりにマンスに保護されました。
色んな意味でプロレスだということでしょうか?

マンスは警察に行こうとしていましたが、テリーが飛行場に向かわなければ車を盗んででも行くという強硬姿勢を見せたので二人は飛行場に向かい、到着しました。
飛行場にはあの男がおり、マンスはグルだったようで「実験を中止してくれ。手に負えなくなってきた」とテリーを示して言いましたが、男は絶対に実験は止めないと言って奥へ消えました。
テリーはマンスに助力を願うのですが、「君が実験台のされるだけだ」と断られ、単独で奥へ殴り込んで行きました。
あの男にサムの幻影と追いかけっこをさせられたテリーは実験台は子供では無く、大人だったのだと悟ります。

再び姿を現した男は親子の絆が断ち切れるかどうかの実験を行っており、テリーがサムを忘れないと失敗と見なされ、男はお咎めを受けるそうです。
ということで男が口と目を空洞のようにして「忘れろー!」と叫ふと凄い衝撃波が起こり、テリーは吹き飛ばされて周囲のガラス窓が破裂しました。
テリーの吹き飛ぶ様子を見て一時期ネットで話題になっていたヴァニラさんを思い出して笑ってしまいました。
テリーも電気料金を滞納してジムのオーラを感じていたのでしょうか。

男は倒れているテリーの首を絞めて持ち上げ、サムを出産した際の記憶を奪おうとしました。
どうやら成功したようで、男がサムのことを聞いてもテリーは覚えていませんでした。
そこで倒れているテリーを尻目に男は引き揚げようとしたのですが、テリーは自分が妊婦だった頃のことを思い出し、「私には息子がいる!サムだ」と立ち上がって叫びました。
男は実験に失敗したようで「もう少し時間を…」と呟いていましたが、大空高く吸い込まれてしまいました。

テリーはもしかしてサム戻ったかも?と思ったのか、自宅へ帰り、近所を半狂乱になって叫びながらサムの姿を捜しました。
すると公園にはサムがおり、ローレンも一緒に遊んでいました。
思わず強くサムと抱きしめますが、遊びたいという彼を開放し、そのまま見守ります。
付近のブランコではアッシュが佇んでおり、テリーは自己紹介して握手しました。
アッシュはテリーに「前に会った気がするね」と話していました。

エンドロールで終了です。

こんな出鱈目な映画なのにちょっと目がウルウルしてしまいました。
私はこの映画をゴリ押し感動大作と呼ぶことにします。
すごく騙されてる気がして釈然としないです。何かに負けた気がします。
一応、実験には勝ったということなのですが、ちょっとサムを捜す動機としては弱い気がします。

特典にもう一つのエンディング入ってました。
終わりの方しか観なかったのですが、飛行場でサムの幻影と追いかけっこしたテリーは自宅のような空間に迷い込み、子供部屋でサムを発見して歩み寄りますが、部屋に入ろうとすると電撃を受けてしまいます。
何度も電撃にはじき返されるテリーを見て男は「こちらは見えてないから無駄だ」と呼び掛け、サムはパラレルワールドに捕らわれて普段通りに暮らしているっぽいことを言います。

男は優しい顔で親が実験台なのだとサムに説明し、彼女にサムの記憶を語らせてどんどん忘却させます。
この演出は分かり易くて面白いですね。
彼は次々にサムのことを質問し、テリーは負けじと無理矢理に部屋に突撃し、強力な電撃を受けて倒れました。
テリーはサムのことを忘れてしまい、男は「実験は終わりだ」と告げました。
彼女はやはり妊婦だった頃のことを思い出し、「息子がいたのよ。サムよ」と力なく呟くのですが、男は「覚えてるのはお前だけだ。もう終わりだ」と告げました。

テリーは帰宅ますが、それでもサムのことを諦めきれないのか、近所の公園でサムを半狂乱に捜し、その様子を男が見ていました。
そしてサムと再会し、彼を開放した所で男が去って行く様子を見てテリーが微笑みます。
その後は正規エンディングと同様です。

こっちは宇宙人がテリーに根負けして皆を開放したということになってます。
ちょっと良い話みたいな感じです。
こっちの方が開放されるパターンとしては自然な気がしますが、凄く無感情だった男のキャラがブレるようなきがしました。
強引だけど、正規の方が良かったんでしょうか。
私は正規の方がいい気がしました。

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