ぶんぶんぶん蜂が飛ぶ キャンディマン

キャンディマン

キャンディマン呼んだらひどい目に遭う話

制作年 1992年
制作国 アメリカ
監督 バーナード・ローズ
脚本 バーナード・ローズ
原作 クライヴ・バーカー
上映時間 95分
出演
ヴァージニア・マドセン
トニー・トッド
ザンダー・バークレー

だいたいのあらすじ

冒頭の音楽いいですね。
大学院生のヘレン(ヴァージニア・マドセン)はバーナデット(カシー・レモンズ)と一緒にキャンディマンという殺人鬼にまつわる都市伝説のことを研究していました。
キャンディマンというのは右手を切られたのでそこにフックをはめた男で、彼の名を鏡に向かって5回言うと背後に現るそうです。
三年前、ヴァージニア州でベビーシッターのバイトをしていたクレアという女性がバイト中にビリーという男と浮気Hする際にキャンディマンの名を5回唱えたそうです。
するとキャンディマンがクレアの背後に現れてクレアと赤ちゃんは殺害され、ビリーは逃げ延びましたが発狂して精神病院に収容されたということです。
赤ちゃんとばっちりですね。

ヘレンの夫で社会学者のトレヴァー(ザンダー・バークレー)はイリノイ大学の講義で「下水に流したワニが成長」の有名な都市伝説について出鱈目であると講釈していました。
トレヴァーの講義を聞いたヘレンは、「今、都市伝説についてまとめてるのにフライングしないで!」とクレームを入れるのですが、「予定だから仕方ない」と返答されてしまいます。
ヘレンがカタカタとキャンディマンのことをPCに撃ち込んでいると、大学の清掃業務をしている黒人女性ヘンリエッタからキャンディマンはカブリーニという団地に住んでおり、そこでは女性が殺害されたという情報を得ます。
またヘンリエッタの同僚キティはルーシー・ジーンという女性がフックで切り裂かれて殺害されたと教えてくれました。

その後ヘレンが新聞を検索すると21人の連続殺人があったようで、その中にはルーシー・ジーンの名もあり、これはいいネタを得たと彼女は喜びます。
彼女はバーナデットに殺人鬼は鏡を外して隣室の薬棚から侵入したのではないかと言い、作りがカブリーニと同じだと自宅洗面所の鏡を外して見せました。
そしてヘレンは鏡に向かって5回キャンディマンと唱えてしまいました。

翌日、ヘレンは反対するバーナデットを説得して、ダウンタウンであり危険な地域であるカブリーニを訪問しました。
そして刑事っぽい扮装をした二人は入り口の黒人ギャングに冷やかされながらも団地の内部に突入しました。
中の壁は落書きで一杯で、ヘレンはそれをひたすら撮影しながらルーシー殺害現場に向かうと薬棚の裏側に穴が開いていました。
ヘレンは猛反対するバーナデットを五分だけという条件で説得して待たせ、穴の向こうの部屋を撮影しに向かいます。
穴の向こうには穴を口に見立てた黒人男の大きな顔の壁画が描いてあり、壁画の前にはカミソリの刃が入った個包装キャンディやチョコレートが無数に落ちていました。

フィルムが切れたのでバーナデットはもう帰ろう!と告げたのですが、そこに隣人であるアン・マリーが現れたので話を聞くことにし、彼女の部屋に入れてもらいます。
アン・マリーはルーシーの悲鳴が聞こえたので通報したそうですが、警察は来てくれなかったと言います。
彼女はルーシーはキャンディマンに殺されたのだと力説しており、彼女には赤ちゃんが居るのでキャンディマンが息子を狙ったらどうしようと怯えていました。

その夜、レストランで会食をしたヘレン達はトレヴァーの嫌味な同僚からキャンディマンのルーツを聞きます。
奴隷の息子だったキャンディマンは南北戦争後に解放された父が靴の製造業で巨万の富を築いたため、上流階級の教育を受けたそうです。
彼は絵画の才能があり、注文が殺到したそうで、ある日地主の娘の肖像画を依頼されたといいます。
キャンディマンと娘は恋に落ち、娘は妊娠したのですが、地主はそれを知って怒り狂い、悪党を雇ってカブリーニで彼の右手をノコギリで切断し、養蜂場のミツバチの巣を彼の身体にこすりつけたそうです。
彼は全身を蜂に刺されて苦しみながら死に、身体は焼かれて灰は撒かれたそうです。

再びアン・マリーの部屋を訪ねたヘレンは部屋の前でジェイク(デファン・ガイ)という黒人少年と知り合います。
彼はルーシーの事件で何か知っているようでしたが、話したらキャンディマンに殺されると恐れています。
ジェイクは外の公衆トイレにヘレンを案内し、ここで男の子がキャンディマンに陰茎を斬られて殺されたと教えます。
ヘレンは何と男子トイレに入って行くのですが、中は吐き気を催す異臭が漂っており、問題の少年が殺された個室は汚物でドアと壁に字が書いてありました。
便器を開けると蜂の大群が蠢いていたので、急いで蓋を閉めました。

ヘレンがトイレを出ようとしているとフックを右手に持ったキャンディマンを自称する男達に殴られて倒れてしまいました。
彼女は顔が変形するほど殴られていましたが、ジェイクの通報で警察に保護され、犯人は逮捕されました。
少年を殺したのもその男だろうということになり、他の事件との関連性も今後取り調べを行うそうです。
ヘレンは廊下で待っていたジェイクに警察に話したらキャンディマンに殺されると言われたのでキャンディマンは造り話で彼の名を語っていた男はもう捕まったと言い聞かせました。
ということでヘレンの傷も回復して事件は終結し、今回の調査結果も都市伝説の真相として出版できそうでした。

ヘレンが大学からの帰り支度をして駐車場の車に乗り込もうとしているとロングコートに右手に鉤爪というキャンディマン(トニー・トッド)が現れ、「俺を出鱈目扱いしたお前を貰う」と言いながら現れました。
人々の伝説である彼は恐怖を糧に存在しているので信じる者がいなくなると困るからという理由だそうで、彼に迫られたヘレンは金縛りに遭ったように動けなくなり、意識を失います。
ヘレンが息を吹き返すとアン・マリーの家のキッチンに居り、飼い犬の首が転がっており、アン・マリーの悲鳴が響いていました。

ヘレンは付近に転がっていた血まみれの包丁を護身用に持ち、そろそろと部屋を出ると血まみれの赤ちゃんのベッドの横で絶叫しているアン・マリーと出くわします。
どうみても犯人という状況のヘレンを見て「お前がやったんだな」とアン・マリーは掴みかかり、身の危険を感じたヘレンは包丁で斬りつけてしまいました。
そこに警察が突入してヘレンを容疑者として連行し、彼女はヴァレント刑事(ギルバート・ルイス)に逮捕されました。
その後、トレヴァーが迎えに来たのでヘレンは解放され、赤ちゃんは誘拐されていたと発覚しました。

ヘレンはカブリーニで撮影した写真を調べていたのですが、自分の背後にキャンディマンが映っていたことに気付きます。
そして自宅の洗面所の鏡の前にいるとフックが薬棚を破って飛び込んで来ました。
家の外に飛び出しますが、廊下にキャンディマンが現れたので、回れ右して戻って通報しようとします。
ところが神出鬼没のキャンディマンに迫られ、「子供を助けたければ一緒に来い」と後頭部ににフックを刺されました。
その時、運悪くバーナデットが訪ねてきたので、彼女はキャンディマンに惨殺されてしまい、ヘレンは血まみれの護身用の包丁を握りしめたまま意識を失いました。

帰宅したトレヴァーが通報したのでヘレンはまた逮捕され、護送中の彼女の脳内には「生を捨てて一緒に来い。俺は噂の中に生きている」とキャンディマンの声が響きます。
彼女は精神病院に収容され、ベッドに拘束されますが、キャンディマンの幻覚を見て騒ぎ、医師達に鎮静剤を打たれました。

感想

これは普通です。
都市伝説に迫る余りに取り込まれてしまった女性の話です。
正直、私は前半退屈だったのですが、中盤くらいから面白くなってきます。
この監督はペーパーハウスの人であの作品もほろ苦い感じの話でしたね。
これも最終的には救いはあるものの悲しい話になってます。
ゴリゴリな感じですが、上手いことに元が都市伝説なので気にならないという。

音楽がとても良くて映像とマッチしていて切なさに拍車をかけてます。
全体的にホラーというよりファンタジー的な空気が漂っており、ロマンチックだったりもする不思議な映画です。

キャンディマンは右手の付け根が異様に膨らんでおり、フックは手に釘で打ってあるみたいです。
所々にファーの付いた黒いロングコート着ていて少しスタイリッシュだったりします。
元々はインテリだったそうで、そんな空気も確かに漂ってます。
ただ、やっぱり凄い狂気というかそういうものが感じられ、きっと怨念だと思います。

気になったのが、5回の数え方ですね。
名前を呼ばせたいとかジャギみたいで怖いのですが、1日の回数かトータルの回数かどっちなのでしょう?
1日の回数だったりすると4回唱えた後に、残り1回を唱えるのを今か今かと待ち構えているキャンディマンの姿を想像してしまいます。
4回唱えて寝られたりするとズコーとなるのでしょうか?

ヘレンは最初は自業自得という感じで共感できないのですが、段々と可哀想になって来ます。
カブリーニの人達の行為は私にも理解でき、きっと私も同じことしたと思います。
まあ私は絵描けませんけど。
一番可愛そうなのはバーナデットだと思われ、とばっちりもいい所です。

ラストまでのあらすじ

目覚めたヘレンは車椅子に拘束され、バーク医師(スタンリー・デサンティス)と面会します。
彼女は1ヶ月の間、鎮静剤を投与され続けていたということで、バークは「お前の言うキャンディマン等いない」という意味で一人で騒いているヘレンの様子を撮影した監視カメラの映像を見せます。
ヘレンは「自分は殺人を犯してない。証明する」と言い、部屋の鏡に向かって「キャンディマン」と5回唱えました。
するとキャンディマンが現れてフックでバークを殺害し、「今夜お前に新たな奇跡を見せてやる」と告げてから彼女の手の革ベルトを切断して窓の外に消えました。

このままではまた犯人にされてしまう!とヘレンは窓の外に逃げ、ヘリを伝って隣の部屋の窓を叩き、窓を開けた看護師を襲って服を奪いました。
彼女は看護師に成りすまして病院を脱走し、自宅に逃げ戻ったのですが、トレヴァーは不倫相手の学生ステイシーと同棲しており、ステイシーは壁の色を塗り替えていました。
ヘレンの姿を見るなり、トレヴァーは「何しに来た」と病院に通報しようとします。
ブチ切れたヘレンは「さあ電話しろ」と受話器を差し出すのですが、二人共ビビッて動けず、ヘレンは諦めたように「もう終わりね」と言って出て行き、トレヴァーは病院に通報しました。

泣きながら川の水面を橋の上から眺めるヘレンの脳に「皆がお前を見捨てる。残された道は俺のものになるだけだ」とキャンディマンが呼び掛けるのでした。
ヘレンは再びルーシーの殺害現場を訪問し、穴を潜るとそこにフックを発見したので拾い上げ、奥に進むと隠し階段があったので上へと上がります。
そこは汚い小さいトイレ等が置いてある広い留置場の廃墟といった趣の部屋だったのですが、壁にはキャンディマンが右手を斬られる様子の壁画がありました。

部屋の隅には台の上で寝ていたキャンディマンが居たのでフックを突き刺すのですが、効果が無く、ヘレンは「良く来たな」と歓迎されお姫様抱っこされてしまいます。
彼女は赤ちゃんを助けることを交換条件にキャンディマンのものになることにし、台に寝かされて彼が口や身体から出した蜂に覆われてしまい、蜂が一杯の口でキスされたりしました。
なんで甘美な感じがするんでしょうか。不思議です。
キャンディマンは「新たな奇跡が産まれる」と呟いて赤ちゃんを抱いて消えました。

息を吹き返したヘレンは身体中を蜂に集られているような錯覚に捉われて全身をはたきますが、蜂はもう消えていました。
壁画を見たヘレンはなぜキャンディマンが自分に執着するのかをようやく知りました。
そこにはキャンディマンが愛した娘の姿が描かれていたのですが、それはヘレンと瓜二つでした。
ロマンス映画だったんですね!
ヘレンはお祭りで燃やすという瓦礫の山の中に赤ちゃんの姿を目撃し、中に潜り込んで赤ちゃんを抱き上げますが、そこにはキャンディンマンもおり、彼女の口を手で塞ぎました。

瓦礫の中にキャンディマンの姿を目撃したジェイク達は瓦礫の山に燃料をかけ、火を点けました。
炎に巻かれるヘレン達でしたが、彼女は燃えた棒をキャンディマンの腹に刺し、その隙に這い出そうとしました。
ヘレンは倒れた木材に身を焼かれながらも何とか這い出し、民衆の中に居たアン・マリーに赤ちゃんを差し出して力尽きます。
可哀想なヘレンは髪の毛が完全に燃えてます。
キャンディマンも「戻ってこい!」と絶叫して燃え尽き、ジェイクはその姿をしっかり捉えていました。

やがてヘレンの葬儀が開かれ、トレヴァーは堂々とステイシーを同席させていました。
そこにアン・マリーを先頭にした黒人集団が現れてジェイクが焼け跡から拾ったキャンディマンのフックをヘレンの棺の上に投げ入れました。

帰宅したトレヴァーはステイシーを軽く無視してトイレに閉じこもり、楽しかったヘレンとの生活を回想しながら涙を流します。
彼はヘレンの名を鏡に向かって5回呼んでしまうと、頭がケロイド状になり、フックを持ったヘレンが現れました。
そしてフックで彼を惨殺して消え、肉を切っていたステイシーはトレヴァーの遺体を見て包丁を手に絶叫しました。

カブリーニには髪の毛を燃やして神々しい姿で立っているヘレンの壁画がありました。
彼女は新たな都市伝説となったのでした。

ちょっとスッキリしましたが、悲しい話ですね。ちょっと泣いちゃいました。
赤ちゃんを助けて力尽きるシーンでもう涙腺がヤバかったです。
ステイシーが犯人にされそうですが、彼女は名前読んでないし、深みが無いので都市伝説にはなれないと思います。
特典は絵コンテとか色々入ってました。