食えば喰うほど強くなる ラビナス

ラビナス

血もしたたる恐怖の味。

制作年 1998年
制作国 アメリカ/イギリス/チェコ
監督 アントニア・バード
脚本 テッド・グリフィン
上映時間 101分
出演
ガイ・ピアース
ロバート・カーライル
デヴィッド・アークエット

だいたいのあらすじ

1847年
アメリカメキシコ戦争で激戦地から唯一生き残ったジョン・ボイド大尉(ガイ・ピアース)は帰還を祝う食事会の席で出されたレアなステーキを見て仲間の惨たらしい遺体を思い出したのか、吐いてしまいました。
そしてジョンはスローソン将軍(ジョン・スペンサー)から「お前は英雄ではない」とシエラネバダ山脈にあるスペンサー砦に左遷されてまいました。
現地に到着したジョンは上官のはハート大佐(ジェフリー・ジョーンズ)と顔合わせを行いました。
ハートは砦には「神の使者」を名乗るトフラー二等兵(ジェレミー・デイビス)、ライク二等兵(ニール・マクドノー)、元獣医で酒飲みのノックス少佐(ステファン・スピネラ)、先住民のマーサとジョージの姉弟、ヤク中のコック・クリーブス二等兵(デヴィッド・アークエット)というメンバーが居ると教えます。

早速、夕食となったのですが、この辺りは雪に閉ざされて人通りも少なく、変化の無い退屈な毎日のようでした。
ジョンは一人前の戦場のことを回想するのですが、彼は仲間が殺される中、死体に成りすまして生き延びており、隊長の遺体の血が喉に流れ込んだ後に超人的な力が湧き、敵を撃退して生き延びていました。
翌日、クリーブスはマーサと共にお買い物リストを手に三日程度の買い出しに出て行きました。
その夜、ジョンは窓の外に誰かが覗くのを発見し、皆で周囲を探すと行き倒れて投資寸前の男を発見し、急いで砦に運び込んで暖めます。

翌日、コルホーン(ロバート・カーライル)と名乗るその男は意識を取り戻し、遭難して3ヶ月の間彷徨っていたのだと語ります。
彼等6名は新天地を求めてアイヴス大佐というガイドの提案でシエラネバダ越えルートを馬車で移動していたのですが、山中っで冬を迎えてしまい、身動きが取れなくなったそうです。
洞窟に避難したのですが、食料が底を尽き、牛や馬・犬も食べ、終いには栄養失調で死んだ仲間を食べたそうです。
アイヴスはその内に仲間を次々に殺して食べるようになり、恐ろしくなったコルホーンはマクレディ夫人を残して逃げて来たということでした。
これドナー隊の悲劇の話に似てますね。場所もシエラネバダですし。
話を聞いたハートは早速、マクレディ夫人の救出に向かうことにしました。

翌朝、一行はノックスを留守番にして洞窟へと出発しました。
ジョージは人肉を食らって相手の能力を体内に取り込んで強くなり、いつも餓えている魔物ウェンディゴの伝説を語り、アイヴスは強いから注意が必要だと言いました。
途中でキャンプしつつ進み、道中でトフラーが人骨を発見して皆に知らせるのですが、誤って崖から落ちてしまいました。
トフラーは腹部に重症を負い、一行はそのまま夜営となりました。

その夜、トフラーの悲鳴で皆が駆けつけると「コルホーンが傷を舐めた」と訴えており、確かにコルホーンの唇には血が付いていました。
ハート達が彼を尋問すると「悪夢を見て無意識にやった。自分でも恐ろしいので私を縛ってくれ」と訴えたので、彼を縛ることにしました。
翌朝、出発となりトフラーも何とか最後尾をついていき、コルホーンは両手を縛ってライクが監視していました。
やがて洞窟に到着しましたが、コルホーンは「嫌だ、行きたくない!殺される!」と取り乱し始めます。
ハート達が周囲を固め、ジョンとライクがカンテラを手に洞窟へと突入することになりました。

洞窟の中は幅が狭い横穴が奥深くまで続いており、途中の床には血が付着しており、奥には人間一人が何とか通れる位の縦穴がありました。
ライクは先行してロープを手繰ってその穴に降りて行き、下でぶら下げられた人骨5つを発見し、中には軍服もありました。
ということはコルホーン以外は全員死亡しているということになり、それに気付いたライクは「ハメられた!」とジョンに叫び、急いで引き上げてもらいます。
一方、コルホーンは見えない何か怯えるような様子で挙動がおかしくなり、勝手に手の拘束を解いて地面を掘ったりしていました。
そしてナイフを掘り出したコルホーンはハートの腹に突き刺し、ジョージが投げた手斧もハートを盾にして回避し、そのままハートの拳銃を奪ってジョージを射殺しました。

上に上がったライクは「奴が全員殺したんだ!」とジョンに伝え、二人は大急ぎで洞窟を出ました。
入れ替わりにコルホーンは怯えて動けなくなっているトフラーに「逃げろ」と命じ、狩りを楽しむようにその後を追い掛けていました。
ジョン達は洞窟の入り口で虫の息になっているハートと死亡したジョージを発見し、トフラーの悲鳴を聞いたので、そちらに向かって走り出します。
二人が駆けつけた時にはトフラーは内臓の一部を食われて死亡していたのでコルホーン殺す!と決意し、一方で完全に捕食者としての正体を現したコルホーンは「ガー」と叫んで自分の居所を知らせたりします。

コルホーンは、「何事にも恐れず猪突猛進!」というライクの習性を上手く利用して二人を崖上まで誘い出します。
そして姿を現してナイフを投げ、ライクを深い崖下に落として殺害し、それに反応したジョンはコルホーンに発砲して射殺しました。
何てことだ!と頭を抱えるジョンでしたが、コルホーンは笑いながら身を起こし、恐怖ですくむジョンに対して完全に優位に立ち、ゲームでも楽しむかのように襲い掛かる姿勢を見せました。
ジョンはこいつに食われる位なら!と思ったのか、思い切って崖下に向けてダイブし、上手いこと木を掴んで衝撃を和らげながらライクの遺体を巻き込んで崖下へと転げ落ちました。
コルホーンは食料確保と証拠隠滅のためか、わざわざ二人を捜しに来たのですが、落とし穴のような所に落ちたので見つからずに済みました。

その夜、ジョンは骨が飛び出す程の骨折を負った脚の応急措置を行いました。
何日かが経ち、ジョンは穴の中で餓えに耐え傷の回復を待っていたのですが、とうとう堪えきれずにライクの肉を食べてしまいました。
そして穴を出て太陽の光を浴び、砦を目指して歩き始めました。
一方、コルホーンもハート達を連日食べまくり、パワーアップしていました。
ジョンは雪の中を数日フラフラと歩いて砦に到着しました。
ここはスーファミみたいな和み系BGMが流れてます。

ジョンはクリーブスに助けられ、ノックスに治療して貰い人心地着きましたが、やはり恐怖は拭えず、マーサに「どうしたらウェンディゴ倒せる?」と聞きました。
マーサは自分の命を捨てるしかウェンディゴを倒す方法はないと返答しました。
ある日、スローソン達がやって来てジョンから今回の件の事情聴取をするのですが、ウェンディゴや洞窟の件を話しても証拠が隠滅されていたので相手にされず、証言を変えるように指示されます。
また、ハートの一時的な公認としてアイヴス大佐(ロバート・カーライル)を紹介されるのですが、どう見てもコルホーンだったのでジョンは卒倒してしまいます。

ジョンはあいつがコルホーンだ!皆を殺した!と証言し、ノックスも面識があるとスローソンに訴えるのですが、ノックスは酔っていたので覚えていませんでした。
そこでアイヴスがコルホーンなら撃たれた傷がある筈と確認したのですが、アイヴスにはそのような傷がありませんでした。
アイヴスはコンタクトでもしているのでしょうか?ヴァンパイアみたいに光沢のある目で怖いです。
そして砦の中ではジョンがイカレてる的な空気になってしまいました。

ジョンはアイヴスを恐れて護身用に常にナイフを持ち、一睡もできなくなってしまいます。
そしてアイヴスは彼を挑発するように自分がコルホーンであり、ライクの肉も食ったこと、人肉食のお陰で結核やうつ病、自殺願望というものが消えて順風満帆であると話し、お前も本当は食いたいんだろ?とジョンを揺さぶります。
ジョンはアイヴスの手に斬りつけた後に首にナイフを突きつけて殺そうとするのですが、マーサに止められ、監禁されることになりました。
また、なぜかクリーブスの姿が砦から消えていました。

感想

これは普通です。
人肉食べて強くなった男と人肉食べたけど葛藤する男の対立を描いています。
一応、アクションかサスペンスかになると思いますが、ファンタジーっぽくもあり、不思議な映画です。
内容はなんじゃこりゃって感じなのですが、役者パワーなのか意外と面白いです。
きちんと練られている感じもして作りは丁寧だと思われ、意外な展開もあったりします。
それにしても健康のために人肉食とか凄い発想で、お肉一日これ一皿!みたいで怖いです。
それはそうとして、結末付近のスローソンの挙動を考えると意外とテーマが深いのかなあとも感じられました。

全体的に民族音楽というかシュランメル音楽風な陽気なBGMが流れており、猟奇的なシーンでも流れます。
なんだか脱力する感じなのですが、これが意外に役者の緊張感と対照的で面白いのです。
演出もスピード感があってなかなか良いのではないかと思います。

全体的に非常に江面が汚い映画で、男達の服装は皆汚いです。
寒いので汗臭い系では無いのですが、美女とか出て来なくて、先住民のおばさんだけ出てきます。
でも不思議なことに映像が所々甘美な感じんなのはなぜでしょうか?
結末の血まみれシーンのアップ等は美しく感じてしまいました。

役者さんはジョンのビビり系演技は素敵でしたが、私的にはコルホーン(アイヴス)が不気味で良かったと思います。
個人的にはライクがタイプでしたが、彼は直ぐ退場してしまいました。

ラストまでのあらすじ

マーサが周囲を見回った所、クリーブスは屋根の上で内臓を丸出しにして死んでおり、馬は皆殺されていました。
ノックスはジョンが犯人であると考え、ジョンは投獄されることになりました。
翌日、マーサが歩いて隊に知らせに行くことになり、それを見送ったアイヴスは門にしっかりと閂を架けました。
ジョンは両手を鎖で拘束されて壁に繋がれ、アイヴスは彼を挑発するように自分の指の血を舐めます。

そしてノックスもアイヴスに殺害され、ジョンの前には実はアイヴス一味っとなったハートが現れます。
ハートは死にかけている所にアイヴスに人肉を口に突っ込まれて食べ、パワーを得たので仲間になったそうです。
彼はジョンの鎖を解き、庭でノックスを絶賛解体中のアイヴスの下へ連れて行きます。
アイヴスは「迷わず食えよ、食えばわかるさ。この辺を通る開拓者を食いまくろうぜ!」とジョンを仲間にしようとするのですが拒絶されます。
アイヴスはジョンを強制的に仲間にしようと彼の腹をナイフで刺し、無理矢理暖炉の前に連れて行きました。

アイヴス達はノックスの肉で作ったシチューを食べながら、「生きるために食え、食うために生きるなってベンジャミンフランクリンも言ってただろ」等とのたまって、死にたくなければ肉を食えとジョンを誘導します。
ジョンは口から血を吐き、腹部から激しく出血しながら「このままでは死ぬ」と遠のく意識の中で必死にシチューを貪り、あっと言う間に回復しました。
やがてマーサがスローソン達を連れて来たのが遠くに見えたので、アイヴスはスローソンを仲間に入れようと目論みます。

ジョンはハートにライク達仲間のことを思い出させ、良心に訴えて拘束を解かせます。
ハートはここを出て行く前に俺を殺してくれとジョンに要求し、ジョンは彼の喉を掻き切りました。
そしてジョンはアイヴスに立ち向かい、二人は刺しつ刺されつの凄まじい死闘を演じます。
やがて何とか小屋にアイヴスを封じたジョンは脊髄にナイフが刺さったままフラフラと歩き、アイヴスを納屋の巨大なトラバサミの罠の上に倒し、自分が上になって一緒に挟まれます。
こうして二人は「どちらが先に死ぬか」という持久戦になりました。
この死闘シーンだけがホラーなBGMで怖いのです。

スローソン達は砦に到着したのですが、周囲に誰も居ないので不審に思いましたが、スローソンは疲れていたのかうっかりノックスのシチューを「うまいうまい」とつまみ食いしてしまいました。
そんなことは知らないジョンはやがて息を引き取ったアイヴスの上でゆっくりと息を引き取るのでした。
その様子を見たマーサは察したのか砦から去って行きました。

再び折り重なったジョン達の姿が俯瞰で映されます。

エンドロールで終了です。

ウェンディゴを倒すには自らを犠牲にしないとダメということですね。
またスーファミBGMが流れてます。不思議な味わいの映画ですね。
特典は未公開シーンとかスチールとか色々入ってて豪華でした。
新品500円だったので珍しく自分で買った記憶がありますが、お得な感じです。

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