衣装が凄いです ザ・セル

ザ・セル

殺人鬼の心を覗いたらひどい目に遭う話

制作年 2000年
制作国 アメリカ
監督 ターセム・シン
脚本 マーク・プロトセヴィッチ
上映時間 109分
出演
ジェニファー・ロペス
ヴィンス・ヴォーン
ヴィンセント・ドノフリオ

だいたいのあらすじ

キャサリン(ジェニファー・ロペス)は広大な赤い砂の砂漠を白いドレスを着て黒馬で駆け抜けており、彼女が馬を停めてピラミッドのような砂山を登っていくと馬はブロンズ像に変わっています。
彼女はひたすら砂山の尾根道を優雅に歩き、白い砂の谷に到着します。
白い砂の谷では枯れ木が立ち並んでおり、中心部の倒れた木に腰掛けて少年エドワード(コルトン・ジェームズ)がハンドミラーで光を反射させています。
キャサリンは微笑みながらエドワードに「馬をありがとう。でも海に行こう」と誘います。
エドワードが視線の先を向けると、そこには小さな模型の船が現れたので、キャサリンは「おいで」と彼を呼ぶのですが、エドワードは「モッキー・ロック」なるお化けがいるのでここから動けないと返答し、獣のような顔で威嚇して逃げてしまいました。
この映画は衣装と映像が凄いですね。

キャサリンが諦めたように手のチップを押すと、赤茶色のでこぼこしたラバースーツを纏い、横になった状態で宙にワイヤーでぶら下がって目覚めました。
隣にはエドワードが同じようにスーツを着てぶら下がっており、目を見開いたまま昏睡しています。
彼女は同僚のミリアム(マリアンヌ・ジャン=バプティスト)、バリー(ジェリー・ベッカー)、ヘンリー(ディラン・ベイカー)達が見守る中、せり上がって来た台の上で身体を起こし、「モッキー・ロックに邪魔された」とこぼします。
実はこの装置は人の意識下に入り込むことが出来るもので、キャサリンが見ていた赤い砂漠の世界はエドワードの意識下の世界でした。

心理療法師であるキャサリン達はここキャンベル・センターでこの装置を用いて昏睡状態にあるエドワードを治療しようとしています。
エドワードのパパ・ルシアン(パトリック・ボーショー)は研究チームへの出資者でもあり、成果が出ないので研究を打ち切らせようとしていました。
しかしルシアンの妻でエドワードのママ・エラ(パトリック・ボーショー)はこの研究に希望を持っているようで、エドワードとの面会も楽しみにしているようでした。
バリーの説得でルシアンは半年の猶予を研究チームに与えますが、成果を焦るキャサリンはミリアムにエドワードに自分の意識下に入らせてはどうかと提案していましたが、危険だと却下されました。

荒野にあるタンクが二つ並んだ建物では殺人鬼の男が水を張ったガラスケース内に若い女性を閉じ込めて殺害し、その様子を見て興奮していました。
その男カール(ヴィンセント・ドノフリオ)は女性を漂白して洗い、拉致してからガラスケースに閉じ込めた際の映像を見て、また興奮していましたが、その内に自分の背中や脚の背面に刺されたリングにフックを掛けて女性の上に宙吊りになって自慰行為を始めました。
カールは時折、解離性障害のような症状を見せ、それで犯行に及んでしまうようでした。

その後、警察ではカールが川に遺棄した遺体を発見し、事件を謁見した捜査官のゴードン(ジェイク・ウェバー)はこれでカールの犠牲者が8人になったことを憂いています。
担当主任のピーター(ヴィンス・ヴォーン)は検死の結果から犯人が同一人物で間違いなく、アルビノの犬を飼っている可能性があると知りました。
一方、カールは次の犠牲者となるブロンド美女に目を点けて地下駐車場で待ち伏せし、彼女がバックで車を出す時に飼い犬に轢かれたような演技をさせて「ゴメンね」と降りて来た所を拉致していました。
翌日、ピーターは捜査本部で「犯人は自分の犯行を止めてもらおうとしている」と考えを語り、犬と現場に残された車輪跡からの捜査を開始しました。

ピーターとゴードンは駐車場で拉致された女性ジュリア(タラ・サブコフ)の家族に「状況から連続殺人犯に拉致された可能性が高い」と報告します。
そして犬の件からカールの身元が判明し、ピーター達は彼の家を包囲後に突入し、全裸で倒れていたカールを連行しました。
家に居た犬や大量の漂白剤、犯行履歴を物語るビデオや瓶詰の人形等から彼が犯人で間違いないということになりましたが、ジュリアの姿は家の中には見当たりませんでした。
一方、ジュリアは荒野にある建物のガラスケースの中で息を吹き返し、助けを求めていました。
ジュリアは「なぜわたしがこんな目に」と嘆いてますが、全くその通りだと思います。

カールの状態を診断したリード博士(プルイット・テイラー・ヴィンス)は「物理的な脳障害による統合失調症で昏睡状態のままだろう」と結果を出しました。
ピーターからジュリアの件を聞いたリードはキャンベル・センターで行われている治療に思い当たりました。
彼等はカールをキャンベル・センターへ運び込み、キャサリン達に被害者のビデオを見せてジュリアの居場所を聞き出して欲しいと依頼し、被害者の泣き叫ぶ様子を見せられたキャサリン達は同意しました。
そしてピーター達の立ち合いの下、キャサリンはカールの意識下に潜入して行きました。

意識下ではカールが幼少期に川で洗礼を受けている様子から始まり、キャサリンは荒廃した下水道のような所で顔に滴った血液の感触で目覚めました。
次に血液を張ったバスタブで行水をしてぶんぶんと水を払う黒犬のイメージが見え、廃墟に沿っているひたすら真っ直ぐに長い階段を駆け上がる少年の姿が見えました。
キャサリンは彼に呼び掛けたのですが、二人の間には深い谷があり、少年は姿を消しました。
次に博物館に展示されていた生きている馬の近くで少年カール(ジェイク・トーマス)に出会ったキャサリンは声を掛けるのですが、しきりに時計を見て怯えていた彼は馬を撫でていた彼女を突き飛ばします。
直後に無数のガラス板の仕切りがあるケースが落ちて来て馬を綺麗にスライスし、断面模型のように展示されました。

少年カールは地下に逃げ込み、キャサリンが後を追うと、そこには被害者女性達が蝋人形のようにガラスケースの中に展示されており、スイッチを入れると身もだえたりジョギングしたりしました。
彼女はケースから現れたボディビルダーのようなガチムチ女性に捕まって壁に叩きつけられ、そのまま担がれて拉致されました。
キャサリンはそのまま背中のリングをカーテンフックのように使用した長いマントを羽織り、玉座に座ったスキンヘッドのカールの前へ投げおろされます。
カールは「どこから来た!」とキャサリンを威嚇し、恐ろしくなった彼女は手のチップを押して現実世界へ戻ります。
この装置には相手の心に深入りすると夢が現実になるように、カールの意識下で起きたことを追体験してしまう危険性があるようです。

その頃、ジュリアのケース内には水が3㎝程度投入され、彼女は祈りながら震えていました。

キャサリンはピーターに「あいつの世界は異常。私には理解不能」と心情を打ち明け、ピーターは自分の身の上話をしました。
ピーターは検事だったのですが、証拠不十分で一人の殺人鬼を無罪にされてしまい、その男は釈放されて直ぐに少女を殺したそうで、それがきっかけで一人でも多くの犯罪者を掴まえたいと捜査官になったそうです。
その男は少年時代に受けていた虐待を理由に心神喪失と診断され、殺人罪は免れたのですが、ピーターも少年時代に自身が虐待を受けていたことを匂わせました。
キャサリンは少年カールに出会ったことを話し、彼はジュリアの居所を話すかもしれないと話しました。

今度は犬を連れて来て側に待機させ、カールの潜在意識をリラックスさせた状態で二回目の潜入が始まりました。
キャサリンはガラスケースに入った状態で目覚め、上の出口から出ると重力が逆さまになって下の黒い廃墟へとゆっくりと落ちて行きます。
少年カールの家を訪ねて皿拭きを手伝い、「私に会いたくなったら合図して」とミラーの付いたネックレスを渡すのですが、彼は皿を割ってしまい、父親から酷く虐待されます。
彼は人形遊びが好きだったようで、父親から「オカマ野郎」と罵られて殴る蹴るの暴行の他、熱したアイロンを押し付けられていました。

今度は成人カールがバスタブに浸けた女性の遺体を前に後悔の念を語っており、彼はキャサリンに洗礼を受けた際に溺れそうになったが誰も助けてくれなかったと訴えます。
この体験から女性を水に浸すのでしょうか?
キャサリンは「あなたを信じてる。ジュリアの居場所を教えて」と訴えるのですが、「テキトーなこと言うな!」とカールは消え、今度は羊のような髪型の白塗りカールが彼女を押し倒して首輪を嵌めました。
モニターを見ていたヘンリー達はキャサリンが夢と現実が区別できない状況で危険だと判断しますが、装置を止めるとショック死してしまうそうです。
そこでピーターがもう一つの装置を使い、彼女を呼び戻すことになりました。

ピーターが目覚めると砂の畑のような所におり、背後には黒衣の三人の女性が口を上に開けて座り込んでいました。
そして少年カールにミラーで導かれるとキャサリンが豪華なベッドに横になり、名状しがたい謎の衣装やマスクを着けて首の鎖で繋がれていました。
ピーターは「正気に戻れ」と彼女に呼びかけるのですが、キャサリンは「可哀想に。パパにぶたれたの?」と等と聞いてキスしてきます。
すると背後から王の扮装をしたカールが現れてピーターを拘束して台に載せ、ハサミで内臓を抉りだして、巻き取り機で巻き取り始めます。

キャサリンは微笑んでそれを見ていましたが、ピーターの必死の呼び掛けに正気に戻り、カールを独鈷杵で背後から刺し、彼は消えました。

感想

これは普通です。
お話は殺人鬼の潜在意識に働きかけて拉致監禁されている女性を救おう!というものです。
まあまあ面白くて映像が凄いので、冒頭はかなり面白そうです。
でも段々と飽きてきて中だるみしてしまい、終盤にまた盛り返すみたいな感じです。
ジュリアの居場所の根拠も潜在意識の話なので、なんでもありで若干強引なのは否めないと思います。

あとは衣装が凄かったですね。
キャサリンの「見て見てー」的世界には苦笑しましたが。
そういう所だけは妙に力が入っているのですが、カールを支配しているのは何なのか?とか肝心の部分は良く分かりませんでした。
キャサリンもイマイチ心療師っぽくないような行動が多いような気がしました。
最初不気味かと思ったんですが、カールもイマイチオーラ不足というかあまり怖くないです。
背中の金具だけのインパクトだったような…まあ、殆ど寝てるのもあるんでしょうけど。

ラストまでのあらすじ

ピーターはジュリアに呼び掛けられて息を吹き返しますが、二人はまだカール世界に居り、ガラスケースの中で仮面を着けて水中バレエのようなことをしているジュリアの横にいた少年カールにキャサリンが「ジュリアは何処?」と質問しました。
彼は怯えているのか首を横に振り、ピーターは紋章のようなものを見付けてジュリアの監禁場所の手掛かりを得ます。
ピーターは「戻ろう」と言い、少年カールは王カールに捕らわれてしまい、キャサリンは「きっと助けに来る」と約束し、二人は現実世界に戻りました。

ピーターはカールの家にいた同僚のコール(ディーン・ノリス)に地下にあった紋章の付いた巻き上げ機のメーカーの連絡先を調べさせ、取引履歴から購入者を洗い出すよう依頼します。
これ今更な気がしました。
その後、ピーターはヘリで何処にでも行けるように上空で連絡を待ちます。
一方、ジュリアのガラスケースには水が怒涛の勢いで流れ込み始め、もう膝上位まで溜まっていました。

そしてキャサリンは少年カールを救おうとヘンリー達のアクセスを遮断し、また装置を作動させますが、今度はカールを自分の意識に呼び込む形式にしました。
キャサリンの世界では彼女は修道女のような姿をしていて辺りには桜が咲いて光り輝いており、少年カールをウェルカムと招き入れました。
自己評価高過ぎでしょと苦笑してしまいました。ディズニー映画みたいです。
キャサリンは優しく少年カールに話し掛けるのですが、彼の残虐性は少年時代からあったようです。
そして彼は「また見つかった」と言い、黒い鱗マントを纏った黒カールが現れて辺りを闇に染め、百足やら蛇やらが這いまわり始めました。
一方、ピーターはカールが発注した巻取り機のメーカーは倒産しており、彼が工場の後処理を任されていたと聞き、ジュリアの居場所はそこに違いないと急行していました。
そして地下室を発見し、そこで間一髪の所でジュリアを救出しました。

キャサリンは黒キャサリンに変身して黒カールを迎え撃ち、ボウガンで彼の足を撃って釘付けにしました。
キック一発で黒カールを倒し、手足を全てボウガンで釘付けにし、「ここでは俺が法律」と背中から剣を出して黒カールを刺しました。
黒カールは「殺せ」と言うのですが、彼を刺すと少年カールも傷ついてしまい、キャサリンは「僕を助けて」と訴える少年カールを中央のプールの所で洗礼のように浸しました。
そして黒カールと少年カールは死亡して現実世界のカールも死亡し、キャサリンは現実世界に戻りました。

こうして事件は解決し、キャサリンはカールの飼っていた犬を引き取り、ピーターに別れを告げました。
その後、キャサリンはエドワードを自分の世界に招き入れ、彼は初めて自分の意思で彼女に近付いていきました。

エンドロールで終了です。

最後まで不思議な映画でしたね。
少年カールが極悪で黒カールが善人だったとかなると面白かったのかも。それは流石に月並みですね。
特典はメイキングとか削除シーンが入ってました。

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