ドロドロ姉妹 何がジェーンに起ったか?

何がジェーンに起ったか?

妹に意地悪されてひどい目に遭う話

制作年 1962年
制作国 アメリカ
監督 ロバート・アルドリッチ
脚本 ルーカス・ヘラー
原作 ヘンリー・ファレル
上映時間 134分
出演
ベティ・デイヴィス
ジョーン・クロフォード
ヴィクター・ブオノ

だいたいのあらすじ

1917年
ジェーン・ハドソンは「ベイビー・ジェーン」と呼ばれる歌って踊れる人気子役で、彼女の出演しているCMの商品は良く売れ、ステージも連日大盛況で特に「パパに手紙を」という演目は人気がありました。
ハドソン家の収入の殆どはジェーンに依存している状態で、ジェーンは段々と傲慢になり我儘を言うようになっていました。
パパはそう言う訳でジェーンの姉・ブランチにその分冷たくしたのですが、ママは「きっとお前も人の注目を集める時が来る」と彼女を励まし、「その時にはパパとジェーンに優しくしてね」と付け加えるのでした。

1935年
美しく成長したジェーンとブランチでしたが、ジェーンは演技の下手さとアルコール浸りで酒乱という素行の悪さが災いして女優としての評価はよろしくありませんでした。
反対にブランチは演技力を高く評価され、引っ張りだこの状態でした。
マネジメント会社としてはトラブルメーカーのジェーンを切りたくて仕方が無かったのですが、ブランチは「自分とジェーンを平等に仕事を斡旋する」という条件で契約を結んでいたので、頭の痛い所でした。
姉妹はその夜、車で帰宅したのですが、どちらかが門を開けている間にどちらかが車を動かして背後から轢こうとしました。

数年後、ブランチ(ジョーン・クロフォード)は交通事故の影響で下半身不随になり、車椅子生活を送っていました。
ジェーン(ベティ・デイヴィス)もブランチと同居して姉の面倒を見ていました。
姉妹の家の隣にはベイツ夫人(アンナ・リー)というブランチファンの女性が住んでおり、娘とTV放映されている映画を観ながら「この映画パパと見に行ったんだー」等と話していました。
あの交通事故の詳細は不明だったのですが、前後不覚に陥っていたジェーンがブランチを轢いたのだということになっていました。

ジェーンは相変わらず一日中お酒ばかり呑んでおり、日に日にブランチに辛く当たるようになっていました。
ある日、ベイツ夫人がブランチに一目会えれば…と考えて花を持って訪ねて来たのですが、ジェーンは「伝えとく、姉は誰とも会わない」と花を受け取って追い帰しました。
彼女はそんな感じでブランチに対する来客はガン無視しているようでした。
また、なぜかブランチは二階の部屋で暮らしているので、食事等もジェーンがいないとままならない状況でした。

通いの家政婦のエルヴァイラ(メイディ・ノーマン)はそんな状況を懸念しており、ジェーンがブランチ宛ての手紙を勝手に開封して捨てていることを知らせます。
彼女はジェーンは病気なので医師に仲介を任せないと大変な事になると忠告するのですが、言っている側からジェーンはブランチが可愛がっていた小鳥を「掃除してたら逃げた」と逃がしたりしました。
実は近々この家は手放すことになっており、ブランチにはどのタイミングでそれをジェーンに伝えるかという課題がありました。
色々と考えた末にブランチはジェーンを施設に入れることに決めました。

ジェーンはアル中なので身を案じたブランチが酒屋さんに「妹からの注文取らないで」と連絡していたのですが、注文の電話をした際にその事実を知ったジェーンは大根役者とは思えないような名演技で姉の声色を使って「何かの間違いですわ。オホホ」と誤魔化して大量のお酒を発注しました。
更に彼女はエルヴァイラが引き揚げたのを確認してから、1階の受話器を外したままにして2階のブランチが電話できないように工作しました。
ということでブランチは医師にジェーン施設入りの件を電話できませんでした。

ジェーンはやはり病んでいるようで、ベイビー・ジェーン返りをして歌ったり、鏡に映る老いた自分の姿を見て嘆いたりしていました。
ブランチは部屋のブザーを鳴らしてジェーンを呼び出し、電話が使えない件を問い質すのですが、反対にどこに架けるのか聞かれただけでした。
ブランチは「資産管理人のバートに架ける」と返答し、彼の提言で家を売ることになったと言うのですが、電話を盗聴していたジェーンは「お前から売るって言ったんだろ!嘘吐き」と既にお見通しで2階の電話を没収し去りました。
頭を抱えるブランチでしたが、気を取り直して食事でも…とプレートの蓋を開けると逃げたと言われた小鳥の死骸が乗っていたので絶叫しました。

しかしジェーンに面倒を見て貰っているのと事を荒立てたくないブランチは強くは出られず、「話があるの」とジェーンに呼び掛けるのですが、彼女はガン無視して外出してしまいました。
思い切って1階の電話まで降りてみようかと思い立ったブランチでしたが、車椅子の彼女には階段は切り立った崖のようで、恐ろしさから断念しました。
自室の窓から楽しそうに庭の手入れをしているベイツ夫人の姿を発見したブランチは「助けて」と呼び掛けてみたのですが、リア充のベイツ夫人は娘に「ママ電話よー」と呼びだされて元大物女優の声は届きませんでした。
仕方なく「この電話番号の医師に電話してください。」と助けを求める手紙をタイピングして丸めて窓からポイしましたが、丁度そのタイミングで新聞社に求人広告を出しに行っていたジェーンが戻って来ました。

ベイツ夫人は手紙に近付いたのですが、ジェーンが手紙を拾い上げてしまい、ブランチの作戦は失敗に終わります。
結果が確認できなかったブランチは食事を運んできたジェーンに「家は売るけど私達は一緒よ」と語り掛けます。
この家はブランチが買ったものなのですが、ジェーンは「パパが買った!私が買った!」と支離滅裂で「家は売らせない!」とブチ切れます。
流石のブランチも「誰の所為でこんな身体になった!」とキレかかるのですが、「あんたは一生そのまま」と開き直られます。
仕方なく「あなたは病気だから、身の回りの事はエルヴァイラにしてもらう」と説得する方向に持ち込みました。
この辺の歯切れの悪さも後から思うと伏線みたいです。
大人しく「そうかも入院した方がいいかもね」と乗る振りをしたジェーンでしたが、例のメモをブランチに渡して読み上げ、「施設になんか行くもんか!」と出て行ってブランチを絶望させるのでした。
ジェーンが恐ろしくなったブランチは運ばれて来た夕食も採りませんでした。

翌朝、売れないピアニストで殆ど無職のエドウィン(ヴィクター・ブオノ)がジェーンの「ピアノ伴奏者求む」という求人広告に○をしていたところ、子離れできないママが帰って来て彼の秘書の振りをしてジェーンの家に電話しました。
彼はジェーンと16時に会う約束を取り付けました。
ブランチはジェーンに朝食を求めるのですが、「夕食を食べない子には朝食抜き」と言われてしまいました。
流石のブランチも「私が居ないと小切手にサインできないわよ!」とキレるのですが、ジェーンは「ちゃんと考えてるから」とどこ吹く風でした。
そしてジェーンは仕事に来たエルヴァイラに「今日はもういいから」と15ドル渡して追い払いました。

ようやくジェーンがご飯を運んできたので早速食べようとするブランチでしたが、今日の皿には鼠の死骸が乗っていました。
ブランチの悲鳴に反応してジェーンは高笑いし、その笑い声を聞いたブランチはパニックを起こして車椅子でグルグル回り、一人デ・パルマカット状態になってしまいます。
やがてエドウィンがやって来たので、ジェーンは「ベビー・ジェーン」だと自己紹介し、芸能界にカムバックするつもりだとトンデモない計画を語ります。
エドウィンは正直「ベビー・ジェーン?誰?」状態なのですが、仕事が欲しい彼はテキトーに微笑んで話を合わせます。

家に男性が来ているのに気付いたブランチは階下の様子が気になって仕方が無いので呼び鈴でジェーンを呼びました。
仕方なくジェーンはブランチの部屋に行き「友達が来てるから邪魔すんな」とブザーの線を引っこ抜き、「私もお会いしたい」というブランチに「お前、あたしの友達横取りするつもりだろ」とビンタして階下に戻ります。
エドウィンは暇だったのでピアノの前に座り、ベイビー・ジェーンの写真入りの楽譜を見て「うへぇ」という表情を浮かべていましたが、早速伴奏を始めます。
すると戻って来たジェーンが大喜びで歌いだし、エドウィンは「素晴らしい!」とお世辞を言いながら演奏を続けました。
ジェーンはだみ声でテンポも一定しないので苦労しながら伴奏していたエドウィンはとうとうジェーンが躍り出したのを見てドン引きしましたが、ひとまず拍手して褒めまくりました。

エドウィンは出来るだけ自分を高く売り込もうとし、週に100ドルで水曜日に1ヶ月分を先払いという約束になりました。
ジェーンがエドウィンを送りに出て行ったので、ブランチはジェーンの部屋を探りチョコレートがあったので凄い勢いで貪ります。
ジェーンの所為で少し影薄いですが、この人も凄いです。
そして顔が塗りつぶされた自分の写真とジェーンが自分のサインを練習していた形跡のメモを発見したのですが、小切手帳を確認するとジェーンがサインを偽造してお金を引き出していたと判明しました。
もうこれはどうにかしないと!と思ったブランチは階段の手すりにしがみ付いて頑張って1階へと降りて行きます。

ど根性で階下に降り、医師に電話して用件を伝えたのですが、絶賛通話中の状態でジェーンが帰宅しました。
医師は家に来てくれることになり、ブランチは適当に誤魔化そうとしたのですが、鬼の形相を浮かべたジェーンにガチでボコボコに蹴られます。
ジェーンはギブ状態でKOされているブランチを尻目に呼吸を整えてから得意の声真似を使い「妹は他の医師に診てもらうそうです。ごめんなさい」と医師に電話して訪問を阻止しました。
これ本当に毎回凄いと思います。必ず作業を終えた後に悪態吐くのがまた何とも。

翌日、出勤日では無かったのですがブランチの様子が気になったエルヴァイラが訪ねて来ました。
ジェーンは「海辺に越すからお前クビ」と彼女を追い帰してしまいました。
彼女の様子を怪しんだエルヴァイラは彼女が車で外出したのと入れ替わりに家に侵入し、ブランチが監禁されていると気付きました。
彼女が鍵が見つからなかったのでハンマーでドアを壊そうとしている所にジェーンが帰宅しました。
怒りのエルヴァイラは「開けないと警察行くぞ」とジェーンに詰め寄り鍵を開けさせました。

感想

これは面白いです。怖いです。
話自体はドロドロ系で妹が姉を虐待してる的な話なのですが、実は秘密にしているわだかまりがあって…という内容です。
個人的にはお話よりもジェーンとブランチの演技とそれを活かしている演出が良いのかなあという気がしました。
目線と表情だけで何を考えているのか表現できるというのはやっぱり凄いなあと感じました。
それをフォローするように動くカメラワークの息もぴったりな感じでした。
ちょっと長いのですが、退屈せずに観られました。

とは言っても私、映画とか役者さんとか詳しくないので、主演女優は二人共良く知らないのです。
ジェーンの人は家に出てたのと、キム・カーンズさん?の歌で名前は知ってましたが、ブランチの人はこれ以外観てない気がします。
古い映画も観るようにはしているつもりなのですが、恐らくヘンな映画ばっかり観てるからだと思います。
多分、ヘンな映画以外を観ても良く分からないのではないかと思われるので観ませんが。
振り返ると私の観てる映画って誰かがひどい目に遭ったり、ヤバいの出てくる話ばっかりですね。

一応、冒頭でわざわざ顔を伏せてあったりするので、メインとなる大きな事件と謎はあるみたいなのですが、それはそんなに意外な感じでも無かったです。
個人的にはどんでん返しと言えるほどのものではないかなあと感じました。
リアルタイムでのジェーンの行動とそれに対応するブランチに神経が行ってしまい、それどころでは無かった気がしました。

登場人物は個人的にはベイツ夫人が好きでした。
この人も高級住宅地に住んでるので、いいとこの奥さんだと思われるのですが、天然です。
一般人的な感じで親しみが湧き、オアシス的な存在だと思います。
意外と地雷踏むのが多いのがまたなんともという感じでした。
エドウィンも心の声が顔に出てる感じが面白かったです。

ラストまでのあらすじ

エルヴァイラが見たものは猿ぐつわでベッドに拘束されたブランチの姿でした。
「すぐ助けます!」と駆け寄ったエルヴァイラでしたが、背後からジェーンのハンマーの一撃を受けて倒れます。

その後、ジェーンはかつての栄光の写真を眺めて「あら可愛い」と自画自賛の微笑みを浮かべたり、「結局誰も私を愛してくれなかった」と嘆いたりしていたのですが、エドウィンとの約束の日だったので彼が訪ねて来ました。
しかし都合の悪いジェーンは「今はダメなのよ」と独り言をつぶやきつつ居留守を使ったのでエドウィンは悪態を吐いて引き揚げました。
ジェーンはブランチの車椅子にエルヴァイラの遺体を乗せ、車に乗せて運んでいきました。

翌日、エドウィンはママからジェーンがブランチを車で轢いた事、事務所がそれをもみ消した事、ジェーンは事故の後3日行方をくらまし、行きずりの男と寝ていた事等を聞きました。
「あの女は金なんか持っちゃいない」と言うママを五月蠅い!と一喝し、エドウィンは再びハドソン家に向かいました。
一方、警察からエルヴァイラが行方不明という問い合わせを受けたジェーンは発狂して取り乱し「ブランチどうしたらいいの?」と姉の拘束を解いて泣きつきます。
「事故の時も私は何もしてないって言ったんだけど、嘘吐き呼ばわりされた」と彼女は嘆きます。

そこに呼び鈴が鳴ったのでブランチは「きっとエドウィンだから出れば」と勧め、ジェーンははしゃぎながらもしっかりとブランチを拘束してから応対に出ました。
エドウィンは酔って徘徊していたので警官同伴で現れましたが、ひとまずジェーンは家に入れました。
彼は金寄越せと露骨な態度を取っており、彼女はエドウィンを宥めようと「プレゼントだ」と言ってベビー・ジェーン人形を持ってきました。
酔っているエドウィンは瀕死のブランチがスタンドを倒した音を聞きつけて2階に駆けつけ、瀕死のブランチが微かな声で助けを求めているのを目にしてお金も受け取らずに逃げ出しました。

ジェーンはエドウィンがチクるに違いないと判断し、ブランチを連れ出して浜辺へと車で移動しました。
彼女はかつて浜辺で歌の稽古をして周囲の人達が集まって来たという経験があったので、浜辺には思い入れがあるようでした。
ジェーンは最早グッタリして動けないブランチを砂浜に寝かせて一方的に話し掛けつつ、夜明けを待ちました。
警察はブランチがジェーンを拉致したと突き止め、行方を追っており、ニュースもその話題で持ちきりでした。

翌日、ジェーンはベビー・ジェーン返りして砂浜で山を作ったりして遊んでいました。
砂浜に居た警官はジェーンの車を発見し、特定していました。
ブランチは死にかけており「助けて」と懇願するのですが、もう違う世界に行ってしまったジェーンは「ダメよ」と微笑むだけでした。
ブランチは死ぬ前に真相を打ち明けると告げ、あの交通事故が実は自分の自爆であり、ジェーンは無罪だったと告白しました。
パーティーで笑いものにされたブランチは門を開けに行ったジェーンを轢こうとし、ジェーンは間一髪逃れてブランチは半身不随ということだそうです。
ジェーン=どう見ても犯人っていう持ってき方が上手いですよね。
酔っていて何も覚えていなかったジェーンはそのまま犯人にされてしまい、ブランチもそれを否定しなかったのでした。

ブランチの言葉がどこまでジェーンに届いたかは分かりませんが、ジェーンは「私達、無駄にいがみ合っていたのね」と言い、アイスクリームを売店に買いに行きました。
アイスを持って戻るジェーンを警官が発見して詰め寄り、色々と質問しました。
彼女はそれには答えず、集まって来た人々を見てクルクルとベビー・ジェーン返りして踊りました。
間もなく警官がブランチを発見して駆け寄り、ジェーンはいつまでも踊り続けていました。

エンドマークで終了です。

わだかまりは解けたのでしょうか?
アイス買うときのジェーンの晴れやかな表情は凄いですね。
やっぱり美人なんだなあと思いました。

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