エスメラルダのモテ期 ノートルダムのせむし男

ノートルダムのせむし男

鐘ついてたらひどい目に遭う話

制作年 1923年
制作国 アメリカ
監督 ウォーレス・ワースリー
原作 ヴィクトル・ユーゴー
上映時間 101分
出演
ロン・チェイニー
パッツィ・ルース・ミラー
ノーマン・ケリー

だいたいのあらすじ

パリのノートルダム 15世紀
鐘突き堂にはカジモド(ロン・チェイニー)という背中が曲がった男が居り、パリの住人の間では「ノートルダムのせむし男」として有名でした。
カジモドは耳が聞こえず、右目も飛び出ている異相で視力も殆どありませんでしたが、自身の醜い容貌を嘆いて卑屈になり、鐘を突くことで心の平安を得ていました。
同時に彼は人々に嘲笑されることに激しい憎悪を抱いており、お祭りで広場に集まった人を高みから見下ろして唾を吐いていました。

ルイ11世は祭りの喧噪から逃れるためにバスチーユ牢獄に滞在し、部下のフィーバス(ノーマン・ケリー)に祭りの警備を命じました。
祭りにはホームレスの王クローパンがジプシーから買ったエスメラルダ(パッツィ・ルース・ミラー)という娘が踊りを披露していました。
カジモドはエスメラルダの踊りを眺め、「なんと美しい娘なのだろう」と感動していました。
そして碌に仕事もせず、女性ばかり口説いていたフィーバスもバルコニーからエスメラルダを見て「美しい娘だ」と感心していました。

エスメラルダはモテ期だったのか、実は司祭のクロードの弟で不良のおじさんジュアン(ブランドン・ハースト)も彼女を我が物にしたいと切望していました。
ジュアンは人気無い道を歩くエスメラルダを拉致するようにカジモドに命じたのですが、駆けつけたフィーバス達に阻まれます。
カジモドは縛られて連行され、エスメラルダは「素敵な殿方…」とフィーバスに魅かれるようになりました。
フィーバスには婚約者がいてただの火遊びだったのですが、彼はエスメラルダの心根の美しさに気付き、手を出すのは控えました。

それはそうとこの付近には「奇跡の路地」と呼ばれている盗人やホームレスの溜まり場になっている道があり、そこはクローパンが支配していたのですが、迷い込んだ人は命を失う恐ろしい場所でした。
そこに貧しい詩人グランゴリーが迷い込み、貴族のスパイと間違えられて縛り首にされそうになっていたのですが、エスメラルダがクローパンを諫めて中止させました。

翌日、カジモドは広場に引き出されて台の上に鎖で縛られて座らされ、砂時計が下に落ちるまでの時間、鞭打ち刑となり、集まって来た人々は喝采を上げました。
刑が執行された後も暫く台の上に晒されることになったカジモドは喉の渇きを訴えるのですが、皆は嘲笑するだけでした。
ただ一人エスメラルダだけは自分を拉致しようとしたカジモドに同情し、井戸から組んできた水を与え、カジモドは彼女の優しさに心を打たれます。

ある夜、フィーバスはエスメラルダに衣装を用意して舞踏会に招待し、エジプトの貴族と皆に紹介しました。
一方、憎っくき貴族のフィーバスが娘を連れていると聞いたクローパンは慰み者になる前に奪還しようと部下を率いて暴動を起こしました。
彼等が舞踏会場に乗り込むと大人しくエスメラルダはクローパンに従い、フィーバスが「私の花嫁になってくれる筈では」と問い質すと、「私は愛してない!」と否定して去りました。
大ショックのフィーバスを尻目にクローパン達は「貴様ら貴族の天下は続かんのだ!」と勝どきを上げながら去りました。

エスメラルダはいつも自分にだけは優しい養父クローパンには逆らえずに同調したものの、グランゴリーを通じてフィーバスに「話があるからノートルダムで会いましょう」的な手紙を出しました。
大喜びでノートルダムに向かったフィーバスはエスメラルダと話し合うのですが、その様子をジュアンとカジモドが見ていました。
カジモドはやれやれという感じでしたが、嫉妬に狂ったジュアンは二人の後を尾け、ナイフでフィーバスを刺して逃げ去りました。

フィーバスは一命をとりとめましたが、凶器のナイフが現場に残されていたため、エスメラルダは容疑者として連行されます。
エスメラルダは無実を主張し、法廷に来ていたジュアンを「彼が犯人です」と指差すのですが、司祭の弟である彼は信用されており、受け入れられませんでした。
エスメラルダは脚を万力で破壊されるという恐ろしい拷問を受けそうになり、罪を認めました。
彼女は絞首刑を宣告されたと聞かされたフィーバスは頭を抱えますが、重症で身動きが取れませんでした。

感想

これは普通です。サイレント映画です。
原作はお馴染みのノートルダム・ド・パリなのですが、若干ロマンスよりに脚色してます。
これもしかして大作映画だったのでしょうか?建物とかエキストラの数とか凄いです。
全体的に一枚絵のようなシーンが多く、モノクロで痛みが激しいのですが、美しい映像が多いです。

てっきり、カジモドがウガーする話になってるのかと思ったのですが、彼の成長物語でした。
カジモドは意地悪ばあさんのような歪んだ性格の持ち主だったのですが、エスメラルダと出会ってからは献身を身に着けたようです。
元々、平和主義なクロードとの関係は悪くなかったみたいですが、ますます良好になったみたいです。

クローパンがエスメラルダの件があるにせよ、なんでノートルダムを破壊しに行ったのか良く分かりませんでしたが、恐らく権威の象徴を破壊するということなのかなあと解釈しました。
結末はちょっと悲しいですが、スッキリはしました。

カジモドの人が表情豊かで見ていてかなCです。
サイレント映画の女優さんって皆同じ顔に見えてしまうのは私だけでしょうか?

ラストまでのあらすじ

エスメラルダは一時期ノートルダムに身柄を拘束されていたので、クローパンが彼女を取り返しに来たのですが、既にエスメラルダは刑務所に護送されていました。
地下牢に放り込まれて執行を待つ彼女の前にジュアンが現れて連れ出そうとするのですが、エスメラルダはキッパリと拒否しました。
ある日、ノートルダムに大きな鐘の音が響き、エスメラルダの死刑執行日となりました。

城下町にはマリーという女性が住んでおり、彼女は赤ちゃんだった娘が何者かに拉致されて不幸な人生を送っており、それがジプシーの呪いの所為だと考えていつもエスメラルダに暴言を吐いていました。
ところが、エスメラルダが身に着けていたネックレスは自分が赤ちゃんに着けたものだったのです!
彼女はいつも罵っていた娘が自分の実の子であり、それが処刑されると知って天を仰いで倒れました。

塔から下の広場を見下ろしていたカジモドは処刑されるのがエスメラルダであると知り驚愕します。
カジモドは塔をロープで滑り降り、エスメラルダを抱えてノートルダムに逃げ込みました。
衛兵達はそれを追いますが、クロードに止められてしまい、聖域である建物内には入れませんでした。
ノートルダムは法により逃げ込んできた弱者を守れるようになっており、許可なく非公開の施設には入れなかったのです。
こうして彼女はクロードの庇護の下匿われることになり、ジュアンもそれを知りました。

カジモドはできるだけエスメラルダを怖がらせないよう、そっと衣服等を彼女の部屋に運び、彼女の助けになれることを喜んでいました。
いつもはヒモでぶら下がって鐘を突くのですが、今回はボディ全体で鐘にしがみ付いてます。よほど嬉しかったんでしょう。
一方、クローパンはまたまた悪漢を集め、エスメラルダを奪還しにノートルダムに向かい、彼等は道中で貴族の屋敷を燃やしてパリを火の色に染めました。
その頃、傷が回復したフィーバスはグランゴリーからエスメラルダが生きていること、クローパンが貴族に反乱を起こしたことを聞きました。

フィーバスは守備隊を集めて暴動を鎮圧しようとし、エスメラルダはノートルダムが群衆に囲まれているのを知ってカジモドを起こします。
カジモドは城壁から石を落として門に群がっている民衆を撃退しようとしますが、石はちっこく、そんな春秋戦国時代のような戦法は通じませんでした。
今度はデカい柱をよいしょと持ち上げて投げ、これは何人か潰したのですが、柱はクローパン達に破壊槌の代わりにされました。

門は破られそうになったので、カジモドは煮えたぎった鉛を浴びせるという残虐な攻撃に出ました。
民衆が混乱する中、警備兵が駆け付けて戦闘になりました。
ジュアンはどさくさに紛れてエスメラルダを縛り上げて拉致し、思いを遂げようとし、カジモドは外の戦闘を見て子供のように歓声を上げていたので気付きませんでした。
暴動はほぼ鎮圧され、クローパンも倒れたのですが、ここでようやく「あれ?エスちゃんいない?」とカジモドが気づきます。

彼が付近の部屋に飛び込むとジュアンがエスメラルダを手籠めにしようとしていました。
怒りのカジモドはエスメラルダの制止も受け入れず、ジュアンを抱え、ナイフで刺されながらも彼を城壁からポイしてしまいました。
エスメラルダは突入して来たフィーバスに救出されてイチャコラ始め、腹部の傷で重体のカジモドはやれやれという表情を浮かべます。
彼は最期の力を振り絞って祝福の鐘を鳴らし、満足気な表情を浮かべて息を引き取りました。

クロードはカジモドの目をそっと閉じてやり、祝福の祈りを捧げるのでした。

ちょっと泣けました。

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