脱力系です オカルト

オカルト

見てはいけない、地獄の映画

制作年 2009年
制作国 日本
監督 白石晃士
脚本 白石晃士
上映時間 109分
出演
宇野祥平
白石晃士
高槻彰

だいたいのあらすじ

映画監督の白石晃士(白石晃士)は2005年8月12日に妙ヶ先で起きた通り魔事件に関心を抱いてドキュメンタリーを撮影することにしました。
たまたま観光に来ていたOL三人組が撮影した当時のフィルムを入手し、三年後に撮影者の豊田治子さんに現場で当時の様子を詳しく教えて貰いました。
フィルム内で犠牲になっていた米原知美さんは当時17歳で、母の美穂さん(吉行由実)によると彼女はお告げのような夢を見て妙ヶ先を訪ねたということでした。

もう一人犠牲者右田紀子さん(篠原友季子)は婚約者の谷口英樹さん(大蔵省)と雑誌で妙ヶ先の写真を見て直ぐに訪れたということでした。
事件に巻き込まれて重症を負った江野祥平さん(宇野祥平)は自宅で寝転んでいた際に「妙ヶ先」に行けという謎の声を聞き、妙ヶ先を訪ねたということでした。
江野はその声を聞いて「奇跡」を感じて何か起こるのを待っていたそうで、ADの栗林(東美伽)はその話を全く信じませんでした。

当時の状況としては吊り橋の端で和美さんと紀子さんが犯人にナイフで刺され、治子さん達は撮影しつつ江野さんを追い越して慌てて逃げ出し、腰が抜けて動けない江野さんは治子さんに助けを求めていました。
犯人は犯行直後に断崖の上から遥か下の海に飛び込み、治子さんの映像にもその様子が収録されていました。
遺体は発見されず、現在でも行方不明だということでした。
なぜ危険な状況で撮影を続けたのかという栗林の問いに、「映像を記録することが重要だという強い思いがあった」と治子さんは述べました。

実は白石も今回の取材を始めるに至って「取材をすることが重要」だという衝動を感じたそうで何が重要なのかは不明だという点が治子さんと共通していました。
美穂さんは最近知美さんが玄関に立つ夢を見るそうで、知美さんは「あひらわま」という謎の言葉を告げるのだといいます。
また、紀子さんも英樹さんの前に度々現れるそうで、彼が所有している最近撮影した写真には友人の背後でこちらを振り返っているような紀子さんの姿が映っており、それはどう見ても生身の人間でした。

江野さんは犯人に「次は君の番ね」と言われたそうで、江野さんの背中の傷はミステリーサークルか何かの記号のようでした。
犯人の松木賢は治子さんのビデオにも映っていたのですが、父親の辰吉さんはカメラの前では終始無言でした。
松木の友人によれば彼はオカルトに傾倒していたそうで、何度もUFOを目撃したということでした。
実は江野さんも今回の事件で入院した際に病室の窓に浮かぶ40m程度のオレンジ色の光を目撃したと証言していました。
また、辰吉に江野の背中の傷模様を見せた所、松木にあった痣にそっくりだと教えてくれました。

プロデューサーの若槻(高槻彰)は江野さんを制作会社に呼び出し、治子さんのビデオの上空に映った謎の物体を見て貰いました。
うーん、ゴミに見えました。
また、松木の痣の写真を見せ、それが傷によく似ている件を知らせました。
江野さんによれば松木に刺されて以来、人生が奇跡の連続で奇跡の日々だそうです。
なぜか内容は話せないそうですが、超常現象が起きている模様だったので、密着取材を行うことになりました。
方向性が代わって来ました。

江野さんは毎日、夕方になると派遣アルバイトの予約確認をするのですが、残念ながら明日の勤務は無く補欠として待機だそうです。
彼は100均でカップ麺の重さを手で計って購入し、宿泊先であるネカフェでお湯を入れて食事し、就寝しました。
そして翌朝5時40分には待機のためチェックアウトし、支払いの際に白石から100円貰いました。
結局仕事は貰えず、白石は江野さんに朝マックを奢ってあげたのですが、その際に包み紙が勝手に飛びました。
これが奇跡ならガッカリです。

白石が凄い!と言うと日野さんはこんなのは日常茶飯事でUFOや幽霊がバンバン出現し、時には両者が同時に出現するそうです。
若槻と白石は江野にカメラを渡して自己撮影してもらうことにしたのですが、事務所に来るなり彼はタバコをたかり、ここに寝泊まりさせて欲しいと言い出します。
渋る若槻を白石が説得し、1週間という条件で事務所に寝袋を敷いて宿泊することになりました。
その夜は江野の付近に煙のような白い物が蠢いている映像が撮れました。

江野は仕事が1ヶ月取れたそうで大喜びしていたので白石は祝いの会を焼き肉屋で開きました。
若槻と栗林も参加したのですが、江野は凄い勢いでビールを呑み、凄い量の焼肉を注文しました。
江野は事務所よりネカフェの方が快適だと言い出し、栗林が指遊びをしていると「姉ちゃん何してんの?人が話してんのに別行動っておかしいやろ」と絡みます。
このウザさ。これが江野クオリティです。
江野は「寄り添う心が大切」とか言い出して栗林のインタビューにもダメ出しし、正論を返されれば「だからお前には男も出来ない」と論点をずらして絡みまくり、呆れて帰ろうとする栗林に「先輩置いて帰るとかそういう逃げの姿勢が良くない」と絡みまくり若槻もドン引きさせます。
こういうおじさんいますよね。って奇跡はどうしたんでしょう。

栗林が去った後も「あのブスなんなの」と非難し、白石には「ため口で話そうよ」と言い出し、その間焼肉を食べまくります。
仕方なく白石は江野の事を「江野くん」と呼ぶようにし、福岡出身だという白石に「西日本同士」と喜び、東京生まれだという若槻に「それはあかん」とダメ出しします。
若槻は疲れて寝てしまい、江野はひたすら呑みながら白石と話します。

江野は松木が「次は君の番ね」と告げたのは「次に殺すのはお前」という意味では無く、松木からバトンを受け取ったのではないかと解釈しているようで、その使命を果たしたいと考えているようです。
松木は神の儀式を実行し、身体は異次元に行ったのだというのが彼の考えだそうです。
江野には何か計画があるようで、白石が殺人絡みなら全力で止めると告げると、彼は「人には危害を加えない」と答えました。

江野はそのまま事務所で酔いつぶれて寝てしまいました。
若槻は実はずっと寝たふりをして江野の話を聞いており、「大量殺人とか目論んでいるのでは?」と怪しみ始め、白石もその可能性は否定しませんでした。
翌朝、江野は吉祥寺の倉庫でのビニール製品の梱包のバイトに出勤しました。
吉祥寺駅ではUFOを目撃したそうですが、撮れなかったということでした。

夕方、吉祥寺で解散したので上空を撮影するとスーパーのポリ袋のような物が上空を横切りました。
そして事務所に戻ると白石が居たのですが、白石の前に積んであった本が崩れ、江野は「奇跡や」とのたまっていました。
白石は江野の背中に現れた記号の意味を調べていたのですが、漫画家の渡辺ペコ氏のブログに「不思議な記号を自動書記した」という記事があり、その模様が江野の傷によく似ていました。
ということで早速渡辺氏に話を聞くことにしました。
派遣ネタばっかだと飽きますよね。

彼女はカフェでネームを描くことが多いそうですが、その際に身体がしびれて無意識に自動書記をすることがあるそうです。
渡辺氏は記号には見覚えが全く無いそうですが、唐突に呼び掛けに応じなくなり、謎の図を自動書記していました。
彼女が描いた物は何がなんだか分からなかったのですが、白石は「これは御昼山のクトロ岩に似ている!」と直ぐに勘付きました。
私には横に描いてる四コマ漫画が気になりました。
ということで登山映画になり、栗林と白石はえっちらおっちらと御昼山に登り、山頂に大きな天然岩のような物を発見し、近づいて行きました。

白石は以前に旅行でこの岩を見に来ており、写真も撮影していましたが、その際には脚に9匹のヒルが張りついたそうです。
なんじゃそりゃという感じです。
クトロ岩というのは九頭呂岩と書くそうで、九の字に関連性がありそうで怖かったそうです。
岩には横穴があり、そこには松木と江野の身体の記号が彫られており、白石の脚のヒルが張り付いていた所からなぜか再び出血しました。
申し訳ないのですが、監督のリアクションで笑ってしまいました。

御昼山の文字について詳しい人物を捜していると、なんと黒沢清監督が独自の研究をしていたそうです!
仲良しですね。
あの文字は神代文字であり、御昼山はイザナミとイザナギが産んだヒルコを祀っている山だそうです。
白石は「あひらわま」とは「おひるやま」の事ではないかと推測しました。
ウケました。
そして例の記号を黒沢氏に解読して貰ったところ、松木は「神託による殺傷」、江野は「神託による災害」をそれぞれ表しているそうです。

江野がテロを計画しているのではないかと不安を感じた若槻は江野の荷物を皆で調べようと提案し、実は彼には70万位の貯蓄があったことが発覚しました。
その頃、江野はバイトリーダーに「お前の所為で仕事遅くなったから、明日から来るな」といびられていました。
江野は彼が車に轢かれるのを予知しており、その様子を撮影したのですが、リーダーの頭の上には黒いポリ袋のようなものが蠢き、その後車道に飛び出した彼はトラックに轢かれました。

江野が続いて駅の近辺で何かを感じて上空を撮影すると空中にはポリ袋が現れてジグザグに飛行しました。
今度は商店街に気配を感じて撮影すると、蛇や鳥、魔女のような謎の影が商店の看板の辺りを移動していました。
最後には髪の毛の塊のような巨大な物体が駅ビル付近を飛行していました。
江野は事務所に戻り、皆にどや顔で映像を披露し、若槻達は「凄い」と絶句しました。
彼は笑顔でギャラを要求し、2万3千円ゲットしました。

江野はギャラが入ったので焼肉を奢る!と言い出したのですが、前回で懲りている若槻と栗林は当然辞退しました。
白石は「儀式の事聞けるかも」と考えて付き合うことにしました。
前回の焼肉屋に着いた白石は「儀式の内容が反社会的な内容であっても、俺は全面的に協力したい」と話しました。
警戒心を解いた江野は儀式の内容について話し始めました。

感想

これは普通です。
通り魔事件のドキュメンタリーを撮影していたら話がおかしな方向に行くというものです。
全編ネタに近いと思いました。
何というかこれは江野くんのウザさを見て、こういう人いる!って笑う映画のような。
今回はちょっとツッコミどころが多くて無理矢理は引っ張られませんでしたが、違う意味で面白いとは思いました。
怖いシーンは全く無くて超常現象系のシーンは脱力系なのでホラーだと思って観ない方がいいと思います。

最初の内はオカルト風味なのですが、段々とヘンな方向に行きます。
ネカフェ難民だとか派遣の厳しさなんかも入っていてごちゃごちゃしてます。
相変わらず展開は強引で、クトロ岩とあひらわまの下りは苦笑するしか無かったです。
心なしか黒沢監督の説明も投げやりな感じがしました。
ヒルコとか全然関係ないような気がしてます。

江野くんは悪い人では無いのですが、ちょっと他人との距離感がおかしいです。
あと、お酒飲むと下に絡む人いますけど彼はそういうタイプです。
バイトリーダーもウザくて、ブルースが加速していくしか無かったです。

途中からコントになってきたのですが、結末もコントで落としてました。
かなり脱力しますが、悪いことはやっぱりしちゃダメみたいです。
なんかひどい映画だなあとは思いましたが、地雷では無いと思いましたよ。

ラストまでのあらすじ

江野は事件で退院した後にずっと何かの声を聞いていたのですが、声は「自爆殺戮渋谷交差点」と告げていたそうです。
わざわざテロップが出ます。親切ですね。
彼はこの計画のために貯金していた事も打ち明け、自爆することで松木同様に違う次元に行けると考えているようです。
そして情報を得た後白石は「実は協力すると言ったのは嘘」とバラし、江野はブチ切れました。
江野は巻き込まれて死ぬ人も異次元に行くだけだと主張するのですが、白石は行く意志が無い人を無理矢理巻き込むのはおかしいと反論します。

江野はこのクソみたいな世界よりはよっぽどいい世界に決まっていると力説し、自分の邪魔をするとバチが当たると言い出します。
じゃあ、何か起こしてみろと白石が指示し、何も起きなかったので、白石は神様は江野の意志を汲んでいないと説得しました。
江野は潰れてしまい、二人共飲み過ぎたのかげろげろと路上で戻していたのですが、白石は江野の背後のバケツが動き、空中にはデカいクラゲが浮かび上がったのを目撃しました。
そして松木が頭に髪の毛の塊のようなものを纏って何か呟いていたので、白石は腰を抜かしました。

またまた白石の脚はヒルに噛まれたように出血し、江野はそれが神の啓示的なことを言い、白石の使命はこの映像の一部始終を世間に発表することだと告げるのでした。
白石は仕方なく江野の儀式をカメラに収めることになりました。

翌日から江野は準備を始め、化学薬品や釘、ネジを買い求め鞄に詰めて運びます。
鞄に材料を入れて運んでいると謎の男が意味不明なことを言いながら江野の鞄を奪おうとし、必死で取り返して逃げましたが、男はしきりに「地獄だぞ!」と繰り返していました。
事務所に着いた江野はパイプ爆弾を作り始めました。
事務所でやるんですね。

江野は爆弾が入ったベストを「奥さんが旦那に着せるように着せて」と要求し、本番当日もこれをやるそうです。
ヒーローみたいでカッコいい等と話し込んでいると栗林が来てしまったので、二人は大急ぎで爆弾を隠しました。
それはそうとして江野はビデオを持って行き、異次元に到着したら向こうの様子を撮影して送ってくれると約束しました。
栗林は不振に感じたようでしたが、忘れていたデジカメを持って引き揚げました。

儀式の前日、白石と江野は朝まで飲み明かし、渋谷の町を歩いていると上空にはカラスの大群が集まって来ました。
そして二人は牛丼屋で朝食を採り、事務所で少し寝ました。
お昼過ぎには荷物を持ってタクシーで渋谷に移動し、荷物をロッカーに入れるとインドカレーの店で昼食を採りました。
そしてインディ・○○ーンズの映画を観に歌舞伎町まで移動し、鑑賞しました。
江野はインドカレーを食べて映画の件に繋がった件を「奇跡だ」と力説しました。

渋谷に戻った二人は荷物を取り出し、江野がトイレでベストを装着して上からパーカーを着こみ、首にカメラを下げて出発しました。
次の信号が変わったら行くという江野は白石に100円返そうとしたのですが、白石は向こうの世界から送ってくれと頼みました。
そして江野は「ありがとう」と告げ、渋谷交差点の信号を渡り始めました。

そこで白石は急いで逃げたのですが、栗林が二人の後を尾けていたらしく、白石に説明を求めます。
白石は電車のオブジェの陰に隠れ栗林を「危ないからこっち来て」と招いたのですが、栗林は警察に通報し、17時ジャストに江野は起爆スイッチを押して大爆発が起こりました。
栗林は通話中に爆発に巻き込まれて死亡し、死者108名、負傷者245名の大参事となりました。
江野の遺体は発見されず、行方不明となり、白石は共謀罪で服役しました。
服役って

21年後
白石は刑期を終えて出所し、若槻と共にあの焼肉屋で出所祝いをしました。
世間ではルイボスティーサワーやバイオサワーが流行しているようでメニューも変わっています。
また、狂牛病で死者が10万人出たらしく、この焼肉屋ももうじき閉店だそうです。
白石くんわざわざ坊主にしてます。

そして白石の席にはカメラと100円玉が落ちて来ました。
テープには江野が爆死する様子が収録されており、その後に江野はデカいクラゲや蛇、生首が漂う空間で苦しみ悶えていました。
江野の首は切り離され、「白石くーん!送ったからねー」的なことを生首で叫んでいました。

エンドロールで終了です。

どうやら江野くんが堕ちたのは地獄だったようです。
焼肉屋で「今の100円と違う!」とか未来感出そうとしてたり、最後の地獄シーンといいゴリゴリです。
完全に結末はコントでしたが、悪いことをすると地獄に堕ちるみたいです。
鞄を奪おうとしていた電波なおじさんはそれを警告していたようです。

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