捜すの大変です プライベート・ライアン

プライベート・ライアン

兵士を救いに行ってひどい目に遭う話

制作年 1998年
制作国 アメリカ
監督 スティーヴン・スピルバーグ
脚本 ロバート・ロダット/フランク・ダラボン
上映時間 169分
出演
トム・ハンクス
トム・サイズモア
エドワード・バーンズ

だいたいのあらすじ

老人が家族を連れて軍人墓地を訪れ、墓石の前で泣き崩れていました。
彼は当時のことを回想し始めます。

1994年6月6日
ノルマンディー上陸作戦が決行され、バリケードが並ぶオマハ・ビーチにミラー大尉(トム・ハンクス)率いる中隊が上陸用舟艇で乗り込みました。
ミラーの水筒を持つ手は震えており、緊張感の余り吐く隊員もおり、熟練の軍曹ホーヴァス(トム・サイズモア)は隊員に「固まると撃たれやすいから分散しろ」と指示していました。
別の隊の舟艇が先行していたのですが、トーチカから激しい銃撃を受け、頭をスイカのように撃ち抜かれていました。

ミラー達は海中に飛び込んだのですが、銃撃は海中にまで及び多くの兵士は倒れました。
運よく岸へ着いた一部の兵が激しい銃撃の中を上陸しますが、ある舟艇は兵士を降ろそうとしている側から銃撃を受けて全滅していました。
私なら怖くて前に進めないです。
ミラーは砂浜の地獄絵図に放心し、爆発の衝撃で一時耳が聞こえなくなったのですが、我に返るとホーヴァスに砂丘方面に進むよう指示しました。
隊員の一部はバリケードの陰に隠れて動けなくなっていましたが、ミラーは「ここに居ても死ぬ」と斜面に向かうよう指示しました。

ミラー達は濡れた砂と肉片、血しぶきが飛び交う中、トーチカの真下の斜面に張り付いて機会を伺います。
友軍の遺体から武器弾薬を調整しつつ手鏡を銃剣に付けて敵の様子を窺い、行けると踏んだミラーは一斉援護射撃の後に部下を突撃させました。
ミラーは部隊を敵の付近に散開させ、狙撃手のジャクソン(バリー・ペッパー)を敵を狙い撃ちできる窪みに配置しました。
ジャクソンは見事な狙撃で壕を守っていた敵兵に二名射殺し、一角を切り崩しました。
他の部隊も一斉にその地点から突撃を行い、背後から襲撃してとうとう厄介なトーチカを攻略しました。

こうしてオマハ・ビーチの一角を攻略し、気が立っていた兵の一部は降伏して来たドイツ兵を射殺してしまいました。
周った戦地の土を収集しているホーヴァスは「フランス」と書いた缶に土を詰めました。
オマハ・ビーチの戦いではショーン・ライアンという兵士が死亡していました。
ライアン家には息子が4人おり、全て戦地に送り出していたのですが、これで三人目の兄弟が死亡したことになりました。
もう一人の末子のジェームス・ライアン二等兵は上陸作戦の前日にパラシュート降下しており、消息不明でした。
参謀本部は息子全員が死んだと聞いた時のライアン夫人の心情を思いやり、ライアン二等兵救出作戦を命じました。

6月9日
キャンプに駐留していたミラーは上官からヌーヴィル付近に降下したというライアン二等兵の救出を命じられました。
ホーヴァスに作戦の内容を説明したミラーは部下を何名か連れて行くことにしたのですが、フランス語とドイツ語が喋れる部下は戦死してしまったので、新たにアパム伍長(ジェレミー・デイビス)を通訳として連れて行くことにしました。
アパムは実戦経験が無いと言って及び腰だったのですが、強制的に連れて行かれることになりました。
こうしてミラー達は総勢8名で海辺のキャンプを後にしました。

ミラーの配下は「どうして八人の命と一人の命が引き換えなんだ」とぼやいていましたが、一行はフランスの牧草地帯を徒歩で進みます。
ライアンが所属している部隊に合流したものの彼の姿は見えず、絶賛戦闘中だったので仕方なくミラーはその部隊の指揮を執ることにします。
降りしきる雨の中を兵士を建物伝いに進ませて弾を食らわないようにし、敵が籠城する建物に接近させました。
途中で崩れかけた建物に居たフランス人一家の父が娘を押し付けて来たので、ミラーはアパムを通じて拒否したのですが、人情家だったらしいカパーゾ(ヴィン・ディーゼル)は娘を受け取ってしまいました。

カパーゾとミラーは口論になるのですが、直後にカパーゾが敵の狙撃を受けて倒れます。
衛生兵のウェイド(ジョバンニ・リビシ)はカパーゾを救おうと飛び出すのですが、皆に止められます。
カパーゾは意識はあるものの水溜りに倒れて激しく出血しており、皆は物陰に隠れて姿の見えない敵兵の様子を探ります。
ジャクソンはじっと身を潜めながら敵兵の位置を特定し、敵の狙撃兵に発見されたものの先に狙撃して射殺しました。
娘は親元に返却されましたが、カパーゾは失血死してしまいミラー達は先を急ぎました。
そして先の部隊でジェームズ・ライアン二等兵をとうとう発見しました。

しかしどうもミラーと話がかみ合わずおかしいと感じているとどうやら同姓同名の別人でした。
こうしてライアン捜索は振り出しに戻ってしまいました。
その晩、付近の建物で野営したミラーはホーヴァスに今まで94人の部下を失った事を打ち明け、「俺は部下が死んだ時に10倍の部下を救うためだったと自分に言い聞かす」と話しました。
なお、ミラーの手の震えは自分でも原因が良く分からないそうで、たまに発生するそうです。
アパムに前職を尋ねられたミラーは「見返りが500ドルになったら教えてやる」と返答しました。

翌日、前線のキャンプに到着したミラーはライアンの姿を捜すのですが、ここには見当たりませんでした。
自身がユダヤ人であるメリッシュ(アダム・ゴールドバーグ)はドイツ兵捕虜に「自分はユダヤ人だ」とアピールして嫌がらせをします。
ミラーは空挺少尉から誰かが准将を乗せた機体に鉄板を貼ったため、重量オーバーで落ちたというナンセンスな話を聞きました。
もしかしたら死者の中に居るかもしれないと考えたミラーはライベン(エドワード・バーンズ)とジャクソンに認識票を調べさせました。

ライベン達は若干ふざけながら認識票を漁っていたので戻って来た空挺隊員から軽蔑の目で見られます。
ミラーは重くなった空気を吹き飛ばそうと彼等に「ライアンを知らないか?」と叫びました。
ようやく「俺、知ってる」という兵士に出会ったのですが、ライアンは混成部隊に参加してラメルという村に移動したそうです。
ラメルはシェルブールを死守するための重要拠点で生きている橋があるそうで、ドイツ軍はそこに戦車を送り込んで来ているそうです。
ライアンヤバい所に居ますね。

早速地図を見て出発したミラー達は道中で機関銃が設置された敵のレーダー基地を発見します。
ミラーは機関銃を潰さないと後続部隊が危険だと主張し、気が進まないと及び腰の部下を「気の進む任務がどこにある!」と叱咤しました。
彼はメリッシュとウェイドと共に牽制射撃を行うことにし、アパムを後続に付けて突撃しました。
敵の銃撃を回避しつつ銃座の手前に到着したミラー達は敵兵と手榴弾を投げ合い、脚がすくんだアパムはそれを後方からスコープで見ていました。
やがて敵は沈黙し、ミラー達は銃座を占拠しましたが、この戦いでウェイドが腹を撃たました。
ミラー達は彼にモルヒネを打ち、必死で止血するのですが、血は止まらず助からないと見たホーヴァスは痛みを和らげてやろうと大量のモルヒネを彼に投与します。

やがてウェイドは「ママ…家に帰りたい」と言い残して息を引き取り、ミラーは部下に見られないように陰で号泣していました。
ライベン達はウェイドを失った怒りを捕虜にしたドイツ兵にぶつけ、ミラーもそれを止めませんでした。
彼等はドイツ兵に自分の墓を掘らせ、殺されると判断した捕虜は必死にアメリカを褒めたたえて命乞いをします。
アパムはミラーが捕虜を射殺すると判断して止めたのですが、ミラーは捕虜に目隠しをして「1000歩歩いて最初に出会った連合軍に降伏しろ」と指示しました。
ライベン達は反発しましたが、ミラーは「捕虜を連れ歩くことはできない」と切然とした態度を取り、そのまま出発を命じました。

ライベンは公然と「お前の命令の所為でウェイドが死んだ」とミラーに盾付き、ホーヴァスに止められます。
彼はそのまま小隊を去ろうとし、ホーヴァスと口論となり銃を向けられます。
ミラーは皆の前で「俺は作文の高校教師で、春は野球のコーチもした。地元では教師だというと成程と納得してくれた。」と前職を語り始めます。
「しかし今の俺は教師には見えず、戦場で顔も変わってしまったんだろう。妻にも合せる顔が無い」と続けました。
ミラーは更に「ライアンを生還させれば胸を張って妻と会える気がする。そのためにこの任務を行っている」と語り、ライベンに対しては「他の戦場に行くのもいいだろう。許可証も書いてやる」と語り掛けました。

ミラーは要するに「一人殺すよりも一人守る戦いをしたい」という事が言いたかったようで、そのまま遺体を墓穴に運び始めます。
ライベンは納得したのか小隊に戻り、皆は夕陽を背にミラーと共に遺体を運び始めました。
ここは名シーンですね。機関銃を潰したことの説明でもありますし、ミラーがブレてないと再認識できます。

その後ミラー達が花畑のような野原を進んでいると敵軍のトラックを目撃したので身を伏せます。
トラックはミラー達の目と鼻の先を通っていたのですが、何者かがトラックに砲撃して炎上させました。
ミラー達はトラックから降りて来た敵兵を射殺し、トラックに砲撃した空挺団と合流しました。
なんとバズーカを持ち、トラックを攻撃したのが、ジェームズ・ライアン(マット・デイモン)だったのです!
ライアン達の隊は瓦礫と化した町の中で橋を守っていました。

ミラーは上官の死により臨時指揮官となっているヘンダーソン伍長(マックス・マーティーニ)にライアンを探しに来たと説明しました。
そしてミラーはライアンと話し、兄弟が全員戦死した件と本国送還の件を伝えました。
ライアンは「持ち場を離れらない!」と命令を拒否したのですが、ライベン達は「ふざけんな、ここまでで二人死んだんだぞ」と彼に怒鳴ります。
しかしライアンはなぜ自分だけが特別なのかと納得せず、母には自分は兄兄弟を見捨てず立派に闘ったと伝えてくださいと言い、同行を拒否しました。

ミラーは頭を抱えてしまい、ホーヴァスに助言を求め「ライアンを置いて帰るか、ここに残ってライアンを守るか布かなく、いつの日か戦争の事を思い出した時にライアンを守った事は誇りに思える筈」と返答されました。
ホーヴァスはミラーの気持ちがわかるようで、彼が以前に述べたことを後押しし、ミラーはこの瓦礫の町に残ってライアンを守る決意をしました。
しかしそうは言うものの弾薬は残り少なく、ドイツ軍の戦車と戦うには貧弱な火力でした。
そこでミラーは戦車を広い道に誘い込んで道を塞ぎ、キャタピラーを壊して機動力を奪う作戦を立案しました。

ミラー曰く、くっつき爆弾というもので戦車を壊すのですが、それは靴下に爆薬を詰め、グリースを塗ってキャタピラーにくっつけるというものでした。
ジャクソンは付近の鐘楼に陣取って敵を狙撃することにし、戦車を破壊した後に皆は一斉に橋まで逃げ、橋を爆破するという作戦内容でした。
そしてミラーはライアンには自分の側を離れるなと厳命しました。
メリッシュは不慣れなアパムに戦闘はキツイだろうと配慮し、弾薬係を命じました。

ミラー達はひとまず休息し、エディット・ピアフの歌を聞きながら雑談していました。
ライベンは皆に戦場に送られる前に下着を着用している近所の巨乳おばさんのオッパイを偶然見て、「戦場で辛い事があったら、私の胸を思い出しなさい」と言われた話をしました。
兄弟の顔が思い出せないというライアンにミラーは「顔ではなく場面で思い出せ」と助言しました。

やがて敵軍が接近して来たのですが、戦車と自走砲が二台、歩兵が50名前後という数で20名前後のミラー達を遥かに上回るものでした。

感想

これは良作だと思います。
戦争映画なのですが、一風変わった内容で一人の兵士を助けに行くという少し強引な話です。
単なる反戦映画ということでは無く、戦場に自分なりの価値を見出した男達の話です。
その癖、リアル志向で崩れかけた瓦礫の町セット等は見ていて嫌になります。
肉片と血しぶきが飛ぶ様子も恐ろしく、戦争映画としてのクオリティはかなり高いと思いました。

劇中でフーバーという俗語がぼやく時に良く使われているのですが、これはFuckUpBARだそうです。

登場人物が分かり易いのもいいと思います。
この手の映画は皆軍服にメットなので誰が誰やら分からなくなるのですが、皆のキャラが立ってたので直ぐに判別できました。
内容だけ追うとライアンお荷物に感じるのですが、そんな事は無くて活躍してました。
ライアンは後半とか凄くカッコ良かったですが、ヒーロー的な役だとジャクソンが凄いと感じました。
でも私はホーヴァス派で、カパーゾはあっさり消えたのは残念。

ラストまでのあらすじ

ミラー隊は急いで配置に着き、まずはライベンがケッテンクラートの後部に乗って敵を誘導することになりました。
ドイツ軍は町中に侵入し、ミラー達が身を潜めた窪地の付近を戦車が通行します。
道路に仕掛けた爆薬で敵歩兵を吹き飛ばしたのを皮切りにかなり近距離での白兵戦となりました。
友軍の兵がくっつき爆弾を手に戦車に突撃したのですが、点火が早く自爆に終わりました。
敵兵の数はやはりこちらを圧倒しており、窪地のミラー達は孤立しましたが、何とか戦車の車輪にくっつき爆弾を貼り付けて走行不能のしました。

自走砲には火炎瓶を上から投げ入れる作戦を採り、一台を戦闘不能にしました。
戦車には一斉に兵が貼りつき、内部に手榴弾を投げて戦闘不能にしましたが、ドイツの20ミリ機関砲が現れて彼等を一掃しました。
狙撃していたジャクソンも狙い撃ちされるようになり、それでも敵兵を何名か射殺したのですが、戦車砲で鐘楼ごと破壊されて死亡しました。
アパムは敵の弾を避けながら走り、弾薬係をこなしていたのですが、メリッシュとヘンダーソンの補給が間に合わなくなり、ヘンダーソンは狙撃により射殺されました。

メリッシュは突入してきた敵兵と揉み合いになり、叫びを聞いてアパムもそちらに向かうのですが、脚が竦んでしまい、上手く歩けませんでした。
メリッシュはナイフで刺殺されてしまい、敵兵はアパムを見逃して去りました。
ミラーと行動していたライベンは上からの機関銃掃射でようやく20m機関砲を沈黙させました。
単独で身を潜めていたホーヴァスはバズーカで自走砲を狙い撃ち、戦闘不能にしました。
しかし孤立した彼は敵兵に囲まれて撃たれてしまい、物陰に隠れました。

ミラー達の前にもう一台の戦車が現れ、弾切れだった彼等は迫撃砲の弾のお尻を叩いて点火してから投げるという荒業に出ます。
しかし戦車が窪地に突っ込んできたのでミラー達は「アラモ」と名付けた橋の手前の最後の防衛線目指して撤退しました。
付近はドイツ兵が溢れており、ホーヴァスも階段で座り込んで泣いていたアパムを引っ張ってアラモへと撤退します。
ホーヴァスはミラー達と合流すると戦車を何とかしようとライベンと共にバズーカを撃つのですが、厚い装甲に阻まれました。
ドイツ戦車恐るべしです。ティーガー1型だと思います。
彼は移動中に胸を撃ち抜かれ、ライベンに抱えられてミラー達に合流しました。

ミラーは橋を爆破する準備を始めたのですが、戦車砲に吹き飛ばされて耳が聞こえなくなります。
橋の向こうは完全にドイツ軍に制圧され、友軍は次々に殺害され、ホーヴァスも死亡していました。
ミラーは先ほど吹き飛んだ橋の起爆装置を取りに出たのですが、撃たれて倒れました。
彼の前に戦車が迫り、道路に座り込んだミラーは拳銃を出して戦車に向けて発砲します。
その時、友軍のP-51による空爆が行われ、戦車は破壊され、敵軍兵士は散開して撤退し始めます。

ドイツ兵の付近に潜伏していたアパムは撤退する兵に銃を向けたのですが、前に逃がした捕虜をその中に発見して射殺しました。
他の兵には消えるよう合図し、ドイツ兵は逃げ出しました。
やがて援軍が雪崩れ込み、付近は友軍により制圧されました。

ミラーは胸を撃ち抜かれており、ライベンは「衛生兵早く来い!」と怒鳴ります。
ミラーはライアンを呼び耳元で「皆の死を無駄にせず、しっかり生きろ」と静かに告げてから息を引き取りました。
その後、ライアンは祖国に送り届けられました。

冒頭の老人はライアンで、彼は回想を終えてミラーの墓の前で涙を浮かべ、「橋でのあなたの言葉を忘れたことは無かった」と言いました。
彼はミラーの墓に感謝の気持を述べ、自分の人生があなたの犠牲に見合っていれば幸せだと述べました。
ライアンの妻が歩み寄り、「私はいい人間か?」という問いに「もちろん」と答えました。

ライアンはミラーの墓に敬礼しました。

エンドロールで終了です。

ちょっと泣きそうになりました。
ミラー達が戦死したのは6月13日だそうで、上陸から1週間足らずの出来事だったようです。
特典はバイオグラフィとか入ってました。

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