さえない男の妄想 未来世紀ブラジル

未来世紀ブラジル

名前間違えたらひどい目に遭う話

制作年 1985年
制作国 イギリス
監督 テリー・ギリアム
脚本 テリー・ギリアム/チャールズ・マッケオン/トム・ストッパード
上映時間 143分
出演
ジョナサン・プライス
ロバート・デ・ニーロ
キム・グライスト

だいたいのあらすじ

20世紀のどこかの国
家電店で「セントラルサービス」という会社のおしゃれダクトのCMが流れていたのですが、爆弾テロに遭い、いきなり店は大爆発してしまいました。
この世界は情報省という組織が情報統制しており、トップのヘルプマン(ピーター・ヴォーン)は爆弾テロ等けちょんけちょんにしてやると豪語していました。
情報剥奪局の職員が勤務中に部屋に現れた虫退治に夢中になり、タイプを破損してしまい「タトル」という文字が「バトル」と変わってしまいましたが気付きませんでした。

一家でTVを見ていたバトル氏はSWATみたいなのが家を壊して押し入り、そのまま情報省に連行されてしまいました。
記録局長カウツマン(イアン・ホルム)はバトルの書類とDBを照会し、DBに情報が無かった事からサム(ジョナサン・プライス)を呼び出します。
しかしサムは家で寝坊し、白銀の鎧を着て天使のような羽根を手に付けて飛び、謎の美女にキスするというイカれた夢を見ていました。
記録局に駆けつけたサムは情報剥奪局のタイプミスだと見抜いたのですが、それはそうとサムは母のアイダ(キャサリン・ヘルモンド)のコネで昇進されられたそうです。

サムは出世とは関わり無くノンビリ暮らしたいと考えていたので、顔を伸ばしてラップを被せるというヘンな整形手術を受けていたアイダに怒鳴り込みました。
アイダは権力者とコネを沢山持っており、サムは情報剥奪局に移動させられる事になってしまいました。
サムは話を聞いてくれないアイダを追いかけて高級レストランに同行しました。
どうやらこの世界は食料不足のようで、オートミールのような物に味付けした物を一流レストランで出していました。
サム達がテーブルに着いた直後、レストランで爆弾テロが発生し、一部の人達は吹き飛んでいましたが、サム達は無事で食事を続けていました。
サムは「絶対に剥奪局にはいかない!」と拒絶して去りました。

その夜、サムは空調が壊れたのでセントラルサービスに電話したのですが、営業時間外で留守電になっていました。
直後に目だし帽を被った強盗が押し入って来たのですが、サムが大人しくしていると男は顔を出し、修理人のタトル(ロバート・デ・ニーロ)と名乗りました。
修理はセントラルサービスが行うのが世の規則でタトルはモグリの修理人だそうで、書類が嫌いなので職員にはならないそうです。
その後、正規の職員が来たのですが、タトルが修理してくれているのでサムは彼等を追い返しました。
サムはもしやあなたは情報剥奪局でお尋ね者になっているタトルさんでは?と尋ねたのですが、タトルは豪快に笑い飛ばして空調を修理すると、アパートからロープで滑り降りました。

翌日、サムはカウツマンに呼び出されるのですが、バトルへの小切手が届いたそうです。
情報手数料取り過ぎらしいのですが、訳が分かりませんでした。
しかしバトルに送り返そうにも彼は既に死亡しているようで、兎に角責任を被りたくないカウツマンは大騒ぎしていました。
サムは遺族の夫人に小切手を振り込む手続きを取りましが、夫人は口座を持っていませんでした。
変な端末操作はなんだったんでしょう?
サムは夫人に小切手の裏書をしてもらう事にし、カウツマンに領収書サインを依頼したのですが、「骨折」と断れたので、サムが成りすましてサインしました。

サムはバトルの家を訪ねたのですが、家は踏み込まれたままの状態で修理されていませんでした。
用件を聞いたバトル夫人は「主人は死んだのね」とサムに恨み言を言い、サムは「僕は小切手の事しか…」としか返答できなかったのですが、バトルの息子にも「人殺し!」と殴り倒されてしまいます。
その時、突入時にぶち抜かれた床から上の部屋の女性が顔を出したのですが、それはサムの夢に出てくる女性にそっくりでした。
サムは職務放棄して上の階に駆け上がったのですが女性はトラックに乗って逃げてしまいました。
急いで後を追おうとしたサムでしたが、車は放火されてタイヤも壊されていたので断念したのですが、通りにいた少女から彼女はジル(キム・グライスト)だと教わりました。
この少女はバトルの娘ですね。

サムは記録局に戻ってジルの情報を調べたのですが彼女は犯罪者らしく、情報剥奪局でないと閲覧不可でした。
その後、サムが帰宅するとセントラルサービスの連中が来ており、部屋の中がパイプだらけになっていました。
彼等はタトルが空調に付けていた部品を外し、「タトルが来やがったな」と悪態を吐きながら部屋をそのままにして引き揚げました。
その夜もサムは白銀の鎧を着て変な侍と戦い、侍の仮面を剥ぐと自分自身だったという妄想大爆発の夢を見ました。

サムはアイダのパーティーに出席してヘルプマンと直談判し、情報剥奪局に移動させてもらうことになりました。
ということでサムは出勤したのですが、ウナギの寝床のような狭いDZ-015という個室を割り当てられ、机も壁を隔てた隣の職員と共有でした。
端末が無かったので、隣の職員ハーヴェイにジルの事を調べて貰うことになりましたが、詳細は5001号室で…と出ました。
5001号室には友人のジャック(マイケル・ペイリン)が居り、処刑を担当していたのですが、ジルはテロに加担しているということでした。

ジルは逮捕されるということだったので、サムは自分が連行すると言い、ジャックから彼女のファイルを入手しました。
実はジルはバトルの誤認逮捕の件を訴えていたのですが、色々な役所をたらい回しにされており、ロビーに来ていました。
そこでジルが警備員に囲まれていたので、サムはバッジを振りかざして警備員を制止し、彼女を外に連れ出しました。
ジルはトラックで逃げようとしたのでサムはトラックに乗り込み、「殺されるから逃げろ」と指示しました。
サムがウザいのでジルは何度も彼を降ろそうとしていたのですが、サムはとうとう「夢で見たから付き合ってください」的な事をのたまいました。

ジルは「まあ素敵」と油断させ、サムを車外に叩き出してしまいました。
サムはしつこくトラックにしがみ付いて来たので、ジルは根負けして彼を助手席に乗せました。
ジルはどこかの工場で包みを受け取っていたので、サムは彼女がやはりテロに加担していると判断しました。
移動中に検問があったのでサムはアクセルを踏んで突破させ、積み荷は滅茶苦茶になってしまいました。
ジルは「お前の所為でクビ!」とカンカンでしたが、デパートに包みを持って入ると姿を消し、間も無くデパートは爆発しました。

しかし爆発にはジルも巻き込まれており、彼女が持っていたのは爆弾ではありませんでした。
そのどさくさでジルは連行されそうになり、彼女を救おうと抵抗したサムが連行されてしまいました。

感想

これはイマイチです。
情報統制社会がどうのこうのという内容で、上流階級の男が庶民の女に入れあげて破綻するみたいな話です。
なんだか風刺のような話なのですが、内容はコントだと思います。
残念な事にこのコント、私には1ミリも笑えませんでした。
「名前間違えられて殺されました、面白いでしょう」、「レストランで番号頼まないとダメなんです。面白いでしょう」って言われても…
時間が2時間オーバーなので観ていて辛いです。

タイトルからして狙ってる気がするんですが、だからどうしたんだろう…と思ってしまうばかりです。
この無駄なコントが恐らくこの映画のメインなのではないかと思われますが、ペラッペラに感じます。
思いついたネタをどんどん入れました!面白いでしょう!と言われても…

設定は何が何だか良く分かりません。
「情報統制社会」というのがどういうものか私には理解できませんでした。

映像は目を見張るものがあり、建物のロケーションと撮り方は上手いと思いました。
小道具もなかなか不思議で面白いものがありました。
結末付近の展開はそれもあってか強烈な印象があり、一度観たら忘れないと感じました。

登場人物は何を考えてるのかサッパリ分からないので誰にも感情移入できないです。
サムは妄想人だと分かるのですが、ジルの心境は全く理解できず、お飾りのように感じられます。
タトルもイマイチ何をやっているのか良く分かりません。

ラストまでのあらすじ

局に連れ戻されたサムは局長に滅茶苦茶怒られ、ジャックにジルの安否を尋ねたものの、絶交されてしまいました。
帰宅したサムでしたが、なぜかセントラルサービスの連中に家を占拠され、叩き出されてしまいました。
そこにタトルが現れ、連中の着ていた変な宇宙服のようなスーツに汚水を流し込むという嫌がらせをしてから去りました。
なぜかジルもやって来たので、サムはジルを外に連れ出し、アイダの家に匿いました。

サムは局に戻り、ヘルプマンと直談判しようとしたのですが不在だったので、端末を操作してジルは死亡したと記録を捏造しました。
アイダの家に戻ったサムはそれをジルに告げ、二人はHしました。
翌朝もジルが全裸でリボンを胸に巻いて「メリークリスマス」と言ったので、そのままHしようとしていたらSWATのような連中が突入して来ました。
サムは逮捕され、ヘルプマンからはジルは死んだと告げられました。

サムはデカいタンクのような建物の広々とした床の中央にポツンと椅子に拘束され、ジャックの拷問を受けることになりました。
この建物は凄いですね。セットにしては大掛りです。
そこにタトル一味がロープで降下して来てジャックは射殺され、サムは解放されました。
タトル一味は警備員と銃撃戦を繰り広げながらサムを局の外に連れ出し、タトルは起爆装置をサムに差し出しました。
サムは起爆装置を押して情報剥奪局のビルを爆破しました。
爆発したビルからは書類が紙吹雪のように舞い、サムは歓声を上げました。

サムとタトルはモールのような所で別れたのですが、タトルが紙吹雪に巻かれてもがいていたのでサムは紙を取り除いて助けようとします。
しかし、紙を避けるとタトルの姿は消え、サムは再び警備員に追われ、大きな荘厳な建物の中に逃げ込みます。
そこは教会だったようで、アイダの友人の葬式が行われており、レストランの給仕が出迎えてくれました。
アイダは若返っており、サムをガン無視して男達とイチャコラしていました。

アイダの友人は整形を繰り返して棺の中で身体がドロドロに溶けていました。
警備員に追われたサムは棺の中に飛び込み、落ちた先の裏路地を逃げ回ります。
飛び込んだ先はプレハブの一室でなぜか移動していました。
それはジルが運転するトラックの荷台に乗せられたプレハブでした。
ということで二人は田園風景広がる遠くまで逃げて幸せに暮らしたのでした。

しかし、これはジャックがサムに行った手術の結果でした。
ヘルプマンとジャックはサムの顔を覗き込み、ジャックは「済みました」と報告して二人は出て行きました。
サムはずっと夢を見続けているのか微笑んでいました。

エンドロールで終了です。

これハッピーエンドですよね。
元々サムは夢の世界に生きていたので、最期に幸せになれたような気がします。
まあ、現実的には破れてる訳ですけど。

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