岩に挟まれちゃいます 127時間

127時間

それでも、生きたい。

制作年 2010年
制作国 アメリカ/イギリス
監督 ダニー・ボイル
脚本 ダニー・ボイル/サイモン・ボーファイ
原作 アーロン・ラルストン
上映時間 94分
出演
ジェームズ・フランコ
ケイト・マーラ
アンバー・タンブリン

だいたいのあらすじ

ロッククライマーのアーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)は妹のソニア(リジー・キャプラン)からの電話をガン無視して家を出ました。
急いでいたのか棚の奥にある愛用の十特ナイフは諦めたようです。
アーロンは夜のハイウェイを車で疾走し、郊外へと向かっていました。
2003年4月25日の金曜日の夜、アーロンは目的地であるブルー・ジョン・キャニオンに到着しました。
彼は人嫌いなようで、真っ暗闇の中で独りぼっちという状況を楽しみ、ビデオ撮影していました。
キャンプ場に着いた彼は車の荷台に毛布に包まり、ぐっすりと寝ました。

土曜日

アーロンは荷物を小ぶりのバックパックに詰め、荷台に積んであったマウンテンバイクに跨り、早朝から砂漠を失踪していました。
小さな障害はひょいひょいと飛び越え、目的地を目指しました。
時間短縮を狙って飛ばしたので道中で転んだりしましたが、彼は実に楽しそうでした。
景色が雄大で、スピード感が凄いですね。空の青さと砂漠の赤っぽさが独特の映像になってます。
同じアーロンの自転車を捉えた画面分割になってるんですけど、これがまた効果的だと思います。

その後、アーロンは道に迷っている二人の女性クリスティ(ケイト・マーラ)とミーガン(アンバー・タンブリン)を発見してガイドを買って出ました。
この渓谷はアーロンにとって庭のような物で、ガイド本にも載っていないような穴場を知っていました。
アーロンは垂直な岩壁を手と背中で突っ張って進むような狭い通路を案内し、そこから直に滑り降りて下の地底湖のようなものに飛び込みました。
クリスティ達も後に続いたのですが、まるで垂直降下するようなスリリングな遊びに二人は夢中になり、暫く飽きもせずに飛び込んでいました。

彼女達と別れ、単独行となったアーロンは暫くテクテクと砂漠地帯を歩きます。
天然の岩壁に挟まれた狭い通路を進み、垂直の通路もひょいひょいと降りていました。
ところが、狭い岩壁の間を降りた後に陥落して来た岩に右腕を挟まれてしまいました。
岩は1mあるかないかの小振りサイズなのですが、両側の岩壁にピッタリとハマっており、びくともしませんでした。
唯一、今のアーロンに救いがある点は降りている最中では無かったので足が岩の上に着いているということだけでした。

押しても蹴ってもタックルしても岩はピクリとも動かず、叫んでみても声は届きそうにありませんでした。
アーロンが進んでいたのは深さ15m程度、幅は1mあるかないかのクレバスで、これが延々と砂漠の中に伸びているという地形だったので、一般の人は避けて通りそうでした。
アーロンは少しだけ水を飲み、「こういう時こそ冷静にならなければ」とバックパックの中身をチェックしました。
ペンチと一緒になっているような切れ味の悪そうな徳用ナイフがあったので、それを使って左手で地道に岩を削るという作業を行っていたのですが、続けていると手が痛みます。
その内に手が滑り、ナイフを落としてしまいますが、今の彼にはナイフを拾い上げるという作業も一大事業でした。

ナイフはアーロンが乗っている岩の少し下の地面に落ちており、左手は当然届かず、足を延ばしても到底届きませんでした。
幸いな事にナイフには金属のリングが付いていたので、足と曲がった木の枝を使い、リングに引っ掛けて上手いこと拾い上げるのに成功しました。
アーロンが岩に挟まったのは15時過ぎだったのですが、この頃にはすっかり辺りが暗くなっていました。
今度は落とさないようにナイフのリングに紐を掛け、地道に岩を削る作業を継続します。
時刻は24時になりました。

日曜日

ひとまずロープを崖の上に投げて引っ掛けるのに成功し、少しうとうとしたのですが、寒さで目が覚めました。
朝になって陽が差して来たので、冷え切った足や手を日向にかざして暖めました。
腕が挟まれてから24時間が経過し、右腕は青紫色に変色していました。
アーロンは現在の状況をビデオ録画し、ビデオを拾った人は両親に届けて欲しいというメッセージも録画しました。
暫くすると上の方から砂が落ちて来たので、誰か通ったのかと思い叫んだのですが、無応答でした。

その夜、アーロンは僅かな食料と水を採り、冷たい飲み物の事を思いつつコンタクトレンズを外しました。
そして来る前に母に行く先を教えれば良かったかなあ、途中で立ち寄ったショップでも行く先を告げなかったなあ等と回想しました。
寒いので手足にロープを巻き、バックパックを被って眠りました。

月曜日

アーロンは岩にガッチリとロープを架け、先日架けたロープを利用し、滑車の要領で自分の体重で引っ張り上げてみようと試みたのですが、岩はピクリとも動きませんでした。
彼は現在の様子をビデオに収め、冷たい飲み物を夢想しながら、僅かな水を飲みました。
水の残りは150ml程度で尿を吸水袋に溜め始めました。
どうやら右腕が岩を支えるような恰好になっているようで、岩を削れば削る程右腕への負担が重くなることが分かりました。

アーロンはとうとうゴムチューブを巻き右腕を切り離す事にしたのですが、傷一つ付けられませんでした。
彼はカメラを眺めながら初めてカメラを買って、家族を撮影した時の事を思い出していました。
少女だったソニアがショパンの夜想曲2番弾いてます。
過去に恋人と雪山パーティーに行ってバカ騒ぎした事等も夢想します。

やがて大雨が降って来たのでアーロンは大慌てで水を溜め、雨をゴクゴクと呑みます。
しかし低地であるここには一気に滝のような水が流れ込んで来て頼みの水筒も流されてしまいました。
クレバス全体が浸水し、アーロンも溺れかかったのですが、水の力か右腕が岩から抜けました。
アーロンはロープを伝って崖を上り、車までたどり着くとかつての恋人(クレマンス・ポエジー)の下へ向かいました。
しかし心を開かないアーロンをとうの昔に見限っていた彼女は冷たく門戸を閉ざすのでした。
という夢を見たアーロンは絶望の叫びを上げるのでした。

火曜日

アーロンは勤務先の同僚が昨日捜索願いを出したとしても警察が動くのは水曜日だなあと想いを巡らし、その件をモーニングショー風にテンション高くビデオ撮影しました。
そして連絡先を誰にも教えなかったことを悔やみつつ、最後の水を飲みました。
アーロンはナイフを思いっきり右腕に突き刺したのですが、短いので骨に遮られてしまいました。

感想

これは普通です。
渓谷に遊びに行ったら岩に挟まれて大変!という話です。
これは実話で、主人公のアーロン・ラルストンの自伝をベースにしているそうで、かなり忠実だそうです。
凄いのは始まって16分で岩に挟まれる点で、その後も無駄なくスッキリとまとまっている点でしょうか。
回想や幻覚シーンが多いので、画面分割で夢想的に表現しているようです。

これ、冒頭は完全に青春映画のノリで、挟まれて2日位はそのノリが持続されてます。
滑車の原理で岩を持ち上げようとするシーンもそういうノリノリのBGMでした。
その後、段々と精神を病んで行く様子が幻想的な映像で描かれ、最後にはやったね!という希望に満ちた映像で終わります。
私的には前半のマウンテンバイクのシーンと結末付近の家族連れに発見されてからのシーンが明るくて好きです。

しかし岩に挟まれて登場人物が一人という中盤のシーンもよく上手いこと映像化できたものだと感心してしまいます。
しかもアーロンが魅力的に描かれているので、どうしても応援したくなるという。
やっぱり才能あるんだろうなと思いました。
普段なら「私なら最後にどうするか?」等と考え込んでしまうのですが、この映画はカラッとしてるので、重いことは考えなくて済みました。
もしかすると事前に自伝の内容を知ってたからかもしれません。

ラストまでのあらすじ

水曜日

アーロンはとうとう水が無くなったので激臭に堪えながらッ尿を飲みました。
あまりの辛さに自慰でもしようかと思ったのですが、体力を消耗するだけだと思ったのか止めておきました。
アーロンは走馬燈のように今までの出来事を夢想しました。

木曜日

結婚して子供を作って…と今後の事を妄想し、生き延びたいと考えたアーロンは身体をねじって右腕の骨をへし折るという行動に出ました。
そして痛みに耐えつつ自分を励ましながら少しずつ骨の周りの肉を切り始めました。
ナイフはあまり切れないのでペンチで肉を引き千切ったりしながら、少しずつ切り出します。
何度もショックで気絶しそうになったのですが、アーロンは頑張ります。
このシーンはやたらと長くて見るの辛いです;;

アーロンはとうとう右腕を肘の所で切り離すのに成功しました。
彼は挟まっていた岩の写真を写すとロープを手にクレバスの切れ目まで移動しました。
クレバスの切れ目は陽の当たる切り立った崖で、アーロンはそこで久し振りに太陽を全身に浴びて笑いました。
崖の上には幸いにも過去のクライマーが残して行った打ち込み式のカムのような金具が刺さっていました。
アーロンは左手一本でロープを結び、15m程度の崖をゆっくりと慎重に降りて行きました。

地上に降りたアーロンは付近にあった水溜りに頭から突っ込み、ゴクゴクと水を飲みました。
水溜りはかなり濁っていましたが、今の彼には些末なことで、水筒に汲んで浴びるように水を飲みました。
アーロンは灼熱の太陽に炙られながら砂漠をフラフラと歩き、家族連れのハイカーを発見したので、力一杯「助けてくれ」と叫びました。
家族連れは振り返って彼の姿を認め、急いで駆け寄って来ました。

家族連れのママと子供がダッシュして助けを呼びに走り、やがてヘリが到着しました。
こうしてアーロンはヘリで病院に搬送されて生還しました。
その後、彼は運動ができるように回復しました。

アーロンの見ていた妄想は現実となり、彼は後に結婚して男の子を授かりました。
彼は今でも登山を続けているのですが、必ず行き先メモを残すようにしているそうです。

エンドロールで終了です。

結末付近の希望に満ちた描写は流石だと思いました。

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