正太郎クズです 妖怪血染めの櫛

怪奇十三夜 妖怪血染めの櫛

無理矢理結婚したらひどい目に遭う話

制作年 1971年
制作国 日本
監督 中川信夫
脚本 八尋不二
原作 上田秋成
上映時間 48分
出演
佐々木愛
蟹江敬三
真山知子

だいたいのあらすじ

正太郎(酒井修)といよ(佐々木愛)は婚約しており、縁談の前に吉備津の釜の前で吉兆を占おうということになります。
両家の見守る中で巫女が占いを始めたのですが、釜の前に置いたいよの櫛が宙を舞い、正太郎の月代に突き刺さりました。
これは不吉ということになったのですが、正太郎は「どうしてもいよが欲しい」と父の庄太夫(竜崎一郎)やいよの両親を説得し、いよを嫁に迎えることになりました。
そして婚礼が行われたのですが、あろうことか祝言の最中に地震が起きていました。

そんなこともありましたが、いよと正太郎は幸せな日々を送っており、正太郎は昼間から発情していよを押し倒そうとする始末でした。
しかし正太郎は両親と同居していたので、いよは家事全般以外にも病弱な義母の介護等もあり、とても彼の性欲にはついていけませんでした。
根っからの道楽者である正太郎はとうとう遊郭に遊びに行き、袖(真山知子)という女郎に入れあげて家に戻らなくなりました。
庄太夫はそれを察していよに「本当にクソのような息子で申し訳ない。」と心から詫び、それに対していよは「自分にも至らぬところがあるのです」と謙虚に受け止めていました。

その後、正太郎はいよに母の形見であるという櫛を出させ、袖の下へと同行させ、いよの見ている前で袖に櫛をプレゼントしました。
庄太夫に変わってこいつの頭張りたいです。むしろしばきたいです。
新婚の夫が愛人の所に正妻を連れてくるだけでも相当屈辱的なことですが、いよは丁寧に「他の物はなんでも差し上げますが、それだけはご勘弁を」と懇願するのですが、袖はそれを楽しそうに聞いているだけで返しもしませんでした。
正太郎はあろうことか「亭主に逆らうな」とかのたまい、さっさと帰れ!といよを叩き出してしまいました。

いよは袖の高笑いを聞きながら、悲しい表情で帰宅するほかありませんでした。
正太郎の道楽はいよの実家にも伝えられ、父は歯噛みして庄太夫と掛け合うことにしました。
ご両親気の毒で私も観ていて辛いです。
とうとう庄太夫は袖の家に怒鳴り込み、正太郎を連れ帰りました。
怒りの庄太夫は帰宅するや否や「わたくしも悪いのでございます。」とフォローするいよに「こいつの性根を叩き直さんといかん」と説明し、正太郎を座敷牢に閉じ込めてしまいました。

正太郎は流石に反省したようで、甲斐甲斐しく食事を運ぶいよに「本当にすまんかった」と謝罪します。
袖とは別れると誓うのですが、袖は身寄りがないのできっと遊女に戻ってしまう筈だ!従ってお金を用意してくださいというのが正太郎の言い分でした。
自己責任だと思います。
いよはどれだけ人がいいのか実家に事情を説明し、お金を用意して正太郎に渡しました。
そして絶対にいよを裏切らない!直談判してくるから出してくれと正太郎が懇願するので、彼女は座敷牢を開けてしまいました。
しかし正太郎がそのまま戻ることは無く、袖と駆け落ちしてとんずらしてしまったのです。

その後、いよは病に臥せってしまい庄太夫と義母に「いよはお義父様達に愛されて幸せでした。思い残すことはございません」と言い残して息絶えました。

正太郎は持っていたお金を使い果たし、彦六(蟹江敬三)と共に竿竹売りをして細々と暮らしており、「稼ぎが悪い!」と袖の機嫌も段々と悪くなっていました。
ある日のこと、正太郎が帰宅すると珍しく袖の機嫌が良かったのですが、袖は骨董屋にいよの櫛を見積りに出し鑑定額が相当な高値だったということです。
しかしその話を彦六が戸口で盗み聞きしており、ニヤリと笑っていました。
そして袖は上機嫌で櫛を髪に当てていたのですが、突然櫛がブスリとこめかみに刺さりました。

袖は櫛を抜こうとすると猛烈に痛がり、終いには櫛に触れる者が居れば「触るヤツは憑り殺す」と叫んでいました。
やがて袖は七転八倒し、そのまま亡くなってしまいました。
袖の死に顔怖いです。夢に出そう。
正太郎は彦六と共に袖が入った棺桶を運び、櫛と共に埋めました。

その後、彦六が櫛を掘り返して売ろうぜ!と正太郎に言い出したのは当然の流れでしたが、正太郎は「あの櫛には祟りがある」と猛反対して思いとどまらせました。

ある日正太郎が墓に行くと若い娘から「うちの奥方が主人に先立たれて床に伏せ、寂しがっておりますのでお見舞いに来ていただけませんでしょうか」と声を掛けられました。
正太郎は「うちも女房に先立たれたのでお察しします。お会いしましょう」と従いました。
暫く娘について歩くと古びた廃墟のような建物に案内されました。

感想

これは普通です。
散々旦那に騙されてひどい目に遭った挙句に死んだ女の恨みが炸裂!という内容です。
どっかで似たような話を聞いたと思ったら吉備津の釜でした。
前半にストレスが溜まりまくるので後半のいよの逆襲でスカッとします。
正太郎もクズですが、袖もひどいです。
そして意外と怖いです。

誤解が無いように付け加えておきますが、いよはHさせないって言ってる訳ではないです。
夜ならOK♥と言ってるのでさせてます!
それなのに袖に走るなんて許せないです。
いよは清楚系で袖はセクシー系というくくりみたいで、確かにこういう人が好きな男もいるかも。
でも普通駆け落ちまでしないと思います。

彦六さんはとばっちりですが櫛盗もうとしてたし。

ラストまでのあらすじ

屋敷で待っていたのはいよの亡霊で「わたしの櫛を返してください」と青白い顔で恨み言を言うので正太郎は倒れてしまったのですが、そこは荒れ寺の墓地で、ヒャーと逃げ帰りました。
帰宅しても荒れ寺の幻影を見せられていよに恨み言を言われたので正太郎は大声で彦六を呼び、助けを乞います。

彦六は陰陽師を紹介してくれたのですが、陰陽師曰く恐ろしい亡霊に命を狙われているので正太郎の命は風前の灯だそうです。
助けを乞う二人を見て陰陽師はお札を渡し、戸口全てにお札を貼り、三日の間家に籠って神仏に祈り、何が起きても決して戸口を開けてはいけないと指示しました。
これ現代でも宅配ボックス無い家は通販荷物受け取ったら死ぬってことですよね。

その夜から正太郎は言われた通りにお札を貼ってステイホームしていました。
いよは「お迎えに参りました。」と現れたのですが、札の所為で入れず「お札を剥がしてください」と訴えていました。
彦六は向かいの長屋からその様子を眺め、恐ろしさに震えており、夜が明けました。
正太郎は彦六と戸口越しに「怖かったねー」と話し合いました。

その夜もいよは現れ、何とか夜が明けました。
翌朝、彦六は凹んでいる正太郎を励ましました。

三日目の夜は雨が降り、お札が剥がれかかっており、隙間からいよの青白い顔が覗くので正太郎は恐ろしくてたまりませんでした。
ちょっと怖いです。
いよは長屋の屋根に張り付き、障子の隙間から「正太郎さん…」と呼び掛けて動揺を誘いますが、正太郎は一心に祈りを捧げるのでした。
一方、何を思ったか彦六は袖の墓を掘り返し、櫛をゲットしていたのですが、天変地異のような地震が起きて墓穴に生き埋めにされていました。
正太郎は戸口の隙間が明るくなったので、てっきり朝が来たのかと思って戸口を開けてしまい、屋根から逆さまに現れたいよに捕まりました。

どうにかこうにか脱出した彦六は正太郎の長屋に飛び込んだのですが、そこには誰もおらず、壁に大きな血痕があり、床にはあの櫛が転がっていました。
櫛は流れる壁の血で血に染まっていました。

エンドロールで終了です。

ざまあという感じでした。
それにしてもいよは思い残すことあったんですね。(劇中でもそういうナレーションありました)

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