地獄甲子園
野球やってたらひどい目に遭う話
制作年 | 2002年 |
制作国 | 日本 |
監督 | 山口雄大 |
脚本 | 桐山勲/山口雄大 |
原作 | 漫☆画太郎 |
上映時間 | 87分 |
出演 |
坂口拓 |
伊藤淳史 |
谷門進士 |
だいたいのあらすじ
冒頭にどう見ても外国人の画太郎先生のありがたい宣伝があります。
尚、ファンタスティック映画祭の映像の字幕を差し替えたものらしく、先生の姿も制作サイドの想像だそうです。
また、野球を愛する者全てに捧げ…たい映画だそうです。
高校球児達は甲子園を目指して一球入魂!と命を掛けて頑張っているのですが、世の中には本当に命がけの野球があるそうです。
星道高校校長の朝倉南太郎(永田耕一)は野球部が試合の際に全員相手チームの暴力で殺害されるという悪夢を見て校長室で飛び起きました。
死屍累々という感じのグラウンド描写と原作の汚い絵に寄せてる感に冒頭から笑いが止まらないです。
野球部員のメガネ(伊藤淳史)は先輩の松井ゴリラ(土平ドンペイ)のノックを一球も捕球できず、どやされていました。
星道野球部はゴリラを筆頭にイタロー、ちくわぶ等の強豪選手が揃っていたので朝倉は今年こそ悲願の甲子園出場を達成できると考えていました。
しかし朝倉の下に予選第一線の対戦相手が決まったと知らせがあったのですが、相手は外道高校という高校で、それを聞いた朝倉は「終わった…私の夏は終わった…」と倒れていました。
メガネは練習中に球拾いに行かされたのですが、そこは番長の溜り場で、メガネはボールが当たったといちゃもんを付けられて「慰謝料15万持ってこい」と脅されます。
付近の鉄骨にぶら下がって寝ていた転校生の野球十兵衛(坂口拓)は騒ぎに気付いて「いじめは止めろ」と番長をぶっ飛ばしてしまいました。
そこに番長軍団が現れて「よくも手下をやってくれたな!」とたちまち乱闘になってしまいました。
その頃、校長は「そっか、今年は予選辞退して来年優勝狙えばいいや」と前向きに考えていました。
そこに教師が飛び込んできて不良が喧嘩していて野球部員が混じっている!と知らせ、不祥事を起こすと出場できなくなるので校長は日本刀を手に現場に向かいました。
現場には野次馬が集まり、十兵衛は手下を全滅させて番長(小西博之)と対峙しており番長は金属バットを出して構えたので、生徒会長は「喧嘩野球だ」とか言い出しました。
「野球」と聞いて興奮した校長は二人の対決を見守りました。
十兵衛はバットを振る番長にスライディングやジャンプをかましてバットを避け、校長は凄い脚力だ!と十兵衛を絶賛します。
そして十兵衛は番長に突撃して寸前でバットを避け、パンチを連打してぶっ飛ばして倒しました。
校長は「凄い!こいつが入れば外道高校倒せるかも!」と大喜びし、中村泰造(勝俣喜章)も校庭で酒盛りしながらゲラゲラ笑っていました。
ということで校長は十兵衛を追いかけ、「甲子園出場の悲願を果たさせてくれ」と懇願したのですが、十兵衛は「甲子園」という言葉に過剰にブチ切れたのたのですが、外道高校のことを聞いて少し興味を持ちます。
実は星道野球部が三年前に外道高校と対戦し、やりたい放題の反則をする外道高校に選手が全員殺害され、試合放棄で負けていました。
校長の見ていた悪夢は三年前に起きたことだったのです!
十兵衛は話に食いつくだけ食いついて「俺に関係ないじゃん」と立ち去ろうとしたのですが、そこに心を入れ替えて別人になった番長(西尾季隆)が現れました。
番長は元野球少年で肩を壊していたのですが、先ほどの十兵衛のパンチ連打がツボを刺激して肩が治ったそうです。
彼は十兵衛に「一緒に野球をやろう」と声を掛けたのですが、十兵衛は「俺は野球を捨てた」と立ち去りました。
河原で黄昏ていた十兵衛にメガネが「あっしからもお願いします。野球部に入ってください」と懇願し、野球を辞めた理由を尋ねました。
すると急にミュージカル映画になって十兵衛は歌を歌い出し、秘密の過去を語りました。
少年十兵衛は野球の才能があり、中学に入った頃には誰も彼の球を打てずに捕れなかったので、十兵衛はのけ者にされたそうです。
そこで親父(蛭子能収)が十兵衛の球を受けてくれたのですが、親父は捕球できずに死んでしまい、それで十兵衛は野球を辞めたということでした。
親父には申し訳ないのですが、笑いました。尚、十兵衛と一緒に歌っているのは坂口亜紀さんだそうです。
メガネは「あっしは母上に野球を禁止されてこっそり部活しています。野球を愛する気持ちは変わらないのでは」と十兵衛を説得します。
河原にはワラワラと人が集まってきたのですが、十兵衛はメガネの説得で野球部に入りました。
帰宅したメガネは玄関でうっかりボールを落としてしまい、途端に母上(三城晃子)包丁が飛んできたので急いで隠しました。
母上はもし野球をやってたらただではおかない!ましてや野球部に入っていたら殺すと告げていました。
いよいよ予選の当日が来たのですが、観客は残念なチアガール三人と中村泰造だけでした。
それはそうとして十兵衛が球場に現れなかったのですが、それもその筈で十兵衛は刑務所に入っていました。
そして教頭(飯塚俊太郎)から事情を聞いたゴリラ達正規の部員が休場に現れ、自分達が試合に出ると言い出しました。
メガネは十兵衛を捜しに出たのですが、球場に突っ込んで来たダンプカーに跳ねられてしまいました。
ダンプに乗っていたのは半グレゾンビのような外道高校の野球部で、メガネはほういち(榊英雄)に殺されそうになりますが、外道監督(谷門進士)が「球場の外では殺すな」と止め、ほういちの耳を噛み千切りました。
そして試合が開始され、星道野球部はあっという間に血祭に挙げられてしまいました。
冒頭のシーンの使い回しじゃねえか!って思いました。原作者のコピーをリスペクトしたんでしょうか。
メガネは球場に駆け付けた番長と校長達とグラウンドに走ったのですが、ゴリラは倒れており、メガネに野球部を託して息を引き取りました。
校長が苦情を言っても主審は試合に問題はなく、外道高校は普通に野球をやっていただけだと言い張りました。
そして試合放棄を申し出たのですが、認められず、仕方なく校長と教頭、番長が選手として試合を続けることにしました。
その後、刑務所を脱獄した十兵衛が球場に駆け付けると校長達は既にやられており、番長はバットを身体中に刺されてハリネズミのようになっていました。
メガネは無事で再会できたのですが、ご丁寧にグラウンドには人間爆弾まで残されており、十兵衛は爆死してしまいました。
しかし十兵衛は死後の世界で親父と再会したのですが親父は「お前はまだここに来るのは早い。魔球を人のために投げろ」と言い残し、十兵衛は復活しました。
その後、外道高校は甲子園優勝を遂げたので十兵衛は廃人になっている校長に「外道高校に殴り込もう。このままでは日本の球界は終わる」と怒鳴り込んで奮起させました。
十兵衛はメガネが野球を辞めたと聞き、家に飛び込んだのですが、彼は野球をやった罰として母上の手で檻に監禁されていました。
ということで十兵衛は母上と激しいカンフーバトルを繰り広げ、大苦戦の末、バットで殴って勝利しました。
そして母上は負けを認め、野球を憎む理由を話したのですが、上の息子が最愛の夫ヒロシとキャッチボールをした際に死亡し、息子は行方不明になったというのが理由でした。
それはどう考えても十兵衛であり、十兵衛は母上の息子でメガネの兄だったのです。
確かに家族写真には若い頃の母上(魚谷佳苗)と親父、メガネと十兵衛が並んで映っていました。
母上美人でウケます。
ということで感動の再会をした後にいよいよ十兵衛は封印していた魔球を思い出そうと特訓を始めます。
またミュージカルになり、今度は母上のデュエットです。
そして十兵衛は大回転魔球のような魔球を投げたのですが、投げる前の溜めだけで見ている校長たちが吹き飛ばされそうになりました。
十兵衛の投げた魔球は校舎を直撃しそうになったのですが、蘇った番長(生田目研人)があの世で親父から貰ったミットで捕球しました。
十兵衛は外道高校に殴り込みをかけ、十兵衛が一人だと知った外道監督は野球を抜きに潰しにかかります。
そこにメガネ、番長、生徒会長と校長が合流して5人になり、遅れてメカ化して蘇ったゴリラと教頭も参加しました。
そして残念チアガールのチャバネと母上が参加し、これで9人になりました。
例によって観客は残念チアガールと中村泰造だけでしたが、間もなく単なる乱闘が開始されました。
感想
これはくだらないです。
画太郎先生の地獄甲子園を実写化しました!ということです。
前半は割と原作に近い感じで面白いのですが、ちょっとグダグダになってます。
原作がグダグダであるのは事実なのですが、映画なんだから何とかして欲しかった気がします。
掌返し系のネタも線の多い汚い絵から、あっさりした絵に変わるという漫画ならではの表現だから面白いのであって、実写にするとその辺が伝わり憎いと感じました。
かなり引っ張ってるようにも感じられたので、もう少し短くしても良かったかも。
中村泰造は出てましたが、珍八先生は出てなかったです。
尚、泰造はパンチ連れてて、パンチが全体的なナレーションを担当してました。
原作っぽい雰囲気は出てましたので、画太郎先生が好きな人にはいいかも。
ラストまでのあらすじ
星道野球部と外道野球部は次々に倒れ、残ったのは十兵衛だけでした。
なぜか主審の判定は同点だそうで、間もなく十兵衛と外道監督の一騎打ちが始まりました。
十兵衛はバットでぶっ飛ばされてしまい、メガネに介抱されました。
外道監督は最新型だというバットを出したのですが、そのバットは先端に針が付いており、世界中のありとあらゆる毒と薬草が詰まっていました。
毒バットというこのバットの先端の針で注射されると地獄の苦しみを味わうのですが薬草のために死ねず100歳まで苦しむそうです。
そして十兵衛は毒バットで刺されたのですが、メガネが庇っていたので無事でした。
怒りの十兵衛はバットで外道監督をぶっ飛ばし、「友情をおろそかにしたのがお前の敗因だ!」とぶち上げました。
外道監督は「俺の負けだ。殺せ」と覚悟を決め、十兵衛は止めを刺そうとしたのですが、外道野球部が監督を殺さないでください!と懇願したので「じゃあ、許す」と許しました。
監督は改心してメガネの解毒剤を投げて寄越し、平和が戻ったのですが、ほういちが監督を射殺してしまいました。
ほういちは外道野球部や拍手をしに集まってきた観客を射殺してしまい、十兵衛は波動でほういちをぶっ飛ばして殺害しました。
そして十兵衛が「俺が野球をやったばかりに罪もない人が死んだ」と涙を流すと、死んだ人が全員生き返りました。
主審は十兵衛の勝利を告げ、皆は何日も監督を胴上げしました。
彼等は知ったのです、野球を愛する者に善悪の区別が無いことを。
それはそうといつも観戦に来ていた中村泰造はアル中が原因の肝硬変で死亡していましたが、彼の死に顔は幸せそうでした。
あなたはこんな顔で死ねますか?
エンドロールで終了です。
くだらないです。