皆狂暴化します ザ・クレイジーズ

ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖

狂暴な人たちにひどい目に遭う話

制作年 1973年
制作国 アメリカ
監督 ジョージ・A・ロメロ
脚本 ジョージ・A・ロメロ
上映時間 103分
出演
W・G・マクミラン
レイン・キャロル
ハロルド・ウェイン・ジョーンズ

だいたいのあらすじ

これのリメイク元です。

映画クレイジーズのネタバレ紹介と感想です。

エバンスシティのあるミッシェル家の父親が突如発狂し、妻を殺害して家に放火しており、子供2人は父親から逃げていました。

消防団員のデビッド(W・G・マクミラン)は妊娠中の婚約者ジュディ(レイン・キャロル)とベッドでイチャコラしていたのですが、サイレンに呼び出されて出動します。
同じく看護師であるジュディも同時に電話で呼び出され、診療所へと急ぎます。
ジュディが診療所に着くとなぜか軍が仕切っており、ガスマスクを装着した男がミッシェル兄妹を診療しており、妹は死んだそうです。
院長のブルックマイヤー(ウィル・ディズニー)は指揮官であるライダー少佐(ハリー・スピルマン)と何やら言い争いをしており、診療所内は白い防護服にガスマスクの兵隊で一杯でした。
ライダーの上官であるペッケム大佐(ロイド・ホーラー )はライダーに町の封鎖を命じ、陣頭指揮を執るためにエバンスシティに向かっていました。

デビッドが同僚のクランク(ハロルド・ウェイン・ジョーンズ)と共にミッシェル家に到着すると逮捕されたミッシェルは自身で放火したにも関わらず「家が燃えちまう」と正気に戻ったように泣き叫んでいました。
一方、ブルックマイヤーは事情を知っているようで、ジュディにこの町は危険なウイルスが現認で隔離されたと告げ、注射器と抗生物質を持って逃げるように指示しました。
そしてブルックマイヤーは軍医の手伝いをさせられてなかなか抜けられないでいるジュディを見かね、ライダーの注意を引いて逃亡の手助けをしました。
その頃、デビッド達も現場で付近の道路が封鎖され、兵が大挙して診療所に押しかけ、彼等にだけ注射が打たれているという情報を得ましたが、現地にいる警官も寝耳に水だったようで、後ほど教会で住民に対する説明があると話していました。

既に消火活動を終えていたデビッドはジュディが心配になり、クランクと共に診療所へ向かうことにしました。
実は先日、この町付近に墜落した輸送機にはトリクシーウイルスという細菌兵器が搭載されており、そのウイルスが漏れた可能性があるということでした。
軍の上層部では何の準備も無しにウイルス開発の責任者であるワッツ博士(リチャード・フランセ)を現地に送り込み、必要であればエバンスシティを爆撃によって焼き払う準備も開始していました。
しかしこの情報は全く住人には伝えられず、全てが極秘裏に行われていました。

白い防護服で身を固めた軍は何の説明も無しに「この町は隔離された」と呼び掛けて家庭等に突入し、問答無用で住人を集め始めました。
市長(ジョージ・A・ロメロ)はこれに対し断固として抗議したのですが、現場に到着したばかりのペッケムは「状況把握が先」と彼を待たせました。
一方、ジュディとデビッド達は無事に路上で合流したのですが、軍のトラックに発見され、車はその場に乗り捨てさせられて強制的に高校まで連行されました。
また、ジュディが所持していた注射器と抗生物質は没収されてしまいました。
トラックにはアーティー(リチャード・リバティー)とキャシー(リン・ローリー)の親子とフランクという男が同乗していました。

実は末端であるライダーは細菌兵器のことを知らされておらず、適切な手順を取っていなかったらしく現場では物資や人手が全く足りていませんでした。
落ちた輸送機に積んであった最近兵器は川に流入しており、既に住民の飲料水の中に混入していました。
ペッケムは市長を無視して住人の銃器を没収するように指示し、診療所に居た保安官からも銃を奪い取ろうとしたので兵士と揉み合いになった際に暴発した銃で保安官は死亡しました。
また、住人の中には既に感染した者もおり、兵士に向かって銃を乱射したり暴れたりするので軍にも被害者が発生していました。
編み棒で兵士を刺してそのまま編み物を続けているおばあちゃんとかいます。

デビッド達のトラックは道中で住民を連行しようとして発砲騒ぎを起こし、住民が射殺されているのを目撃したデビッドはクランクと反乱を起こしてトラックを乗っ取り、アーティー親子と共に逃走しました。
上手いこと軍の追跡を撒いたデビッド達はカントリークラブへとトラックを進めます。
一方、遅れて到着したワッツは現場には何の設備が無いので対策も打てず、軍の手際の悪さを糾弾しつつも「このウイルスは発症したら死ぬか発狂するかどちらかだ」と恐ろしさを訴えていました。
仕方なくワッツは高校の化学室で防護措置を始めることにしました。

カントリークラブで必要な物資を補給したデビッド達は軍は当てにならないと判断し、どうにか町から脱出するために移動を開始することにしました。

堪えられなくなったのか感染したのか兵士の中にも発狂する者が居て仲間に焼かれており、軍に踏み込まれた教会では牧師が焼身自殺をしてしまいました。
感染者の群れがダイナマイトを投げて兵士を襲ったりと軍の犠牲も増えつつあり、軍では射殺した住民をその場で火炎放射により焼き払うようになりました。
デビッド達は道中で兵士達と住民の交戦を目撃して身を潜め、足止めを食っていたのですが、とうとう飛来したヘリに発見されました。
同時に付近の地上部隊もこちらに向けて追撃を開始したので、木が枯れてスカスカの林に逃げ込みます。
当然上からも丸見えでヘリから大人しく投降するように呼び掛けがあったのですが、ベトナム帰還兵であるクランクはヘリに向けて発砲し「俺が引き付ける」と皆を誘導しました。
地上部隊も目と鼻の先まで迫っているので居場所を特定されそうですが…

クランクを援護して同じくベトナム帰還兵でグリーンベレー出身であるデビッドも発砲したので、ヘリは報復として機銃掃射を開始します。
激しい銃撃戦の末、ヘリのローターに弾が命中し、ヘリは墜落しました。
デビッド達は地上部隊を撒くために速やかに移動を開始しました。

ワッツは高校に到着し、化学の授業で使うような顕微鏡で血液サンプルを検査していました。
血液サンプルを採取して研究所に送らないことには対策の打ちようが無く、高校に隔離された人達の血液検査も行っていたのですが、発狂する前に死ぬ患者も多数発生しており、現場は混乱していました。
一方、デビッド達の存在はペッケムに報告され、ブルックマイヤーは看護師を逃がしたことを自供したので、完全に軍からはマークされるようになりました。
その時、診療所にテロ行為を行った住人が居り、速やかに射殺されたものの兵士が何名か死亡し、ライダーとペッカムも命を脅かされました。

付近の農場まで逃げてきたデビッド達でしたが、そこにもしっかり兵士が待機していました。
ひとまず身を潜めて夜になるのを待つことにしたのですが、以前から感染の兆候があったキャシーが「あたしが話してくる」と笑いながら飛び出しました。
急いでクランクが止め、やはり兵士達がこちらに発砲を開始して肝を冷やしたのですが、彼等は暇つぶしに狩をしていただけでキャシーには気付いていませんでした。
危機が去ってブチ切れるクランクにアーティーは「うちの娘が済まない」と謝罪しました。

夜になったのでデビッドとクランクは巡回に庭に出て来た兵士を拘束して中の人数を聞き出したのですが、クランクは迷わずその二人を刺殺しました。
農場の家の中に飛び込んで兵士達を脅して情報を収集したものの、末端の兵士である彼等はウイルスの正体までは知らず、飲料水に含まれていること、感染者は狂暴になること、命令で高校に住民を隔離していることだけを知ることができました。
兵士の一人が抵抗する素振りを見せたのでクランクはたちまち三人を射殺してしまい、デビッドは段々とクランクの感染を疑うようになります。
クランクは延々と一人で兵士を5人殺したと自慢話をしており、明らかに様子がおかしくなっていました。

軍の上層部はエバンズシティに核爆弾を投下して一連の事件は輸送中の核の暴発によるものという方向で話が進んでいました。
上層部の窓口役であるブルーベイカー(ビル・トゥンハースト)は大統領とのホットラインを繋げたままにし、核投下許可を速やかに得るよう準備していました。

感想

これは普通です。
細菌兵器が漏れてしまって封鎖された町から脱出しようとするカップル達の様子を描いたものです。
お話自体はなかなか面白いのですが、ちょっと中途半端な印象です。
パニックとしても凡庸だし、かと言ってホラーとしてもどうかな?という感じです。
結局人間ドラマに持っていきたいようにも見えるのですが、そちらも薄いかな?という印象です。

ベースのお話は面白いとは思いますが、これだったらリメイクの方が良かったかなという気もしました。
私にはこのウイルスの恐ろしさがイマイチ伝わらず、悲惨な感じもしないので却って防護服の軍の方が怖いなあという気がしました。
と言ってもこの兵士達はきちんと人間として描かれているので無差別に住民を殺しまくるような怖さも無く、どの視点で観ればいいのかな?と悩む作品です。
正直、デビッド達が逃げまくっている理由もイマイチ良くわからないんです。
後半になってくるとクランクに殺させる兵士が可哀想に思えてきました。

ジュディが完全に空気なのでデビッドとの絆的な部分でも共感できず、あの親子も何のためにいたのか良くわかりませんでした。
編み棒で兵士を殺すおばあさんやダイナマイト投げてくるヤバいおっさんが居たシーンは面白かったのですが、イマイチ緊張感が持続しない感じです。
感染者の怖さも伝わり辛い気がしました。
一部心理戦っぽい展開があって、そこは面白かった気がします。
結局何も解決せず、却って皆が全てを失ったという結末付近のやりきれなさは辛いです。

ラストまでのあらすじ

翌朝、とうとう発狂したのかアーティーは亡き妻を思い出してキャシーをレイプしようとしてクランクにボコられます。
しかし状況を知らないデビッド達はますますクランクに不信感を抱くようになり、クランクも発症しつつあるのか状況を説明しませんでした。
あまり緊張感はない気がするのですが、この辺りの心理戦は面白い気がします。
クランクはもう親子を置いていくべきだと主張し、それはそうとしてデビッド達は出発準備を始めました。
一方、貧弱な設備ながらワッツ達は解決方法を発見したらしく、直ぐに高校から出せと要求したのですが、ペッカムは「明朝まで待て」と許可しませんでした。

その後、アーティーは地下室の入り口で首を吊って自殺してしまい、クランクに疑惑の目が向けられたのですが、彼は「俺じゃない」と激しく否定しました。
キャシーはキャシーでお花畑状態になり、農場の庭で羊たちと駆けまわっていたのですが、彼女に迫る地上部隊を目撃したデビッドとジュディはさっさと農場を後にします。
クランクは発症してきたのか対応が遅れて後追いで逃げたのですが、キャシーは兵士に「こんにちは」と明らかに壊れた様子で兵士に近づいて支離滅裂なことをのたまっていたので、恐ろしくなった兵士達は彼女を射殺してしまいました。
キャシーには申し訳ないのですが、羊がメーメー逃げててウケます。

クランクはデビッドに追いついて「俺を置いてきやがって!」と噛みついたのでもみ合いになった際に銃が暴発しました。
たちまち兵士達が銃声を聞いて走って来たので、クランクは「参ったな。俺は感染してる」と言い残し、大声を上げて兵士達に突撃しました。
激しい銃撃戦の末にクランクは兵士達を全滅させたように見えたのですが、一人生き残っていた兵士に頭を撃ち抜かれて死亡しました。
これ、兵士の方が可哀想な気がします。あえて兵士に喋らせてるのが余計にそう感じるのかと…

ワッツは顕微鏡と睨めっこする内に抗体らしきサンプルを発見し、あろうことかサンプルの試験管を二本持ってそのまま廊下に出たのですが、警戒中の兵士に完全に住人に間違われて大部屋に押し込まれそうになります。
その直後に住民が大挙して脱走しようとしたのでワッツはその流れに押されて倒れ、サンプルも割れてしまいました。
リアリティ無さすぎです。

ジュディはケラケラ笑って少し様子がおかしくなっていたのですが、デビッド達はようやく町の堺にある封鎖線まで到着しました。
デビッドは工事用の資材置き場にコンクリートブロックを積み上げて壁を作り、その中にジュディを隠し、俺が戻らなかったら一人で逃げろと指示しました。
確かに外から見ると工事用のブロックが積み上げているようにしか見えないです。
そしてデビット自身は付近の建物に潜伏し、機会をうかがっていました。
やがて沢山の兵士が巡回に現れたのですが、やけに警戒している様子で念入りに周囲を伺っています。

兵士の一人がデビッドの潜伏する建物の上に上がって来たので、上手いこと気絶させて装備を奪い、その兵士の相棒にも適当に返事して誤魔化しました。
ジュディはケラケラ笑ってしまい、居場所がバレたので相棒兵士に発見されそうになったのですが、デビッドが相棒兵士をKOしました。
しかし皮肉なことにデビッドを兵士だと勘違いしたのか住民が発砲してきたので流れ弾に当たってジュディは倒れました。
デビッドは反撃して二名を射殺したのですが、それはデビッドの知り合いの男たちでした。
知り合いの男は連行され、ジュディは「子供の名前もデビッドがいい」と言い残し、デビッドの腕の中で息絶えました。
そしてデビッドは兵士達に包囲されました。

ペッケムは他の町で感染が確認されたため移動して封鎖作戦を続行することになりました。
ワッツはあの騒ぎで死亡しており、彼が何を発見したのかはわからず仕舞いでした。
そしてデビッドは高校に連行されたのですが、免疫検査は受けませんでした。

ヘリで移動する準備を始めているペッケムをバックにエンドロールで終了です。

反戦映画だったのでしょうか?軽く社会派な感じがらしく感じました。

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