妖怪あんま出ないです 東海道お化け道中

東海道お化け道中

塚の掟を破ったらひどい目に遭う話

制作年 1969年
制作国 日本
監督 安田公義/黒田義之
脚本 吉田哲郎/浅井昭三郎
上映時間 79分
出演
本郷功次郎
保積ぺぺ
古城門昌美

だいたいのあらすじ

鬼塚という謎の塚を守っていた甚兵衛(左卜全)はある日、やくざの勘蔵(山路義人)一味が待ち伏せをしているのを目撃し、「ここでの殺生は祟りがあるから止めなさい」と止めたのですが、バッサリ斬られてしまいました。
勘蔵の目的は宮守の仁兵衛(玉置一恵)が持っている書付で、仁兵衛を切り捨てて書付を奪い、遺体を沼に沈めました。
ところが、今日はこの鬼塚に妖怪が集まってくる日であり、妖怪の悪戯か書付は白紙とすり替えられていました。
本物の書付は少女・美代(古城門昌美)が拾って意味が分からないので捨て、妖怪によって回収されたのですが、勘蔵一味は美代の姿をバッチリ見ていました。
まだ妖怪は姿も見せません。

美代は実は甚兵衛に育てられており、瀕死で逃げてきた甚兵衛は「由比の宿に彫辰という男がいるから訪ねなさい。そこにお前の父の東八がいる」と告げ、サイコロを渡して息絶えました。
ということで美代は勘蔵一味に追われながら実父を捜す旅に出ることになりました。
一方、仁兵衛の部下だった賽吉(戸浦六宏)は裏切っており、もうすぐ戻って来るという百太郎とかいうつのだ漫画に出て来そうな強い子分を倒す約束を勘蔵としていました。
勘蔵は賽吉だけでは心もとないので、用心棒の俵(五味龍太郎)にも百太郎を斬って欲しいと依頼していました。

その頃、道中の宿場でグースカ寝ていた百太郎(本郷功次郎)は生首やお酒に血が混じり、何者かが自分を呼ぶという怪異に見舞われていました。

馬番をしている新太(保積ぺぺ)はトボトボと街道を歩いている美代に「由比は遠いの?」と聞かれたので、「お前の足じゃ無理。帰り馬だから乗せてやろうか?」と持ち掛けたのですが、美代は追手の気配を察知して逃げました。
その後、とうとう美代は勘蔵の手下二名に捕まってしまったのですが、百太郎が現れて「弱い者いじめ止めろ!」と怒りの鉄拳で手下達を追い払いました。
そして飯屋で美代から事情を聞いた百太郎は「それなら俺が由比まで送ってやるよ」と請け負ってくれました。
どう見ても見た目がやくざな百太郎を美代はイマイチ信用できなかったのですが、優しくしてくれたので連れて行ってもらうことにしました。
美代は「自分の父がやくざだったらどうしよう」的なことを言うのですが、百太郎は怒りもせずに「美代ちゃんのお父さんは俺みたいなクズじゃないから大丈夫」と笑って答えるのでした。

その後、百太郎は賽吉と再会して少し同行し、賽吉は「親分から使いを頼まれた」と白々しく嘘を吐きつつ隙を見て百太郎を殺害しようとしたのですが、失敗して逃走しました。
そしてその様子を俵が見ていたので俵は百太郎の顔を覚えました。
また、美代を追っている手下二名は美代を人質にして百太郎を斬る計画を賽吉に持ち掛けました。

賽吉は次の宿場町で百太郎を嘘で誘い出し、その隙に美代を「百太郎宿変わるってよ」と嘘を吐いて連れ出しました。
美代は賽吉が百太郎とやり合っている所は見ておらず、信用してついて行きました。
百太郎は美代が連れ出されたと知って宿を飛び出し、俵に絡まれたのですが、兎に角美代を救うのが先決と一太刀をかわして賽吉を追います。
一方、不安を感じた美代は逃げ出そうとしたのですが転んで気絶し、賽吉は美代を背負ったものの妖怪パワーで同じ場所をぐるぐると歩かされます。
その内美代は段々と重くなって賽吉はいつの間にか不気味な老婆を背負っており、老婆は「よこしまな気持ちを捨てないと地獄行き」と告げたのですが、賽吉は刀を振り回して逃げ出しました。

百太郎とはぐれてしまった美代は手下が先回りしている浜松の町に一人で現れたのですが、新吉に助けられて由比へと向かうことになりました。
しかし直ぐに追い詰められてしまったので、新吉は刃物を捨てて八つ墓山に美代を連れて逃げ込みました。
この山では刃物を持って入ると山の主に祟りを受けるそうで、手下二名は美代と新吉を追い詰めて殺そうとするのですが、木の枝が人の手のように伸びてきて邪魔されます。
手下二名は異世界に連れ去られて妖怪軍団に散々幻惑されたので、新吉達はその隙に逃げました。
一方、百太郎は賽吉と俵と遭遇して賽吉の裏切りを知ったのですが、美代との約束を優先させようと俵をやり過ごして先を急いでいました。

新吉はとうとう美代を由比に連れてきて、彫辰の居場所も判明したのですが、そこに現れた賽吉により美代は拉致されました。
一方、百太郎は彫辰を訪ね、東八はここを出てやくざになったと聞いていたのですが、そこに新吉が飛び込んできて美代が拉致されたことを知りました。
美代はとうとう勘蔵のアジトに監禁されてしまい、俵は百太郎を斬りに向かいました。

感想

これは普通です。
悪いやくざが妖怪の怒りに触れて大変!という内容です。
ですがあまり妖怪の出番は無くて普通の人情時代劇という感じです。
一応、衝撃の事実的な展開もあるのですが、割と早めに「こうなんだろうなあ」と思ったので意外性は薄い気がします。

兎に角百太郎が強いという痛快時代劇です。
その反面で俵があまり強くないのが残念な感じでもう少し俵ツエー的なシーン入れとくと百太郎の強さもより際立った気が…

妖怪は沢山出て来たようですが、半透明系なので印象薄いです。
白粉婆は相変わらずいたのですが、やっぱり何もしてなかったです。
ぬらりひょんグロくなってて困りました。
そういえば泥田坊っぽいのもいたような…

東海道には鬼塚とか八つ墓山とかヤバい場所が多いということはよくわかりました。

ラストまでのあらすじ

書付の在りかを吐かせようと美代を脅していた賽吉はサイコロを発見し、美代が自分の娘だと知ります。
賽吉はその件は言わずに「百太郎を頼れ」と告げて美代を逃がしたのですが、見つかって拷問されます。
そして美代も手下達に捕まってしまい、賽吉の前に連れて来られました。
過去の経歴から賽吉は美代の父だとバレてしまい、勘蔵一味はそれを嘲笑います。
賽吉は「娘だけは勘弁してくれ」と懇願し、勘蔵は美代が持っているサイコロを見て「お前が勝ったら二人とも逃がす。負けたら殺す」と勝負を持ちかけました。

美代は丁半博打の勝負に勝ったのですが、勘蔵はノーカウントと言い、再度勝負となります。
勘蔵はズルズルと勝負を引き延ばしてイカサマまでしたのですが、美代は勝ち続けたので勘蔵は「イカサマしやがって」と逆ギレました。
実はこのサイコロは賽吉の妻の骨で作ってあるらしく、それで美代の味方をしたようなのです。
その直後に妖怪軍団が現れ、「鬼塚を血で汚した報いを受けろー」と告げ、勘蔵の屋敷は崩れ始めました。
その頃、百太郎は俵と対峙して斬り捨てていました。

百太郎が勘蔵のアジトに到着した際には一味は妖怪軍団に幻惑され、刀を振り回して竹藪に駆け込んでいました。
そして百太郎は賽吉を斬りすてようとしたのですが、美代が賽吉の子だったと知って驚愕し、ひとまず勘蔵達を追うことにしました。
勘蔵は一人の手下が妖怪に投げ捨てられて殺害されたのを皮切りに宙を舞う生首や妖怪に幻惑され、手下を全員斬り殺してしまいました。
生首ちょっと怖いです。ぬらりひょんグロくなってます。
そして勘蔵の手には賽吉のサイコロが貼り付いて離れず、書付が彼を誘うようにひらひらと舞います。

そこに百太郎が現れて書付を拾い上げて勘蔵一味の悪事を知り、勘蔵を斬り捨てた後に「この世には不思議なことがあるんだなあ」と〆の台詞を吐きました。
賽吉は斬られて罪を償うと懇願したのですが、百太郎は美代を一人にはできないと賽吉を見逃して新吉と去りました。

そして鬼塚には妖怪が吸い込まれてるように入って行きました。

完マークで終了です。

妖怪出番が少なかったです。

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