徳川あんま関係ないような 徳川女刑罰史

徳川女刑罰史

色々とひどい目に遭う話

制作年 1968年
制作国 日本
監督 石井輝男
脚本 荒井美三雄/石井輝男
上映時間 96分
出演
吉田輝雄
橘ますみ
尾花ミキ

だいたいのあらすじ

やっぱり徳川刑罰は残虐だそうで、どっかの石切り場の上に吊り下げられた女性が首と胴体をいきなり切断されていました。
他にも火炙りやら牛裂きやら刑罰を見せられます。

第一話

みつ(橘ますみ)は白い着物を着せられて馬上で晒し者にされて市中を引き回されており、周囲の人は彼女に投石していました。

こうなったのも始まりは大工の兄・新三が仕事中に怪我をしたことで、みつを妾に欲しがっていた呉服屋の巳之助(上田吉二郎)はここぞとばかりに高い医師(芦屋雁之助)を呼んで新三の治療にさせます。
同僚の権造(沢彰謙)は巳之助に懐柔されているので治療代にみつを差し出せと新三に迫るのですが、新三はキッパリと拒否していました。
しかし新三はなかなか回復せず、結局みつは巳之助に「言うこと聞かないなら金返せ」と脅されてレイプされてしまいました。
そしてみつがレイプされたことを知った新三は「実は俺は前からお前が好きだった」とのたまい、みつはそれを受け入れてしまい、今度は兄からレイプされるのでした。

医師は個人的には「薬代は金持ちから回収するから気にしなくていい」と言われていたのでみつは巳之助の誘いには乗らないようにしていました。
みつは恐ろしいことに新三を男として愛するようになっていたのですが、業を煮やした巳之助はみつの家に乗り込んで新三の目の前で彼女をレイプしました。
どうやら近親相姦すると畜生道に落ちるらしいのですが、どこにあるんでしょう?
新三はそれを苦にカミソリで自害してしまい、オンオン泣いているみつの前に巳之助が現れました。
みつは「お前のせいで兄さんが死んだ」と巳之助にカミソリで斬りかかり、そのまま逮捕されました。

実は巳之助はみつと共謀して新三を殺害したと疑われていたのですが、新三と近親相姦だったことがバレます。
与力の南原(渡辺文雄)は「正直に関係を吐け」とみつを吊り下げてビシバシと竹で打ちます。
みつは決して新三との関係は自白せず、与力の吉岡(吉田輝雄)の取り調べでも「巳之助の悪事は分かったから、新三との関係が無ければ遠島で済む」と告げられました。
しかし兄と瓜二つの吉岡を見たみつは「遠島になるよりも正直に話して兄の下に行きたい」と決心し、「自分から新三を誘って関係を持った」と自白しました。

みつは波打ち際に逆さまに磔にされ、じわじわと死にました。
南原は「法は守られなくては」と考えていたのですが、吉岡は残虐な刑罰を疑問視しており、今回のみつの処刑についても「罪に相当しているのだろうか?」と疑問を抱いていました。

一話目はロマンスっぽい話で全然Hじゃなかったです。みつもALL着衣でした。
そしてイマイチ面白くなかったという。

第二話

殊光院という尼寺に京都の寺から玲宝(賀川雪絵)とそのお付きである燐徳(白石奈緒美)という高等な尼僧が到着しました。
どうもこの殊光院には隣にある男だけの寺の僧と関係を持っている尼僧がいるようで、玲宝はそれを見て顔をしかめていました。
それはそうとして玲宝と燐徳はレズ関係であったようで、燐徳は「他の男とは浮気するなよ」と玲宝を責め立てていました。

実は隣の僧・春海(林真一郎)とデキていたのは妙心(尾花ミキ)で原っぱでアンアンやっている二人を目撃した玲宝は「うらやましいことしやがって」と歯噛みしながら妬みの視線を送っていました。
玲宝は事後の二人が別れたところで春海の前に現れ「戒律を破れば刑罰だぞ」と脅し、「自分一人ならどんな罰でも受けます」と申し出た彼に「見逃してやるから全裸で滝行しろ」とおかしなことを命じます。
そして玲宝は「煩悩が断てたかどうか見てやる」と春海を誘惑し、まんまとHしたのですが、春海は「これであなたも同罪です」と玲宝を脅すのでした。
春海が自分に興味が無く、妙心を救いたい一心だったと知った玲宝はますます嫉妬の炎を燃やします。

ということで玲宝は火にくべられた釜の中に妙心を入れ、そこに大量のドジョウを放り込むという刑罰を行います。
なんだかよくわかりませんが、カメラワークによると熱さから逃れようとしたドジョウが体内に入ってくるようです。
カンディルかな?
しかし妙心はどんなに責められても春海のことを愛していると返答したので、とうとう宙吊りにされて股間に唐辛子をねじ込まれるという刑罰を受けました。
徳川関係ないです。

そして玲宝は玲宝で燐徳に「お前、春海とやっただろ」と責められて「私はあの男が許せない」と逆ギレしていました。
やがて殊光院に怒鳴り込んできた春海も縛り上げられて「妙心を諦めると言えば見逃してやる」と玲宝から脅されます。
春海たちは二人とも頑なに相手を諦めることは拒否したので、妙心は焼けた鉄棒を股間に突っ込まれました。
やっぱり徳川関係ないです。
この玲宝達の暴挙を見兼ねた院長は「このままでは死人がでる」と奉行所に使いを出しました。

妙心はショック死してしまい、玲宝は春海に「これで二人きりだね」的にイカレたことを言い出して迫るのですが、当然「お前は人間じゃない」と激しく拒絶されます。
逆上した彼女は春海の首をナタで落とし、生首を抱いて「これで私のもの」と狂ったように笑うのでした。
ということで、玲宝の悪事は奉行所にバレ、南原達が逮捕しに突入してきました。
玲宝は春海の生首抱えて抵抗するのですが、怒りの南原に取り押さえられそうになって自害しました。
ようやく徳川関与したみたいですが、徳川まともだと思います。

燐徳は玲宝の死で発狂してしまい、ケラケラと笑い続けていました。
ということで妙心の拷問に関わった尼僧は全て磔に処せられたのですが、燐徳は終始ケラケラと笑っており、玲宝もわざわざ磔にされて刺されていました。
吉岡は「狂人を磔にするのはどうか」的な訳のわからないことをのたまっていたのですが、南原は全員にしっかり刑を執行します。

後にこの事件を振り返った吉岡は「げに恐ろしきは女の情念」的な感想を述べていました。

徳川悪くないです。

感想

これはイマイチです。かなりの珍作だと思います。
ポルノっぽいのを想定していたのですが、あまりHではなく、全然オッパイ出てこないです。
三話目でようやく沢山出てきます。
正直言って一話と二話はエロくなくて面白くないですが、三話は演者の熱演のせいか面白いです。
三話が面白くなければ地雷に近いのではないかと思いました。

構成は猟奇女犯罪史にちょっぴり似ていて、吉岡が書類をめくりながら心の声で事件を振り返っているという流れです。
あちらは狂言回しにツッコんで楽しめる感じだったのですが、今作の吉岡はズレすぎであまり面白くありません。
この人はちゃんとお勤めができているのかな?と心配になってしまうレベルです。
吉岡によると南原は悪人らしいのですが、ちゃんと仕事はしているような…
二話の南原は意外とカッコよかった気さえします。

一話は近親相姦系の話で内容はどぎついのですが、イマイチ面白くなかったです。
恐らく性的描写が少ないせいだと思いますが、やっぱりみつの人は可愛いなあと思いました。
二話は正直何が面白いのかよくわからず、なんか背徳感的なものがいいのかな?と感じました。
玲宝の人は相変わらずの隣のお姉さん的な感じなのですが、この人悪役多くて可哀想。
妙心の人は申し訳ないのですが、ザ・愛人という感じで、こういう人が好きな男は一杯居るはず。
三話はいれずみ師を主体にした流れがなかなか面白く、結末は殆ど何も考えてないやっつけ感でしたが、彫丁がいいので面白いです。
正直、三話は女優陣が手薄な気がしましたが、彫丁と一緒にいる所為か花も可愛く見える不思議。
彫丁の人のイカレ感はやっぱり素敵で花も惚れるわけです。

刑罰は今までのシリーズで見たようなものばっかりで特に目新しいものも無かったです。
やっぱり首がポロっと落ちたり、身体が裂けたりとフルチさんっぽい展開があります。
今回は白人女性の皆さんが沢山出てきて水車責めされたりと大変です。
中の人達もこんな目に遭わされたのでは、もしかして半日になってしまうのでは?とちょっと心配です。

南原の狂気もなかなか素敵でしたが、演じてる感がぬぐえなかった気がします。
素で舌なめずりしたり、何日も寝ないで彫り物に熱中してます感が出せる彫丁の人はやっぱり素敵。
この監督はこれ系の人が出てくると目と口元のアップ多用するみたいですが、やっぱりアップになった時も彫丁の人が素敵。

ラストまでのあらすじ

第三話

いれずみ師である彫丁(小池朝雄)は腕のいい職人で、君蝶(沢たまき)という芸者の背中に彫った女性が責められる図柄の刺青は「江戸一番だ」という評価を受けました。
その品評会をしていた座敷の前庭を南原が通りがかり、「こんな絵は子供騙しだ」と一蹴しました。
彫丁は「何が子供だましなんだ」と食って掛かったのですが、刑罰のスペシャリストである南原は「拷問される女はこんな恨めし気な顔をしておらず、恍惚というか複雑な表情を浮かべている」と彫丁の描いた女性の表情を否定しました。
その後、彫丁は「「チクショー」と打ちひしがれたものの、三助(由利徹)の手引きで女湯を覗き、新しい刺青のキャンバスになる女性を物色しますが、気に入った女性は見つかりませんでした。

しかしよく見てみると花(笠れい子)という女性が美しい肌をしていたので、彫丁は「お母さんが病気」と嘘を吐いて彼女を誘い出し、気絶させて拉致するという犯罪行為を行います。
そして自分の仕事場に花を連れ込んだ彫丁は彼女に一服盛って眠らせ、陰部に刺青を彫りました。
その後、彫丁は南原の屋敷を訪ね、「一世一代の彫り物がしたいのでこっそり刑罰を見せてください」と土下座して依頼します。
南原は彫丁の狂気に感じ入るものがあったのかこれを快諾し、「一世一代の責めをみせてやるから長崎に同行しろ」と持ち掛けました。

ということで長崎に向かったのですが、花は恥ずかしさから彫丁ラブになっていたので「狂犬に噛まれたと思って諦めてくれ」と謝罪しつつ同行させました。
今度の罪人はキリシタンである白人女性の集団で、罪状を説明する南原にはブーイングブーだったのですが、そんなことを気にする南原ではなく、次々に白人女性を全裸にさせ、三角木馬や石抱きといった拷問を開始します。
彫丁はその様子を間近に見て息を呑みながらもどんどん下絵を取って、それを花へと反映させるのでした。

彫丁は日々責められる女性の悲鳴が響き渡る土蔵を訪ね、寝食を忘れて花に墨を入れます。
彼は何か掴むものがあったようで、創作は順調だったのですが、「どうしても女を責める地獄の羅刹が描けない」と南原に「あなたの姿を彫らせてください」と依頼します。
南原は「それは面白い」と食いつき、快諾しました。
変態系のスポ魂漫画みたいな感じになりましたが、こういう映画でしたっけ。
演者の熱演のせいか感動すら覚えてしまいます。土蔵の絵面は女性はヒーヒー言っていて悲惨なのですが…

翌日、南原はわざわざ人を遠ざけて選りすぐりのメンバーで拷問を行う様を特等席で彫丁に見せつけ、拷問の内容も網の上に乗せた女性を炙ったりと過激なものになります。
しかし彫丁は「こんなんじゃない」とダメ出しし、自分が手本を見せると言い出したので、南原はまたまた「面白い」と完全に人を遠ざけます。
南原から刀を受け取った彫丁は「人を苦しめれば自分も苦しまなくてはいけない」と言い出し、南原の腹にグリグリと刀を刺しました。
苦悶の表情を浮かべる南原を見て「その顔だ!」と彫丁は花に凄い勢いで墨を入れ始めます。
南原も狂っとるのか彫丁に大人しくやられてます。

南原は残念ながら絶命してしまい、彫丁の一世一代の彫り物を見ることは無かったのですが、彫丁は遂に彫り物を完成させ、その出来栄えに感動していました。
やがて吉岡達が駆け付け、彫丁を逮捕しようとしたのですが、彫丁は「この彫り物は誰にも渡さん」と抵抗し、責めに使う油を撒いて火を放ちました。
彫丁は炎に巻かれてしまい、花は吉岡に助け出されました。

吉岡は一連の事件を「南原が悪鬼だったというより、刑罰を作った人間がいけないのでは?人を裁ける人間がこの世にいるのだろうか?」とまたまた変な心の声で総括しました。

燃えている番所を背景に完マークで終了です。

そういう映画でしたっけ?

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