面白ミステリー風ホラー マザーハウス

マザーハウス 恐怖の使者

11月11日11時11分 惨劇の時が刻まれる。

制作年 2013年
制作国 ベネズエラ
監督 アレハンドロ・イダルゴ
脚本 アレハンドロ・イダルゴ
上映時間 101分
出演
ミゲル・エンジェル・パチェーコ
ラディー・ロドリゲス
ゴンサロ・クベロ

だいたいのあらすじ

ドゥルセ(ラディー・ロドリゲス)は部屋の中で倒れている状態で息を吹き返し、怯えた表情で起き上がると付近に散らばっていたガラス片を手に取りました。
彼女は息子レオポルドの名を呼びながらランプを手に地下に下り、肩に包丁が刺さって死亡している夫ファン・ホセ(ゴンサロ・クベロ)の遺体を発見しました。
そしてレオポルドは「誰がやったの?」という母親の問いには答えず、無表情で奥の部屋に消え、母親も彼を追って更に下へと降りて行きました。
この地下室はフルチ映画みたいな怖い雰囲気あります。
ナイフには彼女の指紋が残っていたので、ドゥルセはファン・ホセと息子を殺害した罪で終身刑を宣告され、投獄されました。

その30年後の2011年11月、ドゥルセは恩赦で再び冒頭の家へと戻って来ました。
これ変わった措置で高齢の受刑者は家に戻れるようなのです。刑期は残っており、家の前には常に警官が張り付いてます。面白いですね。
ドゥルセは家の中を眺めながら二人居た息子のことを回想していたのですが、そこに司祭(ギレルモ・ガルシア)が訪ねて来ました。
司祭は30年前の事件をドゥルセが犯したとは考えておらず、真相が知りたいということだったので、ドゥルセは彼を地下室に案内しました。
そこでドゥルセは家がファン・ホセを殺し、息子を連れ去ったのだと打ち明けました。

ドゥルセの長男レオポルドと弟のロドリゴはいつもつるんでいたサライという女子を取り合っていたようなのですが、彼等6人グループは結構なクソガキで、道行くおじさんにおしっこ詰めた水風船をぶつけたりしていました。
また、レオポルドはイマイチ親離れができておらず、幼いロドリゴに母の愛情が向けられるのを快く思っていなかったようです。
尚、ドゥルセのファン・ホセは失業していて再就職先は見つからず、知り合いの手伝いをして日々の糧を得ており、一家は非常に貧しくその日の食事にありつけない日もありました。
そういう訳なのでドゥルセとファン・ホセの関係は冷え切っていました。

ある夜、ドゥルセの部屋のドアが激しく叩かれた後に隙間から伸びた女性っぽい手がチェーンを開けようとしていました。
必死にそれを追い払ったドゥルセでしたが、同時に何かがロドリゴの部屋に侵入しており、彼は悲鳴を上げました。
ドゥルセが駆け付けた時には部屋には何もおらず、ロドリゴはなんでもないと話していました。
その後警察に通報した際に色々と話をしたのですが、ドゥルセ達がこの家に越してきたのは5年前で、誰も入居者が居なかったので政府から安く購入し、まだローンがあるそうです。
昨夜レオポルドは何かを見たようなのですが、固く口を閉ざしており、またファン・ホセは失業者だというのに角のバーでお酒を飲んでいたので不在でした。

その後、レオポルドは女性に「ロドリゴと遊ばせるなと母親に伝えろ」と言われたとドゥルセだけに告白しました。
その女性は更にレオポルドに「母親に渡せ」とメモを渡されたそうで、それを見たドゥルセは固い表情を浮かべていました。
一旦、ここまでが過去パートです。

出所したドゥルセから話を聞いた司祭は家のことを調べてみたのですが、この家では1921年と1951年の11月にも失踪事件が起きていました。
一方、ドゥルセは家の中でナイフを持った老人の人影を目撃し、椅子などが乱雑に倒されているのに気付いたのですが、鏡には11という数字が血文字のようなもので羅列されていました。
その直後にドゥルセは背後から何者かに肩を掴まれたので部屋に逃げ込んだのですが、ドアが激しく叩かれます。
とうとうドアが破られたのですが、それは騒ぎを聞いて駆け付けた見張りの警官でした。
肩を掴んだ手は警官のものではなかったです。

その後も司祭は調査を進め、あの家は建築家の1800年代にイラヒム・エックハルトなる人物が建てたものだと突き止めます。
司祭はドゥルセを訪ね、最近起きた怪異を打ち明けられてエックハルトの件などを情報交換しました。
エックハルトはヨーロッパから渡ってきて「何が何でもここに家を建てて生命の秘密を探る」と言っていたそうなのですが、一家は間もなく失踪しました。
その際に住居は政府の物になったそうで、この家に入居した一家は漏れなく失踪しているのだそうです。
司祭はドゥルセに「この家で何があったんです」と質問し、彼女は再び過去のことを語り始めました。

その後、ファン・ホセと話し合っていたドゥルセはレオポルドから渡されたメモを渡したのですが、そこには「ファン・ホセが息子を殺す」と書かれていました。
そしてドゥルセが離婚を申し出て「子供達を連れて出ていく」と告げると流石のファン・ホセもブチ切れ、「子供を連れて行くのは許さん。行くならお前だけ出ていけ」と怒鳴りました。
これはドゥルセちょっと勝手かも。
また、ロドリゴはドゥルセからレオポルドがプレゼントされたムーンストーンをサライにプレゼントして彼女をゲットしていました。
その様子をレオポルドが物陰から見ており、「野球しようぜ」とロドリゴに声を掛けました。

家を出られず、まして家が怖いドゥルセは占い師に家の件を相談しに行くことにしました。
占い師のヴィクトリア(シモーナ・チリノス)は妹と共に家を見てくれることになり、彼女はファン・ホセが「お前は俺の子じゃない」とレオポルドを殺害しようとしている様子を霊視しました。
その際にドゥルセはナイフを持った老人に肩を掴まれていました。
この爺は何なんでしょうか?前に見た奴と同じっぽいですね。

その後、野球をしていたレオポルドはロドリゴが投げている際に敵愾心から絶対に打ってやるとバッターボックスに立ち、見事にクリーンヒットを放ちました。
ところが、そのライナーがロドリゴの顔面を直撃して倒れた際にグラウンドに出ていた石に頭をぶつけ、打ち所が悪かったのか死亡してしまいました。
折しもそれは11月11日の出来事で、葬儀の席でレオポルドはずっとムーンストーンを握りしめて泣いていました。
友人はレオポルドの下を去り、残ったのはマリオだけでした。
なぜかムーンストーンが二つあるみたいです。

ドゥルセの話を聞いた司祭は2011年11月11日が明日だと気づいてドゥルセの家に駆け付け、腕に煙草の火を押し付けた後にナイフで刺そうとしていた彼女を止めました。
司祭は監視の警官に「今日は面会日ではない。これ以上責任は取れない」と叩き出されてしまったのですが、信仰を失ったというドゥルセに無理矢理ロザリオを渡しました。

感想

これは面白いです。
てっきり家系のホラーなのかと思ったらそれだけではないという。
どちらかというとミステリー要素の強い作品で、ちょっとびっくりしました。
強引な話ではありますが、細かい所を本当に良く考えて作ってある気がして関心します。
一応、雰囲気ホラーっぽいいい感じのシーンはありましたが、至って地味な展開が多いです。
ちなみにこの映画はネタバレなしで観た方が断然面白いと思います。

まず冒頭で過去のドゥルセが逮捕されるまでの過程をぼんやり見せることで、大きな謎を与えています。
レオポルドの消え方がホラーにしか見えないので、戻ってきたドゥルセの身を案じてしまいます。
だってこの人は冒頭で何もしてないのが観ている方には分かっているので30年も刑をくらって悲惨としか言いようがないからです。

そして誠実っぽい司祭に心を許し、過去にあった出来事を少しずつ話して私達も謎解きタイムに参加できます。
ここで面白いのが、ドゥルセは本当に過去のことしか知らず、これから起こることを知らないという点だと思います。
これが結末付近に与えるインパクトを大きくしてます。
更にドゥルセの落ち度もわかってくるんですよねー。これはよくないと思われます。
司祭の調査の呪われた家だとかいう結果も思わせぶりで、過去のこともあるし、ドゥルセも色々と体験するしで混乱させられます。
ぶっちゃけ私この時点ではあの老人は建築家?月並みだけどどういう方向に進むのかな?と勝手に邪推してました。

占いの件は蛇足だったかなあという気がしてますが、あのおばさんガチ能力者でウケます。
それにしても振り返ってみると老人は結構色んなとこに出てますね。

この映画は子役が可愛いです。
レオポルドもくしゃくしゃの神で可愛いのですが、ロドリゴは凄いイケメンになりそう。
小学生くらいだったら確かにロドリゴっぽい男子に魅かれていたような気がしました。
そういう意味ではサライの見る目は確かでした。
もう一人出てた女の子の方が可愛いような気がしましたが、サライはできる子でした。

ミステリーっぽい感じのホラーが好きな人にはいいのかも。
私この映画好きです。

ラストまでのあらすじ

ロドリゴの死後、ふさぎ込んでいることが多かったファン・ホセでしたが、ある日ふとした拍子にドゥルセが隠しておいた手紙を読んでしまい、レオポルドが他の男の子だったと知りました。
その時にはドゥルセはファン・ホセと結婚しており、完全に不倫の末に産まれた子だということになり、ショックを受けます。

そして運命の2011年の11月11日の深夜11時11分がやって来ました。
ドゥルセは自分の部屋に入ろうとしたのですが、ドアには内側からチェーンが架かっていました。
そしてドアをこじ開けようとしていると1981年の自分に阻止されて閉め出されました。
どうも女性っぽい手だと思っていたらドゥルセが目撃していたのは30年後の自分の手だったようです。

そして2011年のドゥルセは「未来のママよ」とレオポルドに接触し「三日間だけロドリゴと遊んではいけない」と歴史を変えようとしました。
2011年のドゥルセはレオポルドにメモを渡し「お前は読んではいけないし、ロドリゴにも内緒。ママに渡しなさい」と言いつけ、ママっ子だったレオポルドは素直にそれを実行したのでした。
「大人の僕は何してるの?」と聞かれたドゥルセは言葉に詰まり、「最強の野球選手」と返答して消えました。

その後、事件の夜を迎えてしまうのですが、レオポルドはこの日に部屋でロドリゴと遭遇し、ムーンストーンを手渡しました。
後でわかるのですが、これは家に飛ばされた過去のロドリゴなのです。なのでムーンストーンが二つあったわけです。
そして外でお酒を飲んできたファン・ホセは思い詰めたのか、自分に甘えてきたレオポルドにナイフを突きつけ、「お前は俺の息子じゃない」と迫りました。
そこにドゥルセが割って入り、「レオポルドはあなたの子」と大嘘を吐いたのでファン・ホセは逆上し、ドゥルセを鏡に叩きつけてKOしました。
そしてレオポルドは地下に逃げ込み、ファン・ホセはそれを追いました。

一方、2011年のドゥルセはナイフを持った老人の霊に誘導されて地下の方に向かっていました。
そしてドゥルセは老人の正体は2071年から来たレオポルドだと知りました。
超展開です。どういうことなのか?
2011年のドゥルセも体験しているように、この家は家が望む時間帯に住民を飛ばすことができるようです。
2071年のレオポルドは「あなたが私を救うのです。」と告げてデカいナイフを2011年ドゥルセに渡しました。
このデカいナイフは見覚えあると思ったらファン・ホセの肩に刺さってたやつですね。

更に2071年レオポルドは「僕は12歳で実の父と同じ病気を発症して死ぬ。だからこの時代に連れてきて」と依頼されました。
尚、2071年にはこの家の持つ時間飛ばしの秘密が解明されており、今までの行方不明者は色々な時代に飛ばされたのだと判明しているそうです。

直後に2011年ドゥルセは1981年に飛ばされ、レオポルドを殺そうとしているファン・ホセの背中を刺しました。
そして「誰だ」と抵抗を受けたので肩口に深々とナイフを差し込んで止めを刺しました。
そういう訳なのでナイフにはドゥルセの指紋がべったりと残っていたのです。
しかし2011年ドゥルセにはレオポルドを連れ去ることはできず、自分だけ消えようとしました。
そして1981年ドゥルセが駆け付けたのですが、2011年ドゥルセは葛藤の末、レオポルドを連れ去ったのです。

1981年ドゥルセはレオポルドが居ないので警察に通報し、物的証拠だらけだったので逮捕されてしまいました。

そして2011年にレオポルドを連れて戻ってきたドゥルセは司祭に今回自分が体験したことを話し、孤児院を運営している彼にレオポルドの病気の件を説明して託しました。
見張りの警官は「孤児院の子」という司祭の説明を聞いて疑いもせず、司祭はレオポルドを連れ出しました。
司祭とドゥルセは今回の出来事に神の奇跡を感じました。

そして司祭は病院関係者の心当たりがあり、ある女性にレオポルドを預けたのですが、それは成長したサライであり、彼女の胸には未だにロドリゴからプレゼントされたムーンストーンが光っていました。

エンドロールで終了です。

ひたすらドゥルセが悲惨な人生のような気がしますが浮気は良くないですよね。
なんかこの家って悪いことしてる気がするのは私の気のせいでしょうか?
ムーンストーンとか諍いの種ですし、未来の自分にドア叩かせたりして不安定にさせてますよね。
レオポルドが助かったのは家の力というより、ドゥルセが信仰を取り戻したからのような気がしました。
結局のところ、家の謎はよくわからないのですが、私的には満足です。
それはそうとしてサライ美人になっててウケます。
サライ出来る子です。

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