登美恵ぶっ飛んでます 富江 最終章 禁断の果実

富江 最終章 禁断の果実

殺し合うほど仲がいい。

制作年 2002年
制作国 日本
監督 中原俊
脚本 藤岡美暢
原作 伊藤潤二
上映時間 91分
出演
安藤希
宮崎あおい
國村隼

だいたいのあらすじ

前作です。

映画富江 re-birthのネタバレ紹介と感想です。

ある若い男が管理人と共に富江に魅入られた友人の部屋を訪ねたのですが、友人は首吊り自殺しており、部屋の中には殺害された富江のものらしき血痕が飛び散っていました。

地味なJK橋本登美恵(宮崎あおい)は京子(藤本由佳)達三人組に虐められており、パンを買わされては「メロンクリームパンじゃない」
等と因縁をつけられていました。
そんな登美恵は「自分はアンバートリーというヴァンパイアなのだ」と妄想世界に逃げ込んでいるかなりイタイ子でした。
ある日、放課後にアンティークショップに寄り道していた登美恵は富江(安藤希)という強引な少女に出会い、「私達友達にならない?」と誘われ、「こっちの方が可愛い」と眼鏡を投げ捨てられてしまいました。
登美恵は母を亡くして父親の和彦(國村隼)と二人暮らしなのですが、富江に言われたことを思い出し、朝食の際に「コンタクト買いたい」と和彦に申し出ました。

コンタクトをして登校した登美恵は放課後に京子達に絡まれ、無理矢理カラオケに付き合わされて料金を払わされます。
その週末の日曜日、登美恵は富江を家に招くことにし、和彦を「邪魔だから出てって」と追い出しました。
仕方なく和彦は家を出ることにし、玄関で富江とすれ違いました。
パパ可哀想。
富江は早速「こんなクソ汚い家におっさんと住んで学校で虐めとかお前可哀想」と登美恵をディスりながら、キスをしました。

そして登美恵の黒歴史ノートに書かれていた妄想百合小説を朗読して揶揄う富江でしたが、登美恵はそんな彼女の言いなりになってしまうのでした。
その内、富江は黒歴史ノートを読むのも面倒になったのか、「何このコーヒーインスタント?」とクレームを入れつつ、妄想小説を登美恵に朗読させるのでした。
小説は妄想大爆発なだけではなく、マリーという女性が恋人を殺害してアンというレズパートナーにそれを振る舞うという内容なのですが、富江は「今度人肉食べさせてあげる」等とのたまっていました。

和彦はパチンコで勝ったのでケーキを買い、買い物に出ていた登美恵の留守中に帰宅したのですが、なぜか富江は下の仏間に居ました。
そして和彦がケーキを差し出すと遺影を見て「こんな女と結婚したんだ。娘まで作って幸せね」と意味不明なこと言い出し、「ケーキなんかじゃ騙されない」と困惑する和彦を罵って家を飛び出してしまいました。
入れ違いに玄関に入って来た登美恵は富江が帰るのを見て、「お前がいやらしいことしたんだろ!」と和彦を罵りました。
パパますます可哀想
それからも富江は気まぐれに登美恵の前に現れては指舐め等の百合行為を展開して一部の人を喜ばせていました。

和彦は製氷会社で氷柱花の製造等をしていたのですが、勤務後にいきなり富江が工場に現れました。
富江は和彦に自分は25年前の富江だと打ち明けました。
実は冒頭で自殺していた田島(藤間宇宙)のアパートに踏み込んでいたのは和彦であり、二人は当時富江を取り合っていました。
和彦がそれを回想すると、富江は「実は私は田島くんじゃなくてあなたが好きだった」等と和彦を誘惑するのでした。
更に富江は「初恋やり直そう」などとのたまって和彦に抱き着き、和彦を陥落させてしまいました。
パパヤバい女に捕まってますます可哀想

それから和彦はヤバいヤツになってしまい、亡き妻の遺品や仏壇を庭で燃やしたりします。
その姿を目撃した登美恵は和彦を咎めるのですが、和彦は「富江がいればいいんだ」とのたまい、その意味を誤解した登美恵は「何バカなこと言ってんの」と呆れかえります。
いい笑顔の遺影燃やされてママ可哀想
ということで和彦はランニング等に励んで若返りを期待し、冨江はちょいちょい彼の前に現れては「元の和くんに戻って♥」等と焚きつけるのでした。
和彦は包丁をやたら研いだり夜の庭にぼんやり佇むという異常行動を取るようになって登美恵を悩ませます。

そんなある日のこと、登美恵の家に富江が泊まりに来ることになりました。
富江は登美恵の妄想小説を再現するとか言い出して登美恵をベッドに縛り付けて目隠しして放置して下の階の和彦に会いに行き、「あの頃に戻りたかったら登美恵殺して」と要求しました。
和彦は従う振りをして「お前は人間じゃない!化けもんだ!」と振り向きざまに包丁を富江の頭に叩き込みます。
そして和彦は冨江を勤務先の工場に運び、氷を切断する電ノコでバラバラにした挙句にバラバラの遺体を川に投げ込みました。

翌朝、登美恵は一晩中罰ゲームのように縛られていた状態から何とか脱し、和彦は富江と間違えて登美恵の首を絞めてしまいました。
「あたしだよ」と必死で訴える登美恵を見て我に返った和彦は昨夜の件を聞かれ「富江は殺した」とあっさり打ち明け、冨江との過去を登美恵に説明しました。
写真を見せられた登美恵は驚愕してしまうのですが、和彦が富江を川に捨てたと聞いて「どこの川!」と聞き出して捜索に向かいます。
登美恵ちゃん、ツッコむとこそこじゃないと思うよ。
そして登美恵は河原に転がっている富江の生首を発見したのですが、生首が助けを求めてきたので登美恵は持ち帰ることにしました。
パパ死体処理雑過ぎ

登美恵は潰れたパブに富江の生首を持ち込み、クッションを持ち込んで敷いてやったり食事を与えたりと甲斐甲斐しく世話を焼きます。
この映画バカですよね。ウケます。
例によって富江はフカヒレの姿煮を食わせろとか我儘ばかり言うのですが、登美恵は笑顔で楽しそうに世話をするのでした。
フカヒレの姿煮とか自力で食べたことないです。

ある晩、和彦の会社の同僚の鈴木(渡辺哲)が「最近、お父さん会社休んでるけど…」と心配して訪ねてきたので登美恵は「ちょっと親戚に不幸があって…」と誤魔化しました。
それはそうとして鈴木はロリコンなのか「登美恵ちゃん可愛くなったね」」と食事に誘うのですが、登美恵は「いいです」と何とかかわしました。
和彦はあれから家に引き籠ってバットで武装し、冨江が逆襲に来るのではないかとヤバいことになっていたのですが、登美恵は冨江の世話で忙しいせいか全く気にせず「当分、仕事にはいけないね。誰が来ても出ちゃだめだよ」とお弁当を与えるのでした。

富江は芋虫のような身体が出来、小さな手足が生えてきていました。
登美恵は冨江をお風呂に入れたり、ベビーカーに入れて散歩に連れ出したりと赤ちゃんを世話するように面倒を見ていました。
「こんな日が毎日続けばいいのにー」というのが最近の登美恵の願望でした。
そんなある日、登美恵はベビーカーを押して廃パブに入る姿を京子に発見されてしまいました。

感想

これはなかなか面白いです。珍作です。
富江を話に絡めつつ、百合も絡めて強引に内気な少女の成長物語っぽくしてあります。
恐らくこの脚本書いた人は天才だとと思います。
もう観ていて「いやそうじゃないでしょ?」って笑いが止まらないのですが、妙なさわやかさと勢いがあって困ります。
台詞の珍妙さと変なリズム感があり、結末は感動すら覚えてしまいました。

とは言っても全然富江じゃねえよ!っていう部分は一杯あるので問題作だと思います。
富江の人はイマイチ冨江感が無くて再現度低いと思いましたが、結末付近と最後に顔出してたところは冨江っぽかった気がします。
この映画は基本的に和彦のイカレっぷりと登美恵の可愛さを愛でる作品なんだろうと思えます。
登美恵が生えてきた富江の手をいじって「カワイイ」とか言ってるシーンには眩暈すら感じました。
一応、雰囲気ホラーっぽいシーンはありましたので、まともなホラーでも行けそうな気が…

結末付近の親子仲良しシーンとか勝手にしてください!って感じでしたが、なんかギクシャクしてた親子が仲良くなってよかったなという気がして微笑ましかったです。
やっぱり登美恵は学校でストレスとか多いのですごく和彦には冷たい感じだったのです。
和彦も娘をどう扱っていいものやら…という感じでした。
それが富江という媒介で和解できるんなんて凄い!って感動を覚えました。
私多分、騙されてますよね。

京子達三人組も完全にヤンキー女でどう考えてもクソ女なのですが、なんか親近感沸きました。
態度とか置いといて殆どの女は見た目的にこっち系が多いのでは?という感じなんですよね。
富江は妖怪だし登美恵は可愛いしなので、この三人を見ると自分を見ているようで、現実に戻されるような気がして安心です。

ラストまでのあらすじ

京子は早速仲間二人を呼んで「あいつ子供ここで育ててんじゃね?」と夜の廃パブに侵入しました。
しかし登美恵はそれを察知し、「ざんねーん。はずれ」と京子達三人に似せた猿の絵を壁に描き残して富江をバッグに詰めて上京していました。
部屋を借りようと思ったもののとても登美恵の所持金では叶わず、冨江はバッグの中から「お金ないなら銀行強盗しろ。お前の父親に殺されたんだから当然」と煽ってくるのでした。
しかしそんなことはできるはずも無く、登美恵は銀行で全財産の5万円を降ろし、ビジネスホテルを借りました。

富江はキャビア食わせろ!と要求し、安いキャビアを与えれば「こんなの偽物!」とキレたりと我儘放題だったので、登美恵は「もう育てられない」とビルの屋上から飛び降りようとします。
慌てた富江は「部屋に戻ろ。キャビアいらないし、我儘言わないから」と宥めるのですが、登美恵は飛び降りる気満々だったので、冨江は逆キレして「お前ら親子はどうしようもないクズ!一生付き纏う!」と登美恵を罵ります。
登美恵は「そうだよね。こんな人間いるわけないよね」と誰もが冒頭で分かっていることに今更気付き、噛みついて抵抗する富江をビルの屋上から投げ落としてしまいました。

その後、登美恵は1か月以上学校に行かなかったので、暇だった京子達は登美恵を虐めてやろうと家に行くことにしました。
そして京子達は「やき入れの宅急便でーす」と勝手に家に上がり込み、出て来た和彦をボウガンで脅して二階へ向かおうとします。
ところが「富江を殺す」という言葉に反応した和彦は金属バットで京子達をボコり、京子達はおしっこちびって這う這うの体で家からとんずらしました。
パパ完全にヤバいヤツでウケます。
その直後に復活した富江が「和くん。初恋をやり直そう」と現れたので和彦はすっかり騙されてフラフラと近づくのですが、京子達が忘れていったボウガンで登美恵が射殺しました。

登美恵は呆れたように「また来たね。また生き返るよ」と呟き、和彦は「どうしよう。もう殺したくないよ」と相談します。
パパ普通のパパに戻っててウケます。
ということで和彦と登美恵は冨江を和彦の会社の設備を使って氷柱にし、一緒にドンタコスを食べながら「綺麗ー」と眺めます。
登美恵は「お父さんも富江さんのこと好き?見てるだけでいいよね。一緒に見に来ようよ」と持ち掛け、和彦も「そうだね」的に微笑みます。
これ本当にヘンな映画でウケます。なお私もタコス系スナックはチーズ派です。
更に登美恵は「お父さんが氷屋さんで良かったよ」と呟き、和彦も「俺も初めてそう思ったよ」と返して笑い合う様子はすっかり仲良し親子でした。

ところがどっこい氷の中の富江は「和くん、助けて」と和彦に助けを求め、和彦は氷を割ってしまいました。
和彦は氷の中から現れた富江にキスをしてしまい、登美恵は「それ化け物だよ!」と父を止めようとします。
「化け物」というワードに反応した富江は「お前は許さん」と氷のフックを手に襲い掛かり、登美恵は逃げながらもスコップで迎え討ちます。
罵り合いの末にスコップで冨江の耳を斬り落とした登美恵でしたが、分が悪いので和彦に助けを求め、一緒に逃げようとします。
富江は「登美恵を殺せ」と和彦に迫り、とうとう和彦は「俺は冨江が好きなんだ!許せ」と登美恵を冷凍庫に閉じ込めて鍵を架けてしまいました。

和彦は高笑いをする富江と共に去り、登美恵はその後鈴木に救出されて命拾いしました。
鈴木は警察に通報したのですが、「冷凍庫の設定温度が高かったのが良かったね」と話していたので父が自分を殺す気では無かったと悟った登美恵は警察には何も言いませんでした。

その後、庭の花壇の手入れをしていた登美恵に無言電話が架かってきたので和彦だと悟り「お父さん、私を富江から引き離すためにやったんでしょ?怒ってないよ。私、もう大人だし」と告げました。
さて、登美恵は相変わらず妄想小説を書いているのですが、主人公のアンはマリーとの関係をやり直して本当の親友になろうとしていました。
そして登美恵はあの時のキャットファイトでゲットした富江の耳を「今度こそいい子に育てる」と缶の中で育てているのでした。

エンドロールで終了です。

なんなんでしょうね、この映画。
少女の成長物語風でちょっと感動してしまいました。
百合のせいで母性に目覚めた…とでもいうのだろうか…

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