傑作SFホラー 遊星からの物体X

遊星からの物体X

南極観測隊がひどい目に遭う話

制作年 1982年
制作国 アメリカ
監督 ジョン・カーペンター
脚本 ビル・ランカスター
上映時間 109分
出演
カート・ラッセル
A・ウィルフォード・ブリムリー
リチャード・ダイサート

だいたいのあらすじ

カッコいいUFOが地球に近付き、大気圏突入していました。

1982年 冬 南極大陸

南極の雪原を1機のヘリが周回しています。
ヘリは前方を走っているハスキー犬を追い、狙撃しています。

アメリカ合衆国 南極観測隊 第4基地

ハスキー犬がこの基地の近くまで逃げ、ヘリは追跡します。
ヘリのローター音に気付き、第4基地のヘリ・パイロットのマクレディ(カート・ラッセル)はヘリを見上げます。
隊員たちも様子を窺っており、ヘリはノルウェー隊のもののようです。
ヘリは手榴弾を投下した後、基地の近くに着陸しました。
犬は隊員目がけて駆けて来たので保護されました。

ノルウェー隊の乗組員は手榴弾を用意してヘリの近くに落としてしまい、ヘリごと自爆してしまいました。
もう一人のノルウェー隊員はノルウェー語で何か叫んでから、犬に向けて発砲します。
弾は様子を見に来ていた気象学者ジョージの足に当たってしまいました。
ノルウェー隊員はアメリカ隊員を無視してなおも犬を追いかけますが、異常に気付いたギャリー隊長によって射殺されます。

隊員達はヘリを消化し、ジョージは医師コッパー(リチャード・ダイサート)の治療を受けます。
無線技士のウインドウズがマクマード基地に連絡しますが無線は2週間前から不通で今回も通信できませんでした。

ノルウェー隊に異常があったのかもしれないと考えた基地では偵察隊を出すことにしました。
マクレディはヘリを出し、出発します。

その頃、基地内ではあの犬が歩き回り、隊員の誰かの部屋に入っていきました。

マクレディはコッパーと共にノルウェー基地内を捜索します。
基地内のあちこちに血痕が落ちており、彼等は喉を切って自殺した遺体を発見します。
捜索を続けると何かを取り出したような巨大な氷塊を発見しました。
マクレディ達は記録ビデオと帰り際に目撃した異様に変形した人間のような焼死体を持ち帰るのでした。

隊員達はマクレディ達が持ち帰った異様な遺体に驚きを隠せず、ブレア(A・ウィルフォード・ブリムリー)が解剖することになりました。
遺体は麻薬や酒の反応は無く、臓器は正常で原因は良くわかりませんでした。

基地内ではまだ例の犬がうろついていたので、飼育係のクラークが犬を連れ、檻に入れます。
クラークが去ると他の犬が例の犬を見て威嚇し始めました。
例の犬からは「何か」が現れ、他の犬に液体をかけたり、触手状の物を伸ばしたりして攻撃し始めました。
「何か」は触手を伸ばす時、宇宙的なナゾの効果音を出すのですが、これが実にいい感じです。怖すぎます。

クラークは犬が騒いでいるので様子を見に来ました。
恐る恐る檻を開けると怯えた犬が2頭飛び出して来ました。
クラークは檻の中で「何か」が激しく触手を伸ばしているのを目撃し、急いで檻を閉めました。
マクレディも檻の異常に気付き、急いで警報を鳴らし檻に駆けつけました。
他の隊員も集まり、火炎放射器が用意されました。

檻の中には犬に擬態したような姿の「何か」がいました。
「何か」は他の犬を吸収し、巨大化して目まぐるしく姿を変えます。
マクレディはライフルを乱射し、他の隊員もあまりの事態に愕然とします。
「何か」は分裂し、一部天井裏に逃げたようですが、火炎放射器で焼かれて動かなくなりました。
「何か」の動きが凄いですよね。それを見る隊員達の表情が素晴らしいです。
一様に見ている物が信じられない!という表情をしています。そうなりますよね。

ブレアは「何か」の遺体を解剖し調査した結果、以下のことがわかりました。
・「何か」は他の生物に擬態して姿をそっくりに変えられる。
・擬態するには他の生物を吸収する必要がある。
つまり眼の前にいる犬は犬ではなく「何か」の可能性があり、これは人間も同様です!

クラークによると例の犬はずっと基地内をうろついていたようです。
前に誰かの部屋に犬が入っていたので、その人は「何か」の可能性がありますね。

隊員達は原因究明のため、ノルウェー隊のビデオを見てみることにしました。
ビデオでは氷塊の採掘をしており、位置を特定したマクレディ達は現地に飛んでみることにします。
ヘリで到着した一行の前に出現したのは巨大なUFOでした。
これ冒頭に飛んでたやつですね。きっと。

UFOの埋まっていた地層から判断すると10万年前に飛来したものだと想定されました。
信じられないことですが、その中にいた「何か」は凍結しており、地表に出たことで復活し、人を襲っているということになります。

キッチンのゴミ箱からは誰かが捨てた古ズボンが出てきたとノールスが文句を言っていました。

ブレアは「何か」が社会に出現した場合の結果についてコンピューターで試算してみました。
すると2万7千時間後には全世界が「何か」になるだろうという結果が出ました!
彼は恐ろしくなり、護身用に拳銃を用意するのでした。

ノルウェー基地で発見した遺体は基地の倉庫に保管することになりました。
ジョージとウィンドウズが二人がかりで運び込みます。
ウインドウズは鍵を取りにギャリーの元へ向かいます。
棚を整理しているジョージの背後では遺体から液が滴っていました。

マクレディはフュークスに呼び出され、雪上車でブレアがおかしいと告げられ、ブレアの研究ノートの内容を伝えられます。
それによると「何か」は通常の方法では死なず、体液が生命力を保持しているということでした。
また「何か」はある程度、対象に接近しないと吸収できないようです。

倉庫に戻ってきたウィンドウズが見たものは「何か」に取り込まれようとしているジョージの姿でした。
ウィンドウズは慌ててマクレディ達に知らせに走るのですが、マクレディ達が倉庫に来るとジョージは消えていました。
ジョージは窓から逃亡していました。
警報で駆けつけた隊員達に囲まれたジョージは擬態中の「何か」で、恐ろしい叫び声を上げます。
ウボォアーみたいな感じの低い声です。

マクレディはドラム缶を倒してガソリンを浴びせ、持っていた発煙筒を投げて「何か」を焼き殺しました。
その後、隊員達は穴を掘り「何か」にガソリンを浴びせて跡形もないように遺体を焼きました。
彼等はブレアの姿はないことに気が付きました。
これ誰が「何か」かわからないからイヤですね。ゼイリブみたいなメガネがあると良かったですね。
まあその場合はプロレスしないと仲間が増えないんですが。

マクレディはヘリの付近で人影を目撃し、ヘリを確認すると計器類が滅茶苦茶に破壊されていました。
銃声を聞いた彼は基地内に走ります。
これは誰だったのでしょうか?

基地内ではブレアが銃を手に無線室に立て籠もり、斧で無線機を破壊して無双していました。
既に雪上車も破壊されており、犬も全て殺されていました。
彼はこの基地を完全に孤立させたいようでした。無線室内ではウインドウズが怯えています。
ブレアは「狙いは人間だ!」などと叫んでおり、「何か」のことを知ったので、絶対に外に出してはいけないと考えているようです。

チャイルズが隣の機械室から説得しようとしましたが、発砲されてしまいました。
弾は逸れたのでチャイルズは無事で、ブレアの銃は弾切れになります。
折りたたみテーブルを盾にマクレディが突撃し、隊員達総出で暴れまわるブレアを取り押さえます。
ちょっとやり方はまずいですが、ブレアの気持ちも理解できます。

ブレアは基地の外の荷物小屋に隔離されてしまいました。
マクレディと二人きりになったブレアは「誰も信用できない」と言い、マクレディは同調します。
マクレディはブレアの好きなウォッカを置いて出て行こうとすると「クラークに気を付けろ」と告げられるのでした。

基地は春の救助隊が来るまで完全に孤立してしまいましたが、それまでに何とかしないと全員が「何か」になってしまいます。

隊員達は小屋の外で話し合うと、コッパーが血液検査を提案しました。
正常な血液と混ぜて反応をみればわかるのではないかと言うのです。
マクレディは皆にクラークに注意しろと告げました。
フュークスはブレアが怪しいと思っているようでした。
私はブレアは怪しくないと思いました。もし彼が「何か」ならあんなに目立つ行動はしないのではないかと思います。

一行が基地に戻ると金庫に保管している輸血用の血液が全て破棄されていました。
金庫は鍵で開けられており、管理しているのはコッパーでした。
コッパーはテストを提案したのでギャリーが皆に疑われてしまいます。
皆は恐怖のためか疑心暗鬼に陥っており、口論になりました。

そんな中ウィンドウズがライフルの保管棚に走り、ライフルを取り出します。
駆けつけたギャリーはウィンドウズに銃を突き付けライフルを放すように言います。
ウィンドウズは落ち着き、ギャリーも皆も一旦は落ち着きました。

彼等はテストをすることにし、ギャリー、コッパー、クラークに麻酔を打ち、娯楽室のソファに縛りつけます。
マクレディは万が一のためテストの経過をテープに吹き込み記録に残します。

フュークスはテストの方法を模索していると部屋が停電で暗くなります。
何者かの人影が通ったので、発煙筒を手に外を探るとマクレディの物である敗れたシャツを発見しました。

フュークスが現れないので、マクレディはノリスに3人の見張りを頼み手分けして探すことにしました。
ブレアの所にはおらず、周りを捜索しているとフュークスらしき焼死体を見付けます。
自殺したのではないかと推測され、マクレディはウィンドウズに皆に報告するように頼み、彼はノールスと自分の小屋に向かいます。
なぜかマクレディの小屋には電灯が点いていたのです。
「何か」は知能が高いのかマクレディをハメようとしているようです。
ブレアは首吊り用の縄を作って、缶詰食べてました。そんなんに「もう正常だから、出して!」と言われても。

チャイルズはウィンドウズの報告を受けてマクレディの小屋を監視していました。
小屋の灯りは消えましたが、45分経っても彼らが戻らないので、入り口を釘止めし始めます。

そこにノールスが飛び込んできました。
彼は怖くなってマクレディを置き去りにして来たと話します。
マクレディは暖炉の中に彼の名入りの敗れたシャツを放り込んでおり、証拠を隠滅しようとしていたと言うのです。
隊員達はノールスも怪しいと言い、混乱に陥りますが、火薬庫の窓を破りマクレディが戻ってきました。

隊員達の殺意を感じ取ったマクレディはダイナマイトを盾に皆を脅すのでした。
チャイルズは仕方なく火炎放射器を下して後ずさります。

マクレディの背後からノールスとノリスが押さえようとしましたが、突き飛ばされてしまいました。
ノリスは心臓発作で心停止してしまい、コッパーに治療してもらうことにします。
隊員達はテスト対象の3人の縛めを解き、解放しました。
マクレディはダイナマイトと火炎放射器を身に着け、依然として隊員達に取り囲まれています。
彼は隊員達に誰かに陥れられたと釈明しますが、皆聞く耳を持ちません。

コッパーはノリスの心臓にAEDのパッドを当て蘇生を試みます。
その時、ノリスの腹が口のようにパックリと開き、コッパーの手を食いちぎりました。
ノリスの腹部が避け「何か」が出現し、咆哮し、隊員達は一目散に逃げ出しました。
コッパーは死亡したようです。

マクレディが火炎放射器で焼き払いますが、今度はノリスの首から足が生えて逃げ出します。
パーマーがそれを発見し、マクレディが焼き払いました。
これ有名なシーンですね。何度見てもキモいし、凄いです。
「何の冗談だ」的なセリフも最高です。

感想

これは面白いです。傑作だと思います。
モンスターデザインも秀逸ですし、テンポも演出も素晴らしいと思います。
前半からグイグイ引っ張られてそのままの勢いで終わる感じです。

登場人物の設定と葛藤も面白いですよね。私はブレアとコッパーが好きです。
私がこの世界にいたらきっとジョージのように踏んだり蹴ったりだったに違いないと思います。
最初ノールスとかウィンドウズ見た時にボンクラ集団なのかと思ってましたが、皆さん戦闘力高くて有能ですよね。
これだけ登場人物が出てくると名前と顔を覚えるだけでも大変なんですが、皆さん個性的なので、大丈夫でした。
後、一人一人のリアクションとセリフが面白いと思いました。

男しか出てこないんですが、舞台のせいか汗臭い感じはしませんでした。
スタローンさんとかだったら違ってたんでしょうか。

主人公のマクレディには共感はできますが、感情移入はできないですね。
ちょっとあの人チート過ぎると思います。前半とかなんでも「マクレディ、マクレディ」だし。
凄く応援はしたくなるんですけどね。
しかし私はカート・ラッセルさんのファンなので許せます。スネークだから仕方ない。

ちょっと残念だったのが展開がアツ過ぎるせいか南極っぽい寒さがそんなに伝わって来ないんですよね。
移動のシーンとか力入ってましたので、これは完全に個人的な感じ方だと思いますが。

決して大作ではなく日曜洋画劇場とかでたまに上映されるような映画ですが、これは傑作だと思います。

私はこの映画は大好きです。

ラストまで(ネタバレ)

マクレディは銃を構えてテストを始めると言い、パーマーとウィンドウズに皆を縛るように指示します。
チャイルズは反発し、睨み合いが続いているとクラークがメスを手にマクレディに襲い掛かりました。
マクレディは発砲し、クラークは死亡しますが「何か」にはなりませんでした。

マクレディは血液を採り、炙った電線に近づけることで「何か」かどうかわかると言います。
もし「何か」であれば血液は熱を近づけると逃げるはずなので判断できると主張しました。
皆の血液をナイフで傷つけることで少しずつ集めることにします。

ウインドウズ、マクレディはシロでした。
念のためクラークとコッパーも調べるとシロでした。
パーマーの血液を調べると全力で熱から逃げ、正体を現しました。

マクレディはパーマーを焼こうとしますが、火炎放射器の調子が悪く、予備火炎放射器を持つウィンドウズに焼くよう指示します。
ウインドウはパーマーの姿の「何か」に頭から食われて死亡します。
ようやく火が点いた火炎放射器に焼かれて「何か」は燃え、壁をぶち破って、外まで出て倒れます。
マクレディはダイナマイトを投げ「何か」を木っ端みじんにしました。
彼は室内に戻ると、蠢いていたウィンドウズも焼失させました。
パニックになる皆さんの演技が素晴らしいです。

マクレディはテストを続行します。
ノールス、チャイルズ、ギャリーはシロでした。

マクレディはブレアをテストしに行くので彼が一人で戻ったら焼けとチャイルズに指示します。
マクレディとノールス、ギャリーは吹雪の中、物置小屋に向かいます。

小屋はなぜかドアが開いており、誰かが開けたようで、中はもぬけの空でした。
床板が不自然な所があったので、板を外すと地下に空間が広がっていました。
地下にはヘリなどの部品を集めて作った小型のUFOのようなものがありました!

ノールスはチャイルズが基地から脱出するのを目撃し、皆に知らせます。
その直後、基地は停電し、非常用の青ランプが灯ります。
発電機を破壊されたらしく、6時間後には基地内も外の気温と同等になるだろうということです。
「何か」は冬眠できるので、春の救助隊を待つつもりのようです。

彼等は周囲を暖め「何か」を冬眠させないようにし、まずは小型UFOをダイナマイトで破壊しました。
基地や周辺の小屋も爆破して周ります。発電室を調べると発電機は無くなっていました。
生存確率が無くなった彼らは発電室周辺にも爆薬を仕掛けます。

ギャリーが爆薬を仕掛けているとブレアだった「何か」が現れ、彼は吸収されてしまいます。
ギャリーの異変に気付いたノールスが後を追いますが、彼も消えました。

マクレディは他2名に声をかけますが、返事がないので、異変に気付きダイナマイトに火を点けます。
突然、床板を何かが這うように次々と剥がれ、彼はj吹き飛ばされます。
床板からは巨大な「何か」が現れました。
彼はダイナマイトを投げて「何か」を吹き飛ばします。
仕掛けた爆薬も誘爆し大爆発して基地は消滅しました。

マクレディはお気に入りのウイスキーJ&Bのビンを持ち、ふらふらと座り込みます。
そこにチャイルズが現れます。
彼はブレアを追って行ったのですが、吹雪で見失ったということでした。
チャイルズも近くに座り、二人はしばしの間火事の炎で温まります。
チャイルズにこれからどうするか聞かれたマクレディは「どうなるか見よう」と答えます。

二人はウイスキーを分け合い、笑い合いました。
南極の夜の闇の中、基地の炎が静かに燃えていました。

エンドロールで終了です。

何かをやり遂げた男の笑顔が最高でした。二人の行く末は絶望しかないのですが、彼等は勝ったのですね。
ちょっと切ないですが、素晴らしいと思いました。
最後まで分からなかったのが、血液の鍵開けたの誰だったんでしょう?

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