ギャンブラーの復讐 荒野の処刑

荒野の処刑

町を追い出されてひどい目に遭う話

制作年 1975年
制作国 イタリア
監督 ルチオ・フルチ
脚本 エンニオ・デ・コンチーニ
上映時間 100分
出演
ファビオ・テスティ
リン・フレデリック
マイケル・J・ポラード

だいたいのあらすじ

いかさまギャンブラーのスタビー(ファビオ・テスティ)はソルトフラットという町に滞在することになりました。
ところが保安官(ドナルド・オブライエン)はいい顔をせず、いきなりスタビーを留置場にぶち込んでしまいます。
スタビーは留置場で娼婦のバニー(リン・フレデリック)、墓守のバッド(ハリー・ベアード)、アル中のホームレス・クレム(マイケル・J・ポラード)と知り合いました。
スタビー達は暇つぶしに黄金虫レースをしていたのですが、袋で覆面をした男たちが町のならず者を銃撃して一掃していました。

実はこの町は長い間ならず者に支配されていたので怒りの住民が立ち上がったようで、保安官はこの一件に対して完全に目をつぶっていました。
スタビーは持ち金を保安官に巻き上げられ、ボロい馬車を与えられて留置場の仲間と共に町から叩き出されました。
ということで一行は320㎞南にあるというサンドシティを目指すことになりました。
クレムはスタビーの荷物を盗みまくり、バニーは実は妊娠していて吐きまくりという前途多難な道のりでしたが、どうにかこうにか歩を進めます。
道中では敬虔なキリスト教徒の幌馬車団と出会ってご飯をご馳走になったり、拳銃をバンバン撃ちまくっている世紀末な強盗団から隠れたりしました。

ある日、川べりで休んでいると突然先住民風の衣装を着た二丁拳銃をバンバン撃ちまくるガンマン・チャコ(トーマス・ミリアン)が現れて「仲間に入れろ」と要求しました。
「こいつ絶対やべー奴だ」と感じたスタビーはお断りしたのですが、チャコは「俺が居れば肉食い放題」と言って強引に仲間に入ってしまいました。
そしてチャコはガンガン鳥などを撃ち落としたので確かに食生活は向上しました。
出だしは西部劇っぽい感じだったのですが、この辺はあまり関係ないような。
尚、移動中のBGMが「バニー」連呼してるんですが、これはバニーのテーマでしょうか?

チャコは盗賊に身ぐるみはがされたそうですが、その割には武器弾薬は豊富でバンバン撃ちまくっていました。

ある日、どこかの保安官らしき一団が突然襲撃してきたのですが、チャコは一人で全員片付けてしまいました。
そして生き残った一人の保安官の腹の皮をナイフで剥いだり、保安官バッジを胸に刺したりして拷問するのいう残虐面を見せるチャコでした。
フルチ映画という感じになって来ました。

ある日チャコは皆に謎のドラッグを与えてラリラリにし、クレムをお酒で釣って全員を縛らせます。
そしてバニーをレイプし馬車を奪って引き揚げようとします。
チャコは引き続きクレムを奴隷にしようとしていたのですが、非道な行いに腹を立てたクレムが石を持って襲い掛かったのでクレムの足を撃って引き揚げました。
チャコも詰めが甘いというか変なことしますね。
クレムは皆の拘束を解き、スタビーはクレムの脚の弾丸を摘出しました。

スタビーはチャコに復讐を誓い、クレムを担架に乗せて一行は徒歩で出発しました。
やがてチャコ達が悪そうな仲間二人と馬車の襲撃計画をしている所に出くわしたので一行は身を隠したのですが、連中が襲ったのはあの親切なクリスチャンのキャンプでした。
この辺だけ西部劇っぽいです。
スタビー達がキャンプに到着するとクリスチャンの皆さんは老若男女問わず皆殺しにされ、馬車は奪われていました。
連中の残虐さに憤ったスタビーは必ずチャコを殺すと固く決意するのでした。

その後、土砂降りの雨の中を移動していたスタビー達はゴーストタウンを発見し、そこで焚火をしつつ雨宿りをすることにします。
バッドはイカレてしまったのか、全裸で雨の中を墓場に出向き、墓石と話をしていました。
それから数日経っても雨は止まず、食料が無いスタビー達はネズミを食べながら過ごします。
衰弱していくクレムは最近急接近していたスタビーとバニーに「サンドシティで結婚しろ。そして俺のことを思い出してくれ」的なことを言って息を引き取りました。

悲しみの中バッドはクレムを埋葬し、スタビーとバニーはどさくさに紛れてHしました。
そしてバッドは「獲物が取れたぞ」と大喜びしながら籠に入れた肉を持ってきました。
ということで皆は久しぶりの煮込みを美味い美味いと食べたのですが、バッドは「夜になると町の人が出て来たよ。バラが一杯の庭で白人女性とキスしたよ」と怪談話を始め、バニーをドン引きさせるのでした。

その後、スタビーが様子見していたのですが、バッドは完全にイカレてしまったようで廃墟の中で見えない何かと楽しそうに過ごしていました。
更にお尻の肉が削がれたクレムの遺体を発見したスタビーは自分達が食べた肉はクレムの肉だったのだと悟りました。
西部劇関係ないです。

その後、雨も上がったのですが、バッドは行方をくらましてしまいました。
スタビーは「あいつイカレてお花畑だからもうだめだ」とバニーを説得し、二人で再び出発しました。

感想

これは普通です。軽く珍作だと思います。
西部劇というより単なる復讐譚みたいな感じなのですが、凄く脱線するのであまり緊張感がないという。
復讐が主題だったはずなのにほのぼの系の話だとかに脱線するので、いやにあっさり終わります。
そして驚いたことにこの映画ストーリーがあり、フルチさんの作品だということで観てみたので、びっくりしてしまいました。

完全にロードムービー風の青春映画かなんかだと思います。
私の中で勝手に西部劇のBGMは口笛!みたいなものがあるのですが、BGMも西部劇とは程遠い青春映画みたいな歌が流れてます。
音声はイタリア語なのですが、なぜかBGMの歌は全部英語です。
無駄に腹の皮を剥いだり、カニバリズム展開があったりするのはやっぱり入れたかったんでしょうか?
でも唐突ではないのでまたまたビックリしてしまいました。
冒頭の覆面の襲撃シーンもなんかフルチさんっぽい感じでした。

しかしながらチャコが詰め甘すぎだったり、仲間が狂ったりと変な展開が多いです。
おっさんだらけの町のエピソードは嫌いではないですが、なんなのこれ?って感じでした。
きっと脚本の人も深くは考えてない気がします。
静かに終わる辺りは何となくブルックナーの交響曲を聞いている気分になりました。
そうなるときっとおっさんの町辺りが最後の主題部分なのでしょう。

あと、バニーの人がめちゃめちゃ可愛かったです。
私的にはおっさんの町の金髪の住民がいい感じでした。

意外と面白かったですが、あまりお勧めはしないです。

ラストまでのあらすじ

その後、スタビーは馴染みの牧師が馬車で通りかかったので声を掛け、二人は再会を喜び合います。
この牧師は過去にスタビーのイカサマ博打に引っ掛かって何もかも巻き上げられたのですが、和解済みで、今では放浪の伝道師となっているそうです。
そんな思いで話を延々としていたのですが、バニーは産気づいて倒れてしまい牧師の案内で一番近い町に急行することになります。

スタビー達が到着したのは男だけが暮らし、女はお断りというヘンな町だったので住民はバニーの件で大騒ぎになります。
それでも人道的な措置として過去に三重婚していて出産立ち会いが豊富だという医師・レミーが出産の手伝いをしてくれることになりました。
なんだかんだで住民のおっさん連中も気になるのか、広場に集まって焚火をしながら酒盛りを始め、「男か女か?体重は何キロか?」等と賭けを始めました。
そして赤ちゃんの産声が響くとむさいおっさん達は皆、銃をバンバン撃って歓喜していました。

バニーは男児を出産したのですが、スタビーに「心から愛してる」と伝え、間もなく息を引き取ってしまいました。
住民のおっさん達はバニーの死にしんみりとしつつも「赤ちゃん可愛いじゃん」と喜び、皆でお金を出し合って育てることになります。
特に「女は追い出すべき」と強硬姿勢だったおっさんが赤ちゃんに手を握られて大喜びしてます。
赤ちゃんはラッキーという名を付けられ、牧師が先例を行いました。
一応、スタビーがラッキーの父親ということになっていたので、住民のおっさん達はスタビーの動向を見守っていたのですが、スタビーは「君たちが命を救ったから君たちの子だ」とあっさり赤ちゃんを手放しました。

住民のおっさん達はやっぱり親切で、旅立つスタビーに馬や日用品、拳銃等を差し入れました。
BGMでスタビーマイフレンドとか言ってるので、これがスタビーのテーマなのでしょうか?
荒野を馬で進むスタビーはとうとう自分達からチャコが奪った馬車を発見し、自分の荷物を回収しました。
その中にはスタビーが大切にしていたひげ剃りセットもありました。

スタビーは廃墟の小屋で休んでいたチャコ達に忍び寄り、二名を射殺し、チャコの右腕を撃ち抜きました。
そしてスタビーは悠々と髭剃りをし、抵抗しようとしたチャコの頬をカミソリで斬りました。
チャコはクリスチャンの皆さんから奪ったロザリオをこれ見よがしに見せ、「お前の女房はよかったぞ」とバニーをレイプした件で挑発します。
スタビーは迷わずチャコに何発か発砲して射殺しました。

荒野を馬で進むスタビーに犬がワンワンと追ってきたので、同行させることにしました。
そしてスタビーの姿がどんどん遠ざかっていきます。

FINEマークの後にエンドロールで終了です。

やっぱり西部劇関係ない気がします。
しかも卑怯です。

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