悪いことすると地獄に落ちます 地獄

地獄

悪いことするとひどい目に遭う話

制作年 1960年
制作国 日本
監督 中川信夫
脚本 中川信夫/宮川一郎
上映時間 101分
出演
天知茂
三ツ矢歌子
沼田曜一

だいたいのあらすじ

冒頭に謎のヌードシーンがあります。

大学生の清水四郎(天知茂)は賽の河原でシクシク泣いていたのですが、突如として炎が燃え盛る地獄のような所に落ちて行き、絶叫していました。

清水が大学で民俗学の講義を受けていると隣に田村(沼田曜一)が現れ、「夕べの男死んじまったよ」と告げました。
昨夜、清水は恩師矢島教授(中村虎彦)の娘である幸子(三ツ矢歌子)との婚約を決めるために挨拶に行き、矢島とその妻芙美(宮田文子)から快諾されていました。
なぜかその場に田村も現れ、飄々としながらも傍若無人な態度で会話に割り込み、「本を返しに来た」と戦時中の矢島の写真らしきものを添えて矢島に差し出しました。

そして田村は「俺の車で送る」と言って強引に清水を連れ帰り、帰りの車の中で「俺はなんでも知ってるんだぜ。幸子さん妊娠してるだろ」と言いました。
清水は嫌な気持ちになって道を曲がってくれと依頼したのですが、田村は突然飛び出して来た志賀(泉田洋司)を撥ねてしまい、そのまま轢き逃げしました。
志賀が轢かれる様子を物陰から母のやす(津路清子)が見ており、ナンバーを記憶しました。
田村は「あいつは酔っ払いだから俺に罪はない。」と言い放ち、更に「お前が急に曲がれというから」と責任を転嫁するのでした。

志賀の死亡記事を見た清水は自首をしようと田村に勧めたのですが、「あいつが飛び出して来たのが悪い」と聞く耳持たず、暴力団員だった志賀を「あいつは社会の屑」と貶めるのでした。
一方、やすは田村の車のナンバーの件を誰にも言わず、志賀の愛人だった洋子(小野彰子)と組んで車の持ち主を殺そうと画策していました。
その後、清水が下宿に戻ると幸子が来ていたので、正直に「殺人を犯した」と打ち明け一緒に自首しに行くことになりました。
しかしその道中で二人が乗ったタクシーは事故を起こし、幸子は死亡してしまいました。
矢島は清水を責めることはしませんでしたが、芙美は「幸子を返して」とあからさまに敵意をぶつけてくるのでした。

むしゃくしゃしてクラブで呑んでいた清水に洋子が近づき、洋子は強引に清水をホテルに連れ込んで一夜を過ごしました。
翌朝、清水の学生証を盗み見た洋子は志賀の轢き逃げ事件の共犯者であると気づきました。
そこで洋子は「今夜も店で会おう」と持ち掛け、誘い出しに成功しました。
帰宅した洋子はやすに写真を見せて「この男だ」と証言を得たので、二人は共謀して清水を殺害することにしました。
その夜、洋子はクラブで清水を待っていたのですが、清水は現れませんでした。
実はその頃、清水は実家から「ハハキトク」なる電報をもらって列車で移動していました。

翌日、清水は実家である養老院「天井園」に到着したのですが、出迎えたのは父・剛造(林寛)の妾である絹子(山下明子)であり、剛造は妻のイト(徳大寺君枝)を放置して昼間から絹子とHしている始末でした。
イトを見舞っていた清水は隣の部屋に住む画家・谷口円斎(大友純)の一人娘であるサチ子(三ツ矢歌子)と出会ったのですが、サチ子は驚くほど幸子に瓜二つであり、彼女が清水に電報を打ったのだそうです。
円斎は寺に奉納する地獄絵を一心に描き続けていたのですが、ちょいちょいサチ子を狙う針谷刑事(新宮寺寛)が現れて「サチ子を寄越せ」と要求して円斎に断られていました
針谷は円斎が過去に起こした詐欺事件の件で脅迫してでもサチ子をゲットしようと目論んでいました。

清水はサチ子に惹かれつつ、絹子からは「一緒に東京に連れて行って」と要求されていました。
そんなある日、田村が付近の旅館に泊まっていると言って清水の前に現れ、矢島夫妻も講演旅行で付近に来ていると告げました。
その後、イトは容態が急変して亡くなってしまったのですが、その矢先に矢島夫妻が清水を訪ねて来ました。
一方、居間にはイトのゆかりの人物が集まっていたのですが、イトの死因が狭心症であるという草間医師(大谷友彦)の診断を田村は「誤診であり、他の医師に診てもらえれば助かったはず」と一蹴していました。
円斎はイトと過去に付き合っていたそうで、「イトは剛造にいびり殺された」と憤ってサチ子と共に出て行きました。

そして田村は唐突に「この部屋にいる者は全員人殺しだ」と言い出します。
まず針谷は賄賂をもらって無実の人を罪人に追い込み、その人はショックで自殺していました。
赤川記者(宮浩一)は過去に誤った記事で人を死に追い込んでおり、谷島も戦時中に戦友を殺したのだそうです。
そんな矢先に天上園の入居者の一人が死亡したのですが、剛造は陰では全くの無関心でした。

その後、天上園は10周年記念のパーティーが開催され、入居者には川に浮いて死んでいた魚が振る舞われます。
一方、やすと洋子は清水を追って天上園の近くに滞在していました。
ということで清水は洋子に手紙で吊り橋の上に呼び出されて拳銃で殺害されそうになったのですが、洋子は勝手に足を滑らせて転落死してしまいました。
清水は自殺しようと思い立ったのですが、そこに田村が現れてそれを阻止しようとし、揉み合いの末に田村が転落死しました。

その後、夕食の時間になったので入居者の皆さんは例のお魚を食べることになったのですが、剛造は国からの援助金をピンハネして入居者を雑居部屋に押し込み、粗末な食事しか与えていなかったので、皆さんは魚を見て大喜びしていました。
そして剛造達は焼きとんを食べながら焼酎を呑んでバカ騒ぎをしていました。
そんなバカ騒ぎを余所に帰宅して蔵で黄昏ていた清水を絹子が誘惑し、その現場を剛造に押さえられて修羅場となります。
剛造は揉み合いの末に絹子を階下に突き飛ばし、絹子は転落死してしまいました。
そして剛造はそれを闇に葬るつもりらしく、清水に「誰にも言うなよ」と口止めしました。

その後、矢島夫妻は終電車で引き揚げ、やすは剛造達の宴席に紛れ込んで毒入りのお酒を差し入れました。
そして清水もそのお酒に口を付けようとしたのですが、そこに田村が現れ、同時にサチ子が「谷島夫妻が飛び込み自殺をした」と飛び込んで来ました。
なぜか田村はいきなりサチ子に発砲し、サチ子はバッタリと倒れたので清水は「貴様!」と田村の首を締め上げ、更にやすが「息子の仇!」と背後から清水の首を締め上げます。
田村はどう見ても落下して死んでました。

ということで清水は絶命し、捨て身で自分もお酒を呑んだやすも死亡、剛造達も死亡、入居者達も魚の毒で死亡と全員死にます。
この映画は人が死に過ぎだと思います。
清水は三途の川で田村と再会し、「お前は俺と一緒に地獄に行くのだー」と言われてしまい、更に遠くで聞こえている赤子の声は清水を呼んでいる声なのだそうです。
そして清水は逆さ吊りにされて首に大きな鉄の箸を刺され、閻魔大王(嵐寛寿郎)に今までの悪行を示され、地獄へと落とされました。
どさくさに紛れて他の人の罪も被せられててウケます。

感想

これは普通です。軽く珍作だと思います。
要するに悪いことすると地獄に落ちますよ!ということらしいのですが、展開がカオス過ぎで登場人物は全員死にます。
殆どが超展開でゴリゴリで、観ていてびっくりしてしまいます。
ホラー的なものを期待しているとやられてしまい、殆どがヒューマンドラマだという。
前半までだるい気がしますが、後半の超展開はなかなかの面白さです。
実際訳が分からないんですけど、悪人は地獄行き!っていうだけの気がしました。

閻魔大王は公正に見えますが、この人は本当に罪を見抜いているのだろうか?と不安になります。
私ぶっちゃけこの閻魔大王のいる地獄に落ちたくないです。
無いこと無いこと押し付けられて拷問されそうで、更にやたらといい声で「永遠に苦しむのだ」とか言われたくないです。

後半も超展開の嵐ですが、これは恐らく清水が地獄めぐりさせられている様子を表現してるのかな?と解釈しました。
それにしても皆さん自由過ぎで、もう訳が分かりません。
清水も田村もおっさんなのですが、二人とも詰襟の学生服着てるのは軽くウケました。
特に清水は全然似合ってないという。
田村が名探偵だった理由は最後まで観てもよくわかりませんでしたが、この人がこの映画で一番いい味出してた気がします。
清水も無駄に暑苦しく熱演しているのが却って笑いを誘います。

その反面で地獄シーン等は亡者の皆さんも沢山いてなかなか面白いです。
特に皆さんが髪振り乱して走り回るシーンやくっさいくっさい汚い沼でもがき苦しむシーンは地獄のカオスさがあってよかったと思います。
鬼がアップになるシーンは軽くウケました。

ラストまでのあらすじ

清水は賽の河原で幸子と再会したのですが、幸子は妊娠していたと打ち明け、先ほどから聞こえる赤子の声は自分の子だと言います。
幸子はハルミと名付けたその赤ちゃんを蓮の葉の上に置いて流したのだそうで、やがて力尽きて倒れました。
清水は赤ちゃんを追いかけることになり、六道の辻で矢島夫妻と再会しました。
そこに田村が現れて「お前は南方戦線で戦友から水を奪って殺害した」と矢島の罪を暴きました。
矢島は乾きに苦しんだ挙句に膿の沼に沈められるという地獄に落ちたのですが、清水はそこで志賀に責められつつ、やすに首を絞められるという訳のわからないことになります。

そして清水も志賀も白骨化したのですが、ここは地獄なので直ぐに復活し、またまた責め苦を受けるそうです。
剛造と絹子も血の池地獄で苦悶しており、草間はのこぎり引きの刑にされ、何度も何度も生きたまま鋸で身体を分断されます。
針谷は両手首を落とされるという刑を受け、更に剛造は極悪人だったので生きたまま皮を剥がれていました。
絹子は生きたまま首をもがれるという刑を受け、剛造達のこの責め苦は未来永劫続くのでした。
なお、清水も自由に地獄を彷徨っている印象でしたが、田村はもっと自由で、「お前は俺と一緒に地獄を彷徨うのだー」等とのたまいながら度々清水の前に現れるのでした。

そして超展開はまだまだ続き、今度は淫乱専用の血の池地獄に飛ばされた清水はそこで絹子と洋子に縋りつかれたりします。
次の瞬間には燃えている水車の上に赤ちゃんを抱いた幸子が悲鳴を上げたりとカオスなことになったのですが、どさくさに紛れて円斎も死亡して地獄に来ていたようで、サチ子を求めてさまよっていました。
そしてなぜかサチ子も針山地獄に落ちたようで、清水と共に足を刺されて名前を呼び合います。
訳の分からないことに次の瞬間にはサチ子が普通に現れ「父を見ませんでしたか?」と質問して来ます。
なぜか田村が「その女とキスしろ。やれ」と煽っていたのですが、清水はそれをガン無視しつつしっかりとキスだけはしようとします。

そこにイトが現れ、二人は兄妹だったと告げました。
要するに清水もサチ子も種は円斎だったそうだったのですが、そこに剛造と円斎が現れて「なんだってー」とワーワー騒ぎます。
この地獄自由過ぎます。
田村はそれを見て面白がり、「一緒に来いよ」と清水に手を伸ばすのですが、サチ子は「赤ちゃんが呼んでるから兄さん早く」と止めます。
それでも田村は清水を無理矢理引っ張ろうとしたのですが、次の瞬間になぜか自己ローリングして苦しみ出し、閻魔大王の呼び出しを食らって切り刻まれました。

そして清水は亡者の群れの中をハルミを捜して彷徨います。
ハルミはなぜか横向きの車輪の上をぐるぐる回っていたので、清水は車輪に飛び乗ってハルミに手を伸ばします。
それを見た幸子が「ハルミを助けてー」と叫び、芙美は「幸子ー」と駆け寄り、どさくさに紛れてサチ子も現れて「兄さーん」と叫ぶカオスな状況になります。

最後に天上園が映し出されるのですが、全員が毒で死亡しており、円斎は首吊り自殺をしていました。
そして幸子とサチ子が現れて差した傘をクルクル回し「四郎さーん」、「お兄さーん」とそれぞれ叫ぶのでした。

THE ENDマークで終了です。

何が何やらという感じでした。
清水はあのまま永遠に赤ちゃんを追いかけ、幸子とサチ子は天国に行ったんでしょうか?
傘クルクル演出はあちこちに観られるのですが、軽く笑いを誘います。
当時はこういうのが流行してたんでしょうか?私も明日から回そうかな?

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