サイコ不足です 案山子

案山子 KAKASHI

私は、哀しみの正体

制作年 2001年
制作国 日本/香港
監督 鶴田法男
脚本 村上修/玉城悟/鶴田法男/三宅隆太
原作 伊藤潤二
上映時間 86分
出演
野波麻帆
柴咲コウ
グレース・イップ

だいたいのあらすじ

昔の日本では毛髪や獣の死骸を燃やしたもの田畑に置き「嗅がし」と呼んで臭いで農作物を守っていました。
しかし獣の死骸を燃やすと悪霊が来るらしく、人型の物を作成して案山子とし、害獣と悪霊避けとしました。
古来から人形には魂が宿ると言われており、案山子も例外ではないのですが、その魂は善良なものとは限らないということです。

吉川かおる(野波麻帆)はたった一人の親族である兄の剛(松岡俊介)が行方不明になったので、管理人の案内で彼のアパートを訪ねました。
留守電には剛の友人から「最近連絡取れないけどどしたー」的な伝言が吹き込まれていたのですが、他にも「宮守泉」というかおるの元同級生からの異様にカクカクした文字の手紙を発見しました。
内容は詩的な内容で綴られたラブレターだったのですが、「会いたい」と強調されていたので、かおるは宮守に会えば兄の失踪の手掛かりが掴めるかもしれないと考えました。
役場に電話したものの宮守は手紙に書かれた住所には居ないようでした。

その後、かおるは車でその村に向かったのですが、道中のトンネルで車はエンストしてしまい、立ち往生します。
仕方なく手紙を手に歩き出したのですが、かおるは背後から響く不気味な女の笑い声を聞き、駆け足でトンネルを抜けました。
トンネルを出た所で軽トラに大量の案山子を積んでいる村人(有薗芳記)と遭遇したので助けを求めたのですが、返事もしてくれませんでした。
仕方なくかおるが「案山子一杯ありますね」と話すと村人は「祭りだ」とだけ返答し、宮守家のことを尋ねると「この道を真っすぐ」とだけ教えてくれました。
暫く進むと道は二股に分かれていたのでかおるは左に進んだのですが、そこにはベビーカーに乗せた案山子をあやすBBAがいたので「キモいよー」と逃げ出しました。

更に広場のような場所を通過したのですが、何だか不気味な張りぼて風車のような物の周りに村人たちが案山子を並べていました。
村人達はこちらをガン見し始めたので、かおるは目を合わせないように下を向いてそそくさと通過しました。
また暫く進むと野原で中国人(グレース・イップ)が少女(五十嵐瑞穂)に中国語を教えていました。
ようやくまともそうな人がいた!とかおるは安心したのですが、中国人は道中で目撃した尋ね人の張り紙の人物サリー・チェンに瓜二つでした。
そこに先ほどの超感じ悪い軽トラ村人が現れ、少女に「よそ者と付き合うな」と怒鳴ると手を引いて連れ去ったのですが、不思議なことに同時にサリーの姿も見えなくなっていました。

暫く歩き詰めたかおるはお寺のような家を発見して呼び鈴を鳴らしたのですが、留守なのか誰も出てきませんでした。
しかしかおるはその家の二階の窓に一瞬赤い服を着た女性の姿を見たような気がしました。
離れでは発電機のような物を動かしているのを発見したので声を掛けてみました。
泉の母・幸恵(りりィ)が間もなく現れて胡散臭い目でかおるを見ていたのですが、泉と同級生だった件を話すと少し警戒心を解いたようでした。
しかしかおるが手紙の件を話すと幸恵は表情を硬くし、「お引き取りください」と冷たく追い返すのでした。

そこに泉の父・耕造(河原崎建三)が現れ、「泉はこの先の町にある療養所に入っている」と打ち明けました。
「じゃあ泉さんのお見舞いに…」とかおるが申し出ると耕造は「娘とは合わない方がいい」と頑なな態度でした。
しかしかおるが泊まる場所を探していると話すと耕造は「うちに泊まっていきなさい」と泊めてくれることになりました。
その深夜、寝付かれなかったかおるは宮守夫妻が言い争っているのを耳にして、付近の土蔵を探索し始めたのですが、そこには赤い服を着た案山子と同じく赤い服の泉(柴咲コウ)が居り、「どうして来たの?なんでいつも邪魔ばっかすんの」とかおるを咎めました。
泉は「もうすぐ私は私に成れる」と意味不明なことを言っていたのですが、それは全てかおるの夢でした。

翌日、耕造はかおるを村役場まで送り、「車の修理が終わったら早く帰りなさい」と告げて去りました。
かおるは役場内でサリーを見つけて声を掛けたのですが、彼女は「どうして私の名前知ってるの」とかなり警戒していました。
そこに警官(田中要次)が現れ、「トンネル内で自動車放置したでしょ」と移動してきた旨をかおるに伝えました。
かおるは警官に剛の写真を見せたのですが、心当たりはないと返答されました。
結局車はその日には直らなかったので、かおるはまた耕造に泊めてもらうことになりました。
その晩、かおるは土蔵に閉じ込められている剛を発見したのですが、赤い服の案山子にのしかかられました。という夢を見ました。
夢オチばっかで全然話進まないです。

しかしかおるの手の中にはしっかりと藁が残っていました。
翌日役場に連れて行かれたかおるは警官から車が直ったと知らされました。
そしてかおるはサニーに話しかけようとしたのですが、案山子が字を書いているところを目撃して案山子に襲われました。
やはり車は直っておらず、村人が迫って来たのでかおるは逃げ出し、宮守家の土蔵に潜入しました。
そこには泉の日記があったのですが、かおるが剛への自分の想いを伝えなかったこと、ラブレターを取り次いでくれなかったことへの恨み言が書かれており、終いには「呪ってやる」「かおるかおるかおる」とびっしり書き込まれていました。

感想

これはイマイチです。
失踪した兄の行方を追って謎の村を訪ねるという内容です。
内容覚えてませんが、漫画の案山子を原作にしている話のようです。
お話としては何がなにやらという感じでつまらないのですが、演出がいいかと聞かれても微妙です。
凄く冗長な感じで、それでいて大事なことは何一つ語られません。
怖いシーンも全くなく、毎回夢オチのあと探索とワンパターンでつまらないです。

なんか祭りで案山子が人間になるというのは分かったのですが、それ以外のことが全然わかりません。
そもそもあの祭りは何なのか?というのが大きな疑問です。
また、どうして剛はあんなことになっていたのかの説明も全くありません。
サニーと一緒にいた父親とかいう案山子は何なのか、どうして彼女はここにいたのかの説明もありませんでした。
そして案山子が急に人を襲う理由が全く分かりません。冒頭の邪悪な魂がなんたらという字幕の説明で済んでると思ったんでしょうか?
恐らく原作にもその辺の説明は全くなかったと思われるのですが、これは映画なので…

良い点はかおるが可愛かった点でしょうか。
軽く棒演技なのですが、この娘はブラコンみたいで「お兄ちゃん」連発するので妹マニアにはいいかも。
サニーに至ってはわざわざ香港の役者を使用している意味がよくわからず…
折角なので中国4000年の秘術で案山子が復活してるとかにすればもっと絡めたのでは?(凄くB級です)
泉はかなり影が薄かったので、ちょっと可哀想。
案山子より村人の方が不気味でした。

これはイマイチなので観なくていいと思います。

ラストまでのあらすじ

そして泉が現れてかおるを指さし、ボディスナッチャーズごっこをしました。
かおるが家を飛び出すと耕造が現れて彼女が泉と会ったことを悟ります。
逃げ出そうとしたかおるでしたが、耕造に「剛に会いたくないのか」と怒鳴られて車に乗せられました。

耕造は泉を失ったので、妻と共にこの村に戻って来たのだそうで、この村では案山子に死者の魂を憑依させるという儀式が行われていたので、それに賭けたのだそうです。
しかし案山子に憑依した魂は独り歩きを始めたそうで、泉の場合は恨みの塊のようになってこの村の邪悪を増大させていると耕造は言うのです。
そしてかおるは耕造の診療所に案内され、軽く廃人っぽくなっている剛と再会して「一緒に帰ろう」と呼び掛けたのですが、やんわりと拒絶されました。
剛はかおると一緒に居るのが嫌になったと言うので、かおるがビンタしたら正気に戻りました。

耕造はかおるに自分の車のキーを差し出し、二人を送り出しました。
その頃、村の広場では今夜の祭りの準備が始まっており、村人たちが案山子を持ち寄って飾っていました。
かおるは役所に立ち寄り、サニーも乗せてエンジンを駆けたのですが、そこに警官が襲って来ました。
何とか撃退したのですが、なんと警官は案山子でした。

一方、かおるが遭遇した不気味第一村人は娘が死にそう!と少女を診療所に担ぎ込んでいたのですが、少女は間もなく死亡しました。
しかし少女は案山子だったようで復活して村人を襲い、更に耕造にも襲い掛かりました。
その頃、祭りパワーで泉として蘇った案山子は復活を喜ぶ幸恵の首の骨を折って殺害していました。
そしてなぜかかおる達は広場の付近で身動きできなくなり、車を降りて歩き出します。
そこに泉案山子が現れたので、剛は彼女に抱き着き、発煙筒を燃やして心中しました。
最高に意味不明です。かおるも見送ってましたがそれでよかったの?

その後、広場では無数の案山子がゾンビのように人間になって復活していました。
かおるとサニーはようやく村の入り口のトンネルに到着したのですが、剛に呼び止められたのでかおるは「帰る所なんてない」とサニーを見送って自分は村へと戻るのでした。

エンドロールで終了です。

これ、かおるに「お兄ちゃん」って連続で言わせたいだけなんじゃないかという気がします。

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