仇名映画 HOUSE

HOUSE ハウス

山奥の屋敷に行ったらひどい目に遭う話

制作年 1977年
制作国 日本
監督 大林宣彦
脚本 桂千穂
上映時間 88分
出演
池上季実子
大場久美子
松原愛

だいたいのあらすじ

JKのオシャレ(池上季実子)は夏休みに入り、イタリア帰りのパパ(笹沢左保)と軽井沢の別荘に行く予定だったのですが、パパはイタリアで再婚相手の涼子(鰐淵晴子)を連れ帰っていました。
ただでさえ突然の再婚宣言に驚愕しているオシャレに対してパパは涼子も別荘に連れて行くと言い出したので、オシャレは「軽井沢なんか行かない!」と猛反発しました。
オシャレは部屋に引き籠り、8年前に死亡したママ(池上季実子)の写真を眺めている内に伯母であるおばちゃま(南田洋子)のことを思い出していました。

オシャレは演劇部に所属しているのですが、親友のファンタ(大場久美子)達は東郷先生(尾崎紀世彦)の妹の経営する民宿で合宿することになっていました。
ところが、東郷の妹はお産の都合で民宿をお休みするのだそうで、オシャレは事前に許可も取らず、ファンタ達は「私のおばちゃまの家に行こう」と言い出しました。
その後、オシャレがおばちゃまに「遊びに行きたい。おばちゃまに甘えたい」的な手紙を出すと、「来ていいよ。大歓迎」的な返信が届きました。
その情報を得た涼子は後からオシャレに追いつき、自分が話をして説得しようと決心し、それをパパに打ち明けました。

おばちゃまの家には一応合宿という体裁だったので東郷も同行することになっていました。
ところが出発当日に東郷は家の前の階段でコケ、お尻にバケツがハマってブレイクダンスをした関係で医者に寄ってから追いかけることになりました。
ということでオシャレ達7名は謎の東京駅から故郷方面なる謎の列車に乗っておばちゃまの家に向かいました。
なぜかオシャレの飼い猫のシロも列車の中にいたので同行させることになります。
ヘンな車窓の景色や乗客、駅など謎の映像が炸裂してます。

オシャレは列車内でおばちゃまの紹介をすることにし、一行は謎の記録映像を見せられます。
おばちゃまの婚約者(三浦友和)は出兵して戦死してしまい、終戦しても彼女は婚約者を待ち続けていました。
その後、オシャレのママが結婚してもおばちゃまはずっと独身でピアノの講師をしながら暮らしているということでした。

列車からバスを乗り継ぎ、「田舎に帰ろう お嫁においで」と描かれている謎の山の風景画をバックにした里山村なるバス停で降りたオシャレ達はそこから徒歩でおばちゃまの家に向かいます。
そして道中でスイカ売りのおっさん(小林亜星)に道を訪ね、小高い丘の頂上に立つおばちゃまの家・羽臼家に到着しました。
門前では車椅子のおばちゃまが笑顔で一行を出迎え、オシャレは10年ぶりで再会を果たしました。
なお、食いしん坊のマック(佐藤美恵子)は先ほど購入したスイカをお土産に渡しました。

羽臼家は1970年代だというのに音声認識システムを導入しており、おばちゃまの合図でシャンデリアが灯りました。
突然、シャンデリアの水晶部分がミサイルのように落下し、スウィート(宮子昌代)を直撃しそうになったのですが、クンフー(神保美喜)が空中パンチで撃墜しました。
しかしその件には誰も触れず、音楽好きなメロディー(田中エリ子)はピアノがあると聞いて喜び、早速乙女の祈りを演奏し始めました。
更に屋敷の中は蜘蛛の巣だらけだったので、掃除や炊事をしようということになりました。

この所この屋敷には来客が無かったそうで、オシャレ達が久々の来客だということでした。
夕食の後にファンタが庭に出たきり戻ってこないマックを捜しつつ井戸の中のスイカを引き上げていたのですが、上がって来たのはスイカではなくマックの生首で、あろうことか生首はニヤニヤ笑いながら宙を舞い、ファンタのお尻に噛みつきました。
声出して笑っちゃいました。この映画背景が殆ど絵なのですが、その所為もあるのかシュールすぎます。
ファンタは急いで皆に井戸の生首の件を伝え、クンフーを先頭に皆で確認に来たのですが、井戸から出て来たのはスイカでした。
そしておばちゃまはなぜか歩けるようになっていたのですが、「皆のお陰で元気が出た」と理由づけていました。

ファンタはスイカを食べるおばちゃまの口から目玉が覗いたような気がしてますますビビりまくるのでした。
そして一足先に入浴していたオシャレは背中に髪の毛が絡みついた気がし、薪割りをしていたクンフーは薪に襲われたのですが、例によってチョップで叩き落し、この怪異を気のせいだろうと一蹴していました。
それはそうとしてマックを殺害したのはおばちゃまだったようで、彼女はマックの手首らしきものをポリポリと食べ、どんどん元気になっていました。

その後、鏡を見ながらルージュを塗っていたオシャレは鏡に映る自分の顔がおばちゃまに変わって鏡が割れ、挙句の果てには自分の顔も鏡のように割れるという幻影を見せられます。
更にピアノを弾いていたメロディーが悲鳴を上げたのでクンフーとガリ(松原愛)が助けに駆け付けるも、ピアノに指を挟まれる気がしてビビっただけでした。
一方、皆がメロディーに注力する中、布団部屋を掃除していたスウィートは布団に襲われて潰され、更に下からのカメラアングルでパンツ丸見えという悲惨なことになります。
ようやく異変に気付いたファンタがクンフー達を呼んだ時にはスウィートは衣服と下着を残して布団の山の中に消えていました。

ファンタはビビりまくりだったので、ガリは「もうすぐお前の好きな東郷来るぞ」と励まし、ファンタは白馬の騎士的に東郷が現れる脳内ファンタジー映画を再生して落ち着きました。
そういえばオシャレがいないということになり、二階に上がった皆は鏡台のある部屋で放心状態になっていたオシャレを発見しました。
オシャレは様子がおかしかったのですが、例によって皆はあまり気にせず、マックとスウィートが行方不明と聞いたオシャレは「じゃあ駐在所に電話しましょう」と下の階で電話します。
電話が繋がらなかったので「駐在所まで行ってくる。家を一歩も出ちゃダメ」と告げ、オシャレは一人で屋敷を出たのですが、途端にドアと窓が閉じ、他のメンバーは家に閉じ込められてしまいました。

感想

これは普通です。軽く珍作だと思います。
話は単純なのですが、演出は切り貼り風で安く映像が何だか珍妙です。
消えたメンバーが妙に楽しそうにしてるのが特に笑いを誘い、所々で笑ってしまいます。
家が襲ってくる系の話なのですが、正確には家具が襲ってくるという内容で、襲われ方もシュールです。

登場人物が全て仇名というのも凄いと思われ、部外者の涼子まで仇名で呼んでるのがウケました。
またこの仇名が微妙にダサいという。
あと、この映画は主人公が全く活躍しません。
モブ寄りのキャラから消えて行き、ファンタがそれを騒いでクンフーかガリが解決に持ち込むというパターンが多いです。
仇名の通りにスウィートが一番女の子っぽい感じでしたが、クンフーがお色気担当みたいでショートパンツにタンクトップ姿です。

あとこの映画はやたらと猫や人形、おばちゃまの目が光るのですが、これがまた安いです。
もろにフィルムに描いたでしょ?って感じなのですが、タイミングがいいのかなんなのかわかりませんが、この目が光るシーンでちょっとウケます。
他にもピアノに食われるシーンやら照明の傘を被るシーンやら変なシーンが盛り沢山です。
背景も絵が多いので、撮影シーンとか想像すると笑ってしまいます。
カオスな展開も多く、理由もなくスイカ売りのおっさんが骨になったりします。
人物紹介で変な記録映像を皆で観たりと訳がわかりません。

正直、お話は面白くなかった気がしますが、変な展開と映像は面白かったです。
ヘンな映画が好きな人にはいいのではないでしょうか。

ラストまでのあらすじ

早速クンフーが雨戸をぶち破ろうとしたのですが、歯が立たず、ガリは「これは防犯システムに違いない!」と1970年とは思えないことを言い出します。
ということでおばちゃまを捜そうということになり、皆を和ませようとメロディーがピアノを弾き、ファンタもメロディーと一緒に残ります。
ガリ達は過去におばちゃまの父が診療室に使用していたという部屋でマックの手首らしきものを発見しました。
一方、メロディーは指、手首と次々にピアノの蓋に挟まれて食われ、終いには全身が飲み込まれてしまい、ファンタは飛んできたメロディーの腕を見て気絶します。

ガリ達はなぜか白無垢を着たオシャレを目撃したのですが、彼女は謎のドアをくぐって奥へと消えました。
そしてクンフーとガリは柱時計に閉じ込められて緑色の血を流すスウィートを発見し、「この家ヤバい」と階下に走り、気絶したファンタと合流しました。
ということで三人はさっさと屋敷から逃げ出す方法を模索することになったのですが、そこに大首のようになったオシャレの顔がババーンと出現しました。

オシャレは自分はおばちゃま世界を見てきたと語り、おばちゃまはもう死んでおり、家と同化して若い娘を取り込んでいるのだということです。
どうやらオシャレにはおばちゃまが憑依しているらしく、巨大な唇だけになったりと姿を変えながら「お前らもはよ食われろ」的なことを言い放つのでした。
そして皆をポルターガイスト現象が襲ったのでクンフーは「あたいが電話する」と部屋を飛び出して受話器を取ったのですが、コードが勝手に首に巻き付いて殺されそうになったので回し蹴りで電話機を破壊しました。
突如として突風に吹き飛ばされたクンフーは唐突に現れたオシャレとカンフーバトルを繰り広げます。

どうやらクンフーと戦っていたオシャレは化け猫化したシロだったようで、ガリはそれに気づいてぶっ飛ばされて戻って来たクンフーに「シロを倒すのよ!」とアドバイスします。
しかし壁に貼られた眼が光るシロの絵に跳び蹴りをかまそうとしたクンフーは昭和な照明の傘に飲み込まれ、そのままメロディー達がいる生首世界に連れ込まれました。
しかし執念のクンフーは脚だけを照明から飛ばし、壁のシロの絵をキックしました。
これによるどうにか偽オシャレは倒れたのですが、クンフーの脚は箪笥に飲み込まれてしまいました。

今度は壁のシロの絵が滅する際に吐いた大量の血が部屋に溢れて洪水のようになり、ガリとファンタは畳で漂流状態になりました。
一方、東郷は道中でラーメンを食べたりしつつ呑気に移動していたのですが、ようやく派臼家の付近に到着しました。
そしてスイカ売りのおっさんに道を尋ねた所、おっさんは「娘は全員食われた」と返答し、東郷にスイカは好きか?と聞いてきます。
東郷がバナナが好きだと返答するとおっさんはなぜか骨になってしまいました。

一方、屋敷ではとうとうガリが流れてきた蚊取り豚に手を噛まれ、そのまま血の池に引き込まれて消えていました。
唯一生き残ったファンタは畳で屋敷内を漂流し、オッパイ出した偽オシャレに抱きしめられていたのですが、その正体はおばちゃまでした。

その後、のこのこと涼子が屋敷の付近に現れたのですが、東郷は事故を起こしてバナナの山になっていました。
そして涼子は屋敷で着物を着て出入り口を解放しているオシャレと遭遇し、迎え入れられます。
やっぱり涼子も家に食われてしまい、今でもおばちゃまはオシャレの姿を借りて婚約者を待ち続けているのでした。

エンドロールで終了です。

それが愛とか言われても…

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