悪い駆け込み寺 引き裂かれた尼僧

女獄門帖 引き裂かれた尼僧

駆け込み寺に逃げ込んだらひどい目に遭う話

制作年 1977年
制作国 日本
監督 牧口雄二
脚本 志村正浩
原作 島守俊夫
上映時間 69分
出演
田島はるか
ひろみ摩耶
芹田かおり

だいたいのあらすじ

飯盛り女郎だったみの(田島はるか)は年期が明けて田舎に帰ろうとしていた所を女衒の弥田八(汐路章)と蛾次郎(佐藤蛾次郎)に捕まって土蔵に連れ込まれ、品川の宿場に自分が転売されたと告げられました。
常連客の沢吉(小林稔侍)によれば品川は地獄だそうで、みのは彼の手を借りて愁月院という駆け込み寺まで逃げることにしたのですが、沢吉はあっさりと捕まって弥田八達に殺害されます。
みのはどさくさに紛れて逃亡し、それ以来食うや食わずで愁月院を目指してひたすら街道を移動していました。
当然、弥田八と蛾次郎も追いかけて来ており、どこかの宿場町で見つかったみのは地蔵堂に隠れ、そこで薬売りの伊三郎(成瀬正孝)に匿われます。

その後、山中で樵の二人組にレイプされたりと散々な目に遭いながらも、みのはとうとう愁月院を発見してへたり込み、門の所で桂秀尼(折口亜矢)という尼僧に助け起こされます。
そして新しい着物を与えられ、院内を案内されたのですが、みのと同じような境遇であるかじ(ひろみ摩耶)、つな(芹田かおり)、とく(藤ひろ子)の三名が修行をしていました。
また、桂秀尼が托鉢中に助けたという小夜(佐藤美鈴)という無口な少女が住み込んでいました。

そしてみのは部屋を当てがわれて床に着いたのですが、桂秀尼は阿片のような物を吸っており、他の三人も何やら様子が怪しい感じでした。
その後、駆け落ちをして来たという絹(内村レナ)と嘉助のカップルが助けを求めに現れ、桂秀尼に部屋を貸してもらってお別れHをしていました。

翌朝、絹は嘉助が急にいなくなったと大騒ぎしており、桂秀尼は「朝早く出て行った」と告げたのですが納得していない様子でした。
話を聞いたみのはおかしいと感じ、自室でとくとレズプレイをしていたかじを問い詰めたのですが、「知らん」と彼女の飼っている蛇を大量にぶち撒けられます。
小夜が嘉助の煙草入れを持っていたので入手場所を訪ねると、寺の裏の方を指さしたので、みのと絹はそちらに走ります。
そこでは嘉助が傾奇者のような恰好をした作蔵(志賀勝)の手で解体されており、大鍋で煮込まれていました。
作蔵曰くこれは猪の肉だということなのですが、絹は絶叫して逃げ出し、首吊り自殺してしまいました。

みのは「お前らキチ〇イだ」と桂秀尼達を糾弾して飛び出したのですが、道中でまたまた樵にレイプされそうになったので愁月院に逃げ戻ります。
そして境内でレイプされそうになるのですが、樵の一人は槍で刺殺されてかじに首筋を噛み切られ、もう一人は桂秀尼の投げた数珠で首を絞められます。
桂秀尼達はみのに槍を渡して「殺せ!殺せ!」と煽り、みのはとうとう槍でもう一人の樵を殺害してしまい、お仲間になってしまいました。

その後、みのは桂秀尼に阿片を吸わされてラリラリになってしまい、オッパイ揉まれながらここのルール説明を受けます。
桂秀尼によれば哀れな女の魂を供養するために男を生贄にしているということなのですが、要するにこの寺院は男を引き摺り込んでは殺害して食べているという恐ろしい人肉寺院なのでした。
そして境内の壁に貼られた地獄絵の前でラリラリのレズプレイが始まってしまいました。
みのは普通のボリュームなのですが、桂秀尼はペタンコです。

その後、弥田八と蛾次郎は愁月院に現れ、女達に捕まってチン〇縛られたりして拷問を受けます。
そして門前をみのが掃き掃除していると伊三郎が「やあ!元気?俺足くじいちゃって」と現れたので、みのは「こんな所に来てはダメ!」と追い返そうとしました。
しかしそこに桂秀尼達は満面の笑みを浮かべて現れ「困ってる人を追い返しちゃダメだぞ」的に伊三郎を招き入れました。
みのはこっそり「ここに居たら殺されるから逃げて」と伊三郎に伝えたのですが、やはり笑い飛ばされてしまいます。

しかし時既に遅く、襖が赤い照明で照らされてバイオレンス映画風のBGMが流れ始めて処刑タイムが始まってしまいました。
そんなことは知らない伊三郎は小夜が運んできたご飯を食べようとし、みのは「やめて」と止め、小夜を追い返します。

感想

これは普通です。軽く珍作です。
飯盛り女郎が男に騙されて駆け込み寺に逃げ込んだのですが…という内容です。
タイトルからは完全にHなものを連想してしまうのですが、意外とスプラッターホラーでウケます。
てっきり刑罰ものなのかと思いきや、悪魔のいけにえとかあれ系です。
雰囲気系ではなくてスプラッター系で、グロは頑張ってます。

Hシーンもねっとりはしてますが、声とか普通なのでご近所の音漏れとか気にしなくて大丈夫そうです。
もちろん絡みシーンは多いのですが、1回が短くてしつこくも無いです。
絡みの多さから完全にポルノだと思われますが、意外とH系とホラー系のバランスがいい感じです。

この映画は女性が強い系で前半やられっぱなしですが、中盤位から男より女の方が強くなります。
伊三郎とはなんだったのか…樵とか世紀末でウケます。

みのの終盤の演技はなかなか良かったような気がします。
桂秀尼の人はなかなか動きがカッコよくて格闘シーンとか様になってたような気がしましたが、もしかして代役?

ヘンな映画だと思いますが、私は意外と楽しめました。

ラストまでのあらすじ

伊三郎はさっきご飯を食べようとしていた割には「安心しろ」と言いつつ十手を見せ、自分が代官所の隠密であると明かしました。
イマイチ説得力がないんですが、この人大丈夫でしょうか?作蔵の方が強そう
ということで桂秀尼は阿片を吸い、かじは謎の祈祷を行って真の殺戮タイムが始まろうとしていたのですが、みのは「抱いて!」と伊三郎に要求し、呑気にHしていました。
ポルノだから仕方ないと思います。

ということで完全に情が移ったみのは入浴中の桂秀尼に「あの人だけは許してください」と懇願したのですが、当然聞き入れられる筈もありませんでした。
そしてみのが部屋に戻ると伊三郎は既に頭部を切断され、首からは血が噴き出していました。
意外とスプラッターです。
みのは絶叫して台所に走り、水をゴクゴクと飲んだのですが、桶の中には十手を咥えた伊三郎の生首が入っていました。
そしてみのは伊三郎と寝たので皆からリンチを受けるのでした。
ここの演出はなんだか中川信夫監督の地獄に似てます。

ある日、つなの可愛がっていた猫が絞殺されていたので、これはかじの仕業に違いないと決めつけ、つなは仕返しにかじのペットの蛇を作蔵の大鍋に放り込んで煮込みます。
ということで内戦が勃発し、かじとつなはオッパイ放り出して揉み合いになり、かじはつなを崖から転落死させます。
これはみのの策略だったようで、その直後にみのが現れてかじを刺殺しました。
みのは桂秀尼に捕まって「この裏切り者!」とまたまたリンチされたのですが、みのは弥田八達が監禁されている土蔵に逃げ込みます。

みのは「自由にしてやるから桂秀尼殺せ」と弥田八に命じ、「あの女を地獄に突き落とすんだよー」と絶叫しました。
しかし蛾次郎は「怖いからヤダ」と逃げ出し、謎の祈祷をしていたとくの所に迷い込み、母乳を飲まされて死亡しました。
どういう母乳なのでしょうか?
その夜、みのは弥田八に斧で桂秀尼を殺害させたのですが、それは桂秀尼の衣装を着た作蔵でした。
これおかしいです。映像は完全に桂秀尼だったので顔隠すとかしないと…
そして物陰から現れた桂秀尼の奇襲を受け、弥田八は鎌をぶっ刺されて殺害されました。

ということで追い詰められたみのは護摩壇を利用して境内に火を放ち、とくは落ちてきた吊り天井に潰されて圧死します。
「おのれー」と鎌を手に迫る桂秀尼に斬り付けられながら、みのは桂秀尼の腹に鎌をぶっ刺して倒しました。
桂秀尼の人は身体能力高そうですが、アクション系の人なのでしょうか?動きもシャープです。
そして仏壇からは先代の即身仏ミイラが飛び出して来てバンザイポーズを取ったので、みのはビックリ仰天したのですが、ミイラはそのまま燃えてしまいました。
これなんだったんでしょう?ラスボスかと思ったんですが、軽くウケました。

みのの背後からは小夜が現れ、植木ばさみを何度も背中に突き刺してみのを殺害しました。
実は小夜はレイプされている桂秀尼を助けようとして男にナタを振り上げたこともあり、幼少の頃から感情を出さない殺人マシーンだったようです。
小夜は初潮が来て女になったようで、愁月院は焼け落ちます。
そして小夜は雪道の中を一人で宛ても無い旅に出るのでした。

終マークで終了です。

小夜が新たな愁月院を作るようです。
結末付近の流れを見る限りだと意外に深い内容だったのかな?と思いました。

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