鉄男
急に金属になってひどい目に遭う話
制作年 | 1989年 |
制作国 | 日本 |
監督 | 塚本晋也 |
脚本 | 塚本晋也 |
上映時間 | 67分 |
出演 |
田口トモロヲ |
塚本晋也 |
不二稿京 |
だいたいのあらすじ
自分の身体を機械化するのに憧れているらしい工員風のやつ(塚本晋也)が脚にボルトを埋め込んでいたのですが、やっぱり蛆が湧いて来たので叫び声を上げて通りに飛び出しました。
そこを通り掛かった車にやつは轢かれてしまいました。
平凡なサラリーマンの男(田口トモロヲ)が朝の髭剃りをしていると頬から金属片が髭のように飛び出ていました。
気になって触れると出血してしまったので絆創膏を貼り、彼女と行った野外セックスを回想しつつ恋人(藤原京)に電話しました。
恋人は「あの事を思い出すと興奮してヘンになっちゃう」的な発言をしていて様子がおかしいようでした。
男が出勤途中に駅のベンチに腰掛けていると、隣に座って読書していた眼鏡の女(叶岡伸)は金属が飛び出た奇怪な猫の死骸を目撃しました。
眼鏡女は死骸が気になったのか手を伸ばして触れてしまい、その瞬間に謎の機械世界にいる謎の男と交信してしまいました。
そして眼鏡女は右手から蛇腹やらボルト類が飛び出たようになり、額の血管がビキビキになって、男を睨みます。
男は眼鏡女から殺気を感じたのか恐ろしくなって駅の連絡通路を逃げ回ったのですが、捕まってボコボコにされました。
何とか駅を脱して修理工場に逃げ込み、男は死闘の末に眼鏡女にサバ折りをかまし、必殺パンチで顔を裂いて殺害しました。
どうやら謎の機械世界にいるのはやつのようで、眼鏡女は完全にやつに意識を奪われて乗っ取られていたようでした。
必殺パンチを繰り出した右手を確認すると、ボルト類が飛び出て金属化しているようでした。
男の踵から飛び出たボルトが突然噴射し、男は街中をローラースケートのように直立で滑ります。
そして男の意識は飛び、股間に水道の蛇腹ホースのような物を装着して機械女となった恋人にお尻を掘られて逆レイプされる幻覚を見ます。
意識を取り戻すと自宅の布団の中だったのですが、多少機械化が進んでいるようでした。
アパートには恋人が来ていたので激しくHするのですが、金属片の所為で彼女は痛がります。
その後、恋に食事を食べされるとが舌で金属音を奏でたので、混乱した男は恋人をきつく抱きしめ、興奮したのでまたHしようとしたのですが、勃起したチ〇コが回転ドリルになってしまい、男はキッチンに駆け込んでシクシク泣きます。
ウケました。
完全に場末のホステスという感じの恋人はドアの向こうから「どした?見してみい。大概のことでは驚かないから」と男に呼び掛けます。
しかしドアをこじ開けた恋人は顔からボルトやら針金やらが飛び出て金属化した男を見て悲鳴を上げ、男はドリルチン〇を振りかざして彼女に襲い掛か柄ります。
恋人は熱したフライパンを男の顔に押し付けたり、太ももを包丁でブスブス刺したりして抵抗したのですが、男はコンセントで感電しつつも彼女を殺そうと迫ります。
恋人はとうとう男の生身部分である首に深々と包丁を叩き込み、男はバッタリと倒れてドリルチ〇コも停止しました。
しかし恋人はやつに操られたのか上級者だったのか男に愛おしそうにすり寄り、跨ってしまったので、再び回転し始めたドリル〇ンコに股間を抉られて血を噴き出して死亡しました。
そして機械世界にいるやつはその様子を見て楽しそうに爆笑していました。
どうやらやつは事故後に医師(六平直政)の診察を受けたようで、医師は「芸術的な刺さり方してるから、抜いたら死ぬね」と断言していました。
そしてその事を思い出して苦悩するやつでした。
ますます全身の金属化が進んで身体が金属に覆われて肥大し始めた男は恋人の遺体にボルト等を着けて、口から燃料補給等していたのですが、彼女は生き返るはずもありませんでした。
そこに電話が鳴ったので出てみるとやつからで「お前のことは知ってる。逃げられないぞー」と罵られました。
感想
これはなかなか面白いです。モノクロ映画です。
お話は何が何やらという感じで復讐なんだなという大筋くらいしか理解できませんでした。
そしてやつがなんで金属マニアなのかという点もよくわからず。
やつがどうしてああなったのかも不明で、その辺はスッキリしませんでした。
この作品は音と映像のシャワーのような謎のパワーを感じる演出が凄いと思います。
クレイアニメのように針金が巻かれていく謎映像や街中を駆け巡るシーンはそれだけで面白く見る価値あるかなという気がします。
やつのキャラクターも素直に面白くて主人公の恋人がド淫乱だったりしてウケます。
ヘンな台詞回しもなかなかの面白さです。
これモノクロなのが功を奏しているのかなかなか怖いのです。
演出はコミカルな感じなのですが、眼鏡女とか意外と怖いです。
金属化した人間のビジュアルもなかなかのものがありました。
バイクのエンジンを連想させるものに針金やらボルトやらを差し込んだ感じです。
金属の塊なのですが、映像の所為かマシンって感じでスピード感があります。
付近の工場っぽい風景もなんだか作品の世界にマッチしているような気がします。
ニューワールドとかいう謎世界も凄く丁寧に作りこまれている印象です。
ラストまでのあらすじ
切れた電話を前にした男はやつの意識が紛れ込んだのか、あることを回想しました。
やつを撥ねたのは男であり、その時に男は脇見をしていたようでした。
恋人が降りてくる際にパンツ履いてたみたいなので車内でHなことしながら運転していた模様
そして男と恋人は後部座席にやつを乗せてまだ意識のあった彼を山中に遺棄し、あろうことかその場でHしていたのでした。
これはやつでなくてもキレます。
どうやらやつは触れた物を金属化する能力を得たようで、直接対決しようと道路を高速移動して男のアパート付近に現れました。
そして水道管を通じて男のアパート内の物や猫をどんどん金属化してしまいます。
やがて金属化した恋人もゾンビのように復活し、襲い掛かって来たのですが、彼女はドロドロに溶けてから再形成され、その中からやつが現れました。
そしてやつは自分が居た機械世界「ニューワールド」という剥き出しの金属がビルのように立ち並ぶ謎世界を見せました。
やつは念動力のような物で男をアパートの外に吹き飛ばし、「さあ来い!」と挑発しながら滑るように高速移動しては男をぶっ飛ばします。
男は踵のロケット噴射でやつから逃れようとし、二人は下町風の路地をすごい勢いで駆け抜けます。
そこに謎のホームレス(石橋蓮司)が割って入り、ホームレスはやつから男を自分の居る鉄工所に移動させ、男に襲い掛かります。
なぜかホームレスはやつの妨害をしているようで、男が殴られて吹っ飛ぶとやつも倒れました。
完全に金属化しつつあった男はホームレスが消えたので一息入れたのですが、間もなくやつが現れて鉄工所の機械を自由に操り始めます。
男は鉄工所の機械に取り込まれて巨大オブジェのようになり、完全に身動きが取れなくなりました。
やつは左手をサイコガンのような火炎放射器に変え、男に突撃しました。
男は金属を伸ばしてやつを捕らえ、ドリルチ〇コを刺してからやつを取り込みました。
やつは蛇のような肉塊になって男の身体をぶち破って脱出したりするのですが、やはり惹き付けられて戻ってしまいます。
どうやらニューワールドでも二人の片手はしっかりと結ばれているようで、やつは諦めたのか静寂が訪れました。
二人は男の上に自由の女神のように銃を構えたやつが載る巨大オブジェになっていました。
やつは「こうなったら世界中を金属にして、錆び腐らせてやる」的に宣言し、男も賛同しました。
そしてやつの「やりまくるぜー」という叫びを合図に二人は町を超高速で駆け抜け、片っ端から周囲を金属化するのでした。
エンドロールで終了です。
ウケました。
恐らくリアルでの奴は病院で植物人間か何かになってて、現実世界に干渉する能力を得たのかなあと解釈しました。
最後にGAME OVERって文字が出ました。