サランドラ
砂漠行ったらひどい目に遭う話
制作年 | 1977年 |
制作国 | アメリカ |
監督 | ウェス・クレイヴン |
脚本 | ウェス・クレイヴン |
上映時間 | 90分 |
出演 |
スーザン・レイニア |
ロバート・ヒューストン |
マーティン・スピアー |
だいたいのあらすじ
これのリメイク元です。
荒野でGSを営むフレッド(ジョン・スティードマン)はここを引き払って出て行こうとしていたのですが、キャンピングカーに乗った一家が立ち寄ったので燃料を補充し、「くれぐれも国道を離れるな」と念押ししました。
一家はLAを目指していたのですが、地図が分からずに軍の核実験場の付近に迷い込んでいました。
そこで車の前に飛び出して来たウサギを避けようとしてハンドル操作を誤り、道路脇の荒れ地に突っ込んでしまいます。
車のシャフトが折れてしまったので立ち往生している一家の様子を付近の丘の上から双眼鏡で見ている連中がいました。
ひとまず徒歩で進むことになり、元警官のパパ・ボブ(ラス・グリーブ)がスタンドに戻り、娘婿のダグ(マーティン・スピアー)が反対方向に進むことになりました。
この一家にはビューティーとビーストというシェパードを飼っているのですが、ビューティーは突然外に飛び出して崖を登り始めたので長男のボビー(ロバート・ヒューストン)がそれを追いました。
ビューティーは何者かの手で崖の上で斬殺され、ボビーも何かの唸り声を聞いて逃げる途中、足を滑らせて気絶しました。
すっかり暗くなって寒くなってきたので残った女性三名は焚火をして凌いでいたのですが、ボビーが戻らないのでブレンダ(スーザン・レイニア)がビーストを連れて捜しに出ます。
ボビーは無事だったのですが、何も話そうとはせずそのままトレーラー部に入りました。
一方、ボブはフレッドのスタンドに到着したのですが、彼はなぜかいきなり発砲してから首吊り自殺をしようとしていました。
ボブが助け起こして事情を聞いてみると、フレッドは「俺の女房はとんでもない怪物を産んだ。そいつは家に放火したので鉄棒で殴りつけて砂漠に捨てた。そいつらは今、砂漠で繁殖して恐ろしい一家になっている」と話しました。
その直後、フレッドは大男に捕まって窓の外に引きずり出され、トイレでバールを胸に刺されて死亡していました。
ボブは急いでトレーラーに戻ることにしたのですが、道中で大男に倒されて捕まってしまいました。
トレーラーにはダグが戻り、8㎞位先に廃物ばかりの凄い場所あったけど道は無かったよと皆に報告しました。
ダグは車の荷台でリン(ディー・ウォレス)とHし始めるのですが、密かにトレーラー周辺には怪しい連中が集まっており、怪しげな風貌のプルートー(マイケル・ベリーマン)が車からガソリンを抜いていました。
そしてボビーが犬の声に誘われて外に出たので、トレーラーには入れ替わりにプルートーが入りこみ、施錠していました。
閉め出されたボビーは仕方なく車をノックし、ダグ達に顰蹙を買いながらも、とうとうビューティーが殺されていた件を打ち明けます。
ダグ達は真剣になって周囲を警戒することにしたのですが、その矢先に付近の荒れ地で爆発音が響き、ボブの「助けてくれー」的な悲鳴が上がりました。
夫のピンチ!とトレーラーからはエセル(ヴァージニア・ヴィンセント)が飛び出し、ダグ夫妻とボビーもそれを追います。
その間に一味のマーズ(ランス・ゴードン)もトレーラーに侵入しました。
ボブは磔にされて焼かれており、ダグが消火器で火を消して助け出したのですが、その間トレーラー内ではマーズがブレンダに襲い掛かっていました。
残念ながらボブは死亡してしまい、エセルは発狂したのでリンに連れ戻されます。
一方、マーズ達はダグとリンの赤ちゃんケイティーを連れ去り、抵抗するリンを射殺し、エセルにも発砲して重症を負わせます。
ダグ達が駆け付けた時には一味は逃げだしており、ケイティーを奪われたダグは憤ります。
感想
これは普通です。
砂漠に殺人鬼一家が潜んでます的な内容なのですが、この一家がソニー・ビーン一家のような人肉ファミリーだという。
あえて人肉を入れてくる辺りに監督の趣味を感じるのですが、それっぽいシーンがあまり無いので説得力が薄いです。
従ってあまり怖くなくて中途半端な印象です。
後追いなので当たり前ですが、ミュータント系としてはクライモリ系の方が怖いし、殺人鬼映画としても割と地味です。
前半はホラー系の得体の知れなさを強調している割にはバイオレンス系に向かうので、ややちぐはぐな印象です。
この一家の正体もフレッドが語るだけでイマイチ明らかにされず、何をしてるか不明です。
フレッドは一味の手助けをして金品を得ているようなのですが、嫌気がさしたので脱走しようとしていたようで、ルビーもそれについて行こうとしてたみたいです。(これは冒頭でなんかやってました。)
また、描写が一切なかったのですが、付近には犠牲者の廃棄場みたいなのがあることがダグの台詞からわかります。
超低予算だったのか、この辺の描写が無いのが説得力に欠けていて残念です。
あと、フレッドはジュピターのことを化け物呼ばわりしてましたが、言うほど強く見えないです。
結構、間抜けな面もあったりするので、この辺りがイマイチ怖くない理由なのかも。
ただ、相手は超平凡そうな一家なので強すぎてもいけないのかもしれません。
この辺りのバランスが難しいですよね。
その反面で後半の罠のアイディア等は素直に面白く、工夫を凝らしてる感じでした。
私、クレイブン作品ってどうも後半失速するパターンが多いのかな?と勝手に思ってるんですけど、この映画はクライマックス付近が盛り上がります。
あと何と言っても犬が凄く利口で、敵を隠れてやり過ごしたりと間を取った演技ができてるのにびっくりです。
マーキュリーの人はこの映画ですっかり有名になりましたね。
暇つぶしにはなるのではないでしょうか。
ラストまでのあらすじ
家を飛び出していたビーストはパートナーであるビューティーの無残な死骸を目撃し、復讐を決意していました。
ビーストは高台からマーズ達がマーキュリー(ピーター・ロック)と無線連絡しつつ、ケイティーを連れ去る様子を目撃しました。
怒りのビーストは孤立していたマーキュリーに飛び掛かり、崖下に転落死させました。
一方、マーズ達はパパ・ジュピター(ジェームズ・ウィットワース)とママ、ルビー(ジェイナス・ブライス)が待つ洞窟に戻り、皆でケイティーを食べようとしていました。
ダグ達は食料と弾を奪われ、エセルはカミーユ化、ブレンダはPTSDでパニックと打つ手なしの状態でした。
そこに利口なビーストが無線を咥えて戻って来たので、ダグ達は無線の内容を聞いて敵の人数等を把握しました。
連中はマーキュリーが殺されたことを知り、ボブの肉を食いながら「お前の家族を全員殺してやる!」と憤っていました。
翌朝、ダグはビーストと共に荒れ地を走り、トレーラーに向かってきたジュピターとプルートーを監視していました。
トレーラーではエセルが死亡してしまい、ボビーが無線で救援を呼びました。
間もなく空軍が無線を傍受して応答したのでボビーは現在の状況を細かく知らせたのですが、相手は空軍に成り済ましたプルートーであり、残り弾薬等を知られることになってしまいました。
ダグは無線の周波数を切り替えてボビーに敵の接近を知らせ、ビーストに攻撃指示しました。
一方、ボビー達は正気に戻ったブレンダのアイディアで何やら連中を迎え撃つ準備を始めました。
ビーストは隙を見てプルートーに襲い掛かり、アキレス腱を損傷させて逃げ去ります。
怒りのジュピターはマーズに無線で「赤ん坊を殺せ!」と指示します。
マーズはケイティーを殺そうとしたのですが、残虐行為にウンザリしているルビーが豚とすり替えていました。
ダグはケイティーを抱っこして走るルビーに近づき、ケイティーを受け取りました。
その後、ビーストはまともに歩けなくなって孤立していたプルートーに襲い掛かり、喉笛を噛み千切って殺害しました。
トレーラーではブレンダ達がエルサの死体の側にワイヤーの罠を張ってジュピターを待ち受けていました。
上手いこと両脚をわっかでくくり、エンジンで巻き上げる罠にはめたのですが、エンストしてしまい、ジュピターはこちらに向かって来ます。
ブレンダ達は更にトレーラー内をガス漏れさせてドアを開けるとマッチが擦れる罠を準備しており、トレーラーに逃げ込んだ振りをして裏から脱出しました。
間もなくトレーラーが爆発したので念のためボビーが確認しに行くと、罠を察知して回避したジュピターが襲い掛かって来ました。
ブレンダは絶叫しながらジュピターに斧を叩き込み、ボビーが発砲するとジュピターは倒れて動かなくなりました。
ダグはルビーにケイティを預け、追いかけてきたマーズを撃退しようと奮戦しました。
逆に岩の下に追い詰められてしまったダグでしたが、ルビーが助けに来たので命拾いし、ケイティを巡って揉み合いになります。
そしてルビーが捕らえたガラガラヘビをマーズの首に押し当てて噛ませたので、とうとうダグはマーズを抹殺しました。
The Endマークの後にエンドロールで終了です。
後半の罠とかよく考えてありますよね。