美女と液体人間
ロッカー破ったらひどい目に遭う話
制作年 | 1958年 |
制作国 | 日本 |
監督 | 本多猪四郎 |
脚本 | 木村武 |
原作 | 海上日出男 |
上映時間 | 86分 |
出演 |
白川由美 |
佐原健二 |
平田昭彦 |
だいたいのあらすじ
南太平洋で操業中の第二竜神丸という漁船が核実験に巻き込まれて被ばくしていました。
東京の第一銀行の前で車を停めていた怪しい運転手・内田(佐藤允)がクラクションを鳴らすと、間もなく道路の通気口を開けてバッグを持った男が現れました。
バッグ男は車のトランクにバッグを入れようとしていたのですが、突然苦しみ出して発砲したので内田は逃走し、直後にバッグ男は服を残して消え去りました。
犯人は駅のロッカーを破り、中に入っていた麻薬を盗み出していたのですが、警視庁の富永(平田昭彦)は部下の宮下(小沢栄太郎)に命じて金(中村哲)という麻薬バイヤーの身柄を押さえます。
金の証言で犯人が三崎(伊藤久哉)であると知った警察は彼の家に踏み込み、愛人の新井千加子(白川由美)を連行して事情を聞きます。
彼女はキャバレーの歌手をしているそうで、現場の遺留品を見て三崎の物に間違いないと証言しました。
刑事の田口(土屋嘉男)と坂田(田島義文)は千加子のキャバレーで張り込みを行うことにし、早速彼女に「三崎君の件でお話しがしたい」というメモを渡していた男(佐原健二)の身柄を拘束しました。
このメモ男の正体は城東大学助教授の政田であり、富永の友人でもありました。
彼は三崎が放射能の影響で溶けたのではないかと考えており、研究のために千加子に近づいたのだそうで、事件には首を突っ込まないことを条件に釈放されました。
その夜、千加子は自宅に侵入していたギャングに襲われて三崎に居場所を問い詰められるのですが、知らないので答えようがありませんでした。
ギャングは諦めて窓から脱出したのですが、直後に発砲音が響き、服を残して消えていました。
またまた政田は警察に顔を出したので、仕方なく富永は取り調べに呼び出されていた千加子と面会させてやりました。
三崎には猟師の経験はないそうで政田は当てが外れたようでしたが、昨夜もギャングが消えたと聞いて富永達を「人が消える事例がある」と連れ出しました。
政田は病院で第二竜神丸の船員が溶けて液体化しており、仲間の一人も液体を浴びて溶けたという証言を富永達に聞かせます。
更に政田は放射線を浴びせるとヒキガエルが溶けるという実験を見せたのですが、富永は事件との関連性は認めませんでした。
この装置自体がヤバそうです。
警察では二番目に消えた男の残した拳銃から花田組が怪しいと踏んでおり、千加子に写真を確認させて消えたのは西山(藤尾純)であると突き止めます。
西山の家に踏み込んだ宮下達はそこに男の遺体を発見しました。
一方、政田は深川で第二竜神丸の究明浮き輪を拾い研究所へ持ち込んでいたのですが、助手(白石奈緒美)から千加子が訪ねてきたと知らされます。
政田の研究室では警察とギャングの両方から狙われている千加子に同情的だったので、千加子は「人が溶けるのであれば世間に公表して」と訴えるのでした。
政田は上司の真木博士(千田是也)と話し合い、千加子と共に警視庁を訪ねて富永に「今回の事件は第二竜神丸と関係していると我々の見解を発表する」と知らせました。
そして千加子は最近キャバレーのボーイ島崎(桐野洋雄)が怪しい連中と付き合っていると富永に知らせました。
感想
これは普通です。
犯罪者がどんどん溶けて困ったワンという内容です。
前半はクライム系のホラー映画っぽいのですが、後半はパニック映画っぽくなります。
お話は放射能万能節な内容なのでかなり荒唐無稽です。
ごちゃごちゃした感じの展開を強引に大団円に持ち込んでいるゴリゴリ映画でもあり、軽く反核とかそういうのもテーマになっている模様です。
流石に大昔の映画なので特撮とかショボいですけど意外と雰囲気良くて怖かったりします。
美女と液体人間というタイトルにも偽りなく美女出てきます!
内容がアレな所為でやや薄めですが、後半とか千加子に液体人間が迫るシーンは緊迫感あります。
ゴケミドロとか血を吸うシリーズが私には合わなくて期待外れだったのでこれもガッカリ系かと思いきや意外と楽しめました。
短いのでサクッと観られたし。
ラストまでのあらすじ
警察は千加子の勤務するキャバレー「ホムラ」の一斉摘発に乗り出し、客を装った富永達は出入口を固めてギャング関係者が出て来た所で次々に身柄確保して連行していました。
一方、どこかの港にはゼリー状の液体人間?が次々に上陸していました。
島田は摘発に気付いて窓から逃走しようとしていたのですが、窓から侵入した液体人間に襲われて溶けていました。
古い特撮なのでショボいですが、意外と怖いです。
それはそうと液体化すると悪人になってしまうんでしょうか?
液体人間は従業員女性に襲い掛かって溶かし、千加子の控室にも現れました。
千加子は急いで電話室と書かれた部屋に飛び込み、政田に液体人間が現れたと知らせました。
ホムラ店内を見回っていた坂田も田口と共に液体人間を発見して発砲したのですが、相手は液体なので拳銃は通用せず、坂田は液体人間に溶かされます。
尚、島崎に接触していた内田は服を脱ぎ捨てて隠れてから逃げ出し、液体人間は引き揚げて行きました。
真木のその後の研究で液化したヒキガエルは他のヒキガエルを溶かすということが判明したので、第二竜神丸の船員が液体人間になって人を襲っているのだと発表しました。
また、内田が逃走したことを政田は突き止めていたのですが、警察では液体人間をガソリンで焼き払う作戦を優先させました。
交流を深める内に政田と千加子は互いに心を寄せるようになっていたのですが、千加子は内田に車で拉致されてしまい、政田の追跡も空しく取り逃がしてしまいました。
車のシーンはヒッチコック映画みたいな合成です。
一方、警察は下水道で液体人間壊滅作戦を開始し、内田も千加子を連れて下水道で麻薬を回収していました。
内田は以前から千加子に好意を寄せていたので、俺と一緒に逃げろと彼女を脅すのでした。
そして政田も流れてきた服から千加子が下水道にいると気付き、下水道に突入しました。
いよいよ作戦が開始されてしまったので政田が下水道に突入するのを目撃していた富永も防火服を着てマンホールから下水道に突入しました。
一方、内田は液体人間に溶かされたのですが、政田は液体人間に追われる千加子を発見して救出しました。
そして富永も政田達と合流し、火炎放射とガソリンの炎により液体人間は焼かれました。
千加子は無事に救急車に収容され、地下水から流れた炎は墨田川を流れ、東京の空を赤く染めました。
真木は液体人間の壊滅を発表し、平和は戻りました。
もし地球が死の灰で全滅するのであれば、地球を支配するのは液体人間かもしれません。
終マークで終了です。
後半の展開が完全に怪獣映画でした。