怪怪怪怪物!
ボランティアしてたらひどい目に遭う話
制作年 | 2017年 |
制作国 | 台湾 |
監督 | ギデンズ・コー |
脚本 | ギデンズ・コー |
上映時間 | 112分 |
出演 |
トン・ユィカイ |
ケント・ツァイ |
チェン・ペイチー |
だいたいのあらすじ
ホームレスのおじさんが行き場を求めて彷徨い、なんとか人の居ない廃屋を発見して一服していました。
おじさんは天井から伸びた手に頭を掴まれて吊り下げられ、そこにもう一体の何かが飛び掛かります。
この二体はギザギザの歯をした母娘の食人族のような人達?でおじさんはその場で食われたのですが、ママ(ユージニー・リュー)は娘に「ここおいしいいよ」的におじさんの内臓を差し出すのでした。
そしてお食事タイムが終わったので、二人は大小の段ボールに入り、蓋をぴっちり絞めて睡眠タイムとなりました。
これ姉妹でした。姉さん意外と美人でウケます。
優等生のリン・シューウイ(トン・ユィカイ)はいじめっ子グループに目を付けられてクラス費を盗んだと捏造され、担任教師(キャロリン・チェン)まで一緒になって彼を教室の前に立たせて糾弾します。
シューウイは靴の中にお金を隠したのではないかと囃し立てられ、皆の前で靴を脱がされ、更に「服の中に隠してんじゃねえの」と囃し立てられました。
挙句の果てにクラスのメッセンジャーグループから村八分にされ、いじめっ子グループに脱落しました。
シューウイは学校のプールをたまり場にしているいじめっ子グループのレンハオ(ケント・ツァイ)達4名に「お前らがお金盗んだんだろ」と怒鳴り込みに行ったのですが、レンハオの彼女(ボニー・リャン)に胸を揉まされて撮影され「痴漢の証拠写真」と脅されます。
更に「俺幽霊見たいから、お前死んで幽霊になってくんない」と目にダーツを刺されそうになります。
シューウイは一部始終を録音していたので担任教師にタレ込むのですが、事なかれ主義の彼女は「人間関係を学びなさい」とか「君の言い分だけじゃ分からない」等と取り合わず、仲良くするチャンスをあげるけどどうする?的なことを言い出すのでした。
なお、既にシューウイがオッパイ触ってる写真はポスター風に加工されて校内に貼られている模様です。
オッパイ星人的な(摸女乃侠 MO MO MANN)の文字となぜか日本語で「一番大好き」、「おくめん」、「嬉しい」とか書いてます。
彼女の目に黒線が行ってるのと胸触ってる手を吹き出しでアップにしてるのウケます。
担任はHRの時間に「シューウイに反省させるためにボランティアをさせることにした」と言い出し、レンハオ、グォフォン(ジェームス・ライ)、ウェイジュー(メン・タオ)のお三人のいじめっ子に同行するように命じました。
4人は認知症の老人の面倒を見るように指示されたのですが、レンハオ達がまともに対応するはずも無く、完全に老人をおもちゃにし、シューウイも最初は止めたものの楽しそうに参加します。
その後、元軍人だという老人の部屋で厳重に鎖に封印された箱を発見したので、「これはお宝に違いない」とこじ開ける算段を始めます。
そこで深夜2時に道具を持って集まり、老人の部屋に侵入することになりました。
ということで部屋に忍び込んだ4人はまんまと箱をゲットして引き揚げます。
その帰り道に施設の廊下で食人族妹に迫られたので、一行はヒャーと外に逃げ出します。
妹は先回りして襲おうとしたらしく外に出ていたのですが、そこを通りがかった車に轢かれて気絶していました。
シューウイ達は「なんだあれ?どうしよう」と相談していたのですが、妹が息を吹き返して襲って来たので、レンハオが反射的にスコップでKOし、そのまま妹を学校プールに拉致しました。
その後、妹はヘンなブリッジみたいな体勢で起き上がり、首を180度回して全身をバキバキ鳴らして復活しました。
妹は壁を自在に這いまわってウガウガとシューウイ達を威嚇していたのですが、どうやら光が弱点のようだったので、段ボールに逃げ込んだ所を捕獲しました。
レンハオは彼女も連れてきて「怪物捕まえたんだぜ」と拘束した妹を見せ歯を熱したペンチで抜きました。
そして金属のプレートを口に付けドライバーで固定しました。
直接的なシーンはないのですが、悲惨です。
その頃、食人姉は血眼になって妹を捜していたのですが、なぜか元軍人老人に斬り付けられて窓から飛び出し、路上へ落下していました。
その後、聖水や十字架、お経などで妹の弱点を探ったのですが、どうも吸血鬼でもキョンシーでも無さそうでした。
血液も人間と異なって赤血球が無く、卵のような物が見えたのですが、この血液は日光に非常に弱いようで日に当てると瞬時に蒸発していました。
シューウイは妹は元は人間だったのではないかと考えて行方不明者リストを眺めていたのですが、その中に降頭師の一家が斬殺されたという気になる記事がありました。
降頭師というのは蟲を使って殺人を行う人のことで、その蟲は女性の体内で育ち血液内に散乱するようで、月経時に卵が排出されるそうです。
シューウイはその記事で女性の二人組の写真を発見し、どうも食人妹に似ているなあと感じました。
その後、シューウイは記事の写真を見せて「これは人間だから虐待止めろ」とレンハオに告げたのですが、彼が聞き入れるはずもありませんでした。
それはそうとしてこのままでは飢え死にしてしまうだろうという話になり、シューウイの血を採って与えることになりました。
そしてレンハオ達は食人妹に注射器で血液を浴びせたり、鳥籠を頭に被せたりして玩具にしてから引き上げました。
シューウイは一人残り、点滴のようにチューブを血管に刺して妹に吸わせてやり、「逃がしたら殺されるから解放できないが、助けてやる」と話しかけていました。
ある日、シューウイが教室でいじめに遭うとレンハオは「俺たちの玩具を虐めるな」張りにその男子をボコボコにして入院させました。
保護者が怒鳴り込んできたのですが、担任はレンハオを責めずに変な題目を唱えさせ、題目を真面目に唱えないとキレるという謎の対応をしていました。
更に担任は「レンハオの父はヤク中で強盗を犯して刑務所入りだが、母親は娼婦なので本当の父かどうかも怪しい。こいつはしつけを受けてないので許して欲しい」と保護者に打ち明けました。
そしてレンハオはその怒りをふつけるように食人妹をバットで激しく殴りつけるのでした。
環境の所為にしても…
食人妹から流れ出した血を見たレンハオは担任にこの血を飲ませてやろうと思いつき、早速シューウイ達を呼びつけて職員室に潜入しました。
そして担任のドリンクボトルに一人一人血を入れさせて共犯にしました。
担任はドリンクを呑んでしまい、体育の時間に体育館で具合が悪くなって大量に下血してしまいます。
その様子を眺めていたレンハオは「やったね!」と大喜びで近くで見たいという理由で担任に駆け寄って肩を貸します。
やがて担任は日光に当たって発火してしまい焼死したのですが、レンハオはその様子を見て拍手喝采して喜び、体育館にいた生徒たちも同様に写真を撮ったりしてふざけていました。
尚、この様子はTVニュースにも流れることになったので食人姉が警備員を食らいながらガン見し、妹の消息の手掛かりを得ました。
レンハオはこれを利用して「気に入らない奴には血を飲ませる」宣言したので、シューウイは自分も飲まされるのではないかと怯えるようになります。
それを見てレンハオはキレ、レンハオ彼女は「いつも見ててイライラする。正義面してるのに何もできない臆病者」と罵りました。
シューウイは知的障碍者がレジをしている店に行って当たり散らし、ストレスを解消します。
レンハオが食人娘をサンドバッグにしてるのと変わらないですね。
一方、食人姉は実力行使を始めており、哀しみの叫びを上げる彼女により、シューウイの高校に通う男子が次々に夜の町で殺害されました。
ある晩、とうとう食人姉はスクールバスに乗り込み、運転手を殺害してバスの中を見回し「いも…うと…」と嘆きながら悲しい顔で見回します
この辺から結末まで血の海展開が多めです。
バスの中には血の海が降り注ぎ、レンハオ彼女はこの期に及んでもバス内で食人姉の撮影をしていたのですが、妹から抜いた歯をブレスレットにしていたので、姉の悲しみは怒りへと変わり、彼女も虐殺されました。
この逆さまになった姉がレンハオ彼女と向かい合ってるシーンは凄くいいと思います。
BGMにMyWayが流れてるんですが、これは彼女と姉どっちを現してるんでしょうか。
レンハオは虐殺現場に遺された彼女のヘッドフォンを拾い上げて涙を流し、食人妹の歯を抜きまくって虐待することで報復しました。
どうやら歯は何度も生えてくるようで、今までにも抜きまくってたようです。
感想
これはなかなか面白いです。
描写はコミカルなのですが、虐めをテーマにしているのでちょっと重いです。
割と台湾の虐めは日本のものに近い感じで陰湿で、担任が見て見ぬふりをしてるのも似てます。
教師も含めて殆ど大人不在の話になっててちょっと悪いことを覚え始めた高校生だけの残酷な世界のようです。
なので映画の中では怪物が暴れても警察等が介入することは無く、ニュースキャスターと教師位しか出てこないです。
更に教師も大人という感じではなく、完全に子供だけの悪ノリ世界になってます。
そんな風に考えて観ないと冒頭付近のボランティアシーンで挫折してしまうと思います。
完全に10代世界にしてしまうとカオスなので、若干シューウイを引かせてるように感じました。
いつも虐待されている食人妹が可哀想なのですが、演出はカラッと明るいです。
これは恐らくシューウイがレンハオ一味になってしまう点もあるみたいです。
シューウイはレンハオ達と一緒に行動するようになってから友情すら感じていたようで、大人から見るとアホらしいのですが、確かに10代の頃ってそういうことあるかも。
それぞれの家庭は複雑な事情でもあるのかシューウイもなぜか夕食はコンビニのイートインです。
食人姉妹のお食事シーンとかはあるのですが、血の量は控えめなのかなあと感じていました。
でも後半のバスのシーンから血の海シーンが多くなります。
どうもこの食人姉妹は蠱毒を使う一族の娘か何かで、蠱毒の材料を作るためにあの身体になったようです。
それでなぜ壁や天井を這えるのか、なぜ超怪力なのかという疑問点は多いですが突っ込んではいけないようです。
姉妹揃ってボロボロの服を着ており、外道監督みたいな風貌なのですが、笑顔がちょっと可愛くてウケます。
この人達はなんだかんだで動きが表情が面白くて、姉の妹を捜す際の悲しそうな表情もなかなかです。
観ているこちらも姉妹を応援したくなってしまい複雑な気分です。
全然話変わるんですけど、台湾と言えば先日カルディで台湾フライドチキンの素買ったんですけど凄く美味しかったです。
恐らく叩いてジーパイにするのが正解っぽいのですが、私は面倒くさいので胸肉を一口大に切って軽く叩いて一晩漬けといて揚げました。
一晩だとしょっぱいかな?って思ったんですが、おつまみに丁度良かったです。
この素はリピートしたいと思いました。
ラストまでのあらすじ
レンハオの虐待に呼応するように、食人姉はとうとう学校に殴り込み、教室で狂ったように生徒を虐殺します。
それでも人間の情は僅かに残っているのか抱き合って震えている姉妹のような女子二名は見逃してやりましたが、姉はいつまで経っても妹が見つからないことにかなり憤っているようでした。
レンハオは仲間三人に協力させ、プールの出入口を1箇所以外封鎖して食人姉が来たら返り討ちにする準備を始めます。
妹の場所まで誘い出して袋のネズミにし、スプリンクラーでガソリンを浴びせて火だるまにするという作戦で、リハーサルを行って準備万端で待ち受けます。
シューウイはドアを閉める役で危険が大きいので異議を申し立てたのですが、多数決の結果訴えは退けられました。
そしてシューウイはどんどんエスカレートするレンハオにはついて行けず、作戦決行の際には逃がしてやると食人妹に告げました。
とある夜にいよいよ作戦を決行することになり、軍人老人の部屋に妹を虐待した際のテープを仕込み、町中に誘導用の矢印を書いて回りました。
老人はなぜか食人姉に斬り付けた姿のまま死んでます。
あと15分で夜明けというタイミングでようやく食人姉が現れて妹に呼び掛けたので、シューウイはレンハオ達を裏切って妹へ続くドアに飛び込んでしまいました。
姉は鼻が利くのかタンクに隠れていたグォフォンを血祭りに上げ、レンハオとウェイジューは完全に逃げ場を失います。
ドアを開けろと叫ぶレンハオに「お前はいつでも気分次第で俺を殺せるが、俺がお前を殺すチャンスは今しかない」とシューウイはドアの向こうから叫びます。
間もなくレンハオ達は抹殺され、シューウイは妹の所に走り、「僕は味方したから殺さないように説得してくれ」と懇願しました。
そして姉が飛び込んできて襲ってきたので「僕は善人だ」と主張しました。
姉は鎖で縛られた妹を見て完全に逆上していたので、シューウイは「ごめん」と言ってから窓の板を剥がして妹に朝日を当てます。
取り乱した姉は妹に走り寄り、物凄い力で鎖を引き千切り始めるのですが、とうとう指が燃え始めて折れ、二人は抱き合って絶望の叫びをあげた後に燃え上がりました。
姉は外道監督みたいな顔になってます。
食人姉妹が灰になったのを見届けたシューウイはフラフラと町に出て泣きました。
しかしレンハオ達が死んでも一度いじめられっ子になってしまったシューウイは今度はクラス中から虐められたので、給食の寸胴に食人妹の血を混ぜました。
その際にいつも虐められている女子の食器はわざとひっくり返しました。
そしてシューウイは教室を出て手を銃のように構えて向け、虐められっこ女子を威嚇しました。
背後で皆が燃え始めて教室から炎が噴き出るのを感じ、シューウイはガッツポーズします。
そして泣きながら自分も燃え始めるのでした。
エンドロールで終了です。
シューウイも給食しっかり食べてたのでおかしいなと思ったら自爆テロだったようです。