音出すと死亡 クワイエット・プレイス

クワイエット・プレイス

音を立てるとひどい目に遭う話

制作年 2018年
制作国 アメリカ
監督 ジョン・クラシンスキー
脚本 ブライアン・ウッズ/スコット・ベック/ジョン・クラシンスキー
上映時間 90分
出演
エミリー・ブラント
ジョン・クラシンスキー
ミリセント・シモンズ

だいたいのあらすじ

リトル・フォールズの町はゴーストタウンと化しており、イブリン・アボット(エミリー・ブラント)は町の薬局で三人の子供達と共に薬を調達しています。
彼等は手話でやりとりをして言葉を発さず、ひたすら音を立てないようにしており移動も裸足です。
やがて夫のリー(ジョン・クラシンスキー)も合流し、必要な物資を調達したので一家は引き揚げることにしました。
その帰り道に末っ子のボー(ケイド・ウッドワード)は我慢できずに音を出すスペースシャトルの玩具を起動してしまい、両手両足が刃物のようになっていて高速移動する棒人間のようなような怪物に襲われて死亡しました。
どうやらこの世界は音を立てると襲ってくる怪物が徘徊してようで、これは一家が生き延びてから87日が経過した日の出来事でした。

427日目になっても聾唖者である長女のリーガン(ミリセント・シモンズ)はその時の悪夢を見ては「自分が玩具を渡さなければ…」と後悔していました。
始まりはメキシコに落ちた隕石で、そこから現れた盲目の怪物が音を頼りに人類を襲い、瞬く間に全世界は壊滅状態となりました。
リーは地下にある無線機で音を立てないようにモールス信号でSOSを送るのですが、どの国も応答はしませんでした。
アボット一家はリーガンがいるために全員手話ができるので意思疎通が可能であり、家の中に引き籠りつつも洗濯物は外に干したり、畑仕事をしたりはしているようです。
尚、イブリンは臨月を迎えており間もなく出産するのですが、医者に掛かれないので日々の体調管理が重要です。

リーは音が必要ないこの世界であってもリーガンには音が聴こえるようになって欲しいと願い、ひたすら補聴器の試作を繰り返していました。
翌日も補聴器をリーガンに手渡したのですが、彼女は「もう必要ないでしょ」的に投げやりでした。
必要なさそうな気もしましたが、確かに自分の立てている音が認識できないと命取りですね。
その後、リーは長男でリーガンの弟であるマーカス(ノア・ジュープ)を連れて川に仕掛けた罠を回収しに行きます。
リーガンは同行したいと申し出たのですが、リーは「お母さんといなさい」と却下しました。
マーカスは先日の件があったので外に出たくなかったのですが、「生きる術を学びなさい」と強制的に連行されました。

あの怪物は貪欲で音を立てるものは人間であろうと動物であろうと片っ端から襲い掛かり、どうやら捕食しているようです。
しかしまだ魚は生きているようで、リーは罠に掛かった魚を回収しつつ、「ここは川の音が大きいから魚が少し音を立てても大丈夫なのだ」とマーカスに教育します。
一方、どうしてもついて行きたかったリーガンは無断で家を出ていました。
そして一生懸命家事をしていたイブリンは大きな麻袋を運んでいたのですが、地下室の階段に釘が飛び出ていたのを見過ごしていました。

その後、リーはマーカスを滝の裏側に連れて行き、「ここなら大声出しても大丈夫」と大声を出させてストレス解消するのでした。
そこでマーカスはリーガンが未だにボーの死の責任を感じている件を打ち明け、「愛してるなら言葉に出して伝えないと」とリーにアドバイスするのでした。
一方、リーガンは橋の上に出向き、4歳にして亡くなってしまったボーの仮の墓参りをしていました。

そしてリー達は帰り道に妻の亡骸の横で放心している老人(レオン・ラッサム)を目撃したのですが、老人は唐突に大声を上げ、怪物に襲われて捕食されていました。
どうやらわざと大声を上げて自殺したようで、孤独に耐えきれなかった模様です。
この人達もアボット家のようにひっそりと生活していたんでしょうね。
その頃、イブリンは産気づいており、地下室でお産をしようと移動していたのですが、その際に釘を踏み抜いてしまい、当然ショックで大きな音が出てしまいます。
痛そうです。

幸い、直ぐにも襲われることは無かったのですが、怪物はやはり音を察知して家の中に侵入しました。
イブリンは破水しながらも地下室で息を殺すハメになり、怪物は傍若無人に上の階を徘徊していました。
その後、とうとう怪物が地下に押し入って来たので、イブリンはキッチンタイマーを囮にして地下から脱出したのですが、上の階にはもう一匹怪物が徘徊していました。
一方、夜になって帰宅したリーとマーカスはイブリンが地下で点灯した家の周りの電飾により、自宅に怪物が侵入していることを察知します。

リーはマーカスに花火に点火するように指示して散弾銃を準備し、イブリンは浴槽に身を潜めていたのですが既に股間からは血が流れていました。
とうとう怪物は浴室に侵入したのですが、マーカスの上げた花火が轟音を響かせ、怪物はそちらに向かったのでイブリンはここぞとばかりに痛みで絶叫するのでした。
散弾銃を手に家に突入したリーは出産していたリーと無事に再会したのですが、マーカスは花火の点火装置があったトウモロコシ畑で怪物に追われてしまい、何かに激突して意識を失います。
一方、橋で花火を目撃したリーガンは家に戻ろうとダッシュしていました。

リーはグッタリしたイブリンと赤ちゃんを抱き、納屋に向かったのですが、赤ちゃんは泣くのが仕事なのでやっぱり泣き出してしまいます。
怪物が迫って来たのでリーは二人を連れて納屋の地下室に移動し、そこには事前に準備してあったのか赤ちゃん用の酸素マスクがあり、リーはそれを赤ちゃんのお口に被せて木箱に詰めました。
その後、リーガンはトウモロコシ畑で背後から怪物に襲われそうになっていたのですが、彼女の補聴器がハウリングを起こし、怪物はそれを嫌ったのか逃げ出していました。
そしてリーガンはマーカスを発見して抱き合うのでした。

感想

これはなかなか面白いです。
宇宙から来たヤバい生物が地球滅亡させており、生き残った一家にも襲い掛かるという内容です。
正直言って怪物の設定は荒唐無稽だと思われ、聴力だけに特化した生物というのは何らかの環境に適応していると思われますので、わざわざ隕石で、それも大量に運ばれてくるかなあ?というのが最初に感じたことでした。
設定は置いておいてこのクリーチャーは他にはない感じで、これが来たら人類滅びそうで不思議な説得力があります。
ホラー的な怖さというより生物パニック系の怖さだと感じました。
全体的なパーツをかなり強引に繋げてる気がするのですが、それが却って面白いという不思議映画だと思います。

舞台は殆ど農家風のアボット家のみで展開されるのですが、意外とこの家広いので展開は豊富でした。
あっと言う間に日付が進むのですが、これをダラダラとやらずに要所要所で人物描写等を描いている点も上手でテンポもいいです。
アボット家は母屋と納屋、広大なトウモロコシ畑とサイロという間取りのようでした。
てっきり地下で震えながら生活してるのかと思いきや、意外と普通に暮らしてます。
敵が目が見えないという点が大きいみたいで、音さえ立てなければセーフ的な暮らしぶりです。

アボット一家は計画性と行動規制の徹底ぶりが凄いと思います。
だからこそ生き残ったということのようで、私なら初日に死んでる気がします。
仮に怪物の情報が得られたとしてもこの一家程徹底するのは難しいと思われます。
用意周到でもあり、事前に赤ちゃんが産まれた後の計画をこの世界にマッチした感じで準備しているのも凄いです。
子供を守る親としての責任、一家を守る父としての責任を垣間見た感じで、親になるってこういうことなんだよねと感心します。
また、リーは地頭もかなりいいみたいで、一般人には理解不能な研究を多数していたようです。

イブリンが妊娠中という設定も上手いと思います。
ネタのために妊婦出すなよと目くじら立てる人もいると思いますが、「赤ちゃん=泣く」ということなので、主題に合ってる気がします。
この映画は親子愛みたいなものもテーマにしてるようなので、そっちともマッチしてます。
怪物の弱点が補聴器というもの家族愛の賜物だと思います。

怪物は完全に人型なのですが、手足が長くて特に手が長いのでなんとなく手長足長を思い出しました。
怪力で長い爪があり、鉄板も余裕で切り裂きますが、それに加えて動きが素早いのが恐ろしいです。
リーの横を高速で通り過ぎるシーンがあったりしたのですが、何しろ肉眼では追えず、監視カメラにも残像しか映らないという恐ろしさ。
サイズは2m超でデカいので存在感ありますが、鎌鼬のように襲われるみたいです。
口にはサメみたいな歯があるのですが、顔はのっぺらぼうのようですが、パズルみたいに三角の皮膚がめくれるのでキモいです。
顔の横には皮膚に覆われた耳があり、パズルみたいに皮膚をめくると内耳が剥き出しになるので、これで遠くの音も聴き取るようです。

ラストまでのあらすじ

やがてイブリンが意識を取り戻したのでリーは納屋から出て子供達を捜索することにします。
リーガンはマーカスを連れて監視塔のような場所に上がり、そこで焚火をして暖を取っていました。
その頃、納屋の地下では水道管が壊れ、大量の水が滝のように流れ込み、どさくさに紛れて怪物も一匹侵入していました。
イブリンは木箱で浮かんでいる赤ちゃんを抱きしめ、滝のように流れている水の内側に隠れて怪物と対峙します。

一方、リーガン達が居たのはサイロの上だったようで、マーカスが蓋を踏み外して中に落ちてしまいました。
その時に発生した音に引き寄せられてイブリンとお見合いしていた怪物は凄い速さで移動を始め、トウモロコシ畑を捜索していたリーも怪物の残像を目撃しました。
これ肉眼で追うの厳しいですね。
リーガンはマーカスを追ってサイロに飛び込み、二人はずぶずぶとトウモロコシの山に沈みながらも何とか落ちてきた蓋にしがみつきました。
間もなく怪物が襲ってきたのですが、リーガンの補聴器のハウリングに怯み、豪快にサイロの壁をぶち破って出て行きました。

こうしてリーガン達は怪物が開けた穴から脱出し、無事にリーと合流しました。
再び怪物が襲ってきたのでリーガンとマーカスは車の中に逃げ込んだのですが、斧を手に立ち向かったリーは怪物の鋭い爪でに腹を刺されて倒れます。
怪物はリーガン達の車の屋根に飛び乗って威嚇し始めたので、何とか立ち上がったリーは斧を投げて怪物の注意を惹きます。
そして手話で「お前をずっと変わらず愛している」とリーガンに伝えた後、リーは絶叫し、怪物に捕食されました。

その一部始終を監視カメラで見ていたイブリンは逃げてきた子供達を家の中に引き入れました。
監視室は無線等の機械があったので子供は立入禁止となっており、リーガンとマーカスは初めて母屋の地下であるこの部屋を見ました。
そしてリーがこの部屋で自分たちを守るために必死に怪物の研究や、自分の補聴器を作っていたのだと知ったリーガンは涙を流します。
しかし感傷に浸っている暇はなく直ぐに怪物が地下室に侵入し、とうとうアボット一家は本丸に攻め入られてしまいました。
イブリンは散弾銃を構えるのですが、敵のあまりの威圧感に撃てずにいました。

リーガンは怪物が補聴器で怯んだことを思い出し、「もしかしてこいつらはこれに弱いのでは?」と再びスイッチをONします。
そして補聴器をスピーカーに押し付けると怪物が苦しみ出し、イブリンが散弾銃で止めを刺しました。
やがて監視カメラには散弾銃の発砲音で集まって来た夥しい数の怪物が映し出されます。
それを見たリーガンは「こうなったら一網打尽にしてやる!」的にスピーカーに繋がるアンプの出力を最大にし、イブリンはそれに応えるように散弾銃をリロードするのでした。

エンドロールで終了です。

この補聴器事案は余所でも起きてそうですね。
全滅までの道は遠いですが、頑張って欲しいです。