死びとの恋わずらい
記憶が蘇ってひどい目に遭う話
制作年 | 2000年 |
制作国 | 日本 |
監督 | 渋谷和行 |
脚本 | 友松直之 |
原作 | 伊藤潤二 |
上映時間 | 95分 |
出演 |
後藤理沙 |
松田龍平 |
秋吉久美子 |
だいたいのあらすじ
深田みどり(後藤理沙)は故郷の墓地の付近にあるお堂に佇み、誰かがこちらに向かってくるという夢を繰り返し見ていました。
みどりは10年前に父が失踪して以来、母の和子(秋吉久美子)と二人暮らしなのですが、この度故郷に戻って来ました。
ということで地元の高校に転校してきたみどりでしたが、登校途中にお堂の付近で倒れてしまいます。
そこを同じクラスになるという田中鈴枝(三輪明日美)に救われ、遠回りになりますがお堂を避けて登校する道を教えてもらいます。
ということで転校初日早々遅刻したので教師(斎藤洋介)からは軽く嫌味を言われたのですが、すぐにクラスには溶け込めそうでした。
昼休み、みどりは幼馴染の柴山龍介(松田龍平)と再会して声を掛けたのですが、彼はこの町でずっとみどりを待っていたのだと言い出します。
一方、鈴枝は仲良しの手島(高橋慎二)に「お弁当作ってあげようか」と言追うとしていたのですが、失敗に終わりました。
また、占いにハマっている鈴木珠代(猪俣ユキ)も手島を狙っており、タロット占いでみどりが割り込む的な結果が出たので警戒するようになります。
放課後、みどりは皆と一緒に鈴枝の家に遊びに行ったのですが、和子が心配するだろうと早々に退散し、手島に送られることになりました。
このままでは手島を取られると焦った珠代は辻占いなる通りに立って最初に現れた相手に恋の行方を占ってもらうという儀式を行うことを決心しました。
鈴枝によれば遠くに離れてしまった恋人との未来を辻占いで占ってもらった結果、悲劇を予言されて自殺した娘がいたそうで、戻って来た恋人が娘の供養のために建てたのがあのお堂なのだそうです。
その後、帰宅したみどりは学校で龍介に再会した件を和子に話したのですが、なぜか和子は頭が痛いと言って倒れました。
翌朝、なぜか和子は高熱を出し、風呂場にあるカビを「こすっても落ちない」と必死でこすっていました。
登校中、佐藤直子(麻見奈央)は珠代に「辻占いはこの世の者ではない黒い服の美少年が現れることがある」と姉から聞いた話をし、辻占いは呪われているから止めた方がいいと止めました。
一方、みどりは龍介と一緒にお堂を避けて回り道をしながら夢の話をしたのですが、その内に立ち眩みを起こしてしまいました。
その後、思いつめた珠代はみどりの上履きをカッターで切ったり、足を引っ掛けて転ばしたりと嫌がらせを始めます。
しかし鈴枝はみどりを庇い、逆に珠代は孤立してしまうのでした。
珠代は教室を飛び出してお堂に行き、辻占いをしたのですが、近づいて来た黒い服の男は「君の恋は実らない。その相手どころか一生実らず、誰にも愛されない虫けら以下の人生」と罵倒されます。
ショックを受けた珠代はカッターで頸動脈を切って自殺してしまいました。
以前から手島がみどりに気があることは薄々周囲の人間が気付いていたのですが、鈴枝はとうとう本人の口からみどりが好きだと聞いてしまい、ショックを受けていました。
鈴枝は辻占いをして手島とみどりの恋の行方を占ったのですが、黒い服の男が現れて「他人の恋占いをしてどうする。自分の気持ちに正直になれ」的なことを言ったので、手島への気持ちを燃え上がらせるのでした。
その翌日、登校中に龍介に声を掛けられたみどりは「子供の頃に一緒に行くと約束していた場所」という寂しい廃線の線路に案内されます。
どんどん線路の先に進む龍介を見て怖くなったみどりが進むのを躊躇していると、龍介は「行きたくなかったら一生行かなくていい」と言ったのですが、彼の姿はカゲロウのようになり、みどりが悪夢で見るお堂の黒い少年に変わりました。
気が付くとみどりは家のベッドで寝ていたのですが、先ほど龍介から貰った四葉のクローバーが枕の横にありました。
また、和子はずっと壁を擦ったりして様子がおかしかったのですが、とうとう虚空を見つめて「あなた誰?」と廃人のような様子で呟くようになっていました。
翌日、みどりは登校中に10年前にもお堂の所で女性が自殺しているという噂を聞きました。
気になったみどりは図書室で郷土史を調べようとして龍介の妨害を受けたのですが、無視して調べることにしました。
一方、思いつめたゾンビ顔の鈴枝はとうとう手島に告白してお弁当を食べさせたのですが、卵焼きの中には彼女の血液が入っていて手島をドン引きさせるのでした。
また、クラスではバイク事故から復帰した男子が龍介の席に座っていました。
感想
これはイマイチです。
同様のタイトルの漫画を映画化したもので、辻占いが流行ってる高校で事件が起きるという内容です。
原作は昔読んだ気がしますが、もう内容忘れてます。
結末付近で色々などんでん返しがあるんですけどそれに伴って色んな事が分からなくなるという。
伏線の釣り針がデカいので、龍介の正体とはは割と早めに勘付くのですが、この展開は予測できませんでした。
そもそもみどりはどうやって学校に通ってるのよと思いました。
あの環境でどうやって通学できているのかも不明ですし、転校の手続きとかどうしたんでしょう?
普通に授業も受けられていることにも凄い違和感があります。
辻占いの黒い服の男の正体は何だったんでしょう?
顔ははっきり映らず、龍介っぽくも見えるんですが、彼の目的はなんでしょう?
これが龍介であるならば、結末付近で明らかになる龍介の性格とは異なってる気がします。
龍介でないならば目的が全く分からず。
結末もはっきりせずによくわからず、なんだかモヤモヤしました。
映像はそんなに悪くないので結果としては普通に観られた気がします。
ちょっとみどりの夢のシーンとか残念な感じでしたが、幻想っぽい映像は悪くないです。
占いと思春期の恋愛も題材になってて、後者は共感しやすい気がします。
最終的な行動はどうかと思いますが、珠代と鈴枝の気持ちはよくわかります。
個人的には鈴枝の気持ちの方が共感しやすい気がしました。
普通可愛い系のキャストが演じているので親近感湧きます。
ラストまでのあらすじ
ようやく当時の記事を発見したみどりでしたが、そこには26歳の榎本はるか(三輪ひとみ)という女性が柴山武彦という男性の関係のもつれからお堂で焼身自殺したと書かれていました。
そして龍介は7歳の時に誘拐されて行方不明になっており、切断された彼の舌が送り付けられていたことから生存は絶望視されていたいうことでした。
龍介が実在しない人物だと知ったみどりはショックを受け、学校を飛び出して彼の痕跡を負います。
一方、鈴枝は少し正気に戻ったのですが、手島の制止を振り切ってカッターを手に頸動脈を切り、自殺してしまいました。
その後、みどりは今更のように町のあちこちに貼られているボロボロになった尋ね人の張り紙が龍介のものだと知ります。
帰宅したみどりですが、なぜか自宅は廃墟の柴山家になっていました。
和子は様子がおかしくなっており、みどりに対して「いつも龍介と遊んでくれてありがとう」とか言い出し、「龍介はみどりちゃんと遊びに行ったきり戻らない。どこ行ったんだろ」的なことを言って刃物を手に家の中を探し始めます。
そしてカビが生えていた風呂場の壁は割れ、中からミイラが出てきたので、みどりは悲鳴を上げて倒れました。
そして意識が戻るとそこは精神病院であり、和子は医師(本田博太郎)と面談をしていました。
和子とみどりは共にここの患者で10年入院しており、和子は脱走する際にみどりを娘だと思い込み、一緒に連れ出していました。
10年前、みどりはお堂の前で龍介と遊んでおり、「明日僕はどうなっているでしょう」と聞かれたので、「明日は舌切り雀のように舌を切られて冷蔵庫の中でしょう」と返答していました。
みどり狂ってます。
そこに全身に謎の刺青を浮かべたはるかが現れたので、みどりは先に帰りました。
翌日、血の付いた刃物を持ったはるかがお堂の所に立っており、「妊娠して男に捨てられたから、私の恋は実るか占って」とみどりに要求しました。
彼女は既に龍介の舌を切断しており、「あなたの占いは確実に当たるから」と迫るのでした。
みどりは「そんなの実らない」と断言し、はるかはその場で頸動脈を切った挙句に焼身自殺を遂げました。
そしてみどりは龍介との隠れ家である廃墟の冷蔵庫が血まみれで蠢いているのを目撃したのですが、誰にも言わずに逃げ帰っていました。
この件が原因でみどりは精神を病み、龍介を失った和子は同じく精神を病んで武彦を殺害し、風呂場の壁に塗り込んでいました。
これが10年前の顛末でした。
その後、みどりは夢の中で龍介に導かれ、廃墟の冷蔵庫を開け、過去のしがらみから解放されました。
表現したいことは分かりますが、死体が光るかよ!って思いました。
そしてみどりは辻占いをしていたJKに近づき、「その恋はきっと実る」とポジティブな占いをしていました。
最後のシーンがイマイチわかりませんでした。
もしかしてみどり死んだ?