地獄(1999)
やっぱり悪いことすると地獄でひどい目に遭う話
制作年 | 1999年 |
制作国 | 日本 |
監督 | 石井輝男 |
脚本 | 石井輝男 |
上映時間 | 101分 |
出演 |
佐藤美樹 |
前田通子 |
斉藤のぞみ |
だいたいのあらすじ
閻魔大王(前田通子)は日に日に増える地獄の亡者の数に憤り、人間に警告を与えるために人間界へと赴きました。
彼女は老婆の姿となり、都庁前の路上でぼんやりしていたリカ(佐藤美樹)に「このままではあなたの人生は破滅」と声を掛けます。
閻魔は当惑するリカに「地獄を見聞きする案内役になれば救われる」的なことを言い出し、案内として部下の魔子(斉藤のぞみ)を付けました。
そしていきなりリカは地獄に落とされてしまい、まずは三途の川に落とされました。
魔子の演技が棒でヤバいです。
間もなくリカは「三途の川で服着てんじゃねえ」的に番人に服を奪われてオッパイポロリしてしまったのですが、魔子が割り込んだので全裸は免れます。
但し、もう服を着ることはできないそうで、下着で地獄めぐりをするハメになりました。
ということで魔子の漕ぐボートに乗って女性器のようなヤバい形をした地獄の門に入りました。
間もなくリカは閻魔大王の前に連れ出され、「業鏡」という罪人の姿を映し出すという鏡を見せられます。
この鏡には後のリカの姿も映るそうで、まずは少女殺しの大悪人の話だそうです。
宮島ツトム(平山久能)は幼女を言葉巧みに誘導しては自分の車に乗せ、山中で殺害して屍姦していました。
彼は掌を上に向けられない病気だったのですが、少女にそれを指摘されて逆上しました。
そして殺害した少女をのこぎりでバラバラにして埼玉の山中に埋めました。
宮島は精神病を装って罪を免れようとしたのですが、地獄では罪を免れることはできません。
後に逮捕された宮島は死刑になったのですが、遺族は「死刑など生ぬるい。娘以上の苦しみを与えて欲しい」と望んでいました。
地獄に落とされた宮島は鬼達の手で生きたまま鋸でバラバラに解体されました。
ようやく首を落とされた宮島は復活させられて安堵したのですが、間もなく鋸でバラバラにされ、未来永劫この苦しみを繰り返すのだそうです。
あまりの衝撃映像を見たリカは眩暈を起こすのですが、間もなく自身の過去映像を見るように指示されました。
宇宙真理教というカルト教団があり、舘弁護士(幸野賀一)は教団の脅しに屈せず、悪事を追求していました。
この教団は信者を出家させてはインチキで多額のお金を巻き上げていました。
教祖である瘡原(和田洋一)は舘をポアするように命じ、間もなく舘一家は信者達により殺害されました。
舘の妻は乳飲み子だけは許してと懇願したのですが、聞き入れるような連中ではありませんでした。
舘の件を追求された瘡原はほとぼりが冷めるまで海外に逃れていました。
後に瘡原は政党を作って選挙に出たのですが、立候補した候補者24名は全て落選したので、国の陰謀であると追求しました。
瘡原はシヴァ神の怒りで日本は滅亡するとハルマゲドンを宣言し、在家信者から一人頭30万円徴収して教団を沖縄に移動させました。
そしてハルマゲドンの予言は外れ、教団は富士山の麓にある村に移動しました。
リカは夢子(小野裕美)と共に真理教の信者だったのですが、完全に瘡原に傾倒している夢子とは異なり、教団の行動に疑問を感じ始めていました。
そんなある日、夢子は瘡原に呼び出され、タントライニシエーションと称されてレイプされてしまいました。
ここでの暮らしは酷いもので、信者達はネズミやゴキブリが這い回る不衛生な大部屋で雑魚寝させられ、医師の森は患者からお金を巻き上げては見殺しにしていました。
その後、瘡原は村西、村西は土田に命じてサリンの製造に着手しました。
一方、出家信者で薬剤師の折沢(吉家明仁)は須田(北村有起哉)の母が森の病院に入院させられて見殺しにされそうになっているのを目にし、須田母を救い出して脱走する計画を立て、須田の父の手を借りて実行に移します。
上手いこと夜陰に乗じて医務室から須田母を連れ出したものの、看護師に見つかってしまい、須田達は瘡原の面を被った村西達に捕まります。
瘡原は脱走者のポアを命じ、命乞いをした須田に折沢を殺せば見逃してやると指示しました。
須田は仕方なく折沢の首に掛けられたロープを引っ張り、殺害に加担するのでした。
その後、教団では瘡原の指示で松本にサリンを撒き、第一発見者の人物に疑惑の目が向けられました。
また、教団付近の住民も施設から悪臭がするとクレームを入れていたのですが、教団側は「我々は毒ガス攻撃を受けている被害者」と言い張っていました。
リカは一度瘡原にレイプされそうになって逃げだしており、教団では瘡原の入った風呂の水、髪の毛、ヘッドギア等を高額で販売していたため、何かがおかしいとますます思い始め、夢子も同調するようになります。
その後、教団が資産家としてマークしていた信者・水野とみ子は「ここに居たら身ぐるみ剥がれる」と気づき、脱走しました。
教団はとみ子を匿う兄を拉致し、拷問していたのですが、薬の量を誤ったので兄は死亡してしまいました。
瘡原は死体をレーザーで焼いて始末させたのですが、とみ子は「兄を返せ」と教団を糾弾したので真理教は追い詰められます。
捜査をかく乱するために教団は地下鉄サリン事件を起こし、これがきっかけで警察は一斉捜査へと踏み切ります。
感想
これはイマイチです。珍作です。
悪いことすると地獄に落ちるよ!ということを当時のオウム真理教事件をベースに表現しています。
メインはオウムですが、他にも宮崎事件や毒入りカレー事件も扱っています。
閻魔大王が女性に地獄の責め苦を見せて教育するという謎の流れになっており、やはりグダグダな感じで終わります。
とは言っても尻切れトンボな感じでは無くお話しとしては完結します。
地獄映像は作りは安いですけど、なかなか面白いかも。
一応、オウム真理教事件のダイジェストっぽい感じになってるので、教団の逮捕までの一連の流れを知りたい人にはいいのかも。
ポルノまでどぎつい内容は無いですが、オッパイ沢山出てきます。
鬼の人達が凄く楽しそうに演じていたのが印象的でした。
ラストまでのあらすじ
そして瘡原は逮捕され、信者が次々に証言をしたので悪事が明るみになりました。
教団幹部の中には巧みに死刑を免れた者もおり、被害者は憤っていました。
ということで地獄タイムになり、口先で嘘ばかり言っていた報道官や弁護団は舌を抜かれました。
また、教団を擁護していた知識人は手を抜かれるという罰を受けます。
他にもカレー毒殺事件のます子夫妻が汚泥の底で争っていたりします。
その後も真理教の幹部は灼熱地獄で身を焼かれ、瘡原は八大地獄の責め苦を受けることになりました。
まず瘡原は皮剥ぎの刑で全身の皮を剥かれます。
これ、地獄映画だと必ず出ますね。
リカは「もう耐えられない」と鏡から逃げ出し、鬼に追い掛けられました。
しかし閻魔は「もういいだろう」とリカを解放することにし、リカは人間界に戻ることになりました。
そこになんの脈絡もなしに人間界の八つの掟を全て破ったという落ち武者風の男(丹波哲郎)が現れて鬼をバッサバッサと切り捨て、やはり何の脈絡もなく去って行きました。
一体、何だったんでしょう
ということで現世に戻ったリカは今後も閻魔の教えを守ることにし、ひとまず「永遠なるもの」である太陽に祈りを捧げつつ、他の女性信者と共に真理教の服を投げ捨てるのでした。
エンドロールで終了です。
完全に珍作として終わりました。