ベトナム激戦史1967 攻防ケサン基地
拠点守ってたらひどい目に遭う話
制作年 | 2005年 |
制作国 | ベトナム |
監督 | ドァン・ミン・トゥアン |
脚本 | ドァン・ミン・トゥアン |
上映時間 | 85分 |
出演 |
クォク・トゥアン |
ルー・ハー |
トゥアン・トゥー |
だいたいのあらすじ
1967年の北ベトナム、ケサン基地で学校を出たばかりの新兵ホアンが村の彼女を想いながら手紙を書いていました。
彼の故郷の村も空爆を受けたのですが、彼女は無事だったそうで、この辺りでも戦闘が続いていました。
彼女可愛くてウケます。恐らく彼の所属は北ベトナムでしょうか?
その夜、付近の重要拠点である861高地が陥落寸前という情報が入りました。
861高地では北ベトナム軍は塹壕を掘り、局地戦の構えだったのですが、物量で押し込まれ四方から囲まれていました。
連隊長は部下のタンの小隊に861を支援するよう命じたのですが、それはホアンの所属部隊でした。
ホアンタンが命じられたのは816高地に手紙を届けるという内容だったのですが、前線で戦いたい彼には物足りないものでした。
道中は友軍のトラップだらけなので二人は自爆しないように注意深くジャングルを進みます。
ようやくタン達は中継地点に到着し、手紙などを配達しました。
尚、北ベトナム軍では前線での兵士同士のやり取りに葉っぱを用いているようです。
その後、野戦病院に立ち寄ったのですが、861高地から戦友を運んできた兵士は「四方を敵に囲まれて歩兵部隊に突入されて地獄だ」と語っていました。
ここでは死亡した兵士に看護師が手紙を読み聞かせるということがあったのですが、奥さんからの手紙は「配達人が来るたびに心臓が停まりそうです。どうか無事に帰ってきてね」的な内容でした😭
また、861に手紙を運んで欲しいと頼まれたのですが、タンは「任務外だからダメだ」と断り、「自分が運びます」と申し出たホアンにも「任務外のことはするな」と厳しく命じました。
その後、ジャングルを進んでいたホアンは誤って地雷を踏んだことに気付き、タンが慎重に掘り出して無効化してくれました。
どっかで観たシーンですね。
尚、付近を徘徊している敵兵はすれ違うベトナム人を全員殺害していました。
装備は米兵っぽいのですが、全員アジア系でベトナム語喋る人達なので所属不明です。
そして仲間を殺された民間人に成り済ましている若者は敵が仕掛けたトラップを解除していました。
その後、毒矢トラップにハマった敵兵の一人が死亡したのですが、「俺は悪事に手を染めた。」と言って死亡し、仲間は「神よ。お許しください」等とのたまっていました。
なんのことでしょう?非人道的行為に対するさりげない抗議かな?敵も同じ人間!って表現ならちょっと変わってますね。
一方、861高地には高地部分に空爆が開始され、包囲網も狭められつつありました。
感想
これはイマイチです。
これはベトナムのケサンの戦い辺りをベースにしているようで、配達兵という伝書を届ける兵の話です。
まず配達兵である必要があまりないような気がしたのは私だけでしょうか?
一応、手紙を見て兵士が喜ぶ的なシーンはあるんですけど。
演出はかなり中華寄りで、音楽とかアクションとか中華です。
やや感性が我々とは異なるのか、斜め上の展開が多いです。
「ここは俺に任せろー」的なパターンが多いのですが、思惑通りに進まないという。
特に「ここは任せろー」とタンが宣言した直後にホアンが落とし穴に落ちたのは何かのネタかと思いました。
この映画は何が言いたいのかよくわからない戦争映画です。
冒頭に反戦ソングっぽいのが流れるのでそっちかな?と思いきやそうでもないようです。
そして米兵の謎の葛藤が描かれたり、配達兵の重要性を声高に訴えたりと何が何やらという感じです。
元々ホアンは見栄っ張りな所があったようで、自分はエリートである奇襲部隊であると彼女に書いて送ってました。
で、最後には配達兵いいね!的なことになったりもします。
殆どベトナム人なので敵味方の区別がイマイチつかないです。
装備は違うのでそれで見分ければいいのかと思われ、ベトナムだから仕方ないねという感じでした。
それはいいんですけど、夜のシーンがちょこちょこある割に画面が暗くて何してるのかよくわかりませんでした。
これで兵士の名前が全員グエンさんだったらどうしよう?と思ったのですが、流石にそれは無かったです。
戦闘はアナログ描写なのですが、火薬の量が凄いのとセットの作りこみがなかなかだと思います。
スピード感とか迫力はイマイチで、昭和の刑事アクションドラマ的な感じです。
ラストまでのあらすじ
タン達は先ほどの敵兵がいる川の付近を進んでいたのですが、ホアンが敵のトラップに引っ掛かりそうになって手榴弾を爆発させてしまい、捕捉させました。
そして敵兵によく訓練されたベトコンとして捕らえられたのですが、先ほどのゲリラ若者が毒矢を敵兵に浴びせたのを皮切りにナゾのカンフーアクションでとんずらしました。
一人だけ「Oh!MyGod」とか「Fu〇k」とか言ってる人いたのでどうやら米兵みたいです。
しかしそんな謎のアクションで乗り切れるはずも無く、銃撃戦になったのですが、タンが太ももを負傷すると魔法のように逃げ切れました。
とは言ってもその後もちょこちょこ追跡されたので、タンは「俺は足手纏いだから置いてけ」といつものパターンになります。
しかしホアンはトラを落とす落とし穴にはまってしまい、結局ホアンが捕まって捕虜になりました。
斜め上の展開です。
そして米軍一派も一枚岩ではないらしく、ホアンの持っていた手紙から米空軍の一斉爆撃を知り、「空軍はクソ野郎だ」と謎の自虐を始めます。
ホアンは謎の橋の上に縛られ、大した拷問も受けずに「明日の朝、ヘリで運ぶぞ」等と言われていました。
その後、夜陰に乗じてあの民間人若者が橋の下に張り付いて進むというランボーアクションを見せ、ホアンの拘束を解きました。
この映画の中ではこいつが最強です。 南ベトナム解放民族戦線ツエーってことでしょうか?
そういうことなので二人は見張りの兵士を次々に始末し、ホアンは装備を回収してランボーと逃げました。
そしてタンと合流したホアンは「この野郎!見捨てやがったな!」と殴りかかります。
タンは「私情は捨てろ!」とベストなのか微妙なアンサーをし、ひとまず二人はまた先を急ぎます。
翌日の昼、撤収する部隊と出会い、「861に行く道は壊されてるから地雷の中を進め」と教えてもらいました。
ということで861高地についたのですが、完全に敵軍に制圧されていました。
そこでタンが「お前は彼女の下に帰れ!手紙は俺が!」と飛び出したのですが、結局やられてホアンに救われます。
ホアンは瀕死のタンを背負って戦場を駆け抜けるという超人的な動きで友軍の塹壕に飛び込みました。
ホアンはカンフーマスターでもあります。
その後、奇襲部隊が到着してタンは野戦病院へ運ばれ、ホアンは任期を終えました。
この戦闘で任務の大切さと郵便っていいね!ということを学んだホアンは郵便係の資格を取り、故郷へ戻りました。
いかし残念ながら超キュートな彼女は爆撃で死亡しており、ホアンが配達兵になってから出した手紙は彼女には読まれていませんでした。
エンドロールで終了です。
なんかイマイチテーマが分かりませんでした。