健康は大事です アンブレイカブル

アンブレイカブル

ハゲのおじさんがひどい目に遭うけど頑丈だから大丈夫な話

制作年 2000年
制作国 アメリカ
監督 M・ナイト・シャマラン
脚本 M・ナイト・シャマラン
上映時間 107分
出演
ブルース・ウィリス
サミュエル・L・ジャクソン
ロビン・ライト・ペン

だいたいのあらすじ

1961年
フィラデルフィアのアパート
黒人女性がイライジャという男の子を自力で出産したのですが、なぜかその子は産まれた時から両手・両足を骨折していました。

1974年
イライジャは成長しましたが、先天的な骨の病気を患っており、些細な衝撃で骨折してしまいます。
学校ではMr.ガラスという仇名で呼ばれて揶揄われ、彼は家に引き籠る様になります。
母は彼を少しでも外出させようと、通りの向こうのベンチにプレゼントを置いて取りに行かせます。
イライジャがベンチで包みを開けると中にはアメコミが入っていました!
感動的な音楽が流れます。確かに大事なシーンですよね。
母親は今後も外出すれば続きを読ませてあげると言い、イライジャはアメコミにハマります。
お母さん美人ですね。

現在
デヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)はフィラデルフィアに向かう列車の中でスポーツ記者のケリー(レスリー・ステファンソン)と相席になります。
彼は結婚指輪を外してケリーをナンパしようとするのですが、肘鉄を食らわされます。
デヴィッドの列車は大規模な脱線事故を起こしてしまい、息子のジョセフ(スペンサー・トリート・クラーク)はTVのニュースでそれを知りました。

不思議なことに乗客全員が死亡した事故であるにも関わらずデヴィッドは無事でかすり傷一つ負っていませんでした。
彼は病院に駆けつけた妻のオードリー(ロビン・ライト・ペン)、ジョセフとひしと抱き合いますが、夫婦仲はイマイチのようです。
デヴィッドは乗客の追悼ミサに参加して車に戻るとワイパーに手紙が挟まっており、内容は「今まで病気したことある?」という質問でした。
デヴィッドは警備員で職場でも5年間無遅刻無欠勤であり、オードリーに確認したり自問自答してみるのですが、やはり病気や怪我をした覚えがありませんでした。

イライジャはおじさんになり、大好きなアメコミの原画等を売るギャラリーを経営していました。
彼はアメコミを芸術作品だと考えているようで、アメコミを軽々しく扱う客が来ると追い返したりしています。

デヴィッドは何となくあの手紙が気になり、ジョセフを連れて封筒を頼りにイライジャのギャラリーを訪ねます。
イライジャの手紙の目的は何なのかという質問をすると彼はヒーローを捜していると答えました。
アメコミではヒーローの対極には悪がおり、すぐ骨折してしまうような自分の対極となる頑丈な人間が実施にいるのではないかと考えているようです。
そこで大参事が発生するとニュース記事をチェックして生き残りがいないか探していたそうです。
イライジャに今までに病気していない確率を聞かれたデヴィッドは75%と答え、怪我したことあるか?という質問にはジョセフがパパは昔アメフトの選手だったんだけど自動車事故で引退したんだよ、と答えました。
彼はデヴィッドの職業が警備員だと聞いて満足気でしたが、デヴィッドはイライジャを詐欺師だと判断して帰宅しました。

その夜、デヴィッドはオードリーから今回の事故で生き残ったのは何かの転機だから夫婦生活を修復しましょうと言われます。
オードリーはどうもデヴィッドの浮気を疑っていたようですが、彼は否定しました。

イライジャはデヴィッドを訪問し、彼に悪人を見抜く能力があると知ります。
デヴィッドはスタジアムの行列でボディチェックを始め、怪しい男性を排除するように仕向けたのですが、銃の映像が浮かんだのだそうです。
イライジャはその男を尾行し、地下鉄への階段を転落してしまいますが、男は銃を腰に携帯していました。
ここの階段の演出は良いですね。確かに我々には普通の階段でもイライジャにとっては危険地帯ですよね。

ジョセフはパパ大好きなので、デヴィッドの筋トレに付き合ったり、パパはブルース・リーに勝てる?と質問したりします。
デヴィッドは何があっても絶対にブルース・リーには勝てない!と宣言しますが、ベンチプレスで160Kg上げてしまいます。
どうしても父に勝ってほしいのかブルース・リーに段階的にハンデ付けさせた状態を提示して、これなら勝てる?と聞いています。
ジョセフはやっぱパパすげーと感動し、一方イライジャは全身骨折で病院に搬送されていました。

イライジャは暫く車椅子生活を送ることになるのですが、理学療法の担当はオードリーでした!
オードリーはどうやら暴力的なものは嫌いなようで、デヴィッドがアメフト選手だったら結婚しなかったと語ります。
ここで疑問点があったのですが、イライジャはオードリーがデヴィッド妻であることを知っていたようです。
名札で知ったのでしょうか?最初から話を聞きたがってるような気がしますが。
イライジャはデヴィッドの名を出して旦那さんは超人かもしれないとか、また言い出します。

スタジアムにいたデヴィッドはピンと来たのか、ラジー賞を何度か受賞している怪しいインド系アメリカ人に麻薬売買の疑いで声を掛けますが空振りします。
その直後、ジョセフが怪我をしたと学校から呼び出させれたので学校へ向かいました。
担当の保険の先生はデヴィッドのことも覚えており、彼が小学生の時にプールで溺れたことも記憶していました。
ちゃんと弱点もあるようです。
ジョセフは同級生が女子を虐めていたのでヒーローの息子として立ち上がったのですが、返り討ちに遭ったと言います。
デヴィッドはラジー売人や溺れた件もあったので、パパも怪我するしヒーローじゃないと否定します。

オードリーはデヴィッドに今日、イライジャが来たのよーと話します。
ジョセフは何とデヴィッドが不死身だと証明する!と言い出し隠していたあった銃をデヴィッドに向けます。
昔怪我した!とかイライジャは異常!とか撃ったら出て行く!とか説得して銃を降ろさせます。
これはちょっとあんまりな気がしますが。

次の日、早速デヴィッドはイライジャのギャラリーにお前のせいで大迷惑!と怒鳴り込みます。
しかしイライジャは飄々としてお前は銃の件を当てたし、俺は「不死身」だとは言ってないと言い訳します。
しかもお前、アメフト選手時代に怪我したとか言ってたけど、あれは引退してオードリーと結婚するための嘘だろ?とツッコむ始末です。
デヴィッドは俺は子供の頃に溺れて肺炎になったことある、兎に角、もう関わらないでくれ!とバイバイしました。

その後、イライジャはアメコミショップで閉店間際まで粘って店員に嫌がらせをした挙句、漫画一冊買ってごまかすという空しい行動をしていました。
イライジャの性格が出てるエピソードですね。

デヴィッド夫妻は夫婦仲を修復するためにジョセフをシッターに預けて二人で呑みに行くことにしました。
夫妻は腹を割って話すことにし、デヴィッドは何かがしっくり来なくて母子を遠ざけてしまうのだと正直に話します。
帰宅するとNYから警備員として雇いたいという伝言があり、デヴィッドの単身赴任が決まりました。
夫妻は気まずくなってしまいました。

また、イライジャからも伝言があり、君が溺れたのは水に弱いからで私もそうだ!ヒーローには弱点が付き物だ!と嬉しくない内容でした。

感想

これは割りと面白いと思います。
お話は単純な話で分かり易いですし、台詞も面白いと思います。
シャマランさんはアメコミが好きなのか細部まで丁寧に作ってあるみたいです。
何となくカメラのコマ割りも漫画チックな感じで、ちょっとご都合主義なのもアメコミだから仕方ないと思います。

テンポは良いと思います。
後半くらいまでイライジャに振りまわされつつ事実確認、後半で修行みたいな流れです。

演出は良いと思いました。音楽はあまり印象に残りませんでしたが、たまに大作映画みたいなのが流れてました。

色んなことがきちんと理由づけされて無くて癖の強い映画のような気がするので好みが分かれると思います。

役者さんは豪華だと思います。
デヴィッドは後半のフード姿が印象的で良く画像を見かけますね。
ジョセフは可愛い子なのですが、銃向けたりするのでイライジャ入っててヤバいです。
私はイライジャが好きだったりします。

私はこの映画はちょっと好きです。

ラストまで(ネタバレ)

デヴィッドは列車事故の事故車両を眺めたりしつつ、引退の原因となった事故のことを回想します。
あの事故の際、車はひっくり返り、オードリーは重症だったのにデヴィッドはかすり傷一つ負っていませんでした。
若い頃のデヴィッドは違う役者さんが演じていて生えてます。

その事実を再確認した彼はイライジャに電話をして自分は何を成すべきか?と相談します。
イライジャはひとまず人の多い所に行って、、成すべきことをしろとアドバイスします。

デヴィッドは人込みで人とすれ違い、色んな人のビジョンを追体験として見るのですが、意外と悪人が多いのです。
万引きしている女、差別主義者で黒人を通り殴って逃げる男、昏睡レイプ魔、押し込み強盗等沢山います。
ひとまずデヴィッドは駅の清掃スタッフらしき押し込み強盗を尾行します。
デヴィッドはスタジアム警備の制服の雨がッパを着ており、これが彼のコスチュームになるのでしょうか?

押し込み強盗はデヴィッドがビジョンで見た家に侵入し、デヴィッドも家に入ります。
残念ながら家の主人は既に射殺されていましたが、手を拘束されていた子供を開放しました。
デヴィッドは強盗と遭遇して高所から落とされてしまいますが、「壊れない」彼は無傷でした。
しかし落ちた先はプールに被せられたシートの上で、彼は危うく溺れそうになります。
デヴィッドは先ほど救出した子供が伸ばしてくれた棒を掴んで脱出します。
カッコいい音楽か流れてますが、溺れて子供に助けられるとかそんなにカッコいいシーンじゃないと思います。

強盗は縛り上げた母親に虐待行為を行おうとしていましたが、背後から近づいたデヴィッドが首を羽交い締めにします。
強盗は肘打ちしたり壁にデヴィッドを叩きつけたりして抵抗しますが、頑丈なデヴィッドは背中に貼り付いたままグイグイと首を絞め上げて倒しました。
初仕事なのに頑張りましたね。

デヴィッドは家に帰るとオードリーを抱き上げて運び「怖い夢を見た」と訴え、夫妻は抱き合って眠ります。
伏線回収なのですが、オードリー大人ですね。私なら「うるさい!何時だと思ってるんだ!」ってキレそうです。相手いないので悲しい妄想ですが。
次の日、ジョセフは何だか両親が仲良くしているのに戸惑います。
デヴィッドは新聞の一面記事に載った「無名のヒーローが子供たちを救う」という記事をジョセフに差し出します。
彼は複雑な表情で息子にジェスチャーで「これは俺だ。内緒だ」と伝え、ジョセフは感動してしまいました。
ヒーローになるって持っているだけで何でも幸せになれる石みたいな効果ですね!

デヴィッドは展覧会が開かれているイライジャのギャラリーを訪ねます。
そこでイライジャ母から息子から聞いたと前置きした上で「アメコミの悪役は肉体派と頭脳派がいて頭脳派の方が凶悪で怖い」という話を聞きます。
イライジャ母は白髪になってますが美人ですね。同じ人でしょうか?
またデヴィッドはもう朝起きた時に悲しみを感じなくなっていました。

デヴィッドはおめでとうと言うイライジャと握手するのですが、その際にまた追体験としてビジョンを見てしまいました。
イライジャは飛行機事故やホテルの大火災、またデヴィッドが遭遇した列車事故を起こした張本人で、ヒーロー探しのために多くの人を犠牲にしていたのです。
彼がヒーロー探しをしていたのも、自身のアイデンティティーを確立するためにヒーローに対峙する悪役として君臨するためだったのです。
このシーンはデヴィッドに冴えない服装をさせているので、イライジャが逆にカッコよく見えてしまいます。上手いです。

デヴィッドは警察に通報し、イライジャは重度精神施設に収容されました。

エンドロールで終了です。

こうしてヒーロー「壊れない男」と悪役「Mr.ガラス」が誕生したようですが、これからどうなるんでしょうかね。

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