潜水艦の話 ビロウ

ビロウ

潜水艦で病院船を救助したらひどい目に遭う話

制作年 2002年
制作国 アメリカ
監督 デヴィッド・トゥーヒー
脚本 ダーレン・アロノフスキー/ デヴィッド・トゥーヒー/ルーカス・サスマン
上映時間 105分
出演
マシュー・デイヴィス
ブルース・グリーンウッド
オリヴィア・ウィリアムズ

だいたいのあらすじ

1943年 大西洋
通商破壊任務に就いていたアメリカ海軍の潜水艦タイガーシャークは敵に撃沈された病院船をの生存者を収容するよう命令を受けます。
これはガトー級でしょうか?日本軍もこれにかなりやられたみたいです。
乗組員は指揮官ブライス(ブルース・グリーンウッド)の指示の下、独軍の高速艇と接触しそうになりますが、速やかに救助活動を行い、3名の生存者を収容します。
その内の1名はクレア(オリヴィア・ウィリアムズ)という看護師の女性で彼等は2日前に撃沈されたのだということです。
オデル(マシュー・デイヴィス)は彼等から情報を聞き、300名の患者と70名近い乗組員が死亡し、敵はUボートだと判明します。
彼は敵が魚雷を一発しか撃っていないと知り、不審を抱きます。

タイガーシャークは敵の駆逐艦の追撃を受け、海中で機関停止して息を殺しますが、ソナーを打たれて位置を特定され爆雷攻撃を受けます。
幸いなことに致命傷となるであろう爆雷が不発に終わったので多少の損傷はありましたが、艦は無事でした。
また勝手にレコードプレイヤーが鳴り出したのも原因の一つだと考えられました。
収容した患者の一人がベルリン製のズボンを履いていたので、ブライスは尋問しようとします。

患者はドイツ人でナイフに手を伸ばしたので射殺され、クレアもそれに秘密にしていたので営倉に閉じ込められ、監視下に置かれます。
昔から潜水艦では女性の存在は不吉だと思われていたようで、クレアは疫病神扱いされます。
クレアはドイツ人の遺体をベッドの下に置かれたりして嫌がらせを受けます。

あのレコードが勝手に再生されたりと艦内にナゾの怪現象が起こる様になります。
ドイツ人の遺体を運んでいたサンボは死んでいるドイツ人が話す声を聞いたような気がして怯えます。

クレアは勝手に船内を歩き回り、航海日誌を見付けます。
それによるとこの艦の艦長は本来であればウインタースという少佐の筈です。
クァーズに見咎められた彼女はそれとなくブライスは艦長なの?と探りを入れ、彼は現在の指揮官だと答えます。

タイガーシャークはバッテリー充電のため浮上することになりましたが、またも敵駆逐艦を補足して急速潜行して戦闘を回避しようとします。
ひとまず海底に着床してやり過ごす作戦を執ります。
クレアはまたしても航海日誌を読もうとしてブライスに見咎められ、艦長は敵船の戦利品を取ろうとして転落死したと事情を説明します。

その後、敵は既にタイガーシャークを補足していたようで、錨を使って船体を抉るというエグい攻撃を仕掛けてきます。
この非常事態だというのにブライスはナゾの人影を目撃して放心してしまいます。
艦は浸水が始まり、副官のルーミスは皆に下に退避するよう指示し、全速全身しろと航海員に指示します。
ルーミスはブライスに「調査委員会でこれでは困ります」と苦言を申し立てます。
ルーミスの全裸サービスあります。なんだかミステリー風になってきました。

艦のダメージは酷く、どうやらオイル漏れして自艦の位置がバレているようだと判明します。
オデルはサンボ、髭男ウォーリー、クァーズ計4名で潜水服で外に出て修理することになりますが、かなり危険な任務です。
ちょっとエイのCGが安いですが、この映画は他の部分が良いのでそんなにガッカリしませんでした。
このシーンはセットが良く、緊張感たっぷりです。

オデルは前から艦長の死因に疑問を持っていたようで、道中で現場に立ち会っていたクァーズに疑問をぶつけます。
クァーズは実は艦長は揉み合いの末に頭部を激しく打って死んだのだと話します。
敵船を撃沈した際に生存者がいたらしいのですが、艦長はそれを射殺するように指示し、反対するブライス達と揉み合いになります。
艦長は濡れたデッキに足を滑らせ、頭を強く打って死亡したということです。

オデルは洞察力が高く名探偵するのでルーミスから煙たがられているようで、実はクァーズはオデルを始末するために修理に同行していました。
クァーズは修理するふりをして高所に登り、ハンマーを上から落とし、事故に見せかけてオデルを殺害しようとします。
このハンマーがデカくてヤバいです。まともに当たったら即死しそうです。
オデルはギリギリの所でハンマーを避け、クァーズは艦長の亡霊を見て物凄い悲鳴を上げて落下します。
クァーズは死亡しており、オデル達は艦に逃げ戻り、道中で亡霊のようなものを目撃しました。

ブライスは基地に帰港することにし、オデルとクレアは近くのイギリスの港に寄港すべきだと主張します。
クレアはこの船には何かがいると主張しますが、ブライスは頑として受け入れず、艦は浮上後、基地に向かうことになります。
クレアは兎も角、オデルは艦のコンディションから反対しているので正論だと思いました。
艦の外を誰かが歩き回っているようなナゾの音を誰もが聞くようになり、艦は舵が利かなくなり、コントロール不能となってしまいます。

チーフ達は後部のブロックから舵を修理することを提案しますが、その作業は水素に引火する可能性があり、危険な作業でした。
しかし他に方法も無いので、その作戦を採択することになりました。
チーフ達は作業を追えますが、停電してしまいブレーカーを上げますが、その際に水素に引火してしまい、後部の船員は爆発に巻き込まれます。

オデルは病院船から救助したイギリスの航海士キングスレーの協力を得て、船の進路を割り出します。
彼はルーミスにこの艦はドイツ艦を撃沈させた地点に向かっていると報告します。
ルーミスはだから何だと怒鳴りますが、ブライスが指令室に戻り、チーフと連絡を取ろうとします。
オデル、クレア、ルーミスの3名は後部の様子を見に行き、惨劇を目にします。
オデル達はすぐに戻り、ブライスに事態を報告しますが、ルーミスは艦長の亡霊を見てしまいパニックを起こします。
彼は錯乱状態で服のまま、船外に飛び出して泳ぎ、手すりに腹部を貫かれて死亡しました。

感想

これはちょっと面白いです。なかなかだと思います。
見るまでは海洋生物もののSFなのかしらと思っていましたが、オカルトよりのホラーでした。
前半はちょっとサスペンスタッチです。
そういえば日本でも軍艦にまつわる怪談とかあったと記憶しており、なかなか面白い題材だと思います。
ちょっとテンポは中だるみしているような印象です。
前半は映像が面白く、中盤に少し中休みして後半に盛り返す感じでしょうか。
ちょっとラスト付近もダラダラしている感じでした。

ミリタリー要素もきっちりしている印象で潜水艦の戦闘などリアルに感じました。
とは言っても私の場合、本や漫画で読んだ知識ですが。

雰囲気と演出は良いと思いますが、怖いシーンはあまり無く、少し中途半端な気がします。
しかし根っこはホラーなのですが、謎解きは二転三転するのでなかなか面白いと思いました。

役者さんも良かったと思います。
芯の強い女性を演じていたクレアが良いですね。
私は機関長みたいなチーフという人が好きでした。

戦争もの!とか潜水艦映画!とか期待して見ると肩透かしを食らいますが、B級映画ファンには良い映画だと思います。

私はこの映画はちょっと好きです。

ラストまで(ネタバレ)

ブライスの船室のものが滅茶苦茶に荒らされており、彼はそこで艦長の亡霊を目撃しました。
艦は酸素が不足し、暖房も停止してしまい、バラストタンクのコントロールが利かなくなったので浮上には船内の酸素が必要になります。
ブライスは指揮を放棄しており、オデル達は生き残るための方法を模索します。
オデルはクレアとキングスレーにクァーズから聞いたことを打ち明け、本当は三人の士官が艦長を殺害したのではないかと疑念を抱きます。

単独行動をしていたクレアは再び日誌をチェックし、資料を閲覧し、自分達の病院船がドイツの輸送船と全く同じシルエットだということに気付きます。
オデルと合流した彼女はそのことを話し、二人は誤認雷撃の証拠隠滅のためにブライス達三人が艦長を殺害したのではないかと勘付きます。
艦は勝手に停止し、大雨の中で浮上を始め、事故でキングスレーは死亡しました。
レーダーに正体不明の艦を確認したオデル達は艦を捨てて逃げる準備を始めますが、ブライスが現れ指揮権を主張します。

オデルは命令を無視して船に呼びかけようとしますが、血迷ったブライスは銃で計器類や無線機を破壊します。
クレアは隙を見てライトを手に甲板に立ち、船に合図を送りますが、ブライスが銃を手に現れ、クレアに銃を突き付けます。
ブライスは揉み合いの末、自害してしまい、オデルは甲板で小銃を乱射して船に知らせます。
船はイギリス籍でしたが、オデル達に気付かず通り過ぎます。

しかし誰かが気付いてくれたようで、船は信号弾を撃ち、オデル達は救助されます。
生き残ったのはオデル、クレア、サンボ、ウォーリーの4名だけでした。
4名はイギリス船の甲板でタイガーシャークが沈んで行く姿を眺めます。
タイガーシャークは病院船のすぐ近くに沈んで行きました。

エンドロールで終了です。

ラスト付近はちょっと失速した感じがします。いかしサンボが生き残ったのは意外でした。
結局、真相はクレアの考えた通りだったようですが、完全に闇の中ですね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする