MOTHER マザー
白い闇の中から あの子たちが呼んでいる
制作年 | 2004年 |
制作国 | フランス |
監督 | パスカル・ロジェ |
脚本 | パスカル・ロジェ |
上映時間 | 99分 |
出演 |
ヴィルジニー・ルドワイヤン |
ルー・ドワイヨン |
カトリオーナ・マッコール |
だいたいのあらすじ
どこかの孤児院では怪異が原因で子供が死亡したりしているようです。
アンナ(ヴィルジニー・ルドワイヤン)はアルプスの山奥にあるサンタンジュ孤児院でメイドとして働くことになります。
ここの長はマダム・フランカルド(カトリオーナ・マッコール)という人で固そうな人物です。
フランカルドさんは地獄から戻ってきたようで、白目じゃないです。アンナはキュートです。
ここでは料理人のイリンカというおばさん他・数名の人が働いており、アンナは2階の部屋を割り当てられます。
アンナはバレないようにコルセットを捲いて誤魔化していましたが、実は私生児を妊娠しています。
イリンカさんは凄く朗らかでいい人です。
この孤児院は間もなく閉鎖される予定で子供達は皆、送り出されて行きました。
孤児たちを送り出す際、アンナは一人の少女から「こわい子供たちに気を付けて」と耳打ちされます。
孤児で残ったのはジュディス(ルー・ドワイヨン)という気が触れた女性だけでした。
ジュディスはアンナが妊娠していることに勘付いているようです。
食堂で倒れたアンナはイリンカに介抱され、妊娠していることや身体に受けた暴力の痕を知られます。
イリンカは他には漏らさず、酷い目に遭ったんだねえとアンナを慰めます。
しかしその後、アンナのお腹は大きくなって行くので彼女の妊娠は公然の秘密となり、知らない人はいませんでした。
アンナはイリンカが皆にばらしたに違いないと思うようになります。
アンナはチャペルでナゾの子供の亡霊のようなものを見ます。
直後、帰宅していたフランカルドが現れます。
そこには沢山の孤児の名簿などもあり、フランカルドは戦時中に何かあったようなことを匂わせます。
その後、フランカルドはまた帰宅しました。
これイマイチ気付きませんでした。
こわい子供たちはジュディスも目撃しているようで、夜になると現れると言います。
アンナは子供たちが何かを訴えようとしていると考えたようで、孤児院の秘密を探るうちに壁に埋め込まれた木箱を見付けます。
木箱の中には少年の名簿が入っていました。
次の日、アンナはナゾのポルターガイスト現象に見舞われます。
アンナはイリンカに少年の名簿を見せて、これは何?と聞くのですが、イリンカは戦時中のことは思い出したくも無いようです。
ある日、ジュディスが飼いたがっていた仔猫が行方不明になり、貯水池の中に袋詰めになっているのをイリンカが見付けます。
アンナはますますイリンカに反感を抱き、ジュディスも味方にしようとします。
孤児院の秘密を皆が隠そうとしており、イリンカも嘘吐きだと考え、お前は騙されている!と彼女を説得します。
アンナに説得されたジュディスはイリンカの出す薬を飲むふりをして口から出すようになりました。
大丈夫でしょうか?私にはアンナの方が情緒不安定に見えるのですが。
感想
これは普通です。
最初、気が付かなかったのですが、これは時代背景が古いみたいです。
永遠の子供たちとかアリーの人の小児病棟もの等に似た感じのファンタジーっぽい映画です。
なんかジャケットでヘンな子供たちの前に妊婦さんがヌードで立ってますが、これネタバレっぽいですね。
ジャケ写の左から2番目の少女の顔がおっさんっぽい気がします。
展開はダラダラしており、やや退屈な印象です。
怖いシーンはほとんど無くて幻想的なシーンが多いですが、雰囲気はいいと思います。
映像がお洒落な感じで演出も凝っているみたいですが、嫌味な感じはしません。
この監督さんは有名な鬼畜映画「マーターズ」の人なのですが、これははソフトですね。
お洋服とかも可愛かったりします。
音楽はファンタジーみたいな感じでキレイです。
私はアンナが気付く怪異にはサッパリ気付かず、この人が勝手に騒いでるだけなんじゃないかなあと思ったりしました。
どこまでが幻想なのか良く分からなかったりしました。
ラストも投げっぱなしなので、視聴者の判断任せみたいです。
ジュディスの人がなかなか上手くて、こんな感じの人は確かにいるなあと感じました。
アンナの人はリアル妊婦さんだったみたいで、後半サービスしてます。
この人は何となくマンダレイのグレースの人に雰囲気似てる気がしました。
登場人物はこの2人とイリンカ以外はほとんど出ません。
フランカルドさんはいつも地獄の門を開けに行ってるようで、不在です。
全然、関係ないですがルドワイヤンと聞くとジネット・ドワイヤンを思い出します。
シャブリエの小品集のアルバムは実に良かったです。
ラスト付近の廃墟や白い部屋はなかなか良い感じでした。
単調で退屈な印象の映画なので特に観なくてもよいと思いました。
ラストまで(ネタバレ)
アンナ達2人はつるむようになり、イリンカをガン無視するようになり、イリンカは私が何をしたと困り果ててしまいます。
登場人物がほとんど3人だけなので、視聴者も困ります。
ジュディスはトイレ兼シャワー室に特殊な子供たちが閉じ込められたと思い出します。
そこで2人は鏡に浮かび上がる無数の手形を目撃し、閉じ込められてしまいました。
また、鏡の向こうから子供の影がチラっと現れ、アンナを驚かせます。
アンナは鏡を割り、向こう側に空洞を見付けます。
ドアをドンドン叩かれ、ノブを外されたのでアンナは鏡の向こうに逃げ込もうとしますが、イリンカが現れて彼女を止めます。
鏡の向こうでは子供たちが走り回っていましたが、床が腐っており、アンナは落ちそうになりイリンカに救助されます。
イリンカは子供たちの一部をここに埋めたと言うのですが、ジュディスは彼女を嘘吐き呼ばわりして懐中電灯で頭を殴りつけます。
イリンカはグッタリと動かなくなってしまい、アンナとジュディスは鏡の向こうに突入しました。
ジュディスは鏡の向こうに閉じ込められていたことがあったと言い、中を案内します。
中に入って古い人形を見たジュディスは何か恐ろしいことを思い出したのか、奥へ進むアンナを止めます。
しかしアンナは固くなっていた扉を開け、奥へと進んでしまい、そしてジュディスが強行に触るなと言っている配膳用のエレベーターのような物に乗ってしまいました。
エレベーターの先には真っ白な病院のような近代的なフロアが広がっていました。
アンナがフロアに入るとエレベーターはドアが閉まってしまい、フロアから戻れなくなります。
やがて彼女はこわい子供たちに遭遇しました。
彼等は全員男の子で、口々に何か囁いており、アンナを囲んで円陣を組みます。
そしてアンナは彼等の中心で出産してしまいました。
これは何かのプレイでしょうか?この子達の将来が心配です。
イリンカから連絡を受けたフランカルドはアンナが出産後、息絶えているのを使用人の男性と共に目撃します。
そこは白いフロアでは無く、ただの薄汚れた廃墟でした。
ジュディスは孤児院を出ることになり、出発時にこわい子供たちに囲まれて胎児の面倒を見るアンナの姿を目撃します。
しかし、それは薬を飲んでいないために起こる幻覚で、彼女はフランカルドに連れられて孤児院を出るのでした。
最後、アンナは白目だったのでビヨンド展開みたいです。
結局、情緒不安定な妊婦が見た幻だったというオチなのでしょうか?
なんだか良く分かりませんでした。
ラストのピアノ曲だと思わせてオケ入ってる曲が良いですね。