麻袋被った人が出てきます コワイ女

コワイ女

コワイ女性をテーマにしたオムニバス作品で三本入ってます。

制作年 2006年
制作国 日本
上映時間 91分

収録作品

カタカタ

監督 雨宮慶太
脚本 雨宮慶太
出演
中越典子
小林裕子
豊原功補

加奈子(中越典子)は同僚の晃(豊原功補)に車で送られて深夜に帰宅し、帰り際にイヤリングをプレゼントされます。
二人は元々不倫関係にありましたが、晃の離婚が決まったので近々、結婚する予定です。
彼女は帰宅中にうっかり路上に供ええられていた花瓶を蹴飛ばしてしまい、カタカタという音を聞きます。
上の方から何か落ちてきたので、拾い上げると、彼女がプレゼントされたイヤリングでなぜか黒くなっています。
その瞬間に加奈子は上から落ちて着たものに当たったような衝撃を受け、気絶しました。

加奈子は気が付くのですが、近くに謎の少女の姿を見たり、晃から元妻に刺されたと連絡があったりと嫌なことが続きます。
更に部屋には謎の赤い服を着た女性(小林裕子)がカタカタいう音と共に包丁を持って現れ、加奈子は玄関にあった植木鉢を投げつけて殺害してしまいました。
加奈子は家を飛び出して無人の交番に飛び込んで電話を架けるのですが、こちらの会話は通じず、赤い女が襲って来たので逃げ出します。
なんだかここは異世界のようで、人の気配は無く、やっと見つけた人達は呼びかけても反応無しで飛び降り自殺した女性の遺体を眺めています。

あの少女と再会するのですが、少女はマンションから転落死した亡霊のようです。
また赤い女が現れ、加奈子は少女に導かれてマンションに飛び込みます。
道中で黒い服を着たぼんやりと佇む人々に声を掛けるのですが、反応は無く、加奈子は少女の自宅と思われる部屋に飛び込みます。
赤い女は黒い人々を消し去りながら追いかけてきます。
少女の母親は少女を失ってから病んでしまったようで、室内には異様な写真が飾られています。
室内に赤い女が現れ、追い詰められた加奈子はベランダから転落し、気が付くと病院で寝ていました。

加奈子は晃と別れた後に自殺した女性に直撃されて入院していたそうです。
退院した彼女は路上の花瓶に花を供え、マンションの廊下から下を眺めるのですが、住人によると少女の母親は首吊り自殺したそうです。
混乱した加奈子の前に母娘の亡霊が現れますが、直後に赤い女が現れて彼女を突き落としてしまいました。
加奈子が激突されたのは加奈子でした。

これは普通です。怖がらせようとしてるようですが、怖くないです。
無限ループオチみたいです。
赤い女はなかなか良いのですが、意味不明で置いてけぼりです。

加奈子の演技はちょっとホラーには合ってないような気がします。
もしかして上品な感じだからかも。

鋼-はがね-

監督 鈴木卓爾
脚本 鈴木卓爾/山本直輝
出演
柄本佑
菜葉菜
香川照之

冒頭の雰囲気が鉄男っぽいと思いました。

自動車修理工場で働く関口(柄本佑)は地味で空気が読めない正格で友人も恋人もいませんでした。
彼の勤務する工場は社長の鉄(香川照之)と二人切りなのですが、鉄は全く働いていません。
ある日、関口は社長から明日、妹とデートしてくれないか?と可愛い女性の写真(菜葉菜)を見せられOKします。

次の日、関口はウキウキしながらメガネをコンタクトに変えて鉄の家に向かいました。
鉄の家は何だか廃墟のようで、返事が無いので上がり込んでみると鉄がずだ袋を被った人物にパイプを繋ぎ、ポンプを必死に動かして何かを送り込んでいました。
関口は呆気に取られる関口に妹の鋼だと紹介し、彼女はミシンが好きなようです。
見ていた私もポカーンとしてしまい、必死でポンプを動かす様子に笑ってしまいました。
鋼はデートの支度をして出て来るのですが、赤いハイヒールと皮のミニを見に着けているもののズダ袋は被ったままでした。
流石に関口は写真を見せて、これが妹さんですよね?と確認しますが、鉄は鋼になんかしたら殺す!とまるで会話がかみ合いません。
なんだこれ?って思いました。スタイルが良いので可愛く見えるのはマスク美人と同じ原理でしょうか?
鉄が全然気にしてないのも笑えます。

関口は鋼を乗せてドライブに出発したものの、鋼は一言も喋らず、どうしていいのか分からなくなります。
駐車場に車を停めていると鋼は脱走し、自転車に激突して転んだり、川に落ちて流れたりします。
どうして袋を被ってるのかという質問には答えてもらえませんでした。
鋼の川流れしている様子と関口の対応に笑ってしまいました。鋼は鳩みたいな鳴き声上げてました。

関口は鋼を自分の部屋で着替えさせてやろうとしますが、なぜか蹴られたり、お尻でつぶされたりと暴力を受け、鼻血を出してしまいます。
思わず鋼を突き飛ばすのですが、鋼は足の指で関口の鼻血を拭ってインク代わりにし、窓に「もっと」と書きます。
このシーン凄いですね。大変だったのでは?
鋼は足だけ見るとセクシーなので、関口はこれはOKなのでは?と考え、彼女を押し倒してズダ袋を結んでいる紐を解くのですが、中から内臓のようなものが出てきました。
驚く関口を尻目に鋼は物凄い叫びを上げ、部屋のものを滅茶苦茶に壊すと、ドアを豪快に破壊して去って行きました。
ドアの様子と関口の「ごめんなさい。ごめんなさい」で笑ってしまいます。

なぜか鉄は大きな穴を掘っており、そこに鋼が帰って来ます。
鋼は関口のことが気に入ったようで、鉄は部屋でガクガクしながら途方に暮れている関口に「鋼がお前のこと好きみたいだから、これからもよろしくねー」と恐怖の伝言を入れます。
この後、鉄が鋼を入浴させているシーンがあるのですが、たわしでゴシゴシこすって棒で殴りつけてます。

関口はこんなの耐えられんと会社に書置きを残してバックレることにしました。
帰り道にふと見た金融屋の広告の女性モデルが鋼だと言って鉄に見せられた写真の人物だと知り、最初から騙されていたと悟ります。
このモデルの人は鋼の中の人と同じ人ですね。
その直後、何かが飛んできて腕に刺さるのですが、振り返ると鋼が袋の穴から吹矢を撃ってきており、関口はこのままでは殺されてしまうと角材で鋼を殴りつけます。
関口は鋼に止めを刺そうとするのですが、なぜか鋼の袋から複数の刃物が出て来て腕を刺されます。
鋼は遊んでいる感覚なのか、関口の流した血を使って、また足の指で「もっと」と書き、関口は「勘弁してくれ」と言いますが、鉄パイプで鋼が動かなくなるまで殴りつけます。

鉄が自宅にも来たので関口は夜逃げすることにしますが、入り口に壊れた自分の眼鏡と花が置いてありました。
どうやら鋼が置いていったらしく、ふと見ると彼女がフラフラしており、落差のある下の道路に落ちそうになっています。
一瞬、情に絆されて鋼を助ける関口でしたが、やはり手を放して彼女を落としました。
しかし鋼は生きており、関口を追いかけて捕まえ、袋から両手を出して抱きしめます。
そして袋をペロンと捲ると関口に被せ、彼を吸収してしまいました。
無理矢理いい話にしようとしてるみたいなのですが、吸収シーンは完全に濡れ場で笑ってしまいます。

鉄が鋼を捜していると、関口が吸収されているのを目撃します。
鋼は何で私は好きになった人と結ばれようとすると食べちゃうんだろうと考えているのか、それとも関口が死んだのが悲しいのか分かりませんが、しくしく泣いています。
しかしすぐ立ち直って関口のことは忘れたようです。
鉄はまーたやっちゃったのかと関口の遺品を燃やし、証拠隠滅します。

自動車修理工場では従業員を募集しており、二人は普通に暮らしいるのでした。

ラストに鋼がウフフフと笑いながらクルクル回るシーンを入れているのを見て、この監督さんはおかしいと思いました。(いい意味で)
これは面白いです。怖くはないですが、笑ってしまいます。
関口と鉄の演技と鋼の動きが凄くいいと思います。

鋼の正体は不明で、鉄は妹言ってますが人類なのかも怪しいと思います。
金属っぽい材質で出来てるみたいで、妖怪のたぐいなのかもしれないです。

関口と鋼のやり取りがおかしくてデートシーンはシュールでお腹が痛くなります。
鋼は全く喋らないのですが、動きで感情を表現していて面白いと思いました。
あんまり前見えてないと思いますので大変ですよね。

投げっぱなしの作品ですが、面白いので私はセーフです。

うけつぐもの

監督 豊島圭介
脚本 豊島圭介
出演
目黒真希
須賀健太
松岡俊介

冴子(目黒真希)は離婚して息子の道男(須賀健太)を連れて実家に帰って来ました。
母の敏江(左時枝)はあまり歓迎していないようですが、冴子は居座ることにします。
子は美人ですね。
道男は7歳で失踪したという冴子の兄・正彦の亡霊を見たり、敏江の態度がおかしかったりとどうもなじめません。
敏江は高齢のため、ヘルパーで冴子の昔の知り合いである梶(松岡俊介)が手伝いに来ているようです。

冴子は道男を捜して迷い込んだ土蔵で謎の巻物を発見し、何かに気付いたように固まります。
家の中では正彦の写真が落下して割れるという謎の現象が起きていました。
冴子の様子はおかしくなり、喫煙したり、外でお酒を呑んだりするようになり、また道男にもたまに冷たくなります。
道男はある晩、冴子が土蔵に入って行くのを目撃し、跡を尾けるのですが、母は2階で子守歌を歌っており、道男に気付くと鏡越しに気味悪い動作でおいでおいでをするのでした。

冴子は普段は優しいこともあるので道男はすっかり戸惑いますが、翌日に土蔵で何をしていたのか尋ねると道男は首を絞められてしまいました。
道男は幸いにして無事でしたが、敏江は誰かに電話して道男が危ないから引き取ってくれるようにお願いしています。
それを聞いた冴子は道男は誰にも渡さないと妨害し、電話を切ってしまいました。

その夜、冴子は嫌がる道男を無理矢理土蔵に閉じ込めてしまいました。
土蔵には正彦が行方不明になった当時の新聞記事が保管されており、道男はそれを読みふけりますが、背後にゾンビのような正彦が一瞬現れて消えました。
その後、土蔵の隅に置いてあった長持ちがガタガタと揺れ、道男は何者かに長持ちの中に引き摺りこまれてしまいます。
長持ちの中には頭蓋骨があり、それは正彦のもののようで、道男に敏江が正彦を殺害したという記憶を流し込みます。

敏江が土蔵に現れて「このままでは母親に殺されるから逃げなさい」と迎えに来ますが、道男は正彦の件で敏江を信用せず、冴子の下に走ります。
一方、冴子は謎の発作に襲われて床を這いずって悶えながら何かを燃やしていました。
この家系は代々、母親が息子を殺すという謎の呪いにかかっているようで、道男も殺されてしまいます。

これが一番怖いような気がします。土蔵のシーンはなかなか怖かったのですが、手がビヨーンはやり過ぎだと思います。
しかしお話は意味不明です。
話はこれで終わりでは無く、冴子には離婚した夫に養育されている娘がいるのです。
土蔵に来なければセーフなのでしょうか?

役者さんの演技は良かったです。

感想

これは鋼が面白いと思います。
一本が40分前後なので気軽に見られるという点はいいと思います。
オムニバス作品ってどうも外れっが多いような気がしているので、一本でも面白いの入ってればいいかな、と思ってしまいます。

イマイチ「コワイ女」というタイトルにマッチしていないような気がします。
私は「コワイ女」と聞くと揺り籠を揺らす手、ミザリー、エスターみたいなの連想します。

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