放送禁止
放送禁止シリーズの第1話です。
制作年 | 2003年 |
制作国 | 日本 |
監督 | 長江俊和 |
脚本 | 長江俊和 |
上映時間 | 46分 |
あらすじ(ネタバレ
2000年4月7日
女性リポーター・佐伯円(瑠川あつこ)がレインボーブリッジをバックにある人物が廃ビルで恐ろしい体験をしたと語りました。
佐伯達は体験者である大学生・大橋直哉の埼玉県入間市にある自宅アパートを訪ねて体験談を聞かせてもらいます。
2000年1月12日に大橋は友人の福田亮一と合コンで知り合った女性二名と共に心霊スポットといわれる廃ビルに侵入し、その様子を撮影しています。
特に何も起こりませんでしたが、帰り道に福田の姿が見えなくなり、その後連絡が取れなくなります。
その後、ビルに同行していた佐藤真奈美も2月5日に失踪しました。
今現在、ビル同行者の前田利佳子と全く連絡が取れなくなったそうで、大橋は自分の身にも何か起こるのでは?と怯えていました。
失踪した三名に関しては家族が警察に失踪届けを提出していますが、事件性が無いという扱いになっています。
専門家の見解ではそういうものは集団ヒステリーの一種だと言います。
とある町営住宅で発生した超常現象に関しても集団ヒステリーであろうと彼は指摘しました。
これはトミカ町高畑住宅の事件だと思います。
2000年4月9日
佐伯達は東京都港区にある廃ビルの取材に向かい、ビルを管理している財前良三という初老の男性に取材を申し込みます。
財前は撮影を嫌っており、変な噂のせいでビルが売れなくて迷惑していると語ります。
単なる雇われ管理人の彼が気にすることでは無いと思いますが。
また彼の腕時計はなぜか福田のものと全く同じでした。
財前では話にならないと感じたスタッフは管理会社を通じて所有者に取材許可を得てビル内に入りました。
ビル内は電気が通っておらず、大橋達が侵入した三階部分の窓は目張りされ壁には黒い大きな字「Z」と複数書かれていました。
このビルには入ると二度と戻れない部屋があるという都市伝説があるそうです。
2000年4月16日
スタッフは埼玉県所沢市にある前田利佳子の家を訪問します。
彼女は埼玉の看護学校生だったということで、彼女の学校のテキストには赤いマジックで「Z」の文字がいくつも殴り書きされていました。
2000年4月21日
スタッフは大橋に連絡が取れなくなったので、彼の自宅を訪ねることにします。
撮影された映像にはな建物の一階になぜか財前の姿が映っています。
しかし大橋は不在で戻らず、実家やアルバイト先にも姿を見せず、失踪してしまいました。
その後、廃ビルの前で撮影した映像にはこちらを窺う財前の姿が映っています。
2000年4月27日
ビルのオーナーN氏に電話でインタビューをしたところ、彼は管理会社が噂を流しているのではないかと不信感を抱いているようです。
また家賃等の支払はあったものの契約期間に勝手にビルを出てしまった出版社があったということで、代表は藤堂俊二という男性だそうです。
その出版社は三階にオフィスを構えていたということでした。
2000年5月5日
スタッフは福島県飯野町にある藤堂俊二の別荘を取材しています。
彼は乙骨瞬時を名乗り、自称超能力者ということで雑誌にも取り上げられていた人物でした。
藤堂は荒唐無稽な週末予言等を行っており、マスコミからは嘲笑の対象とされています。
乙の字はZにも見えるのでスタッフは何らかの関連性があると考えたようです。
不思議なことに別荘を映した映像の玄関付近にも財前の姿が映りこんでいました。
藤堂は何かに力を授かったとか四人は導かれて自分の意思で失踪したのだとか意味不明なことを言っていました。
彼はこれが私の力だ!と言い、空中にZの文字を描き、コーヒーカップや壺、絵画の額のガラスを割りました。
更にあなた達の頭を割ることもできると言い出し、Zの文字を描くとディレクターが頭を押さえて苦しみ始めます。
カメラマンは佐伯を連れて逃げようとしますが、複数の人物が別荘に雪崩れ込んで来て取り押さえられてしまいます。
カメラはカメラマンが倒れた際の床を映していましたが、その後、高笑いをする藤堂を映している映像に切り替わります。
コーヒーカップも壺も絵の額縁のガラスも何一つ割れていませんでした。
これは恐らくまやかしで催眠術だと思いました。
最後にどこかの暗い部屋で廃人のようになった佐伯が宙にZの文字を描く様子が映されていました。
その後、スタッフと藤堂は行方不明になり、藤堂の別荘の前の佐伯達の車の中からビデオテープが発見されたそうです。
2003年3月
福島の飯野町では2000年5月5日にUFOが目撃されたそうです。
廃ビルのオーナーN氏はその後、失踪したそうです。
廃ビルはそのままの状態で放送禁止のスタッフが撮影していると財前が撮影するなとカメラを隠しに来ました。
終了です。
感想と考察
これは普通です。
インパクトはあると思いますが、お話はあまり面白くないような気がします。
若者が心霊スポットの廃ビルに入って行方不明になり、原因を探るとオカルトに行きつくというものです。
大体は「真実」が見えたような気がしますが、所々に不明点が沢山ありました。
演出は面白いと思いました。
財前の会社が何か悪いことをしていて財前がその手先として悪事を働いていると読みました。
彼等は何かの事情で廃ビルを使用したいようですが、目的は不明です。
・四人の若者がなぜ行方不明になったのか
良く分かりませんが、廃ビルで何かを見付けたのだと思います。
彼等を拉致したのは財前達で財前は福田の時計を奪ったと思われます。
噂を広める目的で失踪させたのであれば、佐伯達を失踪させる意味がわかりませんので。
ただ、彼等が持っていたカメラが問題だったのであれば、わざわざ失踪させる理由は無く、カメラを奪えば済む話だと思います。
・Zの文字の意味
これは全くわかりませんでした。前田がなぜZの文字を書いたのか私には理解できませんでした。
藤堂が催眠術をかけたのだとするとわざわざZの文字を書かせた意味がわかりません。
・藤堂は四人は導かれたとか言ってたが、四人の若者はグル?
グルでは無いと思います。グルであると仮定すると佐伯達をおびき出す餌としか思えず、メリットが感じられません。
・藤堂と財前の関係
良く分かりませんが、藤堂は財前の会社の手先になったのだと思います。
・藤堂の超能力
催眠術であり、偽物です。ガラスが割れていない映像が直後に映っています。
しかしこの映像を誰が何のために映したのか全く分かりません。
・佐伯達はなぜ拉致されたか
しつこく取材していたからでしょうか?佐伯達を襲ったのは財前達だと思われます。
なぜならば拉致グループは財前の着ていた作業衣と同じものを着ていたからです。
財前は佐伯達を監視するように出没していたので、黒幕では無く誰かに操られているのだと思いました。
・佐伯達の撮影機材とテープはなぜ無事だったのか
これは全く分かりませんでした。証拠隠滅するのであれば車ごと消すと思いました。
・オーナーが失踪したのはなぜ?
廃ビルに何か秘密があるから?良く分かりません。
・藤堂がビルから消えた理由は何?
これは全くわかりませんでした。
・財前は警察の捜査を受けないの?
ここまで話が大きくなると目撃証言や各建物の監視カメラの映像などから足が着くような気がします。
ただ、この作品はそういうことを言いたいものでは無いので、きっとどうでも良いことなのでしょう。
と言う訳で財前の会社が何か悪いことしてる!としか想像できませんでした。
佐伯がなかなか可愛かったのと財前と藤堂のうさん臭さが良かったです。
これはサラッと観ると良く分からないので謎々とかやりたい時に観るといいいのかなあと思いました。
でも全体としてはそんなに面白くないような気がしました。