ドラえもんは出てこないみたいです 来るべき世界

来るべき世界

戦時中から未来までを描いた話

制作年 1936年
制作国 イギリス
監督 ウィリアム・キャメロン・メンジース
脚本 H・G・ウェルズ/ラホス・ビロ
原作 H・G・ウェルズ
上映時間 90分
出演
レイモンド・マッセイ
エドワード・チャップマン
マーガレッタ・スコット

だいたいのあらすじ

1940年 クリスマス

エブリタウン
街はクリスマスを祝う人達で賑わっていましたが、一方で戦争の危機を訴える人達がプラカード等を手に歩いています。
ジョン・キャバル(レイモンド・マッセイ)の家にも友人であるハーディング(モーリス・ブラッデル)とピッパ・パスワージー(エドワード・チャップマン)が訪ねてきます。
ジョンは戦争の危機に関する新聞記事を読んで危機感を抱くのですが、ピッパは呑気者なので心配無いと言います。
ということでそれぞれの家の家族も参加してガヤガヤとクリスマスパーティーを始めます。
ジョンはまだ戦争のことを考えていたのですが、ピッパは「戦争は文明に刺激を与える」と持論を展開します。
ジョンは戦争を無くさなければ世界は滅びると強く思うようになります。

しかしその夜、この国は戦線布告無しの奇襲による爆撃を受け、国民には避難勧告が出されます。
軍人であるジョンは動員され、エブリタウンにも空襲警報が発令されて市民にはガスマスクが配布されました。
地上では高射砲が迎え撃ちますが、激しい爆撃を受けてエブリタウンは灰塵と化してしまいました。
この混乱の映像がなかなか良いのではないかと思いました。ただ戦争映画としては期待できないと思います。
ジョンは敵機を撃墜し、墜落した敵パイロットを救出しようとするのですが、彼は既に近辺に毒ガスを撒いていました。
敵パイロットは自分のガスマスクを非難してきた少女に与え、ジョンと少女は離陸します。
彼は「娘の親を殺害しておいて、娘の命を助けるとは皮肉なことだ」と笑うのでした。

1960年になっても戦争は終わらず、経済活動が行えないので国民は疲弊します。
1966年になり、ようやく終戦の光が見えたのですが、敵はわずかに残った航空機で夢遊病のようなものを発生させる細菌兵器を使用してきました。
夢遊病に感染した人は昼も夜も目を開けてフラフラと彷徨い歩き、意識を持たないのでいずれ飢え死にするという恐ろしい病でした。
エブリタウンは爆撃で崩れた瓦礫の下に豪を掘り、人々は石器時代に戻ったかのような暮らしを送っていました。
老齢となったハーディングは娘のメアリ(アン・トッド)と共に夢遊病患者を救おうとしていましたが、病院には満足な設備も薬品もありません。
街では夢遊病患者が現れると感染を恐れた人々が逃げ惑い、中には夢遊病患者を射殺する者も現れました。
とうとうメアリの後の夫であるリチャード(デリック・ド・マーニー)の妹も夢遊病に感染してしまい、射殺されました。

1967年になると世界の人口の半数の人が夢遊病で死にました。
しかし感染は落ち着いてきて徐々に社会の活力も戻ってきました。

1970年

夢遊病は撲滅したようで、エブリタウンは夢遊病患者を殺しまくっていたチーフ(ラルフ・リチャードソン)と呼ばれる人物が指示を集めていました。
彼は愛人のロクサーナ(マーガレッタ・スコット)と共にこの町を支配しており「残るは山岳民族の撲滅だ!」と息巻いています。
リチャードはチーフから飛行機を修理するように言われていたのですが「燃料も部品も無いから無理!」と反論します。
そこに見たことも無い新型機が飛んできて、広場に着陸しました。
この新型機が尾翼部分がP38 のような双胴になっていてプロペラ機だという悲しさです。

飛行機からは落花生のようなデカいヘルメットを被ったいやに宇宙的なパイロットスーツを着た人物が降りてきました。
彼はなんとジョンで、警備兵が彼を連行しようとするのをガン無視してハーディングの所に向かいます。
ジョンはハーディングからこの町を支配しているのはチーフだと聞き、そういう輩は世界のあちこちにいると話します。
彼はどこかで他の技術者達と平和のための研究を続けているようで、あの飛行機はその成果のようです。
リチャード達はその話を聞いて、ジョンと共にそこに行きたいと願うのでした。
そこにチーフの部下が「どうしても来い」とジョンを連行しました。

ジョンを連行したチーフは「お前は捕虜だ」と尋問するのですが、チーフは「戦時中」、ジョンは「終戦」と主張しているので話がかみ合いません。
ジョンは「翼の国」と呼ばれる地中海付近にある所におり、バスラ司令部という基地があり、そこには新型機が100機以上あるそうです。
翼の国では支配者がおらず常識がお互いを支配しているのでジョンはチーフを認めず、自分が捕虜であることも認めません。
チーフは戦時中であるので、エブリタウンは領主が自分である主権独立国であると主張します。
ジョンは自分が戻らなければ仲間が軍を差し向けると言いますが、チーフは無視し、ジョンは地下牢に放り込まれました。
元々の暮らしが中世並みなので、ジョンはそんなに悲惨に見えません。

ロクサーナはあいつを上手く使って飛行機を治させるべきだったとチーフを諫めるのですが、彼は「ジョンが来るのもお見通しだった」と意味不明なことを言いました。
しかし彼は山岳民族征伐と称して鉱山を奪う計画を立てていたので、そこを奪えば石油が手に入るのも事実でした。
チーフは鉱山を責め落とし、とうとう石油を手に入れます。
リチャードはさっさと飛行機を修理しろと命令されますが、自分では技術不足なのでガソリン精製にはハーディングの知識がいるし、ジョンの技術が必要だと釈放を要求します。
チーフに呼び出されたハーディングは軍には協力しない!と断固として拒否しますが、リチャードには何か考えがあるようです。

ロクサーナはジョンの話に興味を持ち、地下牢を訪ねて外の世界の話を聞きます。
しかしジョンの考えを認めるとチーフは滅ぼされてしまうのでした。
ジョンは自分が死んでも仲間が戦争を廃止して正しい世に導くと信じており、信念は揺らがないようでした。
そこにチーフが現れ、ジョンは生産力が違い過ぎるから、仲間が来たらお前勝ち目無いよ!と脅すのですが、チーフも和平はあり得ないと強行な態度を取るのでした。

結局、ジョンは監視付きで飛行機の修理に駆り出されることになります。
ということでリチャードは修理した機の一機で翼の国に飛び、ジョンが掴まっていることを知らせます。
翼の国からは大量の爆撃機がエブリタウンに派遣されます。
これもいやに近未来的なデザインなのですが、プロペラ機です。
対するチーフ側には複葉機が6機程度あったのですが、飛行技術も無い付け焼刃のパイロットでどうこうできる相手ではありません。
爆撃機からは「平和ガス」というガスが撒かれ、住民はバタバタと倒れていきました。
やがてチーフも倒れてしまい、住民はほぼ全滅したようでした。

感想

これは普通です。
お話も演出も凄く牧歌的でほとんど人間ドラマなので、後半までは退屈です。
一応、ヤマ場はあるのでそんなに眠くはなりませんでしたが、SFを期待して観るとやられるかもしれません。
反戦的な部分もあるようですが、どっちかというと未来社会を描きたかったようです。

翼の国の人達は化石燃料とか使ってるので、現代人とあまり変わらないような気がします。
クリーンエネルギーとか当時は発送無さそうですよね。
戦前の映画なので仕方ないと思います。宇宙に出る手段も大砲なのです。
未来人の人達は地上は開発せず、地下で暮らしているのですが、何だか不思議な感じでした。
もしかしたら環境保護とか考えているのかもしれません。

未来人は漂流教室に出て来るようなヤバいのでは無く、普通の人でした。

翼の人達も戦争大好きな人達も最終目的はあまり変わらないのかなあと思いました。
そう考えてると翼の人達の方がまあ正しいとは思います。
結局、探求心と征服欲が無いと文明は進化しないですよね。
私もその恩恵にあずかっているわけですし。

これは超暇な人が何となく観る分にはいいのではないでしょうか。

ラストまで(ネタバレ)

実は平和ガスというのは極端な闘争心を持つ人間は殺し、普通の人は眠らせるというもので、住人は無事でした。
ジョンは翼の国では発言力がある人だったらしく、山賊の撲滅を宣言します。
ということで平和が来たようで、地下資源を掘り起こして文明の回復と新技術の開発が急ピッチで進みます。
ここにきてやっと未来カーや未来列車やナゾの採掘機等が出てきますが、丸っこいだけでデザインは微妙です。
またどう見ても突っ張り棒にしか見えない吸盤付きの腕でプラモみたいに建物を組み立てる巨大ロボットが出たりします。

2036年 エブリタウン

エブリタウンは地下都市となっており、人々は動く歩道やら空中を飛ぶ丸っこい車やらで移動しているようです。
ワイワイガヤガヤと集まったりして満ち足りた生活を送っており、近々宇宙砲というもので人類を宇宙に移住させる計画もあるようです。
18年後ですね。宇宙砲ってギャリック砲みたいな感じでしょうか?
しかしテオトコプロス(セドリック・ハードウィック)という芸術長官は「ちょっと不便でも昔の方が良かった」と老人のようなことを言っています。
それだけなら良いのですが、彼は「進化をやめろ」と演説して民衆を扇動するつもりのようです。

今やジョンは伝説の人物となっており、ジョンの孫オズワルドが議長となっていました。
オズワルド達は宇宙砲を月まで飛ばす計画を立てていましたが、乗組員2名に対して応募者は数千人という状態でした。
そこにピッパのひ孫であるモーリスがあなたの娘のキャサリンとどうしても一緒に乗りたい!と志願して来ます。
そんなこんなでバタバタしている所にテオトコプロスは「進歩はいかん!宇宙砲を壊そう!」と人々を扇動しました。
多くの人がそれを観てワーワーと賛同しますが、ここでは皆平等なのでオズワルドは人々の判断に任せました。
未来人の人は男も女もスカート履いてます。

モーリスの父(エドワード・チャップマン)はオズワルドの友人なのですが、モーリスが宇宙に行くことに猛反対です。
しかしモーリスとキャサリンの意思は固いようで、あーでもないこーでもないと話し合います。
しかしデオトコプロスに賛同した人々が暴徒と化して宇宙砲を破壊しようと集まって来ます。
オズワルドは「こうなったら、二人を無理矢理打ち上げちまおう!」と決め、善は急げと未来的なヘリに皆を乗せて宇宙センターに向かいました。
宇宙センターに到着するとキャサリン&モーリスをロケットみたいなのに乗せ、大きな砲台に詰めました。
そこにデオトコプロス一味が凄い数で襲ってきたのですが、宇宙砲は発射されました。

オズワルドは宇宙に伸びる点を指して「あれが二人だ」とモーリス父に説明します。
オズワルドはモーリス父に「次は宇宙を征服だ」的なことを言って終わります。

うーん。人口問題や資源問題とか無いのに宇宙に進出する意味が良く分かりませんでした。