放送禁止2 ある呪われた大家族
放送禁止シリーズの第2話です。
制作年 | 2003年 |
制作国 | 日本 |
監督 | 長江俊和 |
脚本 | 長江俊和 |
上映時間 | 47分 |
あらすじ(ネタバレ)
埼玉県所沢市 三上町
大家族の浦敬一郎さん一家は毎朝6時位から全員でラジオ体操を行い、その後朝食というのが日課でした。
母の司(38)さんと長女の林檎(18)さん、次女の蜜柑(17)さんが準備とお弁当作りをし、敬一郎さんには朝から牛肉の佃煮が出ます。
兄弟は他に長男の豪毅(16)くん、その下に次男の隆太(11)くん、三女の梨枝(9)ちゃん、四女の檸檬(6)ちゃん、四男の団(5)くんと続きます。
敬一郎さんは自分が食べている肉の佃煮を猫のエンリケに分け与えていました。
敬一郎さんは腕のいい大工だそうですが、2年前に梯子から落ちる事故に遭い、それから休職しているそうです。
二年も働かないのはどうかと思います。
生活費は司さんのパートで賄っているそうで、その後子供達は学校へ司さんはパートへと向かいました。
敬一郎さんは幼稚園から団くんを連れ帰りますが、団くんは頭から血を流して泣いています。
檸檬ちゃんは「パパがだんをなぐった」という絵を描き、敬一郎の虐待を匂わせています。
敬一郎さんはスタッフに「公園の帰りに転んだ」と言い、手当てをしています。
夕食の際に司さんに聞いた所、檸檬ちゃんも顔の周りに痣を作っていたことがあったそうです。
檸檬ちゃんはどうしてそうなったのか尋ねても「知らない」と答え、敬一郎さんは「どっかで転んだんだろ」と言います。
また浦家には三男の鷹治くんがいたのですが、去年の夏に近所の川で溺死したということです。
最近、敬一郎さんも体調を崩して寝込むことが多いようです。
深夜、国立大学を目指す林檎さんは子供部屋の片隅で薬学部を目指して勉強しています。
司さんは元看護師だったそうで、林檎さんは「お父さんを楽にしてあげたい」とスタッフに語っています。
豪毅くんはプロ野球選手を目指しており、毎晩素振りを欠かさないということです。
豪毅くんのスイングが素人目にもイケてない気がします。
翌朝、深夜の勉強で起きられなかった林檎さんが遅れて朝食に参加します。
林檎さんと敬一郎さんは和やかに会話し、林檎さんが朝食を食べ始めると突然、敬一郎さんが「何してんだ、お前!」とキレます。
敬一郎さんは林檎さんを別室へと連れて行き「皆が一緒にやるんだよ!勝手なことするな!」と明らかに激しい暴行を加える音が響いています。
その様子を家族はお通夜のように静まり返って聞いています。
敬一郎さんは何事も無かったように食卓に戻り、味噌汁のお替りを要求したりし、林檎さんは鼻血を出して俯いています。
このおっさんの頭をはたいてやりたいです。
スタッフは流石にやり過ぎなのでは?と敬一郎さんに確認するのですが「皆が一緒にいるのはが一番、殴れば子供にも分かってもらえる」と意に介していませんでした。
数日後、隆太くんがポストに入っていたというナゾの鳥居の写真をスタッフに見せてくれます。
これはアンビリで「ヤバい写真」として紹介されてたやつでコスモスのカプセルトイに入ってたといわれてるやつです。
その写真は二年前にポストに投函されており、捨てても捨てても戻ってくるそうで、司さんは鳥居に覚えはないそうです。
スタッフがそんな話を聞いていると梨枝ちゃんが階段から転落し、二階から敬一郎さんも降りてきました。
敬一郎さんが子供の勉強を見ていて、目を離した間に落ちたとそうで、軽症だったということですぐ病院から戻って来ました。
スタッフのインタビューで司さんが軽く敬一郎さんを睨んでいます。
司さんは写真の祟りかもしれないと気を病むのでした。
数日後、スタッフが家族の絵を描く檸檬ちゃんに父親がいない理由を尋ねると「もうすぐいなくなるから」と答えました。
団くんは写真を拾って鳥居の絵を描いており、周囲には敬一郎さんが子供達を虐待しているのを匂わせる絵が散らばっています。
司さんは霊能者を家に招いて鑑定してもらい、良くないと言われたのでお祓いをしてもらおうと敬一郎さんに相談します。
敬一郎さんは「お金かかるんじゃないの?」等と乗り気では無かったのですが、鷹治くんの事を言われるとなぜかキレて「勝手にしろ」と吐き捨てます。
お金が無いのは誰のせいでしょうか?
林檎さんは薬学の受験勉強で「ヒ素化合物」について熱心にノートを取っていました。
豪毅くんは「ジャストミート!」と気合を入れながらバットをフルスイングしていました。
その後、霊能力者を家に呼び三時間に渡るお祓いの末、悪霊は退散したということです。
しかし敬一郎さんの姿は無く、霊能力者もそれだけが気がかりだと話していました。
1週間後、浦家ではいつもと変わらずラジオ体操が行われていました。
体操や子供に暴力振るう元気があるなら働けよ、と思います。
牛肉の佃煮を作る林檎さんに司さんは「隠し味をもう少し入れた方がいい」と指示しています。
団くんが敬一郎さんの牛肉を食べたいと言うのですが、司さんは強く制止しました。
その後の週末に浦さん一家はピクニックに行ったそうです。
その10日後にスタッフが司さんから知らせを受けて訪問すると敬一郎さんが行方不明だということです。
なんとあの鳥居写真が戻ってきたそうで、5日前から連絡がつかなくなったそうです。
司さんは捜索願いを出しますが、彼の行方は知れませんでした。
この写真はとあるTV番組で紹介されたもので、写真がいつの間にか消え失せていたと判明します。
スタッフは岐阜に住む松井さんという霊能力者を訪ね、写真を見せると、敬一郎さんは既に死んでいるのでは?と言われます。
1ヶ月後、浦さんの家を訪ねると、一家は楽しそうにラジオ体操をしていました。
写真が来ることも無くなり、子供達の怪我も無くなったそうです。
庭の畑の隅には猫のエンリケの墓が立っていました。
子供部屋の絵には「パパは子供が嫌いだから子供を殴る、ママがパパの梯子を外した、ママとお姉ちゃんが毒を入れた」等と描かれた絵が散らばっています。
また「パパが子供を殺す、お兄ちゃんがパパをジャストミート、エンリケとパパは天国に行った、お化けなんかいない、写真は一杯ある」という絵もありました。
このVTRは番組側の配慮でお蔵入りになったそうです。
明るい家族のラジオ体操の音声が響きます。
終了です。
感想と考察
これはちょっと面白いです。
話は無理ありますが、割と分かり易くてあっさりしています。
父親がクズ過ぎて泣けてきますが、たまにこういう人いますよね。
専門家の話は大家族の割合とキレる人はストレスも原因みたいな話でした。
後、お祓いの相場みたいなのが出てて、相談料で最大5万、写真鑑定で最大3万、お祓いで最大200万だそうです。
詐欺師が横行する理由がわかったような気がしますが、取らない人もいるそうです。
今回は分かりやすかったで、私の考察は以下です。
敬一郎が事故に遭ってから働きもせず、子供を虐待するので、一家が父を殺害しようと目論んだという内容です。
敬一郎は子供を虐待しており、とうとう鷹治を殺害して川に流します。
司と林檎は日常的に敬一郎にヒ素を投与し、その巻き添えでエンリケは死亡しました。
しかし、敬一郎の暴力はエスカレートする一方なので、司は豪毅に命じて敬一郎をバットで撲殺します。
心霊写真のネガは司が所有しており、そのアリバイ作りに使われました。
敬一郎もクズですが、この一家も結構なサイコだと思いました。
分からなかったことは二点です。
・敬一郎の殺害場所と遺体の行方
これは続編でそれらしいことが入っていた記憶がありますが、この時点ではピクニックに行った際に殺害したのだと考えていました。
しかしそれにしても運ぶの大変だろうし、どうなんだろう?と疑問を持ちました。
・心霊写真
あるTV番組で紹介されて消えたということですが、何でその写真を司が所持していたのでしょうか?
普通に考えて警察に証拠物件としてVTRが押収されそうな気がしています。
一家の今後は続編で語られます。
このエピソードは割りと好きな方で、なかなか面白いと思いました。
特に敬一郎のリアルでいそうな感じのクズ加減が良かったです。