着メロ聞くと死亡 着信アリ

着信アリ

逆恨み親子にひどい目に遭う話

制作年 2003年
制作国 日本
監督 三池崇史
脚本 大良美波子
原作 秋元康
上映時間 112分
出演
柴咲コウ
堤真一
吹石一恵

だいたいのあらすじ

女子大生の中村由美(柴咲コウ)は合コンの席で友人の小西なつみ(吹石一恵)から覗き穴恐怖症であることを暴露されます。
遅れて来た岡崎陽子(永田杏奈)は後輩がダイビング中に溺れて亡くなったということで喪服で現れました。

4月16日 21時44分

居酒屋のトイレに入っている際に陽子の携帯に着信があり由美が知らせますが、陽子は自身では設定していない着信音だと言います。
なぜか相手の番号は陽子自身の電話番号で、伝言が入っていたのですが、メモリ日付は18日の23時4分という未来のものでした。
伝言にはなぜか陽子自身の声が入っており、踏切の音をバックに「雨が降って来た」と呟いた後、悲鳴を上げていました。
女性がトイレにいるだけのシーンなのですが、なかなか怖いという
陽子はその伝言を皆に聞かせました。
陽子は今の彼氏をキープして合コンに来ていたケンジと付き合うことにことにしたそうです。

葬儀屋の山下弘(堤真一)は遺体安置所の女性の遺体の口をこじ開けて調べようとしていました。
そこに刑事の本宮(石橋蓮司)が現れ「死因に事件性が出て来たから、その遺体はこっちで預かる」と声を掛けます。

4月18日 23時04分

陽子は線路上の歩道橋から由美に電話を架けた直後に何者かに迫られてフェンスの切れ目から落下し、走行してきた列車の屋根に撥ね上げられてバウンドしました。
由美は先日の合コンの際、陽子の携帯に入っていた伝言と同じ内容を聞くことになりました。
踏切の上では二人の女子高生が陽子の様子を目撃していました。
陽子の千切れた右手は携帯電話をしっかりと握りしめていました。

由美は陽子の葬儀の際に何となく彼女の部屋に入るのですが、山本が勝手に二階に出入りしているのを見て咎めますが、彼は無言で去りました。
陽子は即死では無かったそうで、右手を右足が切断された後に苦しみながら亡くなったそうです。
由美となつみは葬儀の帰り道で陽子の後輩達が「先輩は殺された」と噂しているのを耳にし、話を聞くことにします。
後輩達が言うにはダイビング中に死亡した里奈も自分からの着信があった後に死亡したということで、死の予告電話と言われているそうです。
彼女達はあの電話は怨みを持った存在が架けており、携帯のアドレス帳から相手を選んで移動を繰り返すという都市伝説めいたことも話していました。
自分の携帯番号を着信拒否した方がいいというアドバイスもくれました。
後輩達の話を山本も物陰から聞いていたようです。

4月21日 15時28分

ケンジ(井田篤)は由美に自分にもその電話があったと言って伝言を聞かせます。
メモリー時間は21日の15時34分で、彼は直後に箱無しでドアが開いたエレベーターに引き込まれて落下死してしまいました。
その様子を見ていた由美はその場にへたり込みます。
彼は死亡する前に赤い飴玉を口から吐いており、携帯電話が勝手に番号を押していました。

警察で事情聴取を受けた由美は本宮に「常識では考えられないことが起きてる」と訴えるのですが、相手にされませんでした。

その晩、由美の家に泊まったなつみの携帯にもあの着信音で着信がありました。
携帯の電源は怖いので切っておいたのですが着信してしまい、4月23日の22時39分の着信となっていました。
携帯の画面には女性の手が物陰から伸びて来るという不気味な動画のようなものが表示されました。

翌日、なつみは友人に携帯を渡し、アドレスを消してもらうという作業を行いました。
これ、友人に事情説明して自分で消せばいいのでは?
由美はなつみを携帯ショップに引っ張って行き、携帯を解約させました。
二人が家に帰ると家の前ではTV局の藤枝(松重豊)達が来ており、TVでお祓いを受けないかと持ち掛けます。
携帯を解約したと聞いた彼はADの携帯をなつみに持たせ「これがその携帯ですね」と映像を捏造します。
しかしその携帯にあの着信音と共になつみから電話がありました。
また動画のようなものが映っており、藤枝は怯えて立ち尽くすなつみにわざわざ画面を見せます。
由美は反対するのですが、なつみはTVでお祓いを受けることになります。

TV局がなつみを連れて引き揚げた直後、由美は廊下の隅に山下が立っていたのを発見して後を追います。、
なんで山下はこんなにババーン!って感じで立っているのでしょうか。
彼は陽子の携帯をガメており、死後にどこかに発信していたと発信履歴を見せます。
山下は焼け焦げた携帯を由美に渡し、同じ発信履歴があることを見せます。
番号は都内のもので発信してみますが、番号は使われていないようでした。
これは山下の妹・律子(竹花梓)の携帯で、彼女は半年前に自分からの着信を受けた三日後に火事で死亡したそうです。
律子の口の中には赤い飴玉が入っていたということです。

問題の都内の番号は移転する前の加賀美病院のものだと分かりました。
山下はこの位の情報は持っているべきだと思いますが。
山下と由美は病院に行ってみるのですが、陽子と病院の関連性は分かりませんでした。
待合室のTVで明日放送のなつみの特番の予告が流れていました。
また喘息の吸入器の音を聞いた由美はケンジが落ちる時に聞いた音だと気付きました。

山下は同業者(岸谷五朗)から加賀美病院の患者で喘息で死亡した患者のファイルを調べてもらいます。
その結果、水沼美々子という10歳の少女が浮かび上がって来ました。
律子の携帯のアドレス帳には「水沼マリエ」という人物が登録されていました。
同業者はそれは美々子の母で行方不明になっており、葬儀代を踏み倒されたと話します。
マリエの携帯はいつも留守電で繋がりませんでした。

律子は児童相談所の職員で日記には美々子のことが書いてありました。
マリエには菜々子という娘もいるようですが、美々子も菜々子も彼女の虐待を受けていた可能性が高いようです。
それはそうと山下は葬儀屋をクビになってしまいました。
その後、児童相談所を訪ねた二人は職員にマリエのことを尋ねます。
どうやらマリエは健康な子供に怪我を負わせたりして良い母を演じる代理ミュンヒハウゼン症候群の疑いがあるようです。
また彼女には美々子が喘息の発作を起こしていた際に見殺しにした疑惑もあるそうです。
由美達はその後、本宮に相談するのですが、取り合って貰えませんでした。
山下は調査力ゼロの癖に「君はもう関わるな!キリッ」と由美にタフガイ宣言するのですが、却下されました。

由美は山下をお供にTV局に怒鳴り込み、なつみを止めようとするのですが、本番が始まります。
天道という霊能者が出て来て彼女をお祓いするのですが、スタジオにはあの着信音が鳴り響きます。
そしてなつみの足元に髪の毛が伸びて来て、なつみがショップで廃棄した携帯を持った手も伸びてきました。
着信音はその携帯から鳴っているようで、天道は念動力のような物で吹き飛ばされました。
なつみは背後の壁から髪の長い女性が現れたのを目撃し、直後に「連れて行ってあげる」という声を聞きます。
彼女は手足を不自然な方向に曲げられ、首が落ちて死亡し、口からは赤い飴玉が転がり出て来ました。
正直、TVのシーンは退屈に感じましたが、天道ぶっ飛びの流れからは面白いです。
由美達はなつみを助けようと飛び込んで来たのですが、彼女の死を眼の前で見ることになってしまいました。
恐怖に震える由美でしたが、追い討ちをかけるように彼女の携帯にあの着信音が鳴り響くのでした。

由美の着信時刻は24日の19時13分で、「どうして」と吹き込まれていました。
彼女は幼少期に母からひどい虐待を受けており、母は祖母が自殺した様子を障子の隙間から由美に覗かせていました。
そのことが心の傷になり、由美は穴から覗くことを怖がるようになったようです。
山下に自分の虐待を告白する際に、由美はその事件を思い出し「ごめんなさい、ごめんなさい」と精神障害のように取り乱します。

翌日、由美達はマリエ達が暮らしていた部屋を訪ねます。
部屋はまだ家具等が残っており、写真からなつみの背後に現れたのはマリエではないかと確認されました。
由美は天袋の押し入れからマリエの手が伸びるような幻覚を見て悲鳴を上げてへたり込みます。
天袋からはビデオテープが発見され、またマリエの携帯はとっくに通話不能になっていました。

その後、山下は独りで養護施設に菜々子を訪ねます。
菜々子は熊のぬいぐるみに聴診器を当てており、彼女の熊はいつも病気になるそうです。
彼女は虐待のせいで言葉を発することができないそうです。
マリエは半年の間、一度も訪ねて来ていないそうで、熊のぬいぐるみからはあの着信音の歌が流れてきました。
それは前にTV番組で流行った歌だということです。
だったら誰か気付きそうだと思います。特に藤枝達は番組で紹介しそうですが。
一方、由美は加賀美病院の職員から旧病院が廃墟として残されていると聞き、山下に電話で知らせると共に向かうことにしました。

感想

これは普通です。なかなか怖いです。
お話は途中まで面白いと思いましたが、他から色んな題材を集めて来てくっ付けた感じです。
何となく説明が付かない部分が多いような気がしていてちょっと不満です。

演出が雰囲気が良くて怖いです。
かといって雰囲気だけでも無く、一歩間違うと笑ってしまうようなシーンがある辺り流石だと思いました。

なつみの死亡シーンや後半の廃病院のシーンは私のお気に入りです。

役者さんは豪華で由美の人も上手いのです。
この人の「もう、なんなのよ」的な表情は素晴らしいと思います。
山下の人はカッコいいのですが、山下が前半情弱過ぎて私の中では2割引きになってます。
あと、脇役の人がいい味出してますね。
私は地味に本宮が好きで、この人はラーメンを食べながらタバコを吸うという技を披露していました。

私にはナゾが多く残った結末で、スッキリしませんでした。
これは暇つぶしにはいいのではないでしょうか。

ラストまでのあらすじ

4月24日 18時49分

由美は旧加賀美病院にタクシーで到着し、中に入ろうとするのですが、入り口は塞がっていました。
唯一鎖が外れていた入り口を発見するのですが、恐ろしさから躊躇し、山下を待つか思案します。
しかし中から携帯の着信音が聞こえたため、彼女は山下が先に到着したのだと判断し、中へ入りました。
ブレーカーを上げると電気が通って中が明るくなったので彼女は安心します。
着信音を耳にし、山下らしき影を見たので由美は追いかけて行きました。
手形がベタベタ付いていて嫌な病院です。

由美が下の階に降りると山下は居らず、折れてウジまみれになった携帯からあの着信音が鳴り響きます。
恐怖で廊下にへたり込む由美の背後からマリエが天井を逆さまに歩いて迫ります。
迫ってくる感じを髪の毛を使って表現していて怖いです。
マリエは振り返ると消えたりするじらしプレイと指をヘンな方向に曲げる攻撃をして来たので、由美は一目散に下の階に逃げました。
小部屋で震えあがる彼女に白い手が瓶詰の何かを「どうぞ」という感じに差し出しました。
スミマセン。由美には申し訳ないのですが、笑いそうになりました。
由美がチラ見していると最初は控えめだった手が近づいてきて、いつの間にか膝に胎児のホルマリン漬けの瓶を置かれていました。
彼女が悲鳴を上げて四つん這いで逃げると、何かにブーツが脱げる位足を引っ張られて引き摺られてしまいます。
手を離された感覚があったのですが、同時に背後のスチール棚の扉に白塗りの何かが「一昨日来やがれ」みたいな感じで引っ込みました。

泣き叫ぶ由美でしたが、そこに山下が駆けつけました。
二人は白塗りの手に嫌がらせをされるのですが、更に着信攻撃と由美の携帯を使った「おまえのいのちあと56びょう」という死の宣告のような特殊攻撃も受けます。
由美には申し訳ないのですが、ウケました。
由美の携帯から着信音が鳴り響く中、くそー!shit!と叫ぶ山下でしたが、隣の部屋に赤い携帯を握りしめたゾンビ風の手があるではありませんか!
山下はゾンビのお手手から携帯を奪い取って電源を切ると着信音は止みました。
どうやらバトルが終了したようで、由美の死の宣告は解除されたようです。
まだ20分位あるのでしかしマリエはくさったしたい系のゾンビになって由美に襲い掛かり、山下は閉め出されてしまいました。
山下の背後には律子の霊が現れ「人の数だけ空がある」と詩人のようなことを言いました。
恐らく相手を理解しろ的なことだと思うのですが、この状況でなぞなぞは止めて欲しいです。

マリエは由美の母になるという幻術を使いながら由美の首を絞めてきます。
母がトラウマな由美は「わかった、いい子にするから、ずっとここに居るから」と泣きじゃくってマリエに抱きつきます。
マリエも思わず涙を流し、部屋に突入した山下が見たものは由美がマリエの遺体を膝枕している様でした。
ということで警察を呼び遺体を回収しますが、マリエは死後半年以上と推定されました。
本宮は部下に由美を送らせ、山下に養護施設の院長から見せたいものがあるそうだと伝えます。

ということで山下は菜々子の施設を訪ねます。
菜々子の鞄からビデオが発見されたのですが、そこには美々子が菜々子を虐待する様子が録画されていました。
どうやら不審感を抱いたマリエが自宅に仕掛けた隠しカメラの映像のようでした。
山下が菜々子に真相を問いただし、彼女の鞄から赤い飴玉を取り出すと「お姉ちゃんいつも飴くれた」と菜々子が話しました。
マリエは美々子を突き飛ばして菜々子を抱き上げると、躊躇しつつも発作を起こす美々子を置いて家から出て行きました。

山下は車に飛び乗り、本宮に真犯人は美々子だったと伝え、急いで由美の自宅に向かいます。
一方、由美の家の置時計は逆回転し、19時12分まで戻りました。
美々子に迫られた由美は「どうして」と言った後、悲鳴を上げました。
山下が到着して部屋に飛び込みますが、由美は無事でした。
しかし彼女は包丁で山下を刺し「病院に連れて行ってあげるから」と呟きました。
鏡の中の由美は美々子でどうやら憑依されたようです。

その後、山下は死にかけていた美々子に吸入器を吸わせて助ける夢を見て病院のベッドで目覚めます。
側には由美がおり、彼女は口移しで山下に飴を与えます。
彼女の手には包丁が握られており、無邪気に微笑みました。

エンドロールで終了です。

結末は最後に山下が見た夢だったのでしょうか?
廃病院にいた白塗りはなんだったんでしょうか?
退治のホルマリン漬けに何か意味あったのでしょうか?
これだと美々子がマリエを操っていたということになりそうですが、美々子は何をしたかったんでしょうか?
小学生が携帯のアドレス帳使って相手と病院ごっこしようとか思い付くものでしょうか?
仮にマリエの案で動いているとしてもなぜマリエは美々子に協力しているのでしょうか?
謎は深まるばかりです。


特典映像のVer1.2に重症を負った天道の所にあの着信があり、上から落ちて来た金たらいに当たって死ぬという映像がありました。
「ごめんね。」っていうお詫びテロップが入ってましたが「あんた誰のアドレス帳にも登録されてないじゃーん!」とツッコみました。
たらいが当たって力なく首を垂れる天道の様子にウケました。
これ、ラストシーンの映像が流れるのでナゾが解明されるのか?はたまた別エンディングか?と思わせてるみたいです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする