怪奇十三夜 髑髏妻の怪
妻を売り飛ばしてひどい目に遭う話
制作年 | 1971年 |
制作国 | 日本 |
監督 | 佐伯孚治 |
脚本 | 下飯坂菊馬 |
原作 | 宇野信夫 |
上映時間 | 48分 |
出演 |
露口茂 |
弓恵子 |
小林昭二 |
だいたいのあらすじ
役者の滝五郎(露口茂)は妻のおさわ(弓恵子)を連れて高崎まで旅をしていました。
さわは病弱なのでなかなか道中は大変なようです。
元は江戸で役者をしていた滝五郎でしたが、身を持ち崩して旅回りになり。高崎には太夫元の勘助(金田龍之介)に招かれて来たのです。
しかし高崎に着いた矢先、滝五郎は悪い癖が出て博打に手を出し、大負けしてしまいます。
お金が無くなった滝五郎はさわを借金の形に差し出し、借りた金で勝負しますが大敗してしまいました。
いきなりのクズ展開です。
ということで滝五郎は叩き出され、さわは遊郭に売り飛ばされてしまいました。
滝五郎は勘助に「生まれ変わったつもりで頑張る」と宣言して酔いつぶれて寝てしまいました。
彼はさわが未亡人だったので妻に迎えたのですが、前の亭主に焼餅を焼いてDVしていたそうです。
さわが胸を患っていたのもこの男のDVの所為だと発覚します。
さわは早速、元締めに手籠めにされたのを苦にして川に身を投げてしまいました。
滝五郎の所にはさわの亡霊が現れますが、恨み言一つ言う訳でも無く、私のことを正しく女房だと思ってくれと要求しただけでした。
彼は「いつまでも一緒だ」と答えるのですが、さわは姿を消します。。
さわを捜して窓から外を見た滝五郎はゆらゆらと人魂が飛んでいるのを目撃しました。
滝五郎はさわの死を知り、無心に読経するのでした。
5年後 武州熊谷宿
滝五郎は仏門に入り、荒れ寺に住み付いていました。
ある日、彼を助けてくれた権蔵(小林昭二)の依頼で首を吊ったという妾を密かに埋葬することになります。
女性はお棺に入れられていたのですが落雷が直撃して驚くことに蘇生しました。
さわに瓜二つだったその女性・おうら(弓恵子)を滝五郎は連れ帰ってしまいました。
フランケンシュタイン的な原理でしょうか。
なんと滝五郎は「俺も坊主に生まれ変わったし、君も蘇生したし、運命だね」とうらをナンパします。
更に「おさわ、おさわ」とうらには意味不明なことを言いながら迫りますが、うらは彼を受け入れました。
1年後 江戸深川
滝五郎はうらと暮らしていたのですが、またまた博打にハマってしまいます。
三日もうらを放置プレイして賭場に入り浸って負けた後、帰宅しました。
滝五郎はうらの首を吊った際の痣が前の男を連想させると十八番の負の連想ゲームを初めて彼女に嫌味を言います。
うらは「お前こそ、さわさわ言いやがって!あたしはうらだ」的なことを言い返します。
滝五郎は「お前に出会ったせいでこんな風になった。」的なことを言い出し、家を飛び出しました。
なぜか、彼は大金を持っていました。
感想
これは普通です。
というかこのシリーズはダメ男多すぎませんか。
この滝五郎は意志薄弱タイプのダメ男です。
ギャンブルって何が楽しいのか良く分かりませんが、ジャンボとかは私もちょっぴり買います。
こいつは家に居てもローマ人のように寝転んでばかりで、さわとうらは何がよかったのか同情します。
お話は疑問が残るのでイマイチに感じました。
演出はレトロな怪奇映画のような感じでした。
江戸長屋の亡霊シーンはなかなか良かったです。
滝五郎の性格も十分怖いのですが、首に痣があるうらも怖いです。
彼は働いてる形跡が無いのですが、どうやって生活してるんでしょう。
うらは髪結いが得意のようですが、それを生業にしている訳でも無さそうです。
あまり怖くないので、そんなどうでもいい事ばかりが気になってしまいました。
さわもうらも幽霊メイクの時の方が美人に見えました。
そういえば「髑髏妻」ってなんだったんでしょうか。
ラストまでのあらすじ
そこにヤクザ仲間が訪ねて来たので、うらを買い物に出して家に招き入れます。
実は滝五郎は丁八という賭場で大儲けした人物を殺害してお金を奪っており、ヤクザはその件で彼を強請に来たのでした。
仕方なく滝五郎は大島河原で50両渡すと約束し、その話をうらが聞いていました。
ヤクザが帰った後、滝五郎とうらは「さっきはごめんね」的な雪解けムードになりました。
滝五郎はヤクザとの約束の時間になったのでうらの制止を振り切って河原に向かいました。
滝五郎は匕首でヤクザを殺害し、一方うらはさわの亡霊に誘われて井戸に飛び込みました。
彼は帰宅してうらにヤクザと丁八殺しを自供します。
うらは滝五郎の手を引いて井戸に引き摺りこみました。
エンドロールで終了です。
さわが滝五郎も引き込んだということのようです。
それともさらとうらの協力プレイだったのでしょうか?
いずれにせよ、うらはとばっちりな気がします。
さわは何で今更のように滝五郎を殺すのか良く分かりませんでした。