妖怪怒らせると怖いです 悪霊の餌食

悪霊の餌食

生家に帰ったらひどい目に遭う話

制作年 2009年
制作国 オーストラリア
監督 ブレッド・アンスティ
脚本 ブレッド・アンスティ
上映時間 81分
出演
レニー・ウィルナー
ブリジット・ネヴァール
ドーン・クリングバーグ

だいたいのあらすじ

クレア(レニー・ウィルナー)は夫のポール(ダニー・アルダー)と共に深い霧の中、彼女の実家に返って来ました。
この映画は冒頭の雰囲気がとても良いです。
ここにはクレアの祖母・ドーンと父・ビル(ピーター・ストラトフォード)と妹のジェン(タリン・エヴァ)が住んでいるのですが、なぜか留守でした。
と思ったらビルは庭で立ちションしており、その手でポールと握手します。
どうやら狐が飼っている鶏を襲ったようで、彼はその対応をしたいた模様です。
祖母は最近体調が良くないようで、若干認知症気味でもあるようです。

ビルは気のいいおじさんのようですが、コーヒーを指でまぜまぜしたりするので、ポールとは合わないようです。。
暇だったらTV観ていいよと言われたので、ポールはTVを観ようとするのですが、アンテナを動かしてもサッパリ映りませんでした。
その後、ポールは狐用の罠のレクチャーを受けたりしていました。
家の付近に広がる平野の向こうには積まれた石があるのですが、それは古い墓だそうです。
そこにジェンのボーイフレンドのシモ(マーク・テイラー)がやって来たので夕食タイムになります。

実はクレアはドーンから荷物を送られたので、その意味を尋ねる意味もあり、ここに来たのです。
ドーンはそのことを聞かれると「ビルには内緒にして、この家には近づけてはNG」と言います。
また彼女は自分が永くないと悟っており「オニール家のために嘆く婦人が私を迎えに来る」と言います。
嘆きの婦人の正体は不明ですが、絶対に邪魔をしたり危害を加えてはいけないそうです。

一方、ポールは町に買い出しに行き、ピザをつまみ食いしながら帰宅していましたが、車の前に白いドレスを着た目から黒い血を流した真っ白な女性のようなものを目撃します、
女性らしきものは車から降りて辺りを見回しているポールの後方を浮遊しながら通り過ぎて行きました。

クレアはビルにドーンが送って来た六角柱のような形の壺を見せ、これは何だろうと尋ねます。
「時が来ればわかる、大事にしなさい」というメモが付いており、ビルは骨壺ではないかと答えます。
その夜、雷が鳴り響き、稲光に照らされたドーンの幼少期の写真の中でドーンの背後に白い女性が立っていました。
また家の外で女性が悲鳴を上げるような叫び声が響いておりクレアは目覚めてしまい、ポールをゆり起こします。
ビルも起きだして来ましたが、彼にもあの声の正体は分からないそうです。

ビル、ポール、シモの男三人は外に見回りに行くことにしました。
一方、家の裏口には目から血を流した白いドレスの女が現れ、静家の中に入って来ました。
女(ブリジット・ネヴァール)は部屋を見て回っており、クレアはドーンを助けようとしますが女が来たのでクローゼットの中に隠れます。
その後、女はドーンの様子を見てそのままベランダに出ると凄まじい音量で叫び声を上げました。
クレアはベランダに居る女の背後から近づいて突き飛ばし、女は下にあった鉄柵の杭に落ちて腹を貫かれます。
女はすさまじい叫び声を上げ、平野の向こうの積まれた石が崩れました。

一方、男達は家の方で叫び声が上がっているのを聞いてUターンして戻って来ます。
その途中、ポールは積まれた石が崩れている所で躓いてしまい、足元を見ると深い穴が空いています。
なんだろうとみていると骨と皮のゾンビのようなものが現れて殺害されてしまいました。
ビルとシモは家に戻りクレア達と合流しますが、ドーンが女に連れ去れていくのを目撃し、銃を手に庭へ飛び出しました。
クレア達は警察に通報し、壁に「Damned by Dawn」と書かれているのを目撃しました。
ビル達は自分の腸で首を吊られたポールの無残な遺体を発見して息を飲みます。
その後、ドーンの助けを求める声が聞こえたので、二人は旧坑道へと入って行きました。
声に向かって進む二人の前に女の笑い声が響き、死神みたいな骸骨ゾンビが襲ってきたので回れ右して外に出ます。

骸骨ゾンビは自在に空を滑空しながら死神の鎌のような武器でシモに襲い掛かります。
ビルは骸骨ゾンビにガンガン散弾銃を撃ち、とうとうヘッドショットで撃墜しました。
しかし弾が切れたので、二人は弾丸補充のため自分達の家に向かって走ります。
ビルは家に戻り、ポールが死亡していたことをクレアに伝えました。
クレアは祖母のベッドから日記を見付けあの女の正体がバンシーであり、祖母を連れに来ていたのだと知ります。
外は明るくなってきましたが、この家の周りは霧が立ち込めていました。

シモは自分の家で弾を補充してビル達に合流しようと走って来たのですが、ビルの家付近で骸骨ゾンビに襲われて死亡しました。
今度の骸骨はフードを被っていて完全に死神です。
骸骨ゾンビは空中に浮遊したまま家の中にいるビルとクレア、ジェンを監視しているようです。
祖母の日記によるとバンシーは嘆きで死者を甦らせるそうで、あの骸骨は死者のようです。

うたた寝をしてしまったクレアが目覚めると骸骨は消えていました。
そこでシモの遺体から弾を回収して車で逃げよう!ということになり、クレアが行動を開始します。
ところが、ゾンビとなったポールが戻って来て口や腹の傷からゴキブリを吐いて嫌がらせを始めます。
更に「よくも見捨てたな!」と喋り、ビルに掴みかかったのでクレアは彼を背後から殴ります。
喋れるんですね!
父と姉がポールの相手にてんてこ舞いしているのでジェンは弾を回収しようとシモの所に走ります。
ところがシモは生きていたのでジェンは必死に引っ張るのですが、骸骨ゾンビが来て彼は回収され、ジェンは家にとんずらします。
一方、家ではポールが死人パワーでビルをボコボコにしており、ビルがグロッキーになるとクレアに襲い掛かります。
クレアは首を絞められて落とされそうになりますが、隙を見て銃床で殴りつけて倒しました。

ジェンは家に戻れず、納屋に飛び込み、それを見ていたクレアは救出に走りました。


感想

これはちょっと面白くてちょっと怖いです。
バンシーが出て来て対応手順を間違えたので大変なことになる話です。
現実離れした話なのですが、役者さんの演技と周囲の雰囲気が大変良いので、臨場感があってハラハラドキドキです。
近付いたり離れたりというカメラの動きも効果的で上手いと感じました。

前半は雰囲気が怖いのですが、後半に入ると骸骨がコミカルで少しウケます。
ちょっと理不尽な感じで、こんなのわかんねえよ!って思いました。
ドーンが認知症で無ければきちんと話もできたのでしょうが、家の中にあんなの入ってきたら私もクレアと同じことすると思います。
だってドーンはなぞなぞのようなことしか言わないのよ。

ラスト付近は失速したような気がします。
一応、前振りの説明は軽くあるのですが説明不足だと感じました。
そういう訳なので、この映画は(あそこまで酷くないですが)フルチさんの映画に似ているのかもしれません。
ちょっと死霊のはらわたにも雰囲気似てます。

バンシーちゃんは「美しい女の姿をしている」ということなのですが、メイクのせいかあんまり美人じゃなかったです。
頬っぺたの黒い血がいかにもメイクですよー、書いてますよー的でデビルマンみたいでした。

これは暇つぶしには良いのではないかと思いました。

ラストまで(ネタバレ)

クレアは納屋の入り口に着きますが、一足遅く、ジェンはバンシー一味に誘拐されたようです。
彼女が周囲を見て回ると裏口にジェンが倒れており、バンシーが側に浮遊し、上空には骸骨ゾンビが浮遊していました。
クレアはジェンを助けようと手を伸ばすのですが、バンシーが叫び声を上げるとジェンは彼等と共に消えてしまいました。
彼女は家に飛び込み、瀕死のビルを車の助手席に押し込んで警察へと向かいます。

道すがらビルはあの骨壺には代々の骨が入っているのだと教えてくれます。
ドーンも火葬されて入る予定だったのですが、クレアがバンシーを邪魔したため、筋書きが変わったようです。
怒りのバンシーを鎮めるのはクレアの生き血を啜った時だけだということで、すなわち彼女は死ぬことになります。
ビルじゃダメなんでしょうか?
車の先には凄い数の骸骨ゾンビが浮遊しており、嫌がらせにフロントガラスにタックルしてきます。
彼等は崩れると泥のようになってしまうので前が見えなくなってしまい、事故ってしまいました。
クレアはビルが骸骨くんに襲われてしまったので後部座席の骨壺を持って逃げ出します。

クレアはスタコラ森の中を逃げていたのですが、ドーンのものらしきネックレスを拾います。
更にあの坑道から「ここなら安全よ」と呼びかける声が聞こえたので、都合よく落ちていた懐中電灯を拾って中に入って行きます。
絶対罠だと思います。
声はドーンのものだったので奥に進むとドーンはゾンビに喰われており「邪魔するなって警告したでしょ」と言います。
ドーンは「お前に仲間になるのだー」と告げ、バンシー一味になったジェンもドーンと現れます。
骸骨軍団もワラワラと現れたのでクレアは坑道に響き渡るドーンの「ワッハッハッハッハ」という高笑いをBGMに回れ右して逃げ出しました。
お祖母ちゃん、「嘆きの婦人の邪魔をしてはNG」とかなぞなぞみたいなこと言われても困りますよ。

無我夢中で逃げる内にクレアは狐の罠を踏んでしまい、足にざっくりトラバサミが刺さって身動きできなくなります。
そこに完全にバンシー一味になったドーンが現れ「お前のせいで呪われたのじゃー」とクレアに圧し掛かって恨み言を言います。
クレアは妊娠しているらしく「お前のお腹の子の生き血を寄越せー」とドーンが迫って来たので、クレアは骨壺で殴って大人しくさせました。
しかしここは古い墓の付近だったのでニューカマー骸骨が地面から湧いてきているようです。
クレアはバンシーの叫びに煽られながら急いで罠を外し、ドーンをお姫様だっこしててとんずらしました。
彼女は森の中にドーンと骨壺を置き、ネックレスを外して返却します。
急いで家に戻ったクレアはガソリンを持って戻り、ドーンにガソリンをかけました。

ところが今度は骨壺が無く、探していると骨壺を持ったバンシーちゃんに殴られてクレアは後頭部を石の墓に打ちます。
遠くから叫んで煽ってくるスタイルだと思っていたのですが、物理攻撃もできるんですね。
バンシーは叫び声を上げて地底から骸骨軍団の手が伸びて来てクレアを押えます。
彼女はクレアの血をペロペロ舐めてまた叫び声を上げますが、クレアが妊娠していると気付いて目を赤くして叫びます。
すると骸骨軍団は撤収してしまい、クレアは骨壺を開けました。
中からは白い骸骨の亡霊みたいなが一杯出て来てバンシーを取り囲み、バンシーと共に壺の中に生滅してしまいました。
召喚獣のナイツ・オブ・ラウンドみたいな感じでした。
呆然とするクレアでしたが、ひとまずドーンに火を点けました。

エンドロールで終了です。

最後の意味が良くわかりませんでした。
「生き残りの血」を求めているので、子供がいたらまずいということでしょうか?
骨壺には「バンシーの苦しみが入っている」という説明があったのですが、蓋開けて召喚獣が出て来るのはちょっと説明不足だと感じました。

エンドロールの後にクレアが叫ぶショットがあったのですが、これが意味不明でした。

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