友禅が売れません 怪談夕霧楼

怪奇十三夜 怪談夕霧楼

恋人捨てたらひどい目に遭う話

制作年 1971年
制作国 日本
監督 高井牧人
脚本 国弘威雄
上映時間 48分
出演
高橋長英
小池朝雄
緑魔子

だいたいのあらすじ

過去に男に捨てられ、女郎に身を落としたお雪(緑魔子)は馴染み客の新吉と心中をすることになります。
雪がカミソリでスパッと自分の首を斬ったのですが、新吉はヒャーと逃げ出してしまいます。
お雪の人のやる気あるのか無いのか、やさぐれた感じがいい味出してます。
新吉はそのまま通りへ飛び出して行き、血まみれの雪は血の気の無い顔でカミソリを手にそれを追います。
しかし雪は橋の所で力尽き、橋の上にいた源次(高橋長英)を見て目を見開いてから息絶え、川に落ちました。
意外と雪が怖いです。
源次が帰宅すると胸の病を患う妻・お里(三条泰子)が血を吐きながら笑顔で迎えてくれました。
ご近所の虎吉(小池朝雄)が医者を呼びに行ってくれました。

源次は友禅の意匠をしているのですが、柄が暗いと言われて今日も全く売れなかったそうです。
里を診断した医師の玄庵(中村竜三朗)は五両あれば薬が買えるというのですが、年収五両の庶民には無理な相談です。
悪党の虎吉は夕霧楼という遊郭のお松(久里千春)を足抜けさせて吉原に売り飛ばそうと源次に持ち掛けます。
源次は気乗りしませんでしたが、里が首吊りをしようとしているほど思いつめているので話に乗ることになります。

数日後、源次は夕霧楼に行き、お松に段取りを説明しますが、ここは先日自害した雪がいた遊郭でした。
源次は松の終いの客になって荷物を先に降ろして虎吉にパスし、彼女を上手いこと連れ出して虎吉と合流しました。
しかし番屋の連中に見つかって予期せぬ逃走劇となってしまい、源次は連中に捕まって袋叩きにされて雪が倒れた橋に倒されます。
起き上がった彼は目つきが変わっており、突然カミソリを手に組長の首をバッサリと切り、掛かってこいと組員を挑発しました。
源次はお縄になって投獄されましたが、彼はあの橋に倒れた際に頭の中で「こいつを殺せ」という声が響いたそうです。
また彼は牢獄でいつも「お雪、お雪」とうなされていると囚人の彦作に教わります。

次の日、源次は牢番に友禅を着た女性から差し入れがあったと岡山産の桃を渡されました。
お里も面会に来るのですが、虎吉からお金を送ってもらったらしく、薬を飲んで少し良くなったようです。
また源次友禅が売れたそうで、買ったのは桃を持ってきた女性と同じような雰囲気の人だったそうです。
その後、なぜか源氏は釈放されました。

感想

これは普通です。
上方が舞台なのか、台詞は全て関西弁でした。
お話は破たん気味ですが、意外と面白いと思いました。

お雪が怖いのですが、演出というより中の人の雰囲気だと思います。
でも演出も舞台みたいで面白かったと思います。
最後の血が広がる所等が良かったと思いました。

雪はメンヘラなのか、ちょっと逆恨みな気がします。
雪が亡くなった橋のたもとには「梅の屋」という小料理屋があるようなのですが、営業妨害だと思います。

暇つぶしにはなると思いました。

ラストまでのあらすじ

奉行所を出た源氏は友禅姿の若い女性が気になって後を尾けます。
彼女は夕霧楼に姿を消したので、店の人間に特徴を話した所、お久美(嘉手納清美)を紹介されます。
なんでこの店に入ろうと思うのでしょうか。
桃を届けたのも友禅を買ったのも彼女だったのですが、なぜか源氏のことを良く知っていました。
無気味に感じる源氏でしたが、しっかりHはするのですが、背後の障子に女性の影が浮かび上がっていました。
久美は夢で源次のことを知り、なぜか誰かに操られるように桃を渡し、友禅を買ったそうです。
彼女は全て夢で見たと言いながら、源次の身の上を言い当てました。

源次は岡山の産まれで20歳の時に京都に出て丁稚奉公したそうですが、バックレたそうです。
そして久美は「自分は雪だ」と言いだしました。
源次は岡山を出る時に結婚の約束をしていた雪を捨てたそうで、そのことを恨んでいるそうです。
雪はその後、女郎として売られたということです。
彼は色々と言い訳するのですが、久美は「それは男の言い訳」と決めつけ、振り返ると雪にチェンジしていました。
そしてハスキーボイスで「わてと緒に死んでおくれやす」と迫って来ます。
源次はヒャーと逃げ出して店の外に飛び出し、あの橋の所で転んでしまいます。

源次は雪の声に誘われ、川に倒れこんでカミソリで首を斬ってしまいました。
夕霧楼は既に閉鎖しており、存在しないようでした。

だとすると久美はなんだったのでしょうか?
それはそうとしてこれは理不尽な話ですね。
捨てられたのを恨むのは分かりますが、遊郭に売られたのは源氏の所為とも言い切れないと思います。

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