犯罪社会アメリカの闇を描いた社会派映画 デス・プルーフ

デス・プルーフ in グラインドハウス

ヤバい女に嫌がらせしたらひどい目に遭う話

制作年 2007年
制作国 アメリカ
監督 クエンティン・タランティーノ
脚本 クエンティン・タランティーノ
上映時間 114分
出演
カート・ラッセル
ヴァネッサ・フェルリト
シドニー・ターミア・ポワチエ

だいたいのあらすじ

テキサス州 オースティン
アーリーン(ヴァネッサ・フェルリト)はシャナ(ジョーダン・ラッド)が運転する車でとジュリア(シドニー・ターミア・ポワチエ)と共に町へ繰り出していました。
ジュリアは「ジャングル・ジュリア」と名乗り、地元では有名なDJだそうです。
彼女達は男の話やマリファナの話、今夜湖ぼ別荘に行く話等で盛り上がり、町中でジュリアの看板を見付けると奇声を上げるという儀式を行いながらダイニングに立ち寄るのですが、不気味な車が後を尾けているようでした。
アーリーンはジュリアが「セクシーな男に詩を朗読されるとラップ・ダンスを踊る女・バタフライ」として番組でネタにしていたことを知りました。

アーリーン達はバー「テキサス・チリ・パーラー」で飲めや歌えやのバカ騒ぎをしていましたが、あの車はこの店にも尾けてきたようです。
陽気な店主を監督がノリノリで演じてます。イーライ・ロスさんもいました。
店の外で一服していたアーリーンは男友達のネイトから俺の車でセックスさせろ!と懇願されたので「6分だけならOK」と土砂降りの雨の中をネイトの車に向かいました。
一方店の男達はどうにかしてジュリア達を酔い潰して湖の別荘に同行しようと算段していましたが、カウンターには汚い食べ方でピザを食べている顔に傷があるカウボーイ風のダサい服を着た男(カート・ラッセル)がいました。
男はカウンターでブロンドのパム(ローズ・マッゴーワン)を「帰りに送ってやるぜ」とナンパして「俺はスタントマン・マイクだ」と名乗りました。
マイクはジュリアの幼馴染だったというパムから「あいつは12歳の頃からあの身体でいじめっ子、有名人が好き」と聞き出しました。
彼はジュリアの写真を車に飾っていたのですが、なぜか知ないふりをして仕事何してんの?とジュリアに話し掛け、ジュリアは歌手を目指してDJやってるとこたえました。
ジュリアはこの店で映画監督のクリスと会う約束をしていたのですが、振られてしまいジュリア達は飲みまくってベロベロになります。

マイクはアーリーンに話し掛け合言葉の詩を朗読してラップダンスを踊れと強要しますが、ジュリアサイドはもう
踊ったからとバレバレの嘘を吐いて拒否します。
彼は閻魔帳のようなナゾのノートを出して「じゃあお前のこと腰抜けって書くわ」と挑発し出し、アーリーンはラップダンスを踊ることにします。
ラップダンスというのは椅子に座った男性に向かってお尻をフリフリしたり、膝の上に座って挑発したりするHなダンスのようで、アーリーンはメキシコを連呼するヘンな歌に合わせて踊りました。
尚、アーリーンはマイクの車を何度か見かけていたので「お前、うちらの後尾けてるだろ?」という問いには「ふーん、偶然じゃない」とマイクはとぼけていました。

ということでお開きになり、パムはマイクの車で送ってもらうことになりますが、彼の車はボンネットに海賊みたいな髑髏が描いてあって嫌な感じです。
この車はカースタントマン用の「デス・プルーフ(耐死仕様)」だそうで「時速200Kmでレンガの壁に突っ込んでも死なないんだぜ」とマイクは自慢してました。
助手席がガラス張りでシートが世紀末なデザインの金属製サドルみたいなものだったのですが、まあいっかとパムは乗り込みます。
どうやらマイクはサイコだったらしくパムのお家の方向には送らず、散々乱暴運転をしてパムを車の壁等にぶつけ、終いには急停車して頭を強打させて殺害しました。
そんなことは夢にも知らないジュリア達はラナ・フランクの車で送ってもらっていたのですが、無灯火でマイクの車が突っ込んできました。
彼の車はジュリア達を全員殺すまで何度も何度も執拗に突っ込んできたので、ジュリア達は吹っ飛んだり、バラバラになったり、タイヤに顔面を削られたりと悲惨な死を迎えます。
マイクの車も無事では済まず、横転して逆さまになりました。

マイクは大怪我を負ってセクシー女医ダコタ(マーリー・シェルトン)の病院に収容されますが、公には事故として扱われました。
ダコタの父でレンジャーのアール(マイケル・パークス)はマイクはセックスの代償に快楽を得るためにジュリア達を殺害したのだろうと睨みました。
しかし法で裁けない以上はさっさと出て行って欲しいというのがアールの考えでした。

テネシー州 レバノン 14か月後
どうやらマイクは回復したようで違う車でこの町に来ており、駐車場にいる三人組の女性をマークしていました。
彼女達はアビー(ロザリオ・ドーソン)、キム(トレイシー・トムズ)、リー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)でニュージーランドから来るゾーイ(ゾーイ・ベル)を空港に迎えに行く道中でした。
ホラー系の受有さん一杯出てますね。リーの人は好きです。
マイクは早速、後部座席の窓から投げ出していたアビーの足の臭いを嗅いだり、舐めようとする変態行為をしていました。
その後、バレそうになると白々しく落としていた鍵をここで見つけました的な演技をして引き揚げます。
素足でブーツ履いてたので臭かったと思います。堂々と変態行為していてウケます。
マイクはその後も彼女達の後を尾けて隠し撮りをしていました。
空港でゾーイと合流した彼女達は映像業界で働いているようで、アビーはヘアメイク、キムとゾーイはスタント、リーは女優だということで、皆は休暇が取れたので集まったそうです。
皆はセックス談義やらゾーイは身体能力高い脳筋みたいな話やキムが護身用に銃を持っている話で盛り上がります。
リーは天然らしくニュージーランド人にオーストラリア人というと激おこされるというジョークに引っ掛ってました。会話が面白くてウケます。
ゾーイは1970年型のダッジ・チャレンジャーという車にどうしても乗りたいらしく「バニシング・ポイント」という映画がアメリカ最高傑作だと熱く語りました。
彼女はレバノンの地元紙をチェックしており、売り出し中だというその車を試乗させてもらおうという魂胆のようです。

ということでその家に着き、農家のおじさんからその車を見せて貰ったゾーイは感動してキムに「シップ・トップ」という技をやりたい!と言い、強硬に反対されますが、アメリカに滞在している間、奴隷になるという条件で承諾されます。
なにやら危険な技らしくアビーに「リーと待っててね」とお願いしたのですが、彼女は「はるばる農家まで連れて来られて怒りの葡萄の相手かよ」とブチ切れられます。
怒りの葡萄で爆笑しました。
アビーは私があのおじさんに試乗を説得したら一緒に連れてけと要求し、承諾されました。
おじさんはチア・リーダーの恰好したリーを人質に置いていくという条件が気に入ったらしく三人だけの試乗を許可しました。
おじさん「チアリーダー映画って何?」アビー「チアリーダー映画!」お腹痛いです。
ついでにリーはポルノに出演してるということにされてます。


感想

これは面白いです。ラッセル映画です。
車を使用した快楽殺人者とスタントマンの女性が出会って対決するという内容です。
二部構成になってるみたいで、前編が黎明編で、マイクの犯行の大まかな説明が彼の行動やアールの台詞で説明されます。
後編が激闘編でゾーイ達との出会いと戦いを描いています。
前後編共にテンポの良い会話がポンポンとやり取りされる間にシーンが切り替わる感じで面白いです。

車を利用して快楽を得るというのが珍しくて面白いですね。
系統は全然違いますが、クローネンバーグ先生のクラッシュも事故に快楽を見出す人達が描かれてました。

グラインドハウス二作はプラネット・テラーの方が好きなのですが、映画としての完成度はこちらの方が上だと感じました。
プラネット・テラーは制作サイドに付き合わされてる感を強く出してますが、今作は筋を通してグイグイと引っ張る感じでした。
ツッコミどころが多いのが共通点だと思います。
後編のカースタントのスピード感は凄いです。
シップ・トップとかいう技の時点で相当ヤバかったのですが、更にヤバいことになってます。
マイクの車はいつも不気味な感じなのですが、前にアヒルみたいなエンブレムが付いてました。
あれは何なのか。

マイクの人は今回、変態役なのですが、やっぱり所々で可愛かったです。
心なしか本人も楽しそうな気がしました。
殺されるのは嫌だけど足くらいだったら嗅がせてもいいかなと思いました。
ゾーイの人は同じ人類とは思えませんでした。
両チームともぶっ飛んでるので、終始笑ってしまってどちらを応援していいものやら。

これは面白いので暇つぶしにはとても良いと思いました。

ラストまでのあらすじ

ということで何も知らないリーが怒りの葡萄の相手をしている間にゾーイ達は意気揚々と試乗会に出発しました。
カーブの手前に来たゾーイとキムは細かく打ち合わせを始めました。
そして車のサイドの窓にベルトを通して車を出すのですが、ゾーイは全開にした窓から車の上に移動し、ベルトを両手で持って仰向けにボンネットに寝そべりました。
これが危険技シップ・トップの正体だったようで、運転する側も大変そうでキムは緊張した顔をしています。
ゾーイは終始楽しそうに奇声を上げており、おもったよりアビーも楽しうでした。
しかしその様子を実に楽しそうに双眼鏡で見ていた変態男マイクも車を出して彼女達の追跡を開始しました。

キム達の背後からマイクの車がタックルして来たので、ゾーイはバランスを崩し、ベルトを片方離してしまいます。
不安定に上下左右に揺れて振り落とされそうになるゾーイにお構い無くマイクは横からもタックルを仕掛けます。
ゾーイはとうとうグローブだけでボンネットにしがみ付いている状態になりますが、マイクは並走しながら「もっとか!どうだ!」と叫びながらタックルして来ました。
ゾーイはギリギリでボンネットの前にしがみ付いている状態になりますが、カーブの分岐点でマイクがコーナリングのタイミングを誤ったので両者は左右に分かれました。
マイクは「楽しかったぞ!ざまあみろ」的なことを叫ぶのですが、すかさずキムが発砲したので退散しました。
ゾーイは急停車したので前方の草原に飛ばされていまたが、かすり傷一つ負わずに笑顔で戻ってきました。
車ボロボロになったので、おじさんに四人共肥料にされそうです。

ゾーイは笑顔で「あいつ殺そうぜ」と提案し、二人共同意しました。
そしてゾーイは発進した車の窓の所に腰掛けて鉄パイプを振り上げて雄たけびを上げました。
その頃、マイクは肩を撃たれたので、車を停めてバーボンを傷口にかけ、泣き叫んでいました。
この情けなさが最高です。
そこにキムの車がタックルして来て、ダーッと走り寄ったゾーイに鉄パイプで所かまわず連打されます。
マイクは泣きながら車を出しますが、キム達は見事なチームワークで艦載機のようにゾーイを収容し、奇声を上げながら追いかけます。
マイクは涙目で逃げるのですが、キム達はオラオラと何度もタックルして来ます。
これ本当に面白いです。キムも相当で、アビーとゾーイも大爆笑してます。
一般道に出た二台は他の車両を巻き込みながら激しいカーチェイスを続け、マイクは小動物のような目になって来ました。
並走された際にゾーイから「どんな気持ち?」的なことを聞かれたマイクは「ごめんなさい、ふざけてただけなんです」とのたまい、容赦なくタックルされます。
カッコいいBGMが流れてました。
その後もチェイスを続け、ようやく引き離したと思ったマイクは高笑いするのですが、側道から飛び出してきたキム達に側面をタックルされて吹き飛びました。
マイクは運転席で「ごめんなさーい」と泣き叫ぶのですが、男らしく歩み寄った三人に運転席から引きずり出され、タコ殴りにされ、ゾーイの後ろ回し下痢でノックアウトされました。
三人はバンザイして飛び上がり、「THE END」のマークがババーンと出ました。
これ「終劇」とか「劇終」とか出たらカンフー映画ですよね。

エンドロールで終了です。

以暴易暴、キチガイでキチガイを制すという恐ろしい映画でした。
でも凄くスカッとしましたね。エンドマークの後にアビーが踵落とし決めてました。
エンドロールの間に女性の写真が沢山出てたので、今までのマイクの犠牲者だと思います。

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